2012年度技術部活動報告集
著者 福井大学工学部技術部技術部活動報告集編集委員会
雑誌名 技術部活動報告集
巻 18 (2012年度)
発行年 2013‑03
URL http://hdl.handle.net/10098/8786
現在までの思い出をふりかえって
第二技術室 脇 敬 一
私は昭和46年4月から福井大学工学部に技術職員として採用され、建設工学科勤務を命じら れました。以来40年余り建設工学に係わる仕事をしてきました。建設工学科は昭和43年に新 設されたばかりで、私が勤務した当時はまだ第1期生が4年の時で、まだ 4号棟が無かった頃で した。その後建設工学科は、建築学科と統合され建築・建設工学科、環境設計工学科など幾つか の学科名の変更を行いながら現在に至っています。
その間私は、現在名誉教授となっておられる川上英男先生のコンクリート工学講座で、①骨材 とコンクリート強度、②鉄筋コンクリートの耐久性の調査研究、③環境塩害、についての研究支 援を25年間、防災工学講座の福原先生の研究室で、①冬期道路安全対策プロジェクト、②アラ ブ首長国連邦における砂漠緑化プロジェクト、③土壌塩害防止プロジェクト、④保健衛生改善プ ロジェクト、の研究支援を17年間行ってきました。
この間を振り返ると、コンクリート工学講座では、骨材を一つ一つ選り分け数種のコンクリー トを製作したこと、石川および福井県の学校や公共建物の老朽度調査を50件余行うと共に、コ ンクリートを加熱し、水分および炭酸ガスを除去した後、希塩酸セメント分を溶解し、建設当時 のコンクリートの調合推定を行ったことや、調査建物の図面作成をしたこと、防災工学講座では、
塩害調査で新潟から福井県の海岸線を車で回り海岸から何キロまで塩分飛来があるかを調査した こと、自分達で配管し地中熱を利用した融雪システムを作ったこと、冬の寒空の下で融雪設備の 新設を予定している箇所の気象観測および路面温度・地中温度観測を昼夜に亘り集中観測をした こと、日本に数台しかない測定車を用い路面の摩擦係数を計る実験を運動公園や飛行場で行った こと、50℃近くあるアラブ首長国連邦の農場において節水灌漑実験を行ったこと、安全な水造 りが行える簡易な円筒型太陽熱淡水化装置を開発したこと、など数々が思い出されます。
また、学生実験の造材料実験では、骨材のふるい分け、セメントの密度試験、コンクリート供 試体作成、の指導に係わったほか、水理学実験では、開水路の実験装置の運転を行い等流及び乱 流を作る方法等の指導に係わりました。
鉄筋コンクリート耐用年数は約50~60年と言われていますが、その寿命延長をするコツは 建築に携わる人々の知識と技術そして維持管理の継続によって達成されます。近年、技術部はめ まぐるしく変革していますが、今後の技術部も技術職員1人1人が自立心を持ち自分達の技術を 発現することと、個々の優れた技術を持つ技術職員の相互協力の体制が確立すれば、それぞれが 得意とする技術分野が融合し、さらに高度な技術開発が可能になり、技術相談や技術支援に対応 できることで技術部が活性化され福井大学における中核的存在になることができると信じますの で、皆様のご活躍を祈念します。
以上、退職にあたり40年余りの私の足跡と思い出を簡単にまとめさせて頂きました。おわり に、今日までお世話になった学科、学部および大学の関係各位、そして幾多の思い出を作ってい ただいた学生諸君に、厚くお礼申しあげると共に皆様のご健勝をお祈りいたします。
長い間有難うございました。
平成24年度 工 学 部 技 術 部
技術発表会・特別講演会 プログラム
日 時 : 平成 25 年 3 月 18 日(月) 午前 9 時 30 分~
会 場 : 福井大学 産学官連携本部研修室(3階)
主 催 : 福井大学 工学部 技術部
開 会
9:30 挨 拶 岩井 善郎 技術部長
1.専 門 研 修 (○は、発表者)
9:40~10:25 座 長 田畑 功(技術部)
1-1 基板製作装置CIP100を用いた電子回路基板の設計および試作技術の修得
○白井 治彦(第一技術室),篠 競(第三技術室),水野 広治(第三技術室),○小林 英一(第三技術室)
