- 107 -
研究ノート司書課程との連携による レポートライティングサポート
(文献検索支援)の試行
―受講生へのアンケート調査をもとに―
Research Note on Report Writing Support as the Library Service Collaborated with Librarian Course
: Based on a Questionnaire Survey for Students
山 口 真 也
1. はじめに・問題意識
筆者は、勤務する沖縄国際大学図書館が実施している「レポートライティング サポート」の企画・運営に、司書課程専任教員という立場から一部関わりを持た せてもらっている。
沖縄国際大学図書館での「レポートライティングサポート」というサービスは、
主に学部学生を対象とした学習支援プログラムの
1
つとして、2013
年度後期か ら実施されている取り組みであり、2016年度で4
年目を迎え、2017年度も実施 される予定となっている。この支援事業は
2
つのコースに分かれており、レポートの書き方を大学院生が 教える「レポート作成支援」と、レポートを書くための文献収集を補助する「文 献検索 ( 支援 )」によって構成されている。こうした支援事業は、一部の大学図 書館では、年間を通して行われているところもあるが、沖縄国際大学図書館では、レポート作成時期に合わせて、前期は
7
月中旬から8
月上旬、後期は1
月中旬か ら2
月上旬というスケジュールで実施されている。図1
は2016
年度のスケジュー ル ( ポスター告知段階でのスケジュール ) である。筆者が司書課程専任教員として主に関わりを持たせてもらっているコースは、
「文献検索 ( 支援 )」であり、具体的には、①支援者の推薦 ( 司書課程受講中の
4
年生から2
名を推薦ⅰ)、②支援者への事前のレクチャー ( 支援者用マニュアル- 108 -
の作成・支援に同席してのアドバイス )、③支援後の情報共有 ( 反省会の実施 )、
といった関わりを持っている。また、こうしたサポートは、大学院生が行うとこ ろもあるようだが、沖縄国際大学には図書館情報学を専攻できる研究科が存在し ないため、文献検索支援コースについては、司書課程受講中の
4
年生から支援者 を選出している。この支援者に対しては、単なるアルバイトではなく、これまで に学んだ図書館情報学の「実習」の場として意識づけるように指導することで、本支援事業と司書課程との連携をより深めるようにしている。
沖縄国際大学図書館でのレポートライティングサポート ( 文献検索支援 ) につ いては、開始後
1
年間の取り組み ( 導入経緯と初年度の効果 ) を、『沖縄県図書 館協会誌』第18
号にⅱ、そして、その2
年後の取り組み ( 到達点と課題 ) を同 誌第20
号にて紹介しているがⅲ、2016
年度前期と2016
年度後期については、サ ポート受講者に対して、受講後にアンケート調査を実施し、サポート内容に対す る評価をより詳細に確認することとした。また、2016
年度後期には1
年間のサポー トを終えた支援者2
名への簡単な聞き取り調査も実施し、支援者の立場からみた サポート事業への評価や課題を把握している。本稿では、これまでの沖縄国際大 学図書館でのレポートライティングサポート ( 文献検索 ) の活動を振り返りつつ、アンケート・聞き取り結果からみえてくる今後の支援事業の課題を考察してみたい。
2. 文献検索支援プログラムの実施状況 2.1. 開設時間・受講状況
右図に示した通り、
2016
年度のレポートライティングサポート ( 文献検索支 援 ) は、7月中旬から8
月上旬、1月中旬から2
月上旬にかけて実施されている。1
回あたりのサポートの時間は2
時間に設定されている。ただし、この日程はあ くまでも募集段階のものであり、実際には受講希望がない日があったり、反対に 受講希望が殺到して別日を設定したりすることもある。開設時間については、2016年度よりも前は「17時」で統一していたが、沖縄 国際大学では
5
時間目の授業が17
時50
分までであることから、前年度までの利 用状況を確認し、曜日によっては、開始時間を18
時にずらして、20時まで実施 する形をとっている。なお、文献検索支援コースとレポート作成指導コースはそ れぞれ別々のコースとなっており、文献検索の支援を受けた学生がレポート作成 指導を受けなければならない、と決められているわけではない。- 109 -
前期の文献検索支援コースは7
月21
日 ( 水曜日 ) からスター トし、8
月3
日 ( 水曜日 ) まで、合計
7
回実施し、最大4
名を1
~
2
名の支援者で対応する、と いう形をとっている。受講者数 の合計は23
名であり、うち1
名は受講後にレポートのテーマ を変更したため、期間内に2
回 受講している。後期の支援は、
1
月17
日 ( 火 曜日 ) からスタートし、2月10
日 ( 金曜日 ) まで、全14
回実 施し、最大6
名を1
~2
名の支 援者で対応している。受講者の 合計は47
名であり、前期後期 を合計すると、2016
年度は70
名 ( 延べ数 ) の利用があったこ とになる。上述のように、本支援事業は、受講者の希望により実施が決定するため、前期 は当初予定していた回数 (9回 ) よりも少ない実施回数 (7回 ) であり、後期は予 定していた回数 (12回 ) よりも多い回数 (14回 ) となっている。この事業は、年 間予算 ( サポート事業全体で人件費
40
万円 ) 内で実施されているため、希望者 数に合わせて、前期分を後期分にまわして対応している。本学の全学部学生 ( 約
