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隠微晶質石英を含む堆積岩系骨材の

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Academic year: 2022

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(1)V-043. 土木学会西部支部研究発表会 (2010.3). 隠微晶質石英を含む堆積岩系骨材の ASR 反応性検出法に関する検討 九州大学大学院. 学生会員. 西. 政好. 正会員. 濱田. 秀則. 正会員. 佐川. 康貴. (独)港湾空港技術研究所. 正会員. 川端. 雄一郎. 太平洋セメント(株). 正会員. 林. 建佑. 1.はじめに 反応性鉱物として隠微晶質石英を含む骨材は,反応速度が遅く,化学法やモルタルバー法では反応性を検出で きないことが欧米で指摘されている 1)。しかし,国内における隠微晶質石英の ASR 反応性に関する検討は少なく, また,反応性検出法も未確立である。本研究は,実構造物において ASR 劣化を生じたコンクリートに使用された 骨材と類似した隠微晶質石英を含む骨材を入手し,それに対して化学法,モルタルバー法,および ASTM C 1260 (以下 ASTM 法とする)を行い,ASR 反応性の検出に対する各種試験の適用性に関する検討を行った。. 泥質片岩. ゲ ル脈. 図-1. 隠微晶質石英. 1mm. 構造物コアの偏光顕微鏡写真(直交ポーラー). (左:粗骨材-ペースト界面. 図-2. 右:拡大写真). 表-1. 反応性鉱物の同定. ASR に よ り 劣 化 し た 構 造 物 の コ ア よ り 厚 さ 約 20μm の研磨薄片を作製し,反応性鉱物の同定を行っ. 骨材の岩石学的特徴の比較(直交ポーラー). (左:構造物の粗骨材. 2.ASR 劣化を生じた構造物のコンクリートの分析 2.1. 1mm. 1mm. 0.1mm. 抽出溶媒 40℃ H2 O 40℃ 1N HNO3. 右:入手骨材). アルカリ総量の推定結果. Na2 O(kg/m3 ) K2 O(kg/m3 ) Na2 Oeq (kg/m3 ) 0.8 1.0 1.5 1.1 2.8 3.0. た。図-1に実構造物から採取したコンクリートの偏光顕微鏡写真を示す。図より,粗骨材である泥質片岩内部 からモルタル部に向かってひび割れが発生しており,ひび割れを ASR ゲルが充填している状況が観察できる。ま た,図中四角を拡大した写真から,ゲル脈の周辺には隠微晶質石英が分布していることが分かる。以上の観察結 果から,コンクリートに使用された泥質片岩中の隠微晶質石英が ASR を生じたものであると推測された。なお, 泥質片岩は変成岩であるが,堆積岩を原岩としているため,ここでは堆積岩系骨材と記す。 2.2. アルカリ総量の推定. 劣化構造物のアルカリ総量を,総プロ法に基づき推定した。また,比較として,抽出溶媒を 40℃ 1N HNO3 と したものについても同様に測定を行った。なお,構造物表面付近においては,アルカリが溶脱し,建設時のアル カリ総量の値よりも小さくなることが懸念されるため,表面より 15cm の部位を粉砕し,測定用の試料とした。 表-1に総プロ法によるアルカリ量推定の結果を示す。温水抽出における水溶性アルカリ量は 1.5kg/m3 であっ た。総プロ法におけるアルカリの回収率は 60%であることから,得られたアルカリ量を 0.6 で除して補正すると, 2.5kg/m3 となる。これは,硝酸により抽出したアルカリ量 3.0kg/m3 と近い値となり,硝酸によりほぼ全てのアルカ リが抽出されると考えられることから 2),この構造物のアルカリ総量は 3kg/m3 程度であると推測された。 3.実構造物に用いられた粗骨材と入手骨材の比較 実構造物で ASR 劣化を生じたコンクリートに使用された粗骨材と類似の骨材を入手するため,実構造物付近の 砕石場から別途入手した骨材(入手骨材)について偏光顕微鏡で観察した。 図-2に各骨材の偏光顕微鏡写真を示す。いずれの骨材も,隠微晶質石英-雲母の薄層と石英-曹長石の薄層. -763-.

