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納品物流改善のために

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Academic year: 2022

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(1)

   

納品物流改善のために 

   

〜実践編〜 

         

         

 

(2)

 

 

はじめは参加する店舗が少ないかもしれませんが、できる範囲から取組を行い順次拡大していくことによっ て、大きな効果が期待できます。

ポイント1〜3を整理すると、できる範囲が明確になってきます。

 

発荷主の納品習慣は導入の阻害要因につながります。納品習慣としては、商品の品質を維持するために選択 されている場合(商品特性によるもの)と、時間指定などの納品条件を満たすために選択されている場合(商 品特性によらないもの)に、大きく分類できます。下の表を参考にして、留意点の解決しやすいところから共 同化するとよいでしょう。

○商品特性による留意点の例(ランク 1 が最も取り組みやすい) 

品目 留意点 取組の容易

性の目安 

非食品 ・盗難予防等の品質管理  1 

加工食品 ・衛生管理等の品質管理  1 

日配品 ・衛生管理、温度管理等の品質管理  1 

ケーキ類 ・振動衝撃に弱いため専門性が高い 

・衛生管理、温度管理等の品質管理 

2  生鮮品 

(肉・魚・青果) 

・汁漏れ・においが付く等の理由により他商品と積み合わせが難しい 

・衛生管理、温度管理等の品質管理 

2  レ ス ト ラ ン 等

飲食店の食材 

・こだわり食材のため店舗側で現物を確認してから納品する必要がある 

・衛生管理、温度管理等の品質管理 

3   

○商品特性によらない留意点の例(ランク 1 が最も取り組みやすい) 

留意点 取組の容易

性の目安

・ルート便や路線便を利用している 1

・出荷場所どうしが近接した場所にある 1

・他の納品場所が近接してなく、当該施設の1カ所のみの配送をしている  1

・納品頻度が高くかつ車両の積載効率が高い 2

・出荷場所が店舗に近接している 2

・品質保持のため、特殊な専用車両で納品している 3

納品業者ごとに得意な品目分野があり代替が利かない場合があるので、共同配送を行う事業者を選ぶ際には、

全ての商品を効率よく輸送できるように配慮する必要があります。

商品特性のグループごとに異なる納品業者を選ぶことも考慮すると良いでしょう。グループの例として、次 のようなものがあります。

納品物流改善のための9のポイント 

できるところから始める 

☆ポイント1☆ 商品の特性を考慮する 

☆ポイント2☆ 現在の納品業者の特徴を整理する 

(3)

 ②重量があるもの(飲料など)

 ③容積が大きいもの(パンやお菓子など)

 ④特殊な品目(家具・絵画・貴金属など)

 

既存の納品状況をデータで把握することによって、現状の課題が確認できる可能性があります。

例えば、納品個数が少ないが駐車時間が長い納品車両を特定できれば、具体的な課題が把握でき、対策が実 施しやすくなります。

なお、取組の範囲を拡大しようと考えた場合は、取組による定量的な効果を示すことが必要になることが考 えられます。そこで、可能であれば、納品物流改善効果を示す際に必要となるデータを明確にし、データ収集 体制を整えておくことが重要です。

売場や納品業者等を情報源として様々な情報を収集し、商品の納入個数などの数量データを把握しておきま す。この情報は、納品車両の台数や館内搬送に必要となる人員を算出する根拠になります。

納品物流の効率化のためには、多くの関係者の理解と協力が必要になります。円滑な実施のために、納品状 況や販売状況の改善効果が具体的な数値として確認できる仕組みを整えておきましょう。

具体的なデータの収集項目としては、次のようなものが考えられますので、担当者を決めて可能な範囲でデ ータを収集しておくとよいでしょう。

①商品の納入個数

②納品車両台数

③支払い物流費

納品物流改善には、荷物を受ける店舗、荷物を届ける納品業者や物流業者等の関係者の協力が必要です。メ リットをアピールしながら、取組の効果について分かりやすく説明しましょう。