5,500
名 ) に占める割合は依然として小さいものの、支 援をスタートした当初の2013
年度後期は16
人、2014年度前期が8
人しか受講 していなかったことを考えると、着実に受講者は増えてきている。2.2. 支援プログラムの概要
サポートを行う場所は、沖縄国際大学図書館
2F
に設置されたグループ学習室 ( ガラス張りの小部屋、3テーブル12
名収容可能 ) の一室とし、図書館内で借り【2016年度(前期)開講スケジュール】
日程 時間 コース 定員 申込締切
7月19日(火) 17:00~19:00 文献検索 4名 7/14(木)
7月20日(水) 18:00~20:00 レポート作成指導 4名 7/15(金)
7月21日(木) 17:00~19:00 文献検索 4名 7/16(土)
7月22日(金) 18:00~20:00 レポート作成指導 4名 7/17(日)
18:00~20:00 文献検索 4名
18:00~20:00 レポート作成指導 4名
18:00~20:00 文献検索 4名
18:00~20:00 レポート作成指導 4名
18:00~20:00 文献検索 4名
18:00~20:00 レポート作成指導 4名
18:00~20:00 文献検索 4名
18:00~20:00 レポート作成指導 4名
18:00~20:00 文献検索 4名
18:00~20:00 レポート作成指導 2名
8月1日(月) 17:00~19:00 文献検索 4名 7/27(水)
8月2日(火) 18:00~20:00 レポート作成指導 4名 7/28(木)
8月3日(水) 17:00~19:00 文献検索 4名 7/29(金)
8月4日(木) 18:00~20:00 レポート作成指導 4名 7/30(土)
【2016年度(後期)開講スケジュール】
日程 時間 コース 定員 申込締切
1月17日(火) 18:00~20:00 文献検索 4名 1/13(金)
17:00~19:00 文献検索 4名 1/13(金)
18:00~20:00 レポート作成指導 4名 1/13(金)
1月19日(木) 17:00~19:00 レポート作成指導 4名 1/16(月)
1月20日(金) 17:00~19:00 レポート作成指導 4名 1/17(火)
17:00~19:00 レポート作成指導 4名
18:00~20:00 文献検索 4名
17:00~19:00 文献検索 4名
18:00~20:00 レポート作成指導 4名
1月25日(水) 18:00~20:00 文献検索 4名 1/20(金)
17:00~19:00 レポート作成指導 4名
18:00~20:00 文献検索 4名
17:00~19:00 レポート作成指導 4名 18:00~20:00 レポート作成指導 4名 17:00~19:00 レポート作成指導 4名
18:00~20:00 文献検索 4名
17:00~19:00 文献検索 4名
18:00~20:00 レポート作成指導 4名
2月6日(月) 17:00~19:00 文献検索 4名 2/1(水)
17:00~19:00 文献検索 4名
18:00~20:00 レポート作成指導 4名 17:00~19:00 レポート作成指導 4名
18:00~20:00 文献検索 4名
2月10日(金) 17:00~19:00 文献検索 4名 2/6(月)
7月28日(木) 7/23(土)
7月29日(金) 7/24(日)
7月25日(月) 7/20(水)
7月26日(火) 7/21(木)
7月27日(水) 7/22(金)
1月18日(水)
1月23日(月) 1/18(水)
1月24日(火) 1/19(木)
1月26日(木) 1/20(金)
1月27日(金)
1月30日(月) 1/24(火)
1月31日(火) 1/25(水)
2月8日(水) 2/2(木)
2月9日(木) 2/3(金)
図 1 レポートライティングサポートの日程
- 110 -
ることができるノート
PC
( 無線LAN
に繋がっている ) を受講者の人数分準備、実際に受講者に各種データベースを検索してもらうようにしている。
支援者
2
名にはあらかじめ筆者が作成した「マニュアル」を手渡し、次のよう な手順で進めるように伝えている。まず、①授業名、担当者名、レポートのテーマ、題材などを確認し、辞書事典 のまとめでよいのか、専門書や雑誌論文を読むことが求められているのか、新聞 記事、雑誌記事など最新の事例や統計的な情報をおさえる必要があるのか、といっ た、レポートの種類ごとに必要な文献の種類・範囲を判断する。
その上で、②本学図書館の
OPAC
、近隣図書館のOPAC
、雑誌論文、雑誌記事、新聞記事の各種データベースの検索方法やキーワードの指定方法をレクチャーす る。この時、注意してレクチャーしてもらうようにしているのは、図書館の情報 源が備える「多様性」である。同じテーマを扱う言論であっても作者の立場によっ て意見はさまざまであるし、事実の報道であっても、発信する情報元の立場によっ て、主張される論点が変わったり、強調されるポイントが変わったりすることは 決して珍しいことではない。インターネット検索ではその瞬間に世論に支持を受 けている言論や事実が上位に表示され、学生のレポートでもそれらのいくつかを 参照しただけものが多いが、図書館の情報源は多様性を尊重する形で収集・整理 されているという利点がある。支援者には、自分自身の意見を書くレポートにお いても、事実情報を正確に調べるレポートにおいても、1つの文献だけでなく、
多様な文献に触れるようにレクチャーしてもらっているのである。具体的には、
