COMSOL Multiphysics イントロダクション
1998-2014 COMSOL 米国特許第7,519,518 号、第 7,596,474 号、第 7,623,991 号、第 8,457,932 号で保護。特許出願 中。 本書および本書に記載されているプログラムは、COMSOL のソフトウェア使用許諾契約 (www.comsol.com/comsol-license-agreement) に基づいて提供されており、使用許諾契約の条項 に従ってのみ、使用または複製できます。COMSOL、COMSOL Multiphysics、Capture the Concept、COMSOL Desktop、LiveLink は、 COMSOL AB の登録商標または商標です。その他の商標は全て、それぞれの所有者の所有物 であり、COMSOL AB およびその子会社、製品は、これらの商標の所有者とは無関係であ り、推奨、後援または支援を受けてはいません。これらの商標の所有者のリストについて は、www.comsol.com/trademarks を参照してください。 バージョン: 2014 年 10 月 COMSOL 5.0 日本語訳:計測エンジニアリングシステム株式会社 ※もし日本語訳と原文(英語版)に差違がある場合は、原文を正とします。
お問い合わせ
一般的なお問い合わせ、技術サポートのお問い合わせ、住所および電話番号の検索について は、www.comsol.com/contact にアクセスしてください。住所および連絡先情報については、 www.comsol.com/contact/offices でも確認できます。 サポート窓口へのお問い合わせについては、www.comsol.com/support/case からリクエスト フォームを送信してください。 その他の有用なリンク: ・サポートセンター:www.comsol.com/support ・製品のダウンロード:www.comsol.com/product-download ・製品のアップデート:www.comsol.com/support/updates ・フォーラム:www.comsol.com/community ・イベント:www.comsol.com/events ・COMSOL ビデオギャラリー:www.comsol.com/video目次
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目次
はじめに ... 5 COMSOL デスクトップ ... 6 例題 1: レンチの構造解析 ... 28 例題 2: バスバー --- マルチフィジックスモデル ... 50 アドバンスドトピック ... 78 パラメータ、関数、変数、モデルカップリング ... 78 材料物性と材料ライブラリ ... 82 メッシュ追加 ... 84 フィジックスの追加 ... 86 パラメトリックスイープ ... 107 パラレルコンピューティング ... 117 付録 A --- ジオメトリ作成 ... 120 付録 B --- キーボード・マウス・ショートカット ... 134 付録 C --- 言語要素と予約語 ... 137 付録 D --- ファイルフォーマット ... 143 付録 E --- LIVELINK アドオンとの接続 ... 146イントロダクション
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はじめに
COMSOL Multiphysics®を初めて使用する場合は、本書をお読みください。COMSOL®環境の概要と、 COMSOL Desktop®ユーザインタフェースの使用方法を紹介する例が記載されています。 ソフトウェアをまだインストールしていない場合は、www.comsol.com/product-download の指示に従っ てインストールしてください。 インストール後は、本書に加えて、豊富な資料をご利用頂けます。チュートリアルを含むビデオギャ ラリーについては、以下をご覧ください。 www.comsol.com/video.COMSOL デスクトップ
リボン … リボンタブには、モデリングプロセスの全 てのステップを制御するためのボタンとドロップダウ ンリストが表示されます。 モデルビルダ ツールバー 初期モデルツリー … モデル ツリーには、モデルの概要 と、モデルの作成および解 法、結果の処理に必要な全て の機能と操作が表示されま す クイックアクセスツールバー … これらのボタンを使用し て、ファイルを開く/ファイルの保存、取り消し/やり直 し、コピー/貼り付け、削除などの機能を実行できます。 モデルビルダウィンドウ … モ デルビルダウィンドウには、モ デルツリーと関連するツール バーボタンが表示され、モデル の概要を見ることができます。 モデリングプロセスは、右ク リックで表示されるコンテキス トメニューから制御可能です。 設定ウィンドウ … モデルツ リーのノードをクリックする と、モデルビルダの隣に関連 する設定ウィンドウが表示さ れます。COMSOL デスクトップ
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グラフィックスウィンドウ … グラフィックスウィ ンドウには、ジオメトリ、メッシュおよび結果の画 像が表示され、回転、パン、拡大縮小、選択などの 操作を行うことができます。ほとんどの結果および 可視化のデフォルトのウィンドウです。 インフォメーションウィンドウ … インフォメーションウィンドウには、計算時間、計算の進捗情報、 メッシュの統計情報、ソルバのログなど、シミュレーション中の重要なモデル情報が表示され、表示可能な場 合は、結果テーブルも一緒に表示されます。 グラフィックスウィンドウ ツールバー前ページのスクリーンショットは、COMSOL のモデリング開始時の様子です。COMSOL デスクトッ プは、物理モデリングおよびシミュレーションの完全な統合環境を提供し、ユーザのニーズに合わせ てカスタマイズすることができます。デスクトップウィンドウは、サイズの変更、移動、ドッキン グ、切り離しが可能です。セッションを閉じると、レイアウトに対する変更が全て保存され、次 に COMSOL を開いたときに使用されます。モデルを構築すると、ウィンドウやウィジェットが追加され ます。(作業途中のデスクトップの例については、p.24 を参照してください。) 表示されるウィンドウ およびユーザインタフェースのコンポーネントの一例は以下の通りです。
クイックアクセスツールバー
クイックアクセスツールバーは以下のような機能を提供します。開く、保存、取り消し、やり直し、 コピー、貼り付け、削除などです。ユーザは本ツールバーの内容を、[クイックアクセスツールバーリ ストのカスタマイズ] でカスタマイズすることができます。リボン
COMSOL デスクトップ上段のリボンから、モデリングタスクの殆どを完了させるコマンドを実行で きます。リボンは Windows バージョンの COMSOL デスクトップ環境にのみ提供され、OS X または Linux バージョンではメニューとツールバーに置き換わります。設定ウィンドウ
設定ウィンドウはモデルの全ての詳細設定を入力するメインウィンドウです。ジオメトリの空間次 元、材料物性、境界条件、初期値、それにシミュレーションを実行する際に必要な全ての情報を入力 します。次ページの図は、ジオメトリノードの設定ウィンドウです。
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プロットウィンドウ
プロットウィンドウはグラフィック出力のためのウィンドウです。グラフィックスウィンドウに加え て、プロットウィンドウが結果の可視化に使用されます。いくつかのプロットウィンドウで複数の結 果を同時表示することが可能です。収束プロットウィンドウは特殊なケースで、自動的にプロット ウィンドウが表示されます。そしてモデルの計算中に解法のプロセスの収束状況をグラフィカルに表 示します。インフォメーションウィンドウ
