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屋根積雪の調査

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Academic year: 2021

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屋根積雪の調査

著者 兼田 啓一

雑誌名 福井大学工学部研究報告

巻 10

号 1.2

ページ 203‑206

発行年 1962‑03

URL http://hdl.handle.net/10098/5097

(2)

203 

屋 根 積 雪 の 調 査

兼 田 啓

AN INVESTIGATION OF THE SNOW COVER  ON V  ARIOUS TYPES OF ROOFS 

Keiichi KANEDA 

The snow cover is  not always uniform on the roof and this  requires adequate care for  roof design.  This presented paper respects  such a problem referring  to the observation in  Fukui  city  area, in  recent winters  (1959‑1961).  Photographs and illustrations  show ex‑ amples of the snow cover on various types of roofs such as sloping roof, barrel vault and dome. 

Cracking, sliding down, drifting, compacting and spreading of the snow cover are observed  at them, The remarks on roof design in the region of heavy snowfall are included. 

え カ t き

積雪はいわゆる建築設計という仕事の範囲内では解決できない大きい問題であり,都市計画的な 規模の研究が必要とされるのであるが,建築設計の範囲内においても雪国の建築には当然積雪に関 連する多くの問題がある口積雪の建築にたいする作用はさまざまであり,建築設計においては計画 上の色々な制約や構造上の負担となってあらわれるが,中でも屋根積雪の作用がいちじるしい。屋 根積雪による荷重は建築物の構造安全性を知るために適切に推測されていなければならない。筆者 はアルミニワム板をふいた屋根上の積雪調査のため福井大学工学部の敷地内に建てられた実験家屋 や福井市内のいくつかの建築物について屋根積雪の調査をおこなった口研究は主に新しい材料であ るアルミニウムのうす板を葺いた屋根上の積雪と近年大空間をえるためにしばしばつくられている 曲面屋根 (shellroof)上の積雪とに向けられており,特に曲面屋根上における積雪の深さの分布に 注目しているO この報告ではそれらを写真と図を中心に示しているo 積雪の雪質は,ぬれゆき,ざ らめゆきという様に区別している。乙の調査は1961年2月にいたる数年間の積雪期にお乙なったも のであるが,積雪の多かった昨冬 (1961年)2月3日‑‑6日の調査が主であるから,気象条件,積 雪量の点から見て,これらの資料は,多雪地域の典形的な冬のものと考えてよいと思うo1961年2 月初めの天気は1月30日(曇時々雨), 1月31日‑‑2月3日(毎日雪), 2月4日, 5日(晴時々曇),

2月6日(曇時々雨〕となっているD

1 .  

アルミニウム板を葺いた緩勾配屋根の上の積雪

アルミニヲムのうす板を葺いた屋根(五棒葺き〕では,たとえその勾配がゆるくても,一昼夜に 降る雪の量がいちじるしく多くなければ, 日中のわずかな日射によって,その屋根積雪は容易に自 然落下し,屋根上に数日聞にわたって降る雪が積り重なるということはない口しかし,軒先の細部 設計によってはその自然落下を止めることができるO 福井市体育館の屋根の軒先は一段下がってい て,モノレタノレ仕上になっているので,アルミニウム板を葺いた屋根の上を積雪が滑って移動するの を止めている口これにたいして越屋根はその軒先までアルミニウムで葺かれているので越屋根の積 雪は滑り落ち,傾めになった窓にそって堆積している口 〈次頁写真を参照)

骨福井丈学工学部助手

(3)

204  福井大学工学部研究判告1012

実験家屋(尾根

勾配は左の方が 2/10,むのノ が 3/10

紅井市体育立'1":の越屋根上W'.‑':;.とその自然落下

(左の~:以でも観察で きる

‑54.00

机一一│

~巧~

J出犀根から滑落した雪の堆f:u

(位置a)

j呈似五日';の自然落下を止めている 軒先部分(位置b)

福 井 市 体育 館 断 而 図 (上) 屋 根 平 田区I(下) (体育館の)五根積雪の訓l査,写真撮影は196126日午後2時から4時にかけておこなった)

2. ゆるい曲面屋根の上の積雪

一般に南側に傾斜している屋根の屋根積雪は北側に傾斜している屋根の屋根積雪よりもとけやす いのであるが,これから類推できるように,ゆるい曲面屋根の屋根積雪は北側端でもっとも深く南 へゆくにしたがって深さを減ずるD 密度の大きいざらめ雪の層も北側に片寄って存在するO 福井市 児童園の 2つの屋根,すなわち図書室のグォーノレト形屋根と遊戯室の ドーム形屋根とのばあいを写 真と図によって示す。

( 1 ) 福井市児童園図書室 (ヴォーノレト形屋恨 BarrelVault) 

書 室 西 面

IfAiA‑Aを示す写真

! 北 i l 1

i‑i‑jlT 

30.0QJ1l;  図 書 室 屋 根 平 面 図

(4)

屋 根 積 雪 の 制 査 205 

e v

38  40 

6.57m 

~

G.L.J::'.1 2.G5

ωれゆき 囚 ざ ら め ゆ き エ 積 雪i呆さ(cm) 図 書 室 の 屋 似 積 当 の 断 面 A‑A (2)  福 井 市 児 童 園 遊 戯 宝 (ドム形 屋 根Dome)

遊 戯 主 束 而i

︑ ︑

神事

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J ‑ d '

遊戯室の屋根積雪の断面B‑B(克は南半分,右は北半分〉

36  36  35  38  40  39 

J 丁

11.00m 

口 組 れ ゆ き 図 ぜ ら め ゆ き i 積雪深きや叫

遊戯~の 根初 の|析而 B-B

(福井市児主園の2つの屋松の屋根防雪の制査は昨196124日午前9時半からiE午にかけて

n

ぃ,

写真もその時とったものである〉

(5)

206  福井大学エ学部研究報告第10巻 第12号

3 .  

急な曲面屋根のよの積雪 急

、な曲面屋根にはほとんど雪が積らない。乙の調査で対象としたのは福井市足羽山上の仏舎利塔

福井市足羽山上の仏舎利塔

(stupa)であって普通の意味での建築ではないが,形態の上か らは,急なドーム形屋根 (Dome)と考えてよし1から,この観察 か ら 急 な ド ー ム 形 屋 根 の 上 の 積雪の 状 態 を 類 推 す るζとができ るo この仏舎利塔のばあいの観察では,まずうすい積雪層がその 全面をおおうが,次第に剥落し,下方に堆積する。急な曲面屋根 では屋根積雪よ り も む し ろ 下 部 に 堆積する大量の雪が問題とな るO

積雪 層 の 剥 落 積雪層 の 滑 落 下部にできた雪の堆積 (仏舎利塔の枯雪の写真は昨196123日の午後3時から4時の間に撮ったものである)

結 び

積雪は,その積雪面の性質,周囲の状況,気象条件等の影響を受けて移動,変形,雪質の変化を 生じ,たえずその様相を変える。屋根に降る雪もまた一様で均質な積雪層にはならない口そして屋 根 積雪は屋根面に固定されたものではなく,始終その状態を変化するO 特に屋根の形式の相違によ ってそれぞれ特色のある屋根積雪の状態を生じ,さらに建築物の周囲の積雪状態にまで影響を及ぼ す。このようなことは雪国の建築の冬期における居住性,構造安全性の問題につながるD 乙の報告 では,いくつかの形式のちがった屋根につもる雪の状態についての調査の結果を多雪地域における 建築設計の資料として示したD

(受理年月日 昭和37年1月17日)

参照

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