辞書事典類を調べる場合にも、たまたま最初に見つかった
1
冊だけを見るのでは なく、できる限り複数の辞書事典を調べて、その読み比べを行った上で、その事 実を説明する上で重要な事項 ( 共通する事項 ) を重点事項としておさえるように したり、あるいは、OPACで見つかった1
冊の図書を手に取る際にも、同じ分 類番号や近い分類番号 ( 上位分類、下位分類 ) の図書も手に取るようにアドバイ スしたりする、という方法であるⅳ。最後に、③必要な文献がデータベース等から見つかったら、実際にその資料が 所蔵されている排架場所へと支援者が受講生を案内し、④それらのコピーをすま せてから、⑤引用文献や参考文献として記載する上での出典の書き方を説明する。
③については、実施当初はそれほど重視していなかったのだが、実際に筆者が担 当する授業において、ライティングサポートを受けた学生のレポートを評価する
- 111 -
際に、紹介してもらったはずの文献がきちんと読まれていない、参考文献として 挙がっていないことに気が付いたことから、図書以外の資料については排架場所 の把握が意外に難しいのではないか、と考えて取り入れてみたものである。また、
④のコピーについては、学生の経済事情も考慮し、筆者が大学から支給されるコ ピーカード (
1
年間3,000
枚のコピーが可能 ) を支援者にあらかじめ手渡してお き、それを使ってコピーするようにしてもらっている。雑誌や年鑑・年報類のバッ クナンバーが置かれた集密書架など、利用者が少ない場所であれば、「シャッター 音を消す」「資料を傷めない」というマナーを説明した上で、受講者が所持する スマートフォンなどでの撮影も、著作権法の範囲内で認められているという解釈 を伝えて、受講生自身の判断で撮影してもらうようにもしているⅴ。なお、
2016
年度の支援者2
名はいずれも図書館情報学ゼミに所属し、卒業論 文も図書館をテーマとしているため、受講者のレポートのテーマが図書館情報学 に関わるものであった場合には、個人的な研究経験を活かして、各種データベー スではヒットしない ( しづらい ) 学会予稿集や研究集会の記録集ⅵ、さらに、県 内各地の図書館の年報や図書館だより、といった地域資料 ( 灰色文献 ) も紹介す るように指示し、文献の範囲をさらに広げるようにしてもらった。3. 文献検索支援プログラムの評価―受講者へのアンケート調査より 3.1. 調査の実施方法
1.で述べた通り、2016年度に実施した文献検索サポートについては、受講者 の満足度と今後の課題し、支援プログラムとサービスの向上につなげるべく、図 書館担当者の了解の下で、受講生を対象とするアンケート調査を実施することと した。調査期間は、前期については
2016
年9
月8
日 ( 木曜日 ) から10
月7
日 ( 金 曜日 ) までの約1
ヶ月間、後期については2
月17
日 ( 金曜日 ) から3
月16
日 ( 木 曜日 ) までの約1
か月間と設定したⅶ。アンケートの呼びかけについては、受講者名簿を図書館担当者より借り受け、
筆者から直接、学籍番号が
ID
として使われているメールで連絡して協力を依頼 することとした。サポートの受講者名簿を、司書課程専任教員とはいえ、図書館 職員ではない「外部」の立場にある筆者が入手することについては、「図書館の 自由」、特に、プライバシー保護の観点からは問題があるという指摘もあるだろ うが、前期については支援者がまだ不慣れであるということから、筆者もできる- 112 -
だけ同席してサポートを行うようにしたこと、また、後述するように、受講者の 大半が筆者の授業でのレポート課題作成のために支援を受けていること、そして 筆者の授業を受講していない受講生については、本人の同意の上で、筆者がサポー トに同席していたということを確認の上、名簿を提供していただいたことを付記 しておきたい。
アンケートは、回答率を高めるために、インターネット上の「Google」のフォー ム機能ⅷを用いて作成した ( 図
2
)。また、スマートフォンでも簡単に回答できる 形式とした ( 図2
下段右 )。前期は23
名中17
名が回答を寄せており、回答率は73.9
%、後期は47
名中33
名が回答を寄せ、回答率は70.2
%となった。なお、本支援プログラムに対する評価を把握するための方法としては、上記の アンケートの他に、支援者
2
名に対する簡単なインタビュー ( 聞き取り調査 ) も 実施している。調査は後期のサポートが全て終了した、2017年2
月21
日 ( 火曜 日 )13
時から、支援者2
名同時に、30
分ほどの時間をかけて実施し、アンケー ト調査の結果からは把握しづらい利用者の様子や支援者の問題意識についていく つか質問している。本稿ではアンケート調査結果の補足資料として、この聞き取 り結果の一部も交えて紹介していきたい。3.2. 回答者のプロフィール ( 学年・司書課程受講状況 )
アンケートの
Q1
では、ライティングサポートの文献検索支援パートを受講し た回答者の学年を、Q2では司書課程の受講状況を確認している。グラフ
1
に示した通り、前期の受講者は2
年生が 13 名と圧倒的に多く (76.5
% )、3
年生は3
名 (17.6% )、1年生は1
名 (5.9% ) という結果であった。後期は1
年 生が30
名 (90.9
% ) に達し、2
年生は3
名 (9.1%
)、それ以外の学年の受講はなかった。5
筆者の授業でのレポート課題作成のために支援を受けていること、そして筆者の授業を受講し ていない受講生については、本人の同意の上で、筆者がサポートに同席していたということを 確認の上、名簿を提供していただいたことを付記しておきたい。