これは非グラフィックス情報のウィンドウです。下記が含まれます。 メッセージ:現在の COMSOL セッションの様々なイベント情報が、このウィンドウに表示され ます 進捗:ソルバの進捗情報および中止ボタン ログ:ソルバからの情報、たとえば自由度数、計算時間、それにソルバのイタレーションデータ が表示されます テーブル:数値データを表形式で表示します。結果ブランチで定義します 外部プロセス:クラスター計算、クラウド計算、バッチジョブの設定パネルを提供します
その他のウィンドウ
材料追加と材料ブラウザ:材料ライブラリにアクセスします。ここでは材料の編集ができます 選択リスト:現在選択可能なジオメトリ・オブジェクト、ドメイン、境界、エッジ、ポイントの リストです リボンにあるモデルタブのドロップダウンリストウィンドウは、全て COMSOL デスクトップ ウィンドウにアクセスすることができます。(OS X と Linux 環境でのウィンドウメニューで確認 できます。)キャンセルボタン付きプログレスバー
キャンセルボタン付きプログレスバーは、必要に応じて、COMSOL デスクトップウィンドウの右下 隅に表示されます。ダイナミックヘルプ
このヘルプウィンドウは内容に応じて、ウィンドウやモデルツリー・ノードに関するヘルプ文書を 表示します。ヘルプウィンドウを開いている時には (例えば F1 キー入力などで)、ノードまたはウィ ンドウをクリックするだけで、ダイナミックヘルプ (英文のみ) を得ることができます。ヘルプウィ ンドウからは、たとえばメニュー項目など、他のトピックを検索できます。COMSOL デスクトップ
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環境設定
環境設定はモデリング環境に関する設定です。殆どの設定はモデリング作業中に保持されますが、 いくつかの設定はモデルデータと共に保存されます。 [環境設定] 機能は [オプション] メニューか ら起動できます。 環境設定ウィンドウでは、設定を変更することができます。たとえば、グラフィックスレンダリン グ、表示フォーマット (表示桁数)、計算時の最大 CPU コア数、それにユーザ定義モデルライブラリ のパスなどです。環境設定ウィンドウを少し眺めてみれば、オプション設定に慣れると思います。 グラフィックスレンダリングオプションは 3 種類から選択できます。OpenGL、DirectX、ソフトウェ アです。DirectX は OS X や Linux 環境では選択できませんが、Windows ではインストール時に DirectX ランタイムライブラリをインストールすると選択できます。もしお使いのコンピュータが特 定のグラフィックスカードを持たない場合は、ソフトウェアレンダリングに変更するのが良いかも しれません。そうすれば遅くはなりますが完全なグラフィックス機能を使用できます。推奨グラ フィックスカードのリストは以下に記載されております。新規モデルの作成
ユーザは新規モデルをモデルウィザードのガイドに沿って、またはブランクモデルから作成するこ とができます。モデルウィザードのガイドに沿ったモデル作成
モデルウィザードのガイドに従うことで、空間次元、フィジックス、それにスタディタイプを数ス テップで設定することができます。 1. まず初めに、モデルコンポーネントの空間次元を以下から選択してください:3D、2D 軸対称、 2D、1D 軸対称、または 0D。 2. では、1 つ以上のフィジックスインタフェースを追加しましょう。フィジックスインタフェース は設定しやすいようにブランチに分かれています。各ブランチは COMSOL 製品と 1:1 には対応 しておりません。新しい製品が COMSOL インストールに追加されたら、1 つ以上のブランチが フィジックスインタフェースの追加と共に生成されます。COMSOL デスクトップ
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3. スタディタイプを選択しましょう。これは計算時に使用されるソルバまたは (複数の) ソルバ設 定です。
最後に [完了] をクリックしましょう。するとデスクトップにモデルツリーが表示されます。そ れにはモデルウィザードで選択した内容に沿って設定されています。
ブランクモデルの作成
ブランクモデルを選択すると、COMSOL デスクトップがコンポーネントやスタディ設定なしで開き ます。モデルツリーを右クリックして任意の空間次元、フィジックスインタフェース、またはスタ ディのコンポーネントを追加しましょう。リボンとクイックアクセスツールバー
COMSOL デスクトップ環境のリボンタブはモデリング中のワークフローの内容を反映し、各モデリ ング手順で利用できる機能概要を示します。 [モデル] タブには、モデル変更とシミュレーション実行のための最も一般的な操作のためのボタン が配置されています。図例には下記を含んでいます。ジオメトリのパラメータ化のためのモデルパ ラメータ変更や、材料プロパティの確認、それにフィジックス、メッシュ構築、スタディ実行、そ れにシミュレーション結果の可視化です。モデリング作業の主な手順において、標準的なタブ群が 揃っています。これらは左から右へ、ワークフローに従って並んでいます。定義、ジオメトリ、 フィジックス、メッシュ、スタディ、そして結果です。 コンテキストタブは必要な時にだけ表示されます。例えば、[3D 表示グループ] タブです。これは関 連するプロットグループが追加された時、またはモデルツリーの [3D 表示グループ] ノードが選択 された時だけ表示されます。 モーダルタブはかなり特殊な操作の際に表示されます。例えば、リボン中の他の操作が一時的に不 適切になる場合などです。ワークプレーン・モーダルタブの例を示します。ワークプレーンで作業 すると、他のタブは表示されなくなります。なぜなら他の操作が無意味になるからです。COMSOL デスクトップ
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Linux の COMSOL デスクトップ・インタフェースでは、この機能はリボンの代わりに表示される ツールバーから起動できます。またモデルツリーからだけ起動できる操作もあります。例えばノー ドの並べ替えや、ノードの非表示です。クイックアクセスツールバー
クイックアクセスツールバーには、今表示されているリボンタブとは独立したコマンドが設定され ています。クイックアクセスツールバーはカスタマイズが可能です。ファイルメニューの殆どのコ マンド、取り消し、やり直し、コピー、貼り付け、重複、モデルツリーのノード削除などです。ま たクイックアクセスツールバーの表示位置をリボンの上または下かで選べます。OS X と LINUX
OS X と Linux の COMSOL デスクトップ環境では、リボンはメニューとツールバーに切り換わりま す。本書の説明は Windows 版の COMSOL デスクトップ環境をベースにしています。OS X と Linux での COMSOL の動作もよく似ていますが、対応するメニューとツールバーには代わりにリボン・ユーザ インタフェース・コンポーネントが表示されることを覚えておいてください。
モデルビルダとモデルツリー
モデルビルダはモデルを定義するツールです。解析方法、結果の解析、それにレポート処理などを 設定します。モデルツリーを構築することでモデルを定義します。モデルツリーはデフォルトのモ デルツリーから構築を始め、ノードを追加し、ノード設定を編集して行います。 デフォルトのモデルツリーの全ノードは最上位の親ノードです。それらを右クリックして子ノード またはサブノードのリストを確認し、下にノードを追加することができます。 子ノードをクリックすると、設定ウィンドウにノード設定が表示されます。ノード設定を編集する 場所はここです。 ヘルプウィンドウが開いていると (メニューバーから [ヘルプ] をクリックするまたは、ファンク ションキーF1 をキー入力すると表示されます)、ノードをクリックする度にダイナミックヘルプを見 ることができます。(英文のみです)ルート、グローバル定義と結果ノード
