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シールド工事のゼロエミッションについて

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Academic year: 2022

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(1)VII‑102. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). シールド工事のゼロエミッションについて 戸田建設株式会社東京支店土木部. 正会員. 和田. 洋一. 1.概要 シールド工事では、大量の建設汚泥を含む建設廃棄物が発生する。循環型社会構築に向けた社会的要請が 高まる中、建設工事においても廃棄物の「発生抑制 」 「再使用」 「再利用」を推進し、資源を有効活用する ことが求められている。東京都水道局発注の西水元配水本管シールド工事では、水道局の理解を得て土木工 事として初めてすべての建設廃棄物をリサイクルするゼロエミッションを達成した。 我が国の産業廃棄物のうち 19.4 %(約 7,900 万トン)を建設廃棄物が占めており、建設廃棄物の減量化・ リサイクル率は 58 %と低い値になっている。特に建設汚泥、混合廃棄物の減量化・リサイクル率は 10 %台 に低迷している。政府は平成 12 年度を循環型社会元年と定め、建設部門に関して建設リサイクル法を制定 し、建設工事から発生するコンクリート、鉄筋の入ったコンクリート二次製品、アスファルト・コンクリー ト及び木材の 4 品目を分別解体して再資源化することを義務づけている。建設廃棄物の最終処分量の低減を 図るためには、建設汚泥と混合廃棄物の減量化・リサイクルに積極的に取り組む必要がある。 当工事では、シールド工事で発生する建設廃棄物の絶対量を減らし、発生したものについては分別収集を 徹底して行い、それらを 100 %リサイクルできる再生方法で処分することによりゼロエミッションを達成す る取り組みとした。 2.発生の抑制 配管材や型枠材など工事完了後に明らかに廃棄物となってしまう材料については、転用可能な材質のもの をリースすることで、現場から発生する木くず、廃塩化ビニールの量を減らした。 電線類は電気工事業者からリースあるいは材料込みの契約とし、業者に対しても材料の再使用を徹底させ、 最終的に発生する電線くずの量を減らした。 電子機器等の梱包に利用さ れる発泡スチロール等は、ほ. 表−1. 建設廃棄物の種類と廃棄実績. とんどがリース機器のもの であるので機器返納時に必 ず再使用するよう徹底した。 3.分別収集 混合廃棄物として排出さ れたものを中間処理施設で 手作業で分別しリサイクル することは非常に困難であ る。 当工事では、表−1の NO.1 〜 9 までの 9 品目に再 分別して 1 立方メートルの. NO 1 2 3 4. 廃棄物の名称 木くず ダンボール 電線くず 紙くず. 5 6 7 8. 廃塩化ビニール 廃発砲スチロール 廃プラスチック 繊維くず. 9 10 11 12 13. 小片物(混合廃棄物) 金属くず 廃油 コンクリート塊 アスファルト・コンクリート塊. 14 建設発生土(一次処理土) 15 建設汚泥(二次処理土) 16 建設汚泥(セメント廃泥). 予定数量 3 5.0 m 3 5.0 m 3 5.0 m 3 3.0 m 3. 5.0 2.0 8.0 2.0. m 3 m 3 m 3 m. 2.0 40.0 1,500.0 188.0 5.0. m t ㍑ t t. 3. 3. 788.0 m 3 3,165.0 m 3 250.0 m. 実績数量 3 4.5 m 3 6.0 m 3 1.0 m 3 2.0 m 3. 備 燃料チップ ダンボール 銅線 ガス化溶融炉. 2.0 0.0 5.0 1.0. m 3 m 3 m 3 m. 4.0 40.8 1,640.0 224.0 4.0. m t ㍑ t t. 891.7 3,192.0 378.0. m 海面埋立 3 m 流動化処理土(比重1.3以上) 3 m 改良土(比重1.3未満). 3. ガス化溶融炉 高炉原料化システム 高炉原料化システム ガス化溶融炉 ガス化溶融炉 鉄筋、H型鋼他 重油、隔離剤 再生砕石、再生砂 再生砕石、再生砂. 3. キーワード. 環境・ゼロエミッション・建設廃棄物のリサイクル・泥水濃縮システム. 連. 東京都中央区京橋 1-7-1(電話. 絡. 先. 03-3535-1584、FAX 03-3567-4852). ‑203‑. 考.

(2) VII‑102. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 分別カゴに収集し、中間処理施設へ搬出することで混 合廃棄物の減量化を図った。(写真−1) 収集業者の回収はパッカー車等で 1 立方メートルず つ個別に行い、運搬費を含む処理費は 1 立方メートル 当たり約 10,000 円程度となった。 4.リサイクル 木くず、ダンボール、電線くず、金属くず及びコン クリート塊等のリサイクルは比較的一般化しており、 分別収集後の再生品目もはっきりしている。しかし、 廃プラスチック類や小片物(混合廃棄物)のリサイク ル事例は非常に希であり、今回当工事では次のような. 写真−1. 分別収集ヤード. 方法でリサイクルを行った。 <高炉原料化システム>廃発泡スチロールと廃プラスチックは日本鋼管(株)の高炉原料化システムに搬出 し、鉄鉱石から鉄を製造する過程で使用する高炉還元剤としてリサイクルした。 <ガス化溶融炉>紙くず 、廃塩化ビニール、繊維くず及び小片物(混合廃棄物)については、川崎製鉄(株) のガス化溶融炉で燃料ガスやスラグ等に分解してリサイクルした。 戻 り 泥 水( 低 濃 度 ). 振動 篩. 濃縮 サ イ ク ロ ン. 5.泥水濃縮システム 泥水式シールド工事で搬出. フィード 泥 水. される掘削土のうち、一次処 理土は普通土として海面等の. 調 整 槽 シール ド 掘進機. 埋立に利用される。. 一 次処 理 土 (普通 残土). 引抜 泥水 濃縮 プ レ ス. アンダー 泥 水 ( 高濃 度). 二次処理土は産業廃棄物と して処理されるが、より付加. 余剰 泥 水 槽. 価値の高いものにリサイクル. 濃縮 ケ ー キ 二 次処 理 土 ( 流 動 化 処 理 土 原 料). するため当工事では泥水処理. 濃縮 ス ラ リ ー槽. 設備に泥水濃縮システムを採 用し、二次処理土を流動化処. 図−1. 泥水処理設備フロー図. 理土の原料として流動化処理 プラントへ搬出する計画に変更した。 泥水濃縮システムは、(財)下水道新技術推進機構と当社が共同で開発したもので、省面積立坑システム の要素技術の一つである。濃縮サイクロンと濃縮プレスで構成され(図−1)、二次処理土を薬剤を使用せ ずに比重 1.40 〜 1.50 程度の濃縮スラリーとして搬出するものである。流動化処理土は、狭小空間・転圧困 難な箇所等での埋戻し・充填に有効な工法として、その需要は年々増えており、建設汚泥のリサイクルとし ては最適な方法である。 6.おわりに ゼロエミッションを達成するためには、建設汚泥や混合廃棄物のリサイクルルートを各地域ごとに確立す ることが重要である。処分費・運搬費が高額になれば、環境問題と安易に比較することが難しくなるため、 さらに官公庁と一体となって取り組む必要があると考えられる。当社でのこの事例を、今後ゼロエミッショ ンに取り組む現場の参考としていただければ幸いである。. ‑204‑.

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