アンケートは、回答率を高めるために、インターネット上の「
(
図2)
。また、スマートフォンでも簡単に回答できる形式とした(
図2
下段右)
。 前期は23
名中17
名が回答を寄せており、回答率は73.9
%、後期は47
名中33
名が回答を寄 せ、回答率は70.2
%となった。なお、本支援プログラムに対する評価を把握するための方法としては、上記のアンケートの 他に、支援者
2
名に対する簡単なインタビュー(
聞き取り調査)
も実施している。調査は後期の サポートが全て終了した、2017
年2
月21
日(
火曜日)13
時から、支援者2
名同時に、30
分ほ どの時間をかけて実施し、アンケート調査の結果からは把握しづらい利用者の様子や支援者の 意識をいくつか質問している。本稿ではアンケート調査結果の補足資料として、この聞き取り 結果の一部も交えて紹介していきたい。3.2. 回答者のプロフィール(学年・司書課程受講状況)
アンケートの
Q1
では、ライティングサポートの文献検索支援パートを受講した回答者の学 年を、Q2
では司書課程の受講状況を確認している。グラフ
1
に示した通り、前期の受講者は2
年生が圧倒的に多く(76.5
%)
、3
年生は3
名(17.6
%)
、1
年生は1
名(5.9
%)
という結果であった。後期は1
年生が30
名(90.9
%)
に達し、2
年生は3
名(9.1%)
、それ以外の学年の受講はなかった。司書課程の受講者の人数については、後期は
33
名全員が「司書課程受講生」と回答し、前 期については15
人(88.2%)
が「司書課程受講生」であると回答、「司書課程受講生中以外」と 回答した一般学生はわずか2
名(11.8
%)
という結果となった。受講生の学年に、時期によって大きな違いがある理由は、筆者が担当している科目の中で、
ライティングサポートを受講するように呼び掛けていることが影響していると考えられる。前 期にサポートを推奨している科目は「図書館サービス概論」であり、カリキュラム上、
2
年生1
30
31 13
3
16
3 3
0%
20%
40%
60%
80%
100%
前期 後期 合計
グラフ1 回答者のプロフィール (n=50)
1年生 2年生 3年生
15 33 48
2 2
0%
20%
40%
60%
80%
100%
前期 後期 合計
グラフ2 回答者の司書課程受講状況 (n=50)
司書課程受講生 司書課程受講生以外
- 113 -
図 2 Google フォームを利用したアンケート回答画面
- 114 -
司書課程の受講者の人数については、後期は
33
名全員が「司書課程受講生」と回答し、前期については
15
名 (88.2%) が「司書課程受講生」であると回答、「司 書課程受講生以外」と回答した一般学生はわずか2
名 (11.8
% ) という結果となっ た。受講生の学年に、時期によって大きな違いがある理由は、筆者が担当している 科目の中で、ライティングサポートを受講するように呼び掛けていることが影響 していると考えられる。前期にサポートを推奨している科目は「図書館サービス 概論」であり、沖縄国際大学のカリキュラム上、2年生以上が受講できる科目と なっている。また、後期にサポートを推奨する科目は「図書館情報資源概論」で あり、「図書館概論」とともに司書課程科目の導入として位置づけられているた め、
1
年生から受講するように推奨している。そのことは、Q2
の司書課程受講 生であるかどうか、という設問において、後期は全員が「司書課程受講生」と回 答しているのに対して、前期は「司書課程受講生以外」と回答していることにも 反映されているようである。今回、ライティングサポートの受講を推奨した上記 の2
科目はいずれも、司書資格科目であると同時に、学科の専門科目であり、司 書を目指す学生以外も受講できることになっている。1年生後期の段階では、自 分自身を「司書課程受講生」と認識しつつも、2
年生前期の時期になると、様々 な事情から、科目の単位は取得したいが、司書を目指さない学生も現れてくるた め、こうした結果が生じたのだろう。受講後に入手した名簿によると、「司書課程受講生以外」と回答した前期受講 生の
2
名のうち、1
名は筆者が担当する司書課程科目の受講生であると思われる が、もう1
名は司書課程科目とは無関係にサポートを受講した学生であった。文 献検索サポートも含め、レポートライティングサポートは、当然のことながら、全学学生が受講可能であり、実施開始の
2、3
週間前から広報されている。上述 のように、サポート開始当初と比べると受講者数が増加している兆しは見られる ものの、まだまだ幅広い学生層からの利用を呼び込むまでには至っていない。有 体に言えば、現状としては、「司書課程受講生による、司書課程受講生のための サポート」となってしまっている面も否定できないのである。もちろん、大学図 書館が司書を目指す学生をターゲットとして、図書館機能を活用して手厚いサー ビスを行うことにも大きな意義はあるし、そうした形での図書館と司書課程の「連 携」もあってもいと筆者は考えている。しかしながら、限られた学内予算を使っ- 115 -
て行う学生サービスのあり方としては、公平性の観点から見れば望ましい状態で はないという見方もできるだろう。「司書課程受講生支援」にとどまらず、幅広 い学部学生への「学習支援」という本来の目的を十分に果たす上では、受講者層 の拡大が急務と言えるだろう。
3.3. 受講動機 ( 積極的な動機・消極的な動機 )
アンケートでは
Q3