モデルツリーは常に以下のノードを持っています。ルート ノード (初期状態では Untitled.mph というラベル名)、グロー バル定義ノード、結果ノードです。ルートノードのラベルは マルチフィジックス・モデル・ファイル、または MPH ファイ ルのファイル名で、この名前でハードディスク上に保存され ます。ルートノードには作成者、単位系などの設定項目があ ります。 グローバルノードには 2 つのサブノード、つまり定義ノードと材料ノードがあります。グローバル の定義サブノードはユーザがパラメータ、変数、関数それに計算を設定する場所で、それらの項目 はモデルツリーのあらゆる場所から呼び出すことができます。それらは、例えば、材料物性、力、 ジオメトリ、それにその他の特徴において、数値や関数を定義するために使用することができま す。グローバルの定義ノード自身には設定項目がありませんが、その子ノードはたくさんの設定項 目を持っています。グローバルの材料サブノードは、モデルのコンポーネントノードで参照できる 材料物性を保存します。 結果ノードは、シミュレーションを実行した後にソリューションにアクセスする場所です。そこに はデータを生成するツールがあります。結果ノードは初期状態では 5 つのサブノードを持ちます。 データセット:データ処理をするためのソリューション・リストが含まれます 計算値:ポストプロセス・ツールを使って算出される計算 値を定義します テーブル:計算値などを可視化する便利な場所。またはプ ローブで生成された結果のため。プローブはシミュレー ション実行時にリアルタイムでソリューションを監視しま す エクスポート:エクスポートしたい数値データ、画像デー タ、アニメーションを定義します レポート:モデルの自動生成レポートまたはカスタムレポートを記述します。HTML または Microsoft Word 形式で出力します これらの 5 つのサブノードに、追加のプロットグループ・サブノードを追加することができます。 そこには、グラフィックスウィンドウまたはプロットウィンドウで表示したいグラフを定義しまCOMSOL デスクトップ
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コンポーネントノードとスタディノード
先ほど記述した 3 つのノードに加え、2 種類のトップレベルのノードタイプがあります。コンポーネ ントノードとスタディノードです。これらは通常新しい モデルを作成する時にモデルウィザードで作成されま す。モデルウィザードでフィジックス・タイプとスタ ディタイプ (定常、時間依存、周波数領域、固有値解析) を選択すると、ウィザードは自動的に設定内容に応じた ノードを追加します。 またモデルを作成する際に、コンポーネントノードやスタディノードを追加することができます。 複数のコンポーネントノードやスタディノードを追加することができるので、それらの名前を同じ にすると混乱するかもしれません。これらのノードは各目的に応じた説明を加えた名前にリネーム できます。 モデルに複数のコンポーネントノードがある場合、互 いに連成させてシミュレーション・ステップでのより 洗練された処理として構築することができます。 それぞれのスタディノードは異なるタイプの計算を実 行するかもしれないので注意してください。各スタ ディノードはそれぞれ別個の計算ボタンを持っていま す。 具体的に言いますと、例えばコイルとコイル容器の 2 つの部品を持つコイルアセンブリをシミュレートする モデルを作ると想像してください。その際、各ノード をリネームします。同様に、2 つのスタディノードを 作成するかもしれません。最初のノードは定常計算ま たは定常状態かつアセンブリの振る舞いを設定し、次のノードは周波数応答だとします。これら 2 つのノードを、定常と周波数領域にリネームできます。モデルができあがったら、Coil Assembly.mph という名前で保存されるかもしれません。その際、モデルビルダのモデルツリーは下 図のように表示されます。 キーボード ショートカットこの図では、ルートノードは Coil Assembly.mph と命名さ れ、それは保存されたファイル名と一致します。グローバル 定義ノードと結果ノードのラベルはデフォルト値です。さら に、直前のパラグラフで選択したように、2 つのコンポーネ ントノードと 2 つのスタディノードが存在します。
パラメータ、変数とスコープ
パラメータ
パラメータはユーザ定義の定数スカラ値で、モデルツリーのあらゆる場所で使用することができま す。(つまり、それらは自然界で“グローバル”なのです) 下記に有益です。 ジオメトリ次元でのパラメータ化 メッシュ要素サイズの指定 パラメトリックスィープの定義 (例えばパラメータに周波数や荷重などの様々な異なる値で再計 算するようなシミュレーション。) パラメータの式には以下を使用することができます。数値、パラメータ名、組み込み定数、パラ メータ式を引数に持つ組み込み関数、それに単項演算子と二項演算子です。使用できる演算子のリ ストは、p.137「付録 C --- 言語要素と予約語」をご参照ください。これらの式はシミュレーション 実行前に評価されるので、パラメータは時間変数 t に影響を受けません。空間変数 (x, y, z) や使用し た方程式に依存する変数も、同様に影響を受けません。 パラメータ名は、大文字・小文字を区別するということも重要です。COMSOL デスクトップ
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パラメータは、モデルツリーのグローバル定義の下に定義します。変数
変数はグローバル定数ノードまたは任意のモデルノードの定義サブノードに定義できます。当然ど こに変数を定義するかは、グローバルに (例えば、モデルツリーのあらゆる場所から使用できるよう に) したいか又は、1つのコンポーネントノード内へローカルに定義したいかどうかによります。パ ラメータの式と同様、変数の式には数値、パラメータ、組み込み定数、それに単項演算子と二項演 算子を含むことができます。さらに、それには t, x, y, z のような変数、引数として変数の式を使った 関数、それに支配方程式の従属変数およびそれらの空間微分と時間微分を含むことができます。スコープ
パラメータまたは変数の “スコープ” は、式のどこに記述されているかによって宣言されます。す べてのパラメータはモデルツリーのグローバル定義に定義されます。このことによってパラメータ はグローバルなスコープを持っていることを示し、モデルツリーのあらゆる場所で使用可能です。 変数もまたグローバル定義ノードに定義でき、グローバルなスコープを持ちます。しかし変数はそ のスコープよりも制限される傾向にあります。例えば、変数は以下に使用できません。ジオメト リ、メッシュ、またはスタディノードです。(例外として、変数はシミュレーション終了時間の記述 に使う場合には、使用可能です。)しかしモデルノードの定義サブノードで定義された変数はローカルスコープを持ち、その特定のモ デルで使用可能です。(ジオメトリノードやメッシュノードでは使用できません。) それらは、例え ばコンポーネントの材料サブノード材料物性の指定に使用されたり、境界条件または反応の指定に 使用されたりします。変数のスコープを制限することは、ジオメトリのある部分のみに限定したり するのに有益です。例えば特定の境界などです。その目的のために変数定義の設定に作成され、モ デルジオメトリ全体あるいは特定のドメイン、境界、エッジ、またはポイントに適用されることが あります。 下図は 2 つの変数の定義を示しています、q_pin と R です。そのスコープはちょうど 2 つの境界、境 界 15 と境界 19 に制限されています。 同様に、変数は選択したドメイン、エッジまたはポイントのみに定義できます。そのような選択に はオプションとして名前をつけたり、モデルのいたるところから参照したりできます。たとえば材 料物性や境界条件の定義に変数を使用する場合などです。選択に名前をつけるには、選択リストの