(2) V-043. 土木学会西部支部研究発表会 (2010.3). が交互に分布しており,構成鉱物の種類や鉱物粒子の大きさが. 無害. 600. 質片岩であり,同じ地質から採取されたものと考えられた。 4.ASR 反応性検出法に関する考察 4.1. 化学法およびモルタルバー法による反応性の検出. Rc(mmol/l). 同じであった。以上より,両者は同程度の変成作用を受けた泥 400 Sc=34mmol Rc=24mmol. 200. 図-5,図-6に入手骨材の化学法(JIS A 1145)およびモル. 無害でない. 0. タルバー法(JIS A 1146)の試験結果を示す。図-5において,. 1. 入手骨材は無害でないと判定されているものの,ほぼ判定曲線. 図-5. 結果のばらつきが大きいことを考慮すると,試験条件によって. の ASR 反応性を適切に評価することができないと考えられる。 4.2. 膨張率(%). は無害と判定される可能性がある。また,モルタルバー法にお. た。以上より,現行の試験法では隠微晶質石英を含む泥質片岩. ASTM 法による反応性の検出. 図-7に ASTM 法におけるモルタルの膨張率の経時変化を示. 0.20 0.18 0.16 0.14 0.12 0.10 0.08 0.06 0.04 0.02 0.00. す。なお,ASTM 法に用いる供試体の寸法は,1×1×11.25inch で あるが,本実験においては 40×40×160mm とした。ASTM 法では,. モルタルバー法では供試体からのアルカリ溶脱等の影響により, 空隙水の pH は促進試験早期から低下することが指摘されてい る 。そのため,モルタルバー法では適切な判定結果が得られず, 4). ASTM 法では膨張を示したと考えられる。ただし,堆積岩の一 種であるチャートは ASTM 法では反応性を検出できず,モルタ. 膨張率(%). 率は試験材齢 14 日において 0.3%程度であり,有害と判定された。. 化学法の試験結果. 無害. 図-6. ならば不明,0.2%以上ならば有害と判定する。入手骨材の膨張. えられ,モルタルバー法におけるそれよりも非常に高い 3)。また,. 1000. 無害でない. 0. 促進期間 14 日における膨張率が 0.1%以下ならば無害,0.1~0.2%. ASTM 法では,モルタルの空隙水の pH はほぼ 14 を保つと考. 100 Sc(mmol/l). 上にプロットされた。化学法はサンプリングや試験方法による. いても材齢 182 日で膨張率が 0.03%程度であり,無害と判定され. 10. 50. 100 150 促進期間(日). 200. 膨張率の経時変化(モルタルバー法). 0.45 0.40 0.35 0.30 0.25 0.20 0.15 0.10 0.05 0.00. 有害. 不明 無害 0. 図-7. 10 20 促進期間(日). 30. 膨張率の経時変化(ASTM 法). ルバー法では検出可能であることが報告されていることから 5),同じ堆積岩系の骨材であっても,事前に岩石学的 評価を行うことで,堆積岩骨材の ASR 反応性を適切に判定する試験法の選定を行う必要があると考えられる。 5.まとめ (1)本実験において調査した構造物は,隠微晶質石英による ASR で劣化したことが確認された。また,アルカリ量 推定の結果,Na2Oeq=3kg/m3 程度であったと推察された。 (2)実構造物で ASR を生じた隠微晶質石英を含む泥質片岩の ASR 反応性は,化学法やモルタルバー法では反応性 を適切に評価することが出来なかったが,ASTM C 1260 により反応性を検出することができた。 【参考文献】 1)ASTM C 1260 :Standard Test for Potential Alkali Reactivity of Aggregates (Mortar-Bar Method) 2)池田隆徳ほか:セメントペーストおよびモルタルのアルカリ量推定に関する基礎的研究,土木学会西部支部研究発表会講演 概要集,pp.765-766, 2009 3)川端雄一郎ほか:岩石学的分析に基づいた安山岩の ASR 反応性評価および膨張挙動解析,土木学会論文集 E,Vol.63, No.4, pp.689-703, 2007 4) Partrice Rivard et al.:Alkali mass balance during the accelerated concrete prism test for alkali-aggregate reactivity, Cement and Concrete Research, Vol.33, pp.1147-1153, 2003 5)岩月英治ほか:NaOH 溶液に浸漬したチャート質骨材使用供試体の ASR 膨張挙動に関する研究,コンクリート工学年次論文 集,Vol.28, No.1, pp.827-832, 2006. -764-.

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