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斜面形状が岩盤斜面の安定性に及ぼす影響の評価

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Academic year: 2022

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(1)

斜面形状が岩盤斜面の安定性に及ぼす影響の評価

長崎大学工学部  学生員○手島亮介      長崎大学大学院  学生員  田作祐輔    長崎大学工学部  正会員  蒋  宇静      長崎大学工学部  フェロー  棚橋由彦  長崎県土木部道路維持課  有吉正敏      長崎県土木部島原振興局  椋尾  隆   

1.はじめに

  わが国では、高速道路や鉄道の路線が山間部を通るなど地山を深く掘削した長大斜面が形成される事例が多 く、崩壊が危惧される岩盤斜面も全国的に多数存在している。道路防災には経済的な制約もあり、斜面の安定 性を評価することが重要であると考えられる。本研究では、長崎県雲仙市から南島原市の一般国道251号線沿 いの岩盤斜面を対象として数値解析を実施することで、斜面の形状が斜面の安定性に与える影響を解明するこ とを目的とする。

2.研究概要

2.1 解析手法と解析モデル

  本研究では、崩壊の判定と崩壊後の挙動をシミ ュレーションできる DEM(個別要素法)を用いて 解析を行った。図-1に本研究で対象とする岩盤斜 面の断面図を示す。斜面下部傾斜角α(°)、斜面 上部傾斜角β(°)、斜面高さH(m)、火山角礫岩の 基準線からの層厚h(m)とし、この4つの数値を変 化させて解析を行った。斜面は形状で、Type1(α=

β、単純斜面)、Type2(α>β、斜面上部が緩やか になる斜面)、Type3(α<β、斜面上部が急傾斜す

る斜面)に分類される。地質は斜面底部から火山角礫岩層、凝灰角礫岩層となっており、凝灰角礫岩層は風化 の度合いにより強風化部、中風化部、弱風化部となっている。ロックシェッドは岩盤斜面から崩落する土砂や 岩塊の荷重に耐え、下の道路を通過する自動車および歩行者の安全性確保のために施工される。

ロックシェッド H/2

H/2 H β

火山角礫岩 h 凝灰角礫岩

弱風化部 中風化部 強風化部

図-1  岩盤斜面断面図

2.2 解析ケース

解析ケースは斜面Typeごとの現場の平 均値とそれに、H とhについては±10m、

αとβについては±10°のケースを加え た計189ケース(Type1は27ケース、Type2 とType3は81ケースずつ)を基本として解 析を行った。解析に用いた岩盤ブロックの 物性値は現場の調査に基づいて決定した。

3.解

(a)  斜面全体の破壊‐Type2 ( H=60m、h=10m α=80°、β=60°)

;引張破壊

;せん断破壊

(b)  上部斜面のみの破壊‐Type3 ( H=60m、h=10m       α=60°、β=80°) 析結果

Typeごとに塑性領域分布 の

図-2には斜面

図を例示し、図-3 には斜面の安定と不 安定の境界線を示す。斜面の安定性につい ては、斜面の塑性領域の分布と変位が収束 するかどうかにより判定を行った。ここで

は、斜面が崩壊すると考えられる部分を崩 図-2  斜面崩壊の図

土木学会西部支部研究発表会 (2008.3) III-056

-443-

(2)

壊範囲と呼ぶことにする。図-3における安定と不安 定の境界線をα-β曲線と呼び、α-β曲線より左側 は安定領域、右側は不安定領域である。

崩壊の形態は、斜面全体の破壊(図-2(a))と上部斜 面

が拡大して い

e3における崩壊面積とβとの関係を示 す

は、岩盤斜面における崩壊の可能性 は

のみの破壊(図-2(b))とに分けられ、Type2では安定 領域が大きいが、崩壊した場合に崩壊範囲が大きく なってしまう傾向にある(図-2(a))。

図-3(a)よりHが増加すると不安定領域

ることが分かる。α-β曲線は直線α=β付近に変 曲点があり、これは斜面の形状がType2からType3 に変化するためであると考えられ、Type2 では崩壊 に関するαの影響がType3よりも大きくなっている。

図-3(b)ではhが増加すると安定領域が拡大している。

(H=60m、h=10m)と(H=80m、h=30m)は上部層(凝灰 角礫岩層)の厚さが同じ 50m であるが、このような 場合、Type3においてHの影響がほとんどないこと がわかる。

図-4にTyp

。崩壊面積は崩壊の規模を表す指標であり、引張 破壊とせん断破壊を起こしている部分及び、それに ともなって崩落すると考えられる部分の面積の総 和である。図-4より、Hとβが増加すると、斜面崩 落部の面積が増加していることがわかる。また、斜 面崩落部の面積においても上部層(凝灰角礫岩層)の 厚さが同じであれば H の影響がほとんどないこと がわかる。

4.おわりに 今回の研究で

、斜面が急傾斜になるほど、また斜面が高くなる ほど大きくなることを確認することができた。斜面 崩壊の中でも、考察したように斜面下部から上部に かけて岩盤層の強度が弱くなるような斜面では、下 部傾斜よりも上部傾斜の影響が強くなることがわ かった。また、斜面上部が急傾斜する場合では、上 部斜面のみの破壊を起こす傾向があり、上部傾斜の 影響を強く受ける。斜面上部が緩やかになる斜面で は、安定領域は大きいが、崩壊した場合に崩壊範囲 が斜面全体に広がり、崩壊の規模が大きくなる傾向 にあることを明らかにした。今後は、崩壊後の岩塊 の到達距離と、ロックシェッドに与える衝撃力を解 析して、斜面防災に適用していきたいと考えている。 

0 50 100 150 200 250 300

50 60 70 80 90

斜面上部の傾斜角β(°) 崩壊面積(m2 )

H=40m α=40° h=10m H=50m α=40° h=10m H=60m α=40° h=10m H=60m α=60° h=30m 0

10 20 30 40 50 60 70 80 90

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 斜面上部傾斜角β(°)

斜面下部傾斜角α(°)

H=60m h=10m H=80m h=10m H=80m h=30m H=60m h=30m

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 斜面上部傾斜角β(°)

斜面下部傾斜角α(°)

H=40m h=10m

H=80m h=10m H=60m h=10m

Type3

(b)  hの影響

安定領域 不安定領域

Type2

α=β α=β

Type2

Type3

安定領域 不安定領域

(a)  Hの影響

図-3  斜面の安定と不安定の境界線(α-β曲線)

図-4  崩壊面積  (Type3)

土木学会西部支部研究発表会 (2008.3) III-056

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参照

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