具体的な内容としては、下記ポイント4〜6などが考えられます。

社内に物流専門のスタッフがいる場合には、そのスタッフを中心に具体的な検討を進めていきますが、その ような体制が十分でない場合には、必要に応じて物流の専門家に相談することも考えられます。あるいは施設 に出入りする納品業者に相談するのも良いでしょう。取り扱い個数が多い納品業者は、自社に関わる問題とし てより真剣に考えるので、良い相談相手になるでしょう。

☆ポイント3☆ 納品データを把握する 

関係者の協力を得る 

☆ポイント4☆ 納品業者や物流業者のノウハウを活用する 

(4)

納品車両の駐車スペースに長時間駐車する車があると他の車両はスムーズな納品が出来ないため、駐車場入 口で納品車両が滞留する原因になります。

納品車両の駐車スペースの長時間使用に対し高い駐車料金を課し、短時間の駐車を優遇すると、長時間の駐 車を防止し、納品車両の駐車スペースの効率的な利用ができます。

店舗の改装や施設の再開発計画が予定されている場合には、それらに合わせて共同配送を実施することによ り、売り場面積と在庫保管場所の割り振りなど、大幅な変更が可能になります。また、納品物流の改善には準 備期間が必要になりますので、改装期間を有効に利用することができます。

現在の問題意識を共有し、その問題を解決するために必要なルールを決めましょう。

問題意識の共有には、経営陣を含めた関係者の意識統一が必要と考えられます。具体的なポイントとしては、

下記ポイント7〜9などの内容が考えられます。

物流システムを構築するには、サービスレベルの調整、コスト負担のあり方などを決める必要があります。

具体的には、リードタイム(納品までの時間)の調整、雇用・既存施設などの経営資源の再配置や償却などの 見直しが考えられますが、これらは経営の根幹に関わる問題になりますので、経営者が参加することでスムー ズに話が進みます。

このように、共同化・アウトソーシングの導入に当たっては、企業の経営者が直接関与・参画することが重 要です。

納品物流改善のためには、企業の経営者が取組の具体的な方向性と範囲を示すことが重要です。

物流システムを効率化する手法には、大きく分けて納品車両の集約と館内搬送の集約の二つあります。両方 実行することで相乗効果が望めますが、まずは納品車両の集約から取り組むとよいでしょう。

①納品車両の集約

 今まで各店舗に個別に運ばれてきていた商品を共同配送することで、納品車両を集約します。このためには 施設に出入りする納品業者を絞ることで共同化を進めることが有効です。本手引きでは、主にこの方法につい て解説しています。

☆ポイント7☆ 経営トップが直接関与・参画する 

☆ポイント8☆ 効率化の具体的な方向性を決定する 

☆ポイント6☆ 店舗の改装や施設の再開発計画とリンクさせる 

☆ポイント5☆ 短時間の駐車を促進する 

必要なルールを決める 

(5)

②館内搬送の集約

 館内搬送業務を集約し、施設内の物流を一元化します。納品業者が館内搬送を集約する方法と、施設管理側 で人員を確保して館内搬送業務を行う方法があります。

〇館内搬送業務の集約事例 

共同配送を行う事業者が確実に素早く納品できるように、共同配送を行う事業者が納品車両の駐車スペース を優先的に使用できるようにします。ただし、全ての品物をすぐに共同配送に切り替えるのは難しいので、不 便ではあっても自家用車等が納品する余地も残しておきます。

一時保管庫  指定場所

(売場等)

着荷場 

館内搬送業務担当 者が保管庫に搬送

館内搬送業務担当者 が店舗別納品指定時 間に合わせて搬送 

☆ポイント9☆ 共同配送を行う事業者が確実に素早く納品できるようにする 

(6)

ステップ1 プロジェクトチームの結成

(P.6)

・推進スケジュールを立てる 

・プロジェクトチームを結成する 

ステップ3 実態調査を踏まえた戦略策定

(P.8) 

ステップ2 実態調査の実施

(P.6) 

ステップ 4 店舗への説明

(P.9)

 

ステップ 5 詳細内容の調整〜決定(具体的な納品システムの決定)

(P.10)

・導入スケジュールの作成 

・納品車両のダイヤ作成 

・館内搬送業務の決定 

ステップ 6 取組の実施

(P.11)

