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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

The influence of relief at the median palatal plate on denture-supporting ability

(口蓋床正中部のリリーフが支持力に及ぼす影響)

掲載雑誌名

Journal of Prosthodontic Reserch(投稿中)

高齢者歯科学 田中 里実

内容要旨

【目的】日本では,超高齢社会が進み,高齢者に対する有床義歯補綴治療 の需要は増加している.有床義歯装着者の QOL の向上には,良質な有床 義歯治療が必要である.そのためには有床義歯治療時の診断において,義 歯支持粘膜の性状を客観的に評価し,各々の患者に適した義歯を設計,製 作することが重要であると考えられる.そこで本研究では,新たに開発し た上顎口蓋床形態の装置を用いて,有歯顎者における疼痛発生時の噛みし め力と口蓋粘膜沈下量の関係を同時解析し,口蓋部のリリーフが口蓋粘膜 支持力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.

【方法】被験者は著明な口蓋隆起がなく,口蓋粘膜に異常を認めない有歯 顎者 15 名とし(男性 8 名,女性 7 名,平均年齢 28.9 歳) ,上顎には口蓋 粘膜に接し,噛みしめ力により沈下する疑似口蓋床,沈下量を測定するた めの上顎の基準となる前歯部用シーネ,下顎には疑似口蓋床に噛みしめ力 を加えるための加圧用シーネを装着した.また,疑似口蓋床は,左右第一 大臼歯近心から第二大臼歯遠心までの範囲とし,リリーフ量の異なる 3 種 類を製作した:「口蓋正中部のリリーフなし」「口蓋正中部にリリーフ量

0.23 ㎜(幅 10 ㎜のシートワックス 1 枚)付与」 「口蓋正中部にリリーフ量

0.46 ㎜(幅 10 ㎜のシートワックス 2 枚)付与」 .被験者には疼痛が生じる

まで毎秒 100 N で噛みしめさせ,疼痛を感知した時点で信号発生器のボ

タンを押下するよう指示した.その後,3 秒間保持し,徐々に噛みしめ力

を減少させた

疼痛発生時の噛みしめ力と口蓋粘膜沈下量を,小型圧縮型

ロードセルと小型超音波厚さ計を用い,同時に測定した.測定間隔は,口

蓋粘膜の変形回復のため 5 分間隔とし,測定回数は 3 回ずつとした

(2)

リリーフ量間の比較は,繰り返しのある 2 元配置分散分析を行った.ま た,疼痛発生時噛みしめ力と口蓋粘膜沈下量において,各リリーフ量で

Pearson の相関を求めた.

【結果】「リリーフなし」と「リリーフ量 0.23 ㎜付与」 , 「リリーフなし」

と「リリーフ量 0.46 ㎜付与」の間には,疼痛発生時の噛みしめ力,口蓋 粘膜沈下量ともに有意な増加が認められた( p < .05 ).しかし「リリーフ

量 0.23 ㎜付与」と「リリーフ量 0.46 ㎜付与」の間には,有意差はなか

った.また,被験者の中には,リリーフ量を増加することで噛みしめ力と 口蓋粘膜沈下量が減少するケースもみられた.

【結論】口蓋部の支持力を向上させるためには,口蓋正中部のリリーフは

有効だが,適切なリリーフ範囲やリリーフ量は,患者の口蓋粘膜の厚さや

弾性率等の性状,口蓋隆起の形態や位置,口蓋の幅や深さ等の口蓋形態な

どにより異なる可能性があると考えられる.

参照

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