として、今回の文献検索サポートを受講しようと思った きっかけ・理由を確認している。その結果をまとめたものが、次のグラフ3
であ る ( 複数回答可 )。このグラフからわかるように、最も多く選択された項目は「文献検索のスキル を高めたかったため」であり、全体の
31
名 (62.0
% ) が選択している。この選択 肢を含めて、上位4
つの動機には前期・後期とも大きな差はないものの、この4
つの動機について、「文献検索のスキルを高めたかったため」「たくさんの文献を 集めて、良いレポートを作成したかったため」「レポートに必要な資料がなかなか 見つからなかったため」を「積極的な受講動機」、「サポートを利用することによ り成績が加点されるため」を「消極的な受講動機」とそれぞれ捉えると、消極的 な動機が、積極的な動機と同等か、それ以上の値を示している点はやや気にかかる。この結果を前期・後期に区分してみると、前期のグループでは、消極的な動機 である「サポートを利用することにより成績が加点されるため」を選択した受講 生が
17
名中8
名 (47.2% ) と、母数に対してそれほど多いわけではないのに対 して、後期はこの項目を選択した受講生が最も高い値を示してしまっている (33
名中21
名、63.6% )。消極的な受講動機を単独で選択した受講生は、前期は 0
名、後期は
2
名 (6.1%、いずれも1
年生 ) と、回答数そのものは少なく、大半は他の8
この結果を前期・後期に区分してみると、前期のグループでは、消極的な動機である「サポ ートを利用することにより成績が加点されるため」を選択した受講生が
17
名中8
名(47.2
%)
と、母数に対してそれほど多いわけではないのに対して、後期はこの項目を選択した受講生が 最も高い値を示してしまっている(33
名中21
名、63.6
%)
。消極的な受講動機を単独で選択し た受講生は、前期は0
名、後期は2
名(6.1
%、いずれも1
年生)
と、回答数そのものは少なく、大半は他の積極的な動機と複数回答が大半であった点には胸をなでおろしつつも、「強制されな ければ受講しない」という意識が
1
年生の中に存在するように思われる点には、本プログラム を司書課程受講生だけでなく、幅広い学生に向けてアピールする上で、再検討するべき論点が 含まれているように思われる。「自分も
4
年生になったら支援者を(
として)
勤めてみたいため」という項目は、ライティン グサポートを沖縄国際大学図書館の事業として取り入れる際に、先行例として筆者が取材を依 頼した九州大学附属図書館にて、サポートの支援者が図書館員(
司書)
ではなく、在学生(
九州大 学では大学院生)
が務めることによって、受講者にとっての「ロールモデル」を得ることができ る、というメリットがあると知らされていたことから、選択肢の一つとして設定したものであ る。後述するアンケート
Q6
の、サポートに対する要望の中でも、「文献検索以外の相談の受付(進 路相談など)」を選択した受講生が全体で16
名(32.0
%)
に達していることから、先行事例で示 されている通り、レポートライティングサポートを、学生にとって身近な存在が支援すること による効果は十分にあると考えられるのだが、Q3
において、「自分も4
年生になったら支援者 を(
として)
勤めてみたいため」を選択した受講生は前期・後期とも確認できなかった。もちろ ん、この設問は受講前の段階での動機を確認していることから、実際にサポートを受けてみて、司書課程の先輩と触れ合うことで、司書課程での学びの意欲を高めたり、支援者になるという 目標をもつことができたりした可能性もあるが、同じ司書資格科目のレポートのために受講し ているため、
2
年生前期の受講者の中には、1
年生後期にサポートを受けた学生も一定数含ま れている。回答者の多くが2
年生であったことが影響しているからか、支援者の立場に自分自 身を置きかえるイメージはまだまだ生まれづらいようである。12 8 8 9 0
8 1
19 21 20 20 11
0
31 29 28
29 19
1
0 5 10 15 20 25 30 35
文献検索のスキルを高めたかったため サポートを利用することにより成績が加点されるため たくさんの文献を集めて、良いレポートを作成したかった…
レポートに必要な資料がなかなか見つからなかったため 自分も4年生になったら支援者を勤めてみたいため 図書館業務を学ぶ機会になるため その他
グラフ3 受講動機 (n=50)
合計 後期 前期
- 116 -
積極的な動機との複数回答が大半であった点には胸をなでおろしつつも、「強制 されなければ受講しない」という意識が
1
年生の中に存在するように思われる点 には、本プログラムを司書課程受講生だけでなく、幅広い学生に向けてアピール する上で、再検討するべき論点が含まれているように思われる。「自分も
4
年生になったら支援者を ( として ) 勤めてみたいため」という項目は、ライティングサポートを沖縄国際大学図書館の事業として取り入れる際に、先行 例として筆者が取材を依頼した九州大学附属図書館にて、サポートの支援者が図 書館員 ( 司書 ) ではなく、在学生 ( 九州大学では大学院生 ) が務めることによっ て、受講者にとっての「ロールモデル」を得ることができる、というメリットが あると知らされていたことから、選択肢の一つとして設定したものである。
後述するアンケート
Q6
の、サポートに対する要望の中でも、「文献検索以外 の相談の受付(進路相談など)」を選択した受講生が全体で16
