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3.改良型ボルトの開発

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Academic year: 2022

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(1)IV‑080. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). 研究件名. 分岐器レール締結装置補修の一考察 東海旅客鉄道株式会社. 正会員 前田 昌克. 移動、まくらぎ更換を行う必要がある。まくらぎ. 1.はじめに. 移動、分岐まくらぎ更換となれば、信号手続きが. 今後の更なる輸送力増強、スピードアップ等に よって破壊される線路保守の環境はますます厳し. あり施工に手間がかかる。. い状況である。特に構造が複雑で保守が困難とさ. 3.改良型ボルトの開発. れる分岐器は、些細な故障により、旅客・輸送に. (1)改良型ボルトの考案. 多大なる影響を生じ、迅速な保守・対応を迫られ. 床板を移動せず施工ができないかと検討した結. ている。今回は分岐器まくらぎ取替の主原因とな. 果、ボルトの径は床板穴と同じ25mmが限度と. っている締結装置不良に注目し、より効率で保守. なるということで図―2のような改良型ボルトを. 周期延伸を目的とした締結装置補修について検討. 作成した。床板穴に対して余裕を 1mm考慮し、. した。. 径は24mm、ゴムは剛性を考え3.5mmとし. 2.分岐器ネジクギ浮きの現状. た結果、ボルトの径は16mmとなる。一見細く. (1)現在の状況. 感ずるがネジクギの中心径と同じである。また、. 現在、分岐器内の締結装置の1つとしてネジク. 第3ナット部のネジ部は逆ネジ仕様としてあり、. ギによるタイプレートの締結を用いている。ネジ. 第2ナットと第 3 ナットはゴムに接着してある。. クギは、列車通過に伴う激しい振動により、大き. (図3−①). な振動負荷がかかり、ネジクギに 浮き が生じ、. (2) 改良型ボルトの取付け方法。. 締付けてもすぐ元にもどってしまう。さらにネジ. ① ボルトを床板穴より差込みボルトを回転する. クギ穴が拡大して締付けが出来ない等、補修は困. ことで第2ナットと第3ナット( 逆ネジ部 )間が縮. 難となっている。. まりゴムが圧縮しふくらみ、マクラギに固定され る(タ−ンバックルの原理). このネジクギの浮き数量は大変多く、ネジクギ 浮き発生率の最も高い原構内全分岐器で調査した. ②. 結果、浮き本数は220本 ( 構内総本数全体の. −②). 6.4%)となっており、軌道狂い発生の主原因とな. 改良型ボルトは、床板を外さず、元穴をもみ直す. っている。 (図−1). ことなく施工が可能であり、ゴムの弾性を維持す. (2)これまでの補修経緯. ることで引抜き力に対抗できるように考えた。. ネジクギ浮きの補修方法として、スパナによる. 第1ナットを締めて床板に締結する。(図3. 4.室内試験と試験施工. 締付けを行ってきた。しかし、この締付け補修を. (1) 強度特性(引抜き強度). 行っても2ヶ月もしないうち再びネジクギは緩ん. 今回作成したボルトの強度特性得るために、改. で浮いてきてしまうため、その補修にかかる時間. 良型ボルトの引抜き強度試験を行った。図−4 は. や労力を割かれ苦労している。また、この締付け. その試験結果で縦軸は引抜き強さ(KN)、横軸は変. も何回も補修している間にネジクギ穴を削り拡大. 形量(mm)である。 ネジクギは最大引抜強度が37KN と高いもの. してしまうので締付け補修不能となります。 そのような場合は、いままでインサートによる. の、耐久面からみると、強度が著しく低下するの. 補修を行っているが、やはりその補修周期は短い. に較べて改良型ボルトは最大引抜き力がネジクギよ. もので4ヶ月ほどであり、ネジクギ穴が過度に拡. り劣るもののほぼ一定の強度を保持するという特. 大したものには利用できないため、まくらぎの横. 性をもつことがわかる。改良型ボルトの最大引. キーワード. 軌道破壊、分岐器、ネジクギ、改良型ボルト、ターンバックル. 〒420-0851 静岡市黒金町 4 番地 東海旅客鉄道株式会社静岡支社工務部施設課 TEL054-284-2231 ‑159‑.

(2) IV‑080. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). 抜き強度は、14.7KN であり、木マクラギの. (4)耐久試験. 犬クギ最低引抜き力基準である6KNを全変位量. 改良型ボルトを敷設したマクラギで振動耐久試. に対してクリアすることがわかり引抜き力が十分. 験を実施した。敷設した状態で 2,000 万回の荷重. であることが確認できる。. 振動(6 年以上の通過トン数)を与えた。その後. (2) 試験施工. の状態確認で改良型ボルトはまったく緩みが発生. 改良型ボルトを実際の分岐器に敷設した。イン. しておらず、その後の引き抜き強度も十分確保で. サート挿入による補修と今回考案した改良型ボル. きている。. トでの補修結果を保守周期で比較してみると、イ ンサート挿入による補修では施工3ヶ月後で再度. 5.まとめ. 緩み補修を必要とするが、改良型ボルトでは1年. 今回の改良型ボルトについての知見は以下のと. 後も緩みがみられず、補修を必要としていない。. おりである。. 将来的な保守からみても、インサート補修ではネ. 改良型ボルトのメリット(インサート補修との. ジクギ穴を傷めるためにマクラギ更換を余儀なく. 比較). されるが改良型ボルトならば、締め直し又はゴム. ① 施工時間の短縮(60分→5分). の更換のみでありマクラギ更換の延伸にも繋がる。. ② コストの削減(7,800円→1,900円). (3) コスト面削減効果. ③ 保守周期の延伸(締直し 3 ヶ月ごと→1年以. インサ−ト挿入による補修と今回考案した改良. 上で変化なし). 型ボルトでの補修結果をコスト面で比較してみる. ④ 長期的な使用にも適用できる。. と表−1のようになり、支区全体では約700万. 今後、現場の分岐器において多くの箇所で施工. 円の大幅なコスト削減となる可能性がある。. して進捗を確認したい。. 表−1 ボルト 1 本当りのコスト比較表(試算) 材料費 施工費. 計. 図―1原構内 10#分岐器マクラギ別の平均浮き割合. 補修回数 年補修費. インサート補修. 30. 3,870. 3,900. 2回/年. 7,800. 改良型ボルト. 900. 1,000. 1,900. 1回/年. 1,900. 差. 20. △ 5,900 15. 図−2 改良型ボルト形状. 10. 5. 0 1. 第1ナット. 5. 9. 13. 17. 21. 25. 29. 33. 37. 41. 45. 49. 53. まくらぎNo.. 拡大図寸法. 引抜き強度試験結果(木まくらぎ). 168mm. ボルト. 図−4 引抜き強度試験結果. 床 板. 第2ナット. 引抜き強さ (kN) 40.0. ゴム. 35.0. 98.5mm. ネジクギ 30.0 25.0 20.0. 第3ナット. 15.0. 逆ネジ 3.5. 16 24. 改良型新ボルト. 犬クギ. 10.0. 65.0 kN. 3.5. 24mm 図3−①. 0.0 0.0. 図3−②. ‑160‑. 5.0. 10.0. 15.0. 20.0. 変形量 (mm). 25.0. 30.0. 35.0.

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