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モデルノードの定義サブノードに定義された変数はローカルスコープのように振る舞いますが、そ の変数は識別子を指定することで、モデルツリーのモデルノードの外からアクセス可能なのです。 これは「ドット記法」を使うことで実現されます。ドット記法とは、変数名をモデルノード名の後 に「ドット」をつけて記述する方法です。つまり、変数名 foo が MyModel というモデルに定義され ている場合、この変数はモデルノードの外から、MyModel.foo を使うことでアクセスできます。これ は、例えば、結果ノードでプロットを作成するときに変数を使いたい場合に役に立ちます。組み込み定数、組み込み変数と組み込み関数
COMSOL は多くの組み込み定数、変数それに関数で構成されています。それらは予約語を持ち、 ユーザには再定義できません。もしユーザ定義の変数、パラメータまたは関数に予約語を使用する と、名前を入力した文字列の文字色がオレンジ色 (警告) または赤色 (エラー) に変わり、テキスト 文字列を選択するとツールチップ・メッセージが表示されます。 重要な例としては以下の通りです。 数学定数、たとえば pi (3.14…) または虚数単位 i, j 物理定数、たとえば g_const (重力加速度)、c_const (光の速度)、R_const (気体定数) 時間変数 t
従属変数の一階微分および二階微分。従属変数名は空間座標名と従属変数名に由来します。(従属 変数名はユーザ定義変数です)
数学関数、たとえば cos, sin, exp, log, log10, sqrt
詳しくは、p.137 の “付録 C --- 言語要素と予約語” を参照してください。
モデルライブラリ
モデルライブラリにはモデル MPH ファイルと関連ドキュメントが収められています。ドキュメント には理論的な背景と、ステップバイステップの操作手順が含まれています。それぞれの物理ベース のアドオン・モジュールには、それぞれ独自のモデルライブラリ例題から成り立っています。 ステップバイステップの操作手順と MPH ファイルモデルを、あなた独自のモデリングや適用例のテ ンプレートとしてお使い頂けます。モデルライブラリを開くには、メインメニューから [ビュー] > [モデルライブラリ] を選択し、モデ ル名を検索、またはモジュールフォルダー名の下をブラウズします。 [モデルをオープン] をクリックしてモデルを開くか、 [PDF ドキュメントをオープン] をクリッ クしてモデルドキュメントを開きます。他のやり方として、COMSOL の [ファイル] > [ヘルプ] > [ド キュメンテーション] の選択があります。 COMSOL モデルライブラリの MPH ファイルには 2 つのフォーマットがあります。フル MPH ファイ ルまたはコンパクト MPH ファイルです。 フル MPH ファイルは全てのメッシュと解を含みます。モデルライブラリ・ウィンドウで、これら のファイルは●アイコンで表示されます。もし MPH ファイルサイズが 25MB 超であれば、モデル ライブラリツリーのモデルノードにマウスカーソルを合わせた際ツールチップに「大容量ファイ ル」という文字列とファイルサイズが表示されます。 コンパクト MPH ファイルはモデルの全ての設定情報は持っているのですが、メッシュ生成と解 データを容量節約のために除いています。ユーザはこのモデルを開いて、設定を学んだりメッシュ 作成してモデルを再計算できます。またモデルライブラリをアップデートすることで殆どのモデル では、メッシュと解の付いたフルバージョンをダウンロードすることができます。これらのモデル
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モデルライブラリは COMSOL 社によって定期的にアップデートされています。 [ビュー] > [モデル ライブラリアップデート] を選択すると、モデルライブラリをアップデートします。この操作で COMSOL 社のモデルアップデート website に接続します。そして最新モデルとモデルアップデート にアクセスできます。これは最新の製品リリースによって追加または更新されたモデルを含みま す。 次の見開きページでは、COMSOL デスクトップでウィンドウを追加してカスタマイズした例を示し ます。プロットウィンドウ…プローブや収束プロットの結果が可視化されます。 いくつかのプロットウィンドウで複数の結果を同時に表示することが可能です。 クイックアクセス ツールバー モデルビルダ ウィンドウ モデルツリー リボン
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グラフィックスウィンドウ ダイナミックヘルプ … 常に更新され、ナレッジベースやモデ ルギャラリーにオンラインアクセスできます。ヘルプウィンド ウには、参照しやすいよう、拡張検索機能が用意されていま す キャンセルボタン付き プログレスバー インフォメーションウィンドウ操作ワークフローと操作手順
モデルビルダウィンドウでは、設計プロセスの各ステップは、グローバル変数の定義から結果の最 終レポートまで全て、モデルツリーに表示されます。 上から下へ、モデルツリーは順序だてた処理手順を定義します。 モデルツリーの下記ブランチは、ノードの順番によって違いが生じます。操作手順の順番は、モデ ルツリーでノードを上または下に移動して変更できます。COMSOL デスクトップ
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メッシュ スタディ プロットグループ ツリーのモデル定義ブランチに以下のノードがある場合には、計算に影響が出ます。 PML 無限要素ドメイン 各ノードは以下の方法で順番変更ができます。 ドラッグ・アンド・ドロップ ノードを右クリックし、[上へ移動] または [下へ移動] を選択 Ctrl +↑または Ctrl +↓をキー入力 他のブランチでは、ノードの順番は操作手順とはあまり関係がありません。しかし、いくつかの ノードは可読性のために並び替えが可能です。グローバル定義の子ノードはそのような例の一つで す。 表示される操作手順の順番は、モデルを [履歴をリセット] した後、モデル M ファイルやモデル Java ファイルとして保存した時のプログラムコードの記述として見ることができます。(注意:モデ ルヒストリーは、モデルを構築し編集した際の完璧な履歴を保持します。そのようにして、モデル ヒストリーには全ての訂正、パラメータや境界条件の変更点、ソルバ手法の調整などを含んでいま す。履歴をリセットすると、全ての上書き変更を削除し、モデル手順の最新状態のクリーンコピー を残します。) COMSOL デスクトップやモデルビルダを使って作業するに従い、組織的で直線的なアプローチを理 解することができるようになります。しかしどのようなユーザインタフェースの記述も、ご自分で 試してみないと不十分です。そのため次の章では、COMSOL に慣れ親しんでいただくために、2 つ の例題の実行へ招待いたします。例題 1: レンチの構造解析