ステップ 7 更なる挑戦へ

(P.11)

納品物流改善への取組フロー(例) 

納品物流改善への取組フローの例を示します。最適な取組手順は個々の事例により異なりますので、フロー はあくまでも一例です。参考例としてご使用ください。

 

(7)

ステップ 1  プロジェクトチームを結成する 

推 進 ス ケ ジ ュ ールを立てる

計画的な取組を行うため、推進スケジュールを作成します。

推進スケジュールの例  取組開始から1ヶ月 納品実態調査の実施 

1ヶ月から2ヶ月 納品物流改善のための第1次案作成  店舗改装計画などとのつきあわせ 

3ヶ月から5ヶ月 各店舗との交渉開始  契約済み次第、随時実施  約6ヶ月後 本格実施 

プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム を 結 成 する

取組の推進組織は、物流部門だけでなく、販売部門、総務部門も加えたプロジ ェクトチームを設置します。

百貨店の例 (部門名と( )内は主な役割) 

店舗側 営業部(発荷主との折衝)、総務部(社内調整)、営業企画部(導入の推進主体)

統括本部 商品部(発荷主との折衝)、物流部(納品業者との折衝)、営業企画部(全体の とりまとめ・調整)

 

 

ステップ2  実態調査の実施 

店 舗 へ の ヒ ア リング調査

①納品状況(発荷主、頻度等)

②納品車両の状況(納品台数・駐車時間等)

③在庫状況・保管スペースの状況

④館内搬送の状況

実態調査に必要となる調査シートの例を、7ページに示しました。

調査結果が出揃った後、ヒアリング結果を基に店舗の現状をリスト化します。

(8)

物流調査表

*選択する箇所には、該当欄を○で囲んでください。

店舗名

店舗売場担当 ブランド名

売場名

売場品番 店舗口座番号

出荷元住所

物流経路(複数回答可) 指定納品業者 路線便業者 自社便(専用委託業者含む)

路線便業者名 委託運送業者名

(専用委託業者)

受注締め時間(複数回答可) 出荷準備時間帯

出荷時間(複数回答可)

現状納品時間(複数回答可)

商品ストックの場所と規模 場所(      )      規模概算(      )㎡

包装資材ストックの場所と規模 場所(      )      規模概算(      )㎡

館内搬送業務(保管場所まで)

館内搬送業務(売場まで)

店舗の営業窓口 部署

担当者 電話番号

店舗の物流窓口 部署

担当者 電話番号 備考

(9)

ステップ3  実態調査を踏まえた戦略策定 

店 舗 リ ス ト に 基 づ く 戦 略策定 

ステップ2で作成した店舗リストをベースに、納品の集約の可能性が高い店舗 を洗い出します。プロジェクトチームで各部門の意見を集約し、納品集約制度を 働きかけるための優先順位をつけます。

納品を集約できる可能性が高いのは、次のような場合です。

①ルート便や路線便を利用している。

②複数の出荷場所が近接している。

③店舗が過剰な在庫を抱えている。

④他の納品場所がなく、1ヶ所のみの配送をしている。

⑤納品時間が一定しておらず、日々の業務計画が立てにくい。

都内の商業施設における店舗リストの例

ランク 取引先名  配送状況  理由 

A社 出荷場所は埼玉県内  ルート便で店舗周辺地区を配 達、他の地域では納品集約制度 を利用 

到着時間が一定しないことが多い ルート便を、納品集約制度の時間指 定納品に切り替えることによって 利便性が高まる 

他地域で納品集約制度の利用実績 がある 

B社 出荷場所は埼玉県内  自社便で関東地区を配達、週3 回納品 

納品集約制度の利用による毎日納 品で、店舗在庫が圧縮できる可能性 がある 

集約の 可能性 高い 

C社 出荷場所は岡山、岡山から航空 便で羽田へ 

羽田から専用便で関東各店へ 

羽田空港からの配送は、航空便を取 扱っている輸送事業者が、方面別に 傭車で行っているため、指定納品業 者が羽田空港に集荷に行く仕組み に変更できる可能性がある  D社 納入施設近隣の工場ショップよ