名 (32.0% ) に達 していることから、先行事例で示されている通り、レポートライティングサポー トを、学生にとって身近な存在が支援することによる効果は十分にあると考えら れるのだが、Q3
において、「自分も4
年生になったら支援者を ( として ) 勤めて みたいため」を選択した受講生は前期・後期とも確認できなかった。もちろん、この設問は受講前の段階での動機を確認していることから、実際にサポートを受 けてみて、司書課程の先輩と触れ合うことで、司書課程での学びの意欲を高めた り、支援者になるという目標をもつことができたりした可能性もあるが、同じ司 書資格科目のレポートのために受講しているため、
2
年生前期の受講者の中には、1
年生後期にサポートを受けた学生も一定数含まれている。2年生については支 援内容をある程度把握していると思われるが、支援者の立場に自分自身を置きか えるイメージはまだまだ生まれづらいようである。3.4. 文献検索サポートの満足度
アンケート
Q4
では、文献検索サポートを受けての満足度を確認している。前 期の支援は支援者2
名にとっては初めての取り組みであったが、前期、後期とも、「とても満足」が
6
割強、「まぁまぁ満足」が4
割弱であり、「ふつう」「やや不満足」「とても不満足」という否定的な評価が寄せられることはなかった。上述のように、
志望動機には消極的な理由が一定数含まれていたが、実際に受講してみれば、そ の内容は満足のいくものであり、学習支援事業として優れたパフォーマンスが実
- 117 -
践されていたと考えられるだろう。ただし、この結果を評価する上では、
今回のサポート受講者の多くが「司書 課程の受講生」であったことを考慮す る必要があるようにも思われる。つま り、支援を必要とするレポート課題が 図書館情報学に関わるものが多く、支
援者
2
名が自分自身の専門と重なるため、対応が容易であった、ということも高 い評価に結びついていると考えられるのである。仮に司書課程以外の学生たちが 多様なテーマで支援を求めてきた場合、プロの司書ではない支援者が同様に対応 できるかどうか、についてはやはり不安も残る。さらに言えば、本学図書館では、大学院に図書館情報学を専攻できる研究科が存在しないため、支援者に選ばれた
4
年生がスキルを磨くことができるのは1
年間に限られてしまう。つまり、支援 者は毎年入れ替わらざるを得ない状況にあり、経験が蓄積できないまま、アルバ イトの支援者が多様な支援ニーズに対応できるようになることは非常に難しいと も考えられるのである。こうした状況に備えるためには、質の高い「マニュアル」を作る必要があるが、
そのマニュアルもまた現段階ではまだまだ不十分である。学生によるサポートに は、前述のとおり、「ロールモデルを示す」、「年齢が近いことによる親近感がわ きやすい」といったメリットもあると考えられるが、そもそもレファレンスサー ビスにも通じる基幹的な文献検索のサポートを、学生スタッフだけが対応できる と考える方が無理があるだろう。学生支援者 ( 上級生 ) による支援はあくまでも、
文献検索の入り口であり、その支援がスムーズに進まない場合も常に想定し、い つでもレファレンス担当者に引き継げるような、担当者間との連携、図書館側の バックアップ体制が必要となるだろう。
3.5. 文献検索サポートの必要性
Q5は、文献検索サポートという支援が、現在の大学の各授業の中で、どの程 度必要とされているのか、を確認するために設定した質問である。
近年、( 名称はいろいろであるが ) ライティングサポートが多くの大学図書館 ( または大学内のライティングセンター等 ) において導入されるようになってお
9
3.3. 文献検索サポートの満足度アンケート
Q4
では、文献検索サポートを受けての満足度を確認している。前期の支援は支 援者2
名にとっては初めての取り組みであったが、前期、後期とも、「とても満足」が6
割強、「まぁまぁ満足」が
4
割弱であり、「ふつう」「やや不満足」「とても不満足」という否定的な 評価が寄せられることはなかった。上述のように、志望動機には消極的な理由が一定数含まれ ていたが、実際に受講してみれば、その内容は満足のいくものであり、学習支援事業として優 れたパフォーマンスが実践されていたと考えられるだろう。ただし、この結果を評価する上では、今 回のサポート受講者の多くが「司書課程の 受講生」であったことを考慮する必要があ るようにも思われる。つまり、支援を必要 とするレポート課題が図書館情報学に関わ るものが多く、支援者
2
名が自分自身の専 門と重なるため、対応が容易であった、と いうことも高い評価に結びついていると考えられるのである。仮に司書課程以外の学生たちが多様なテーマで支援を求めてきた場合、プ ロの司書ではない支援者が同様に対応できるかどうか、についてはやはり不安も残る。さらに 言えば、本学図書館では、大学院に図書館情報学を専攻できる研究科が存在しないため、支援 者に選ばれた
4
年生がスキルを磨くことができるのは1
年間に限られてしまう。つまり、支援 者は毎年入れ替わらざるを得ない状況にあり、経験が蓄積できないまま、アルバイトの支援者 が多様な支援ニーズに対応できるようになることは非常に難しいとも考えられるのである。こうした状況に備えるためには、質の高い「マニュアル」を作る必要があるが、そのマニュ アルもまた現段階ではまだまだ不十分である。学生によるサポートには、前述のとおり、「ロー ルモデルを示す」、「年齢が近いことによる親近感がわきやすい」といったメリットもあると考 えられるが、そもそもレファレンスサービスにも通じる基幹的な文献検索のサポートを、学生 スタッフだけが対応できると考える方が無理があるだろう。学生支援者