工具を使う作業は工学の基礎を学ぶよい機会を与えてくれます。誰でもレンチを使ってボルトを締 めた経験があると思います。この例題は、締結作業を解析するモデルを通じて、工具形状、トル ク、接触問題に関する詳細を説明します。 ボルトは外部締め付け力を予張力による内部締結力に置き換える役目を持っていることがこの解析 の基本原理になります。ねじ穴あるいはナットにボルトをねじ込む際にボルト内部に引っ張り応力 が発生します。この応力の大きさは選択した材料、組み立て形状、潤滑といった多くの因子に左右 されます。 これらの因子を制御することが、自動車のエンジン、ブレーキ、飛行機といった多くの工学的問題 解決上の焦点になります。ここで示すモデルは組みつけ時のボルトとナットの両方を取り扱いま す。 このチュートリアルは COMSOL Multiphysics を使うための簡単な紹介と基本事項の説明を行いま す。モデルウィザードの開始、フィジックスとスタディの追加、ジオメトリのインポート、材料ブ ラウザを開いて材料を追加し材料特性をチェックする方法が説明されます。モデルを作成する他の 重要なステップとして、パラメータ定義、境界条件の定義、グラフィックスウィンドウでのジオメ トリックエンティティの選択、メッシュとスタディノードの定義、最終的なステップである表示結 果のチェック、が説明されます。 さらに細かいモデル作成を希望する場合においてもこのセクションを読むことで重要な事項を知る ことができます。読破したら p.50「例題 2: バスバー --- マルチフィジックスモデル」に進むと良い でしょう。例題 1: レンチの構造解析
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モデルウィザード
1. ソフトウェアを起動するには、デスクトップの COMSOL アイコンをダブ ルクリックします。起動すると、新しいウィンドウが出てきて新規モデル を作成する 2 つのオプションが表示されます。[モデルウィザード] また は [ブランクモデル] です。 [ブランクモデル] を選択した場合、モデルツリーで [ルートノード] を 右クリックし、手動でコンポーネントやスタディを追加します。この チュートリアルでは、 [モデルウィザード] ボタンをクリックします。 COMSOL がすでに開いている場合、[ファイル] メニューから [新規] を 選択してモデルウィザードを開始することができます。[モデルウィザー ド] を選択してください。 モデルウィザードはモデルを設定する最初の手順を導きます。次のウィ ンドウでは、モデリング空間の空間次元を選択してください。 2. [空間次元を選択] ウィンドウで、 [3D] を選択します。 3. [フィジックスを選択] で [構造力学] > [固体力 学 (solid)] を選択。[追加] をクリック。アドオ ンされたモジュールがない場合、 [固体力学] は [構造力学] フォルダの唯一のフィジックスイン タフェースとして表示されます。以下の図は、全 てのアドオン・モジュールが利用可能な場合で す。 [スタディ] ボタンをクリックし、続けます。4. サポートスタディの下の [定常] をクリックし ます。[完了] ボタンをクリックすると作業を 完了します。 サポートスタディには、この例題で選択した フィジックス、固体力学、に適したソルバと方 程式設定が表示されます。この例では定常スタ ディを使用します。このスタディでは時系列変 化する荷重や物性値がありません。カスタムス タディからスタディ選択する場合、マニュアル 設定が必要です。
ジオメトリ
このチュートリアルは作成済みのジオメトリを使います。バスバーモデルの作成方法を知るには p.120「付録 A --- ジオメトリ作成」を参照してください。ファイルの格納場所
本書に記載のレンチとバスバーのチュートリアルの両方とも COMSOL には作成済みのジオメトリあ るいはパラメタファイルを読みこめばよく、手動で作成する必要はありません。 それらのファイルを格納している場所はどのように COMSOL をインストールしたかによります。例 えば、ハードドライブにインストールした場合、 C:¥Program Files¥COMSOL50¥models¥ に格納されています。例題 1: レンチの構造解析
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1. [成分 1 (comp1)] の下の [ジオメトリ 1] を右クリックし、[インポート] を選択します。 この操作の代わりに、リボンを使って [ジオメトリ] で [インポート] をクリックしても良いで す。 2. [インポート] 設定ウィンドウで、 [ジオメトリインポート] リストから [COMSOL Multiphysics ファイル] を選択。 3. [ブラウズ] をクリックし、COMSOL インストレーションフォルダ内のモデルライブラリフォル ダから wrench.mphbin ファイルを選択します。Windows 内のデフォルト位置で C:¥Program Files¥COMSOL¥COMSOL50¥models¥COMSOL_Multiphysics¥ Structural_Mechanics¥wrench.mphbin を選択し、ダブルクリックあるいは [開く] をクリック。4. [インポート] ボタンをクリックすれば [グラフィックス] ウィンドウにジオメトリが表示されま す。 5. [グラフィックス] ウィンドウでジオメトリをクリックし、移動できることを確かめます。ジオメ トリをクリックした後に右クリックすると色が変化します。ツールバー上の [ズームイン] (記 号)、 [ズームアウト] (記号)、 [デフォルト3D ビューへ] (記号)、[画面にわたってズーム] (記 号)、[透過度] (記号) の各ボタンをクリックし、ジオメトリに生じる変化を確認します。グラ フィックスウィンドウ内にマウスカーソルを置いて以下を行います。 - 回転は、左ボタンを押しながらドラッグします。 - 平行移動は、右ボタンを押しながらドラッグします。 - 拡大縮小は、中央ボタンを押したままドラッグします。 本書の p.134「付録 B --- キーボード・マウス・ショートカット」を参照すればより詳しい情報を知 ることができます。 インポートしたモデルは 2 つのパートまたはドメインがあります。ボルトとレンチです。この例題 で焦点はレンチの応力解析です。 回転:クリックしてドラッグ パン:右クリックしてドラッグ
例題 1: レンチの構造解析
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材料
材料ノード (記号) はモデルノード内の全てのフィジックスと全てのドメインに関して材料特性を設 定します。ここで選んだボルトの材料と工具の鋼材は接触問題を扱う上で重要なものです。以下に それらをどのように選ぶかを説明します。 1. [材料ブラウザ] を開く。 [材料ブラウザ] を開くには二つの方法がありま す。 - [モデルビルダ] の [材料] (記号) を右ク リックし、[材料を追加] を選択 - リボンから、[モデル] タブを選択し [材料を 追加] をクリックする 2. [材料を追加] ウィンドウで、[標準材料ライブ ラリ] をクリックして展開する。スクロール バーを使って [Structural steel] を探し、右ク リックし [成分 1 に追加] を選択する。 3. [材料コンテンツ] セクションを見てフィジッ クスが必要とする材料情報を COMSOL がどの ように分類しているかを確かめます。緑の チェックが付いた特性がシミュレーション内の フィジックスにより使用されます。 4. [材料を追加] ウィンドウを閉じる。 バスバーのチュートリアルの、p.58「材料」セクションを参照したり、p.82「材料のカスタマ イズ」を参照したりすることで、材料の取り扱い方をもっと学べます。グローバル定義
それではレンチにかける負荷を定義するために、グローバルパラメータを定義しましょう。
パラメータ
