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管きょ更生後における耐震性の向上(ダンビー工法の改良) ㈱クボタ建設

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Academic year: 2022

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キーワード 耐震性、管更生、ダンビー工法、永久ひずみ

連絡先 〒104-0044 東京都中央区明石町 6-22 (株)クボタ建設 工事本部 技術部 TEL03-3547-9154

管きょ更生後における耐震性の向上(ダンビー工法の改良)

㈱クボタ建設 正会員 ○ 柳川 正和

㈱クボタ 堀 智明

㈱大阪防水建設社 三浦 仁

1. はじめに

非開削で管きょを更生する工法は、近年クローズアッ プされてきた管きょの腐食や老朽化に対処するため各種 開発され、広く施工されてきている。また阪神淡路大震 災以降、管きょの耐震性能に対する検討がさかんに行わ れるようになり、更生管に求められる耐震性能も高くな っている。

ダンビー工法は、φ800mm以上の中大口径管きょを供 用中でも非開削で更生する工法として開発され、平成15

年度末で24,000m以上の施工を行ってきた。これまで、

ダンビー工法で更生された管きょは、レベル2地震動で の管軸方向の抜け出し量に適応していたが、今回、硬質 塩化ビニル製の帯板(ストリップ)を接続する接合用嵌 合部材(ジョイナー)に柔構造部分を設け、ジョイナー 部のみで地震時に発生する管軸方向変位を吸収する構造 とし、より高い耐震性能を有することを確認したので報 告する。

なお文中のレベル1、レベル2地震動時の管軸方向伸 びは、「下水道施設耐震計算例-管路施設編―(社団法人 日本下水道協会)」の「1.鉄筋コンクリート管(開削用)」 で示されている地震動に対する抜け出し量の計算値を用 いている。また、更生を行う管きょはダンビー工法の主 な対象管きょである「下水道用鉄筋コンクリート管

(JSWAS A-1)」(以下、鉄筋コンクリート管)を想定し、

管きょの有効長はB形管の有効長L=2430mmとした。

2. 試験用材料

今回開発したジョイナーを、図-1に示す。ジョイナー は硬質塩化ビニルと塩ビ系エラストマーの複合体であり、

中央部にU字形の溝を有している。また、ストリップと の嵌合部にはシリコン系シール材を塗布しており、水密 性を確保している。地震動により管軸方向に引張が生じ ると、U字形溝に曲げモーメントが発生しU字形溝の頂 部が破断する。U字形溝の破断後は、背面にある塩ビ系 エラストマーにより管内面を被覆し、管の流下機能を確

保する構造である。

塩ビ系エラストマー シール材

硬質塩化ビニル U 字形溝

0.5mm

43.2mm

11mm

ストリップ嵌合部

図-1 ジョイナー概要図 3.部材引張試験

3.1.試験方法

ジョイナー単体の引張試験を行い、部材の引張性能を 調査した。ストリップ嵌合部両端を引張速度10mm/min で引っ張り、ジョイナーの伸びとU字形溝、塩ビ系エラ ストマーの状態を調査した。試験は、塩ビ系エラストマ ーが破断するまで行った。

3.2.試験結果

U字形溝は、伸びが 6mm を超えると変形を起こし、

伸び10mmの時に破断した。U字形溝が破断した状況を、

写真-1に示す。

写真-1 U字形溝破断状況

U字形溝が破断した時も、塩ビ系エラストマーに異常 は生じていなかった。その後、変位量が50mmになると 塩ビ系エラストマーが大きく伸張した。変位量が60mm になったときに、塩ビ系エラストマーが破断した。また、

その時点まで、ストリップに変形・異常は発生しなかっ た。

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

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参考文献

・ 下水道施設の耐震対策指針と解説(1997年版)社団法人 日本下水道協会

・ 下水道施設耐震計算例―管路施設編― 社団法人日本下水道協会 表-1 試験結果

管軸方向変位(mm) 部材性能試験 更生管実証試験 備考

2.25 異常なし 異常なし 耐震計算例レベル1相当

7.49 異常なし 異常なし 耐震計算例レベル2相当

10.00 U字形溝破断

36.45 管有効長の 1.5%(永久ひずみ相当)

60.00 塩ビ系エラストマー破断 管有効長の 2.46%

62.00 塩ビ系エラストマー破断 管有効長の 2.55%

4. 更生管実証試験 4.1.試験方法

接続した2本の鉄筋コンクリート管(呼び径800、B 形 1 種)をダンビー工法で更生し、図-2に示すように 強制的に管軸方向に変位を与え、ジョイナーの管軸方向 の変位吸収性能を調査した。

図-2 実管実証試験図

試験時は、更生管内に水を入れ、ジョイナーの破断が 漏水により確認できるようにした。また、レベル1,2 地震動相当の管軸方向伸び時と漏水発生時に管内の水を 抜いて、鉄筋コンクリート管の継手の目開き量およびジ ョイナーのU字形溝の開き量を測定し、部材の状態を目 視により確認した。

4.2.試験結果

測定箇所 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ -5

0 5 10 15 20 25 30 35 40

ジョイナU字形溝開き量

レベル1 レベル2 1%

1.20%

1.50%

2%

管きょ接続部

図-3 実管実証試験結果

更生管実証試験での鉄筋コンクリート管の継手の目開

き量とジョイナーのU字形溝の開き量の関係を、図-3 に示す。

ジョイナーの変形は、継手部付近の嵌合部2箇所(⑨、

⑩)に発生した。管内に水を入れていたため、U字形溝 が破断した時の鉄筋コンクリート管の継手の目開き量は 確認できなかった。更生管の変位が62mmの時に漏水が 生じ、塩ビ系エラストマーが破断したことを確認した。

また、その時点まで、ストリップに変形・異常は発生し なかった。

上記 2 種類の試験の結果を、表-1に示す。

5.まとめ

今回の試験から、以下のことが分かった。

① 管軸方向に変形が発生した時は、継手部付近のジ ョイナー部のみで変形に追随し、ストリップには 変形が生じない。

② ジョイナーのU字形溝は、管軸方向伸び10mmで 破断する。

③ U字形溝が破断した時も、塩ビ系エラストマーに は異常は生じない。

④ 塩ビ系エラストマーは、管軸方向伸び60mmで破 断する。

以上のことから、有効長 L=2430mmの鉄筋コンクリ ート管をダンビー工法で更生した場合、耐震計算例のレ ベル1、2地震動相当の管軸方向変位量が発生してもU 字形溝の破断は起こらず、流下能力を確保できることが 分かった。また、管有効長の1.5%の永久ひずみが発生し た場合でも、塩ビ系エラストマーは破断せず、管の内面 を被覆し、流下機能を確保できることがわかった。

これらのことから、管きょをダンビー工法で更生する ことで、管軸方向に対して優れた耐震性能を付与するこ とが出来ることが分かった。

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

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