(
上級生)
による支援は あくまでも、文献検索の入り口であり、その支援がスムーズに進まない場合も常に想定し、い つでもレファレンス担当者に引き継げるような、担当者間との連携、図書館側のバックアップ 体制が必要となるだろう。3.4. 文献検索サポートの必要性
Q5
は、文献検索サポートという支援が、現在の大学の各授業の中で、どの程度必要とされ ているのか、を確認するために設定した質問である。近年、
(
名称はいろいろであるが)
ライティングサポートが多くの大学図書館(
または大学内の ライティングセンター等)
において導入されるようになっており、本学図書館もまたそれに倣う 形で導入を決めた経緯があるのだが、必要性を十分に検討した上で導入が決定したか、と問わ11 21 32
6 12 18
0%
20%
40%
60%
80%
100%
前期 後期 合計
グラフ4 サポートに対する満足度 (n=50)
とても満足 まぁまぁ満足 ふつう やや不満足 とても不満足
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り、本学図書館もまたそれに倣う形で導入を決めた経緯があるのだが、必要性を 十分に検討した上で導入が決定したか、と問われると、必ずしもそうとは言い切 れない部分もある。そもそも、大学内の多数の科目において、文献検索サポート において支援者が受講者にレクチャーしているような、インターネットで得られ る情報以外の、辞書事典、図書、雑誌論文、雑誌記事、新聞記事、地域資料など、
多様な図書館資料を活用したレポートの作成が求められていなければ、こうした サポートに対するニーズは当然小さくなってしまうようにも思われる。
筆者が大学において担当する司書課程の授業では、司書を目指す学生たちには できるだけ図書館を日々活用してほしい、そのことによって、図書館を使う学習 者のニーズを知ってほしい、という願いがあるため、多様な資料を集め、読まな ければレポートが書けないような課題を意図的に与えるようにしているのだが、
他の授業でもそうした「ねらい」は必ずしも定められているわけではない。授業 担当者はそれぞれのねらいをもって授業を構築していることから、図書館を活用 するようなレポート課題を設定することが、すべての授業に必要とされるわけで はないだろう。従って、図書館で図書を
1
冊借りてレポートを書いただけでも十 分通用する ( 単位が取得できる ) 授業もあるだろうし、もっと言えば、図書館に 行かなくても、指定されたテキストを読んだり、インターネット上の情報をまと めていくだけでも十分な評価を得られる授業も実際にはあるように思われる。そ のこと自体を否定するわけではないが、そうした授業が圧倒的多数であれば、そ の大学において、一定のコストをかけてまで支援事業を行う必然性は乏しくなる。もっと言えば、そうした現状を把握しつつも、多様な情報源を探し出すスキルが 大学生の日常生活の中で、あるいは、卒業後の社会人としての生活の中で必要に なると図書館側が理解しているのであれば、現在のように「授業」との関わりか ら受講を促すのとは、また別に講座を開くなど、アプローチのあり方を検討する 必要が生じてくるだろう。
グラフ
5
は、以上のような問題意識をふまえつつ、今回のようなレポートライ ティングサポートを、今後も授業でのレポート作成の際に利用したいと思うかど うか、を問いかけたものである。グラフから分かるように、今回のサポートを受けて学んだことを他の科目の レポート作成に生かしたいと思うか、という設問に対しては、合計して
38
名 (76.0% ) が「他の科目でもたくさんの文献 ( 図書だけでなく、雑誌、新聞記事- 119 -
10
れると、必ずしもそうとは言い切れない部分もある。そもそも、大学内の多数の科目において、
文献検索サポートにおいて支援者が受講者にレクチャーしているような、インターネットで得 られる情報以外の、辞書事典、図書、雑誌論文、雑誌記事、新聞記事、地域資料など、多様な 図書館資料を活用したレポートの作成が求められていなければ、こうしたサポートに対するニ ーズは当然小さくなってしまうようにも思われる。
筆者が大学において担当する司書課程の授業では、司書を目指す学生たちにはできるだけ図 書館を日々活用してほしい、そのことによって、図書館を使う学習者のニーズを知ってほしい、
という願いがあるため、多様な資料を集め、読まなければレポートが書けないような課題を意 図的に与えるようにしているのだが、他の授業でもそうした「ねらい」は必ずしも定められて いるわけではない。授業担当者はそれぞれのねらいをもって授業を構築していることから、図 書館を活用するようなレポート課題を設定することが、すべての授業に必要とされるわけでは ないだろう。従って、図書館で図書を
1
冊借りてレポートを書いただけでも十分通用する(
単位 が取得できる)
授業もあるだろうし、もっと言えば、図書館に行かなくても、指定されたテキス トを読んだり、インターネット上の情報をまとめていくだけでも十分な評価を得られる授業も 実際にはあるように思われる。そのこと自体を否定するわけではないが、そうした授業が圧倒 的多数であれば、その大学において、一定のコストをかけてまで支援事業を行う必然性は乏し くなる。もっと言えば、そうした現状を把握しつつも、多様な情報源を探し出すスキルが大学 生の日常生活の中で、あるいは、卒業後の社会人としての生活の中で必要になると図書館側が 理解しているのであれば、現在のように「授業」との関わりから受講を促すのとは、また別に 講座を開くなど、アプローチを検討する必要が生じてくるだろう。グラフ