1-2 薬品管理システム利用技術に関する研修
○宮川 しのぶ(第二技術室),田畑 功(技術部),森田 俊夫(第二技術室),岡田 文男(第二技術室)
1-3 研磨機の試作と加工評価
○青山 直樹(第一技術室),川崎 孝俊(第一技術室),山森 英智(第一技術室),峠 正範(第一技術室)
2.日 常 研 修
10:35~11:35 座 長 青山 直樹(第一技術室)
2-1 電子回路シミュレータLTspiceによる設計検証技術の習得 第三技術室 小林 英一
2-2 リスクアセスメントの試み 第二技術室 安藤 誠
2-3 スターリングエンジン試作および学生実習提案 第一技術室 高澤 拓也 2-4 ガソリンエンジン分解・組立による、組立技術の習得 第一技術室 川崎 孝俊
【特 別 講 演】
13:00 司 会 森田 俊夫(第二技術室)
講師紹介 町原 秀夫(統括技術長)
13:05~15:20
特別講演1 :「中小企業の中国進出」
株式会社 鯖江工業所 代表取締役社長 宇野 伸彦 氏 特別講演2 :「塑性加工におけるデジタル制御の成果」
福井大学大学院工学研究科・機械工学専攻 大津 雅亮 教授
3.新 人 研 修
15:30~16:10 司 会 白井 治彦(第三技術室)
3-1 平成23年度新規採用職員研修報告 第一技術室 青山 直樹
3-2 平成23年度新規採用職員研修報告 第三技術室 小林 英一
3-3 平成23年度新規採用職員研修報告 第一技術室 高澤 拓也
3-4 平成23年度新規採用職員研修報告 第二技術室 宮川 しのぶ
4.退 職 者 挨 拶
16:20~16:30 司 会 森田 俊夫(第二技術室)
4-1 「現在までの思い出をふりかえって」 第二技術室 脇 敬一 閉会の辞 水野 広治(第三技術室)
編 集 後 記
技術部では、分野別の3室6班体制での教育支援や技術分担・支援等による技術提供に加え、3 年前からは組織業務にて公平に技術を提供するために、実験・実習グループ、安全衛生管理推進グ ループ、共同利用施設グループ、技術相談・プロジェクトグループからなる業務グループが見える 技術組織としての実質化に積極的に取り組んでいます。また、今年度からは、個人派遣による研 究室への派遣を、技術的業務内容や期間、成果等を明確にするために教育・研究プロジェクトへの 派遣に改めており、その中で、技術業務として専門性を活かしたプロジェクト業務や組織対応の グループ業務を遂行しています。更にそれらの技術支援要求に応えるために技術的な能力の向上 と、知識を深めるための自己研鑽として様々な活動を行っています。今回でVol.18の発刊となり ました技術部活動報告集では、1年間の技術部の活動を日常・専門研修の成果を中心に報告してい ます。研修報告以外には、研修・技術研究会等参加報告、技術部講演会、公開講座、福井大学きて みてフェア2012、技術相談などを掲載しました。
日常・専門研修に関しては、本年度は専門研修3件と日常研修4件の応募があり、日常・専門研 修実施委員会にて計画書の確認、ヒアリング、研修実施の可否を行いました。今回は特に、昨年 度の採用者を含めこれからの技術部を担う若い方を中心に延べ16名が研修を行いました。業務 に関わる技術の資質向上を図るには、この研修制度の充実と積極的な利用が考えられます。
最後に、平成24年度日常・専門研修の実施にあたり、予算配分にご高配賜りました工学研究科 長・技術部長、技術部運営委員の方々に対して厚く御礼申し上げます。また、研修企画、運営に 多大なるご尽力をいただきました平成24年度日常・専門研修実施委員、ならびに活動報告集を編 集していただいた各委員の皆様に深く感謝いたします。
水野 広治
平成24年度 日常・専門研修実施委員会 委員長 水野 広治 青山 直樹 宮川しのぶ 小林 英一 町原 秀夫 白井 治彦 森田 俊夫 田畑 功
平成24年度 技術部活動報告集編集委員会 委員長 水野 広治 山森 英智 安藤 誠
技術部活動報告集 Vol.18
発行者 〒910-8507福井市文京3丁目9番1号
福井大学工学部技術部
技術部活動報告集編集委員会 印 刷 株式会社エクシート