1. [モデルビルダ] で [グローバル定義] (記号) を右クリックし、[パラメータ] (記号) を選択。 2. [パラメータ] 設定ウィンドウで、[パラメータ表] の下の [パラメータ] に以下を設定します。 - [名前] カラムあるいはフィールドで、F を入力。 - [表式] カラムあるいはフィールドで、150 [N] を入力します。[値] カラムは入力された式に応 じて自動的に変更されます。 - [説明] カラムに、Applied force を入力 します。 バスバーのチュートリアルでは、p.54 [グローバル定義]、p.78 [パラメータ、関数、変数、モデルカッ プリング] はパラメータに関する作業についてより詳しい情報を提供します。例題 1: レンチの構造解析
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いままでのところで、物理とスタディ、ジオ メトリ、材料、そして一個のパラメータを追 加しました。 [モデルビルダ] ノードのシーケンスは右図の ようになっていることを確認してください。 [固体力学] の下にあるデフォルト設定はノー ドの左上コーナーに D をつけて示していま す。 固体力学のデフォルトノードは以下です。 線形弾性材料、フリーという全ての境界が自 由に動く制約や負荷のない境界と、初期値と いう非線形または過渡解析の初期変位や初期 速度のための境界です (本ケースでは未使用で す)。 モデルファイルはいつでもファイル保存で き、後からそのファイルを開けば保存した状 態を正確に再現できます。 3. メインメニューから、[ファイル] > [名前をつけて保存] を選択し、書き込み権限のあるフォルダ へ移動して、wrench.mph というファイル名でファイル保存します。ドメインフィジックスと境界条件
定義済みのジオメトリと材料を使って、[モデルウィザード] セクションで導入した境界条件を設定 する段階に来ました。 1. [モデルビルダ] で、[固体力学 (solid)] (記号) を右クリックし、境 界条件である [固定拘束] を選択 します。 この境界条件は、境界表面の各点 の変位を拘束し、全ての方向でゼ ロにします。 リボンを利用して [フィジックス] タブから、[境界] > [固定拘束] を 選択することもできます。 2. [グラフィックスウィンドウ] で ウィンドウ内のどこでも良いので、 クリックをし、図に示されたように レンチをドラッグし、ジオメトリを 回転させます。ボルトの端面をク リックし、右クリック (青色に変化) します。選択リストには境界番号 35 が表示されます。 3. グラフィックスツールバーの [デフォルト 3D ビューへ] ボタン (記号) をクリックしてデフォル トビューに戻します。例題 1: レンチの構造解析
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4. [モデルビルダ] で [固体力学 (solid)] (記号) を右クリックし、境界条件である [境界荷重] を選 択します。[境界荷重] ノード (記号) が [モデルビルダ] に追加されます。 5. [グラフィックス] ウィンドウで、ツー ルバー上の [ズームボックス] ボタン (記号) をクリックし、右図で示す範囲 を囲むようにマウスを右方向へドラッ グし、リリースします。 6. ソケット部の上面 (境界 111) を左ク リック、右クリックすることで選択しま す。選択リストにその番号が追加されま す。7. [境界荷重] 設定ウィンドウで、[力] の下で [荷重タイプ] として [力] を選 び、−F を入力します。負号はz方向の 負の方向 (下方向) を意味します。こ れらの設定で、150N の荷重は選択した 境界に均一に下方向にかかります。 モデリング手順を単純にするために、ボルトとレンチの機構的接触は材料インタフェースの 境界条件で近似します。そのような内部境界条件は、COMSOL によって自動的に定義され、 通常の応力と変位が材料インタフェースを通して連続性が保証されます。より詳細な力学的 折衝を含む解析が構造力学モジュールで行われます。
メッシュ
メッシュ設定は有限要素メッシュの解像度を明確にし、モデルの離散化に使用されます。有限要素 法はモデルを幾何形状的に単純な形状で、微少な要素に分割します。このケースでは四面体です。 それぞれの四面体では、多項式関数の集合は構造的な変位場を近似します。変位場とは、3 つの座標 方向にどれだけ物体が変位するかを表します。 この例題では、ジオメトリは小さなエッジとフェイスを含んでいるため、デフォルト設定よりもす こし細かいメッシュを定義するのが良いでしょう。こうすることで応力場の変位をよりよく分解 し、より正確な結果をもたらします。しかしメッシュを細かくすれば、コストに跳ね返ります。計 算時間とメモリ使用量が増加します。メッシュサイズはいつも、精度と計算スピードとメモリ使用 量とのトレードオフです。 1. [モデルビルダ] で [モデル1] の下の [メッシュ1] (記号) をクリックします。 [メッシュ] 設 定ウィンドウで [メッシュ] 設定の下で [要素サイズリスト] から [細かい] を選択します。 2. [メッシュ] 設定ウィンドウのツールバーから [全て作成] (記号) をクリックします。例題 1: レンチの構造解析
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3. 数秒でメッシュがグラフィックスウィンドウに表示されます。レンチを回転させてズームしメッ シュサイズの分布を確認してください。スタディ
モデル設定の最初に、定常スタディを選択しました。それによって COMSOL が定常ソルバを使用す ることを暗に意味します。これを適用するために、荷重、変形、応力は時間によって変化しないこ とが前提です。このシミュレーションのデフォルトソルバ設定は、コンピュータのインコアメモリ (RAM) が 2GB 以上の時に適するようになっています。もしメモリが不足した場合、以下の手順を実 施すると実行速度は若干遅くなりますが少ないメモリを使用します。ソルバ実行をするには: 1. [スタディ1] (記号) を右クリックし [計 算] (記号) を選択します。(あるいは [F8] キーを押す)もしご使用のコンピュータのメモリが 2GB より少ない場合、この時点で「LU 分解でメモリ不 足エラーが出ました」というエラーメッセージが表示されます。LU 分解は有限要素解析法で 大規模スパース行列を解くのに使用される数値解析の手法です。 ここで示す手順は、反復解法をセットアップするのに必要です。そのようなソルバを使えば計算に 必要なメモリをかなり減らすことができます。もし使用する PC のメモリが 2GB 以上あればここで 示す手順をスキップして手順 5.の計算を実行できます。 1. もし計算を開始していない場合、スタディノードからソルバ設定にアクセスすることができま す。 [モデルビルダ] で [スタディ1] (記号) を右クリックし、 [デフォルトソルバの表示] (記号) を選択します。 2. [スタディ1] > [ソルバコンフィグレーション] > [ソル バ1] (記号) ノードを展開します。 3. [定常ソルバ1] (記号) を右クリックし [ダイレクト] (記 号) を選択します。 ダイレクトソルバは高速でとてもロバスト性を持つソルバ で広範囲の物理問題を解くために、ほとんど手動での チューニングが必要になりません。それと引き替えに大量 の RAM 容量が必要です。 4. [ダイレクト] 設定ウィンドウで、[アウ トオブコア] チェックボックスをオンに します。デフォルト設定のインコアメモ リの 512MB のままにします。 この設定は、お使いのコンピュータが演 算中に速度が遅くなったときは、ソルバ がハードドライブを RAM の代わりに使 い始めます。 5. [スタディ1] (記号) を右クリックし [計算] (記号) を選択 (あるいは [F8] キーを押す)。
例題 1: レンチの構造解析