5
は、以上のような問題意識をふまえつつ、今回のようなレポートライティングサポ ートを、今後も授業でのレポート作成の際に利用したいと思うかどうか、を問いかけたもので ある。グラフから分かるように、今回のサポートを受けて学んだことを他の科目のレポート作成に 生かしたいと思うか、という設問に対しては、合計して
38
名(76.0
%)
が「他の科目でもたくさ んの文献(
図書だけでなく、雑誌、新聞記事なども含めて)
を集めた方が良いレポートが書ける13 25 38
0 2 2
4 6 10
0%
50%
100%
前期 後期 合計
グラフ5 サポートの必要性 (継続的な利用意欲) (n=50) 上記の1、2、どちらも当てはまる。
他の科目のレポートではそれほどたくさん文献を集めなくてよ いので、利用する必要性は強く感じない。
他の科目でもたくさんの文献(図書だけでなく、雑誌、新聞記 事なども含めて)を集めた方が良いレポートが書けるので、他 の教科でもぜひ利用したい。
なども含めて ) を集めた方が良いレポートが書けるので、他の教科でもぜひ利用 したい」という肯定的な項目を選択している。
一方、「他の科目のレポートではそれほどたくさん文献を集めなくてよいので、
利用する必要性は強く感じない」という否定的な項目を選択した回答者は非常に 少なく、前期では
17
名中0
名、後期では33
名中2
名 (6.1
% ) しか選択していな い。ただし、「上記のどちらも当てはまる」というやや消極的な項目を選択した 回答者は一定数存在しており、前期は4
名 (23.5
% )、後期は6
名 (18.2
% ) とい う結果となっている。先に挙げた否定的な回答を合わせると全体で12
名となり (24.0
% )、無視できるほどには小さな値ではない、という見方もできるだろう。この結果を学年別にみると、グラフ
6
に示したように、1
年生だけでなく、2
年生もほぼ同じ比率の回答者が否定的・消極的な項目を選択していることも分か る。上述の通り、サポート受講生の構成 は、後期は
1
年生が多く、前期は2
年生 が多かった。1
年生よりも2
年生の方が、大学生活が長い分、多くの授業に接して
いる。
2
年生のほうが、まだレポートを書き始めたばかりの1
年生よりも、否定的・消極的な意見は多くなると思われたが、必ずしもそうとは言い切れないようであ る。2年生の方が肯定的な回答が多くなるということは、学年進行にそって複雑 なレポート課題が出されており、その分、支援ニーズが高まる、という可能性も あるように思われる。これだけのデータでは判断は難しいが、支援範囲を拡大し ていくためには、支援対象学年、またはサポートを
PR
する学年を2
年生以上に11
ので、他の教科でもぜひ利用したい」という肯定的な項目を選択している。
一方、「他の科目のレポートではそれほど たくさん文献を集めなくてよいので、利用 する必要性は強く感じない」という否定的 な項目を選択した回答者は非常に少なく、
前期では
17
名中0
名、後期では33
名中2
名(6.1
%)
しか選択していない。ただし、「上 記のどちらも当てはまる」という消極的な 項目を選択した回答者は一定数存在してお り、前期は4
名(23.5
%)
、後期は6
名(18.2
%)
という結果となっている。先に挙げた否定的な回答を合わせると全体で
12
名となり(24.0
%)
、 無視できるほどには小さな値ではない、という見方もできるだろう。この結果を学年別にみると、グラフ
6
に示したように、1
年生だけでなく、2
年生もほぼ同 じ比率が否定的・消極的な項目を選択していることも分かる。上述の通り、サポート受講生の 構成は、後期は1
年生が多く、前期は2
年生が多かった。1
年生よりも2
年生の方が、大学生 活が長い分、多くの授業に接している。2
年生のほうが、まだレポートを書き始めたばかりの1
年生よりも、否定的・消極的な意見は少なくなると思われたが、必ずしもそうとは言い切れ ないようである。2
年生の方が肯定的な回答が多くなるということは、学年進行にそって複雑 なレポート課題が出されており、その分、支援ニーズが高まる、という可能性もあるように思 われる。これだけのデータでは判断は難しいが、支援範囲を拡大していくためには、支援対象 学年、またはサポートをPR
する学年を2
年生以上に想定するという方法も検討する必要があ るだろう。3.5. 文献検索サポートへの要望
アンケート調査の
Q4
とQ5
の回答を見る限り、受講者の大半はサポート内容を高く評価し ており(
満足度が高く)
、日々の授業においても、レポート作成において多様な情報源を集める 必要性も感じている。しかしながら、筆者が受講生宛てにアンケートの依頼をするために図書 館から入手した名簿でも、また、支援者2
名に対して行ったインタビューでも、(
同一期に2
回繰り返し受講した学生1
名を除いて)
、前期に受講した学生が、後期に再び別のレポート科目 で受講するという「リピート受講」は確認できなかったix。その理由としては、
Q4
の結果として示された意識が、率直な感想ではなく、教員(
=筆者)
向けに飾られたものであることも否定できないものの、本稿ではその点の検証はできないため、ここではサポート体制の不備があるのではないか、という観点から、アンケートの
Q6
の結果 を分析してみたい。1 6
1 4
0%
20%
40%
60%
80%
100%
グラフ6 サポートの必要性に対して否定的・消極 的な意識を持つ受講生の学年別比率 (n=12)
1年生 2年生 それほどたくさん文
献を集めなくてよい
どちらにも当て はまる