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計算から数秒後、デフォルトのプロットがグラフィックスウィンドウに表示されます。 [メッセージ] および [ログ] タブでは、計算に関するその他の有用な情報を確認できます。グラ フィックスウィンドウの下の [メッセージ] および [ログ] タブをクリックすると、情報が表示され ます。また、[メッセージ] タブは、リボンの [モデル] タブの [その他のウィンドウ] ドロップダウンリ ストからも開くことができます。結果の表示
デフォルト表示としてグラフィックスウィンドウにはフォン・ミーゼス応力のサーフェスプロット と変形サブノードを使った変形が表示されます。デフォルト表示に使用されている単位 (N/m^2) を MPa に変更します。 1. [モデルビルダ] で [結果] > [応力 (solid)] (記号) ノー ドを展開し [サーフェス1] (記号) をクリックしま す。2. 設定ウィンドウの [式] の下にある [単 位] リストから MPa を選択します (あ るいは直接、MPa を編集フィールドに 入力することも出来ます)。 応力についてもっと詳細を確認するには、[品質] セク ションを展開し下記のように設定します。 [リカバ] リストから [ドメイン内] を選択します。リカ バ設定では、個々の要素ではなく、要素全体の応力レ ベルに関する情報が復元されます。可視化に時間がかかるため、デフォルトでは無効です。[ド メイン内] を選択すると、それぞれのドメインが別個に処理され、複数の材料インタフェースで 応力の復元が行われることはありません。 3. [サーフェス表示] の設定ウィンドウのツールバーにある [グラフィックス画面表示] (記号) ボタ ンをクリックし、その後、[グラフィックス] ウィンドウのツールバーにある [デフォルトの 3D 表示へ進む] ボタンをクリックします。 グラフィックス画面には変更された単位でフォン・ミーゼス応力が表示され、垂直に負荷がか かった条件下のボルトと、荷重がかかったレンチの応力分布を観察できます。
例題 1: レンチの構造解析
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レンチのような道具に使われる典型的なスチールでは、降伏応力は約 600MPa です。このことは 150N の荷重をかけると塑性変形に非常に近くなることを意味します(これは約 34 ポンド重です)。ま た、安全率も気にかかるところでしょう。つまり安全率 3 の状態です。レンチのどの部分が塑性変 形の危険性にあるかということを素早く調査するには、比較式を使ってプロットします。例えば solid.mises > 200 [MPa] などを使います。 1. [結果] ノードを右クリックし、[3D 表示グループ] を追加します。 2. [3D 表示グループ 2] ノードを右クリックし、[サーフェス] を選択します。 3. [サーフェス] の設定ウィンドウで、[式を置 換] ボタンをクリックし、[モデル] > [コン ポーネント] > [固体力学] > [応力] > [フォン・ ミーゼス応力 (solid.mises-von)] を選択しま す。すでに変数名を知っている場合は、直接 [solid.mises] と [式] フィールドにキー入力 しても良いです。ではこの式を以下のように 編集しましょう。[solid.mises>200 [MPa] ] これはブーリアン式で、正の場合は 1 を、否の場合は 0 と評価されます。この式で 1 と評価され た領域は、安全率を超えています。さきほど述べたリカバをここで使います。 4. [グラフィックス画面表示] ボタンをクリックします。 5. モデルビルダで、 [3D 表示グループ 2] をクリックします。[F2] キーを押下し [3D 表示グルー プをリネーム] ダイアログボックスに [Safety Margin] をキー入力します。[OK] をクリックしま す。この結果プロット図はボルトの応力は高いことを示していますが、この例題での注目点はレンチ です。
もし 150N 荷重で安全率 3 をゆとりをもって確保したい場合、持ち手のデザインをもう少し幅広 にする必要があります。 また製造元は、いろいろな理由から、レンチに非対称なデザインを選択していることに気づくで しょう。そのような理由のため、もしレンチを回したときには応力場は異なっています。反対向 きに同じ力をかけて、フォン・ミーゼス応力の最大値の可視化を行って、違いがあるかを確かめ ることについては、ご自分で試してみましょう。
収束解析
レンチのフォン・ミーゼス応力の最大値計算の精度を検証するために、メッシュ収束解析を継続し ましょう。メッシュを [より細かい] を使って計算すると、自由度数 (DOFs) は大きくなります。 このセクションはより高度な機能を示しています。そのため初めて読む時には下記の手順を スキップして構いません。下記の収束解析を実行するために、最低でも4GB メモリー (RAM) のコンピュータをオススメします。このセクションの数値結果はお使いの COMSOL バージョンに殆ど依存しません。フォン・ミーゼス応力最大値の計算
1. レンチのフォン・ミーゼス応力最大値を計算するために、モデルツリーの結果セクションで、計 算値ノードを右クリックし、[最大] > [ボリューム最大値] を選択してください。例題 1: レンチの構造解析
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2. [ボリューム最大値] 設定ウィンドウの [選択] セクションの下で、[選択] リストから [手動] を 選択し、グラフィックスウィンドウのレンチをクリックしてレンチのドメイン 1 を選択します。 レンチドメインのみを考慮し、ボルトドメインは無視します。 3. [式] テキストフィールドに、関数 [ppr (solid.mises)] とキー入力します。関数 ppr () はさきほど の記述にあった、p.42 のリカバ設定です。ppr 関数でのリカバ設定は、結果の応力場の品質向上 に使用されます。これは polynomial-preserving recovery (ppr) アルゴリズムを使用し、各メッ シュ・バーテックス周りのメッシュ要素パッチを求める、高次の内挿関数です。それはデフォル トでは有効ではありません。なぜなら求解が遅くなるからです。 4. [式] の下の [単位] リストから、[MPa] を選択します。 5. [ボリューム最大値] 設定ウィンドウのツールバー で [評価] を押すと、応力の最大値が求まります。 結果はテーブルウィンドウに、およそ 364 [MPa] と表示されます。 最大値の場所を見るためには、[ボリューム最大値/ 最小値] プロットを使います。 6. 結果ノード (記号) を右クリックし、[3D 表示グループ] を追加します。 7. [3D 表示グループ 3] ノードを右クリックし、[他の表示] > [最大/最小 (ボリューム)] を選択して ください。 8. [最大/最小 (ボリューム)] 設定ウィンドウで、[式] テキストフィールドに、関数 ppr (solid.mises) をキー入力します。 9. 設定ウィンドウの [式] の下に、[単位] リストから [MPa] を選択します。(もしくはフィールド に [MPa] とキー入力します。)10. [グラフィックス画面表示] ボタンをクリックします。この形式の表示は最大最小値の位置を表 示し、下のテーブルに座標位置を表示します。
メッシュのパラメータ処理
求解中にメッシュサイズをうまく洗練するためにパラメトリックスィープを定義しています。そし て最終的にフォン・ミーゼス応力最大値とメッシュサイズをプロット表示します。まず始めに、 メッシュ密度を調整するのに使うパラメータを定義しましょう。 1. モデルビルダで、グローバル定義の下のパラメータをクリックします。 2. [パラメータ] 設定ウィンドウへ移動します。 [パラメータ] テーブルのパラメータの一番下に (またはテーブルの下のフィールドに)、これらの設定をキー入力します: - [名前] カラムまたはフィールドに、[hd] とキー入力します。このパラメータはパラメトリッ クスィープで要素サイズを調整します。 - [式] カラムまたはフィールドに、[1] とキー入力します。例題 1: レンチの構造解析
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3. さて、もう一つのパラメータを入力しま す。[名前] に [h0]、[式] に [0.01]、[説 明] に [Starting element size]。このパラ メータはパラメトリックスィープ開始時 の要素サイズを定義します。 4. モデルビルダで、[モデル 1] の下の [メッシュ 1] をクリックします。[メッシュ] 設定ウィンド ウの [メッシュ設定] の下で、[シーケンスタイプ] リストから [ユーザ制御メッシュ] を選択し ます。 5. [メッシュ 1] の下の [サイズ] ノードをクリックします。 6. [サイズ] 設定ウィンドウの [要素サイズ] の下で、[カス タム] ラジオボタンをクリックします。 [要素サイズパラメータ] の下で、下記をキー入力しま す: - h0/hd と [最大要素サイズ] フィールドに入力。 - h0/ (4*hd) と [最小要素サイズ] フィールドに入力。 - 1.3 と [最大要素成長率] フィールドに入力。 - 0.1 と [屈曲部解像度] フィールドに入力。 - 0.2 と [狭小領域解像度] フィールドに入力。 より詳しく知るためには p.70 の「要素サイズパラメータ」を参照ください。
パラメトリックスィープとソルバ設定
新しい手順として、パラメータ hd を使ったパラメトリックスィープを追加します。 1. モデルビルダの、[スタディ 1] を右クリックし、[パラメトリック スィープ] ノードを選択します。そうするとモデルビルダのシーケ ンスにパラメトリックスィープノードが追加されます。 2. パラメトリックスィープ設定ウィンドウの、テーブルの下で、[追加] ボタンをクリックします。 テーブルの [パラメータ名] リストから、[hd] を選択します。3. [パラメータ値リスト] に範囲をキー入力しま す。[範囲] ボタンをクリックし、[範囲] ダ イアログボックスに値をキー入力します。 [開始] フィールドに [1]、[ステップ] フィー ルドに [1]、[停止] フィールドに [6] をキー 入力し、[置き換え] ボタンをクリックしま す。パラメータ値リストには、[range (1, 1, 6)] と表示されます。 上記の設定はスイープが実行される際に、パラメータ値 hd が増加し最大/最小要素サイズが減少 します。 パラメトリックスィープ定義の詳細情報は p.107 を参照ください。 hd の最大値では、DOFs の数値は 100 万を超えます。 従って、メモリ効率の高い反復ソルバへ切り替えます。 4. [スタディ 1] > [ソルバコンフィギュレーション] > [解 1] の下で、[定常ソルバ 1] ノードを展開 し、 [定常ソルバ 1] を右クリックして [反復] を選択します。反復ソルバオプションは一般的に メモリ使用量を減らしますが、効果的な計算のためには、各フィジックス固有のソルバ設定の微 調整が必要になりえます。 5. [反復] 設定ウィンドウの [一般] セクションの下で、[プリコンディショニング] を [右] に設定 します。(これはオプションのローレベル・ソルバのオプション設定で警告メッセージを回避しま すが、設定しないと表示されます。しかし、この設定は解に影響しません。プリコンディショニ ングは式変換であり、反復ソルバを使う際、有限要素法の前処理によく使われます。) 6. [反復 1] ノードを右クリックし、[マルチグリッド] を選択します。マルチグリッドは密度不均一 かつ有限要素形状関数の次元が不均一なメッシュ階層を使用します。 7. [スタディ 1] ノードを右クリックし、 [計算] を選択します。[マルチグリッド] 設定ウィンドウ にも [計算] ボタンがあるので、[マルチグリッド] ノードを右クリックしても良いです。計算時 間は 2,3 分 (コンピュータのハードウェアに依存します)、メモリ使用量は約 4GB です。
結果分析
最終段階として、パラメトリックスィープの結果を解析します。フォン・ミーゼス応力最大値を テーブルに表示して行います。例題 1: レンチの構造解析
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2. [ボリューム最大値] 設定ウィンドウで、[データセット] を [スタディ 1/パラメトリック解 1] に 変更します。 3. [評価] ツールバーボタンから、それは [ボリューム最大値] 設定ウィンドウの一番上にありますが、[新規テーブル] を選 択します。この操作には 1 分少々かかります。 4. テーブルの結果をグラフ表示するには、[テーブルグラフ] ボ タンをクリックします。 ボタンは [テーブル] ウィンドウの一番上にあります。グラフを生成するのに 1 分少々かかりま す。最大値と自由度数をプロットするとより興味深いです。これは組み込み変数の numberofdofs を使うことで対応可能です。 5. [計算値] ノードを右クリックし、[グローバル評価] を選択します。 6. [データセット] を [スタディ 1/パラメトリック解 1] に変更します。 7. [式] フィールドに、[numberofdofs] とキー入力します。 8. [評価] ツールバーボタンから、それは [グローバル評価] 設定ウィンドウの一番上にあります が、 [テーブル 2] を選択します。(そうすることで各パラメータでの DOF 値を、先ほどの評価 データの隣に表示します。) この収束解析は以下を示します。レンチの持ち手部分のフォン・ミーゼス応力の計算値は、最初結果 の 355MPa (そのときのメッシュによる自由度数は約 60,000DOFs) から増加し、370MP (メッシュによ る自由度数は約 1,100,000DOFs) です。また 300,000DOFs でも根本的には 1,100,000DOFs と同様の精 度を示します。下記のテーブルをご確認ください。 自由度数 フォン・ミーゼス応力 の最大値 (MPa) 58,899 354.8 177,918 364.3 314,181 368.5 585,849 369.0 862,509 369.6 1,126,380 369.8 これがレンチチュートリアルの結論です。例題 2: バスバー --- マルチフィジックスモデル
バスバーの電気加熱
このチュートリアルは COMSOL でのマルチフィジックスモデリングのコンセプトを例示します。こ のセクションでは、異なる物理現象を順番に紹介していきます。最終的には、真のマルチフィジッ クスモデルを構築します。 これから作ろうとしているモデルはバスバーの解析で、電気装置に直流電流を加えるように設計さ れます。(下図参照) バスバーを流れる電流は、ボルト 1 からボルト 2a とボルト 2b へと流れ、電気 抵抗ロスのために熱を発生するジュール発熱現象を取り扱います。バスバーは銅でできていて、ボ ルトはチタン合金でできています。材料の選択は重要です。なぜならチタンは銅よりも低い導電率 もちますから、より高い電流密度を持つことになります。 シミュレーションの目的は、バスバーの発熱温度を正確に計算することです。一旦基本的なマルチ フィジックス現象を把握すれば、バスバーの熱膨張による応力およびひずみや、空気の流れによる 冷却効果を簡単に調べることができます。 ジュール発熱効果は電流保存則およびエネルギー保存則によって記述されています。一旦解が求ま れば、2 つの保存則によって温度と電場が得られます。全ての表面は、ボルトの接触面を除き、バス バー周りの空気によって自然対流で冷却されます。ボルトのむき出し部分は電気装置の冷却または 発熱に寄与しないことは、想像がつくと思います。 ボルト 2a ボルト 2b ボルト 1例題2: バスバー --- マルチフィジックスモデル