り出荷 

自社ライトバンで配送、売行き に応じて追加納品 

出荷場所が納入施設に近い場合は、

納品集約制度を利用することで輸 送距離が長くなり、逆に効率が悪く なってしまう可能性がある  E社 出荷場所は東京都築地市場、鮮

魚専用便でほぼ満載 

1日3回納品(包装材は週2回 別便で納品) 

納品頻度が高く、かつ、車両の積載 効率が高いため、納品集約制度によ って効率化できる余地が少ない  集約の

可能性 低い 

F社 東京都内の関東地区専用倉庫よ り出荷 

冷凍輸送会社に全面委託、専用 台車で品質保持しながら納品 

専用機器による品質保持が必要な 輸送であり、他の商品との集約によ る輸送が難しい 

(10)

 

ステップ4  店舗への説明 

店 舗 に 説 明 する 

店舗にとってメリットが大きいことをアピールしながら、説明を行います。下 に、具体的な事例をもとに説得の材料としての取組効果を示しました。アピール ポイントは六つあります。

  店舗での取組の効果

 

効果が期待される項目 具体的な効果 

販売時間の拡大 夜間検品が可能となるため開店前に配送でき、開店後に販売員 が検品をすることがなくなります

リードタイム(納品ま での時間)の短縮

路線便やルート便を使用している場合と比べ、積み合わせ状況 により到着時間が前後することがなくなります

トレーサビリティの確 保

納品業者が生産者と店舗の間に入ることで、輸送の履歴が明確 になります

コストの変動費化  自社の配送センターや配送車を一般の営業車に転換すること で、配送コストを配送量に応じた変動費にできます 

在庫の削減 チャーター便などを利用して大ロットで納品していた場合、他 店舗との積み合わせにより小ロットの輸送ができるようにな るため、大きな在庫を持つ必要がなくなります

環境負荷低減への貢献 納品車両台数の削減により、周辺交通の渋滞緩和や地球温暖化 防止に貢献できます

 

(11)

ステップ5  詳細内容の調整〜決定 

導 入 ス ケ ジ ュ ー ル の 作 成 

スケジュール作成に当たっては各店舗と話し合い、納品方法を変更する時期を 明確にする必要があります。この時、納品方法変更の権限のある店舗担当者と調 整することが重要です。指定納品業者が複数ある場合、業者の選択は店舗に任せ ます。

納 品 車 両 の ダイヤ作成 

指定納品業者の車両が効率的に荷卸しできるようにダイヤグラムを決定しま す。指定納品業者を利用する店舗の荷物の納品個数、希望している納品時間など から、必要となる納品車両台数を算出し、納品車両の駐車スペースの利用時間を 決定します。

ダイヤグラムの例(

D

施設:

6

レーンのうち3レーンを優先利用)

C社 C社 E社 D社

A社

B社

B 社  D社 F社 B社

① D社

18:00 A社 A社 A社 A社

14:00 15:00 16:00 17:00 10:00 11:00 12:00 13:00

6:00 7:00 8:00 9:00

館 内 搬 送 業 務の決定 

上記のダイヤグラムから、実際に館内搬送業務を行う時間帯別の必要人数など、

具体的な業務を決定します。

必要となる館内搬送業務人員は、館内搬送を行う建物の規模(床面積、エレベ ーター基数など) 、荷物の納品店舗数、一時保管場所の有無などによって大きく変 化しますので、ある一定の目安を示すことは難しくなっています。

ここでは、手配する人員数に影響を与える条件について整理し、館内搬送業務 の決定までの流れを示します。

 一時保管場所があると、階やブロック別にまとめて搬送が可能になり、短時間、

少人数でたくさん搬送できるので、可能ならば確保することが望ましい。

○館内搬送業務決定までの流れ

・時間帯(1〜2時間程度)ごとの荷物の納品店舗数を確認

・時間帯あたりの館内搬送店舗数(A店)を確認

・実態調査により、店舗あたりの平均搬送時間(B分)を設定

・最も搬送店舗の多い時間帯を元に、必要人員(C人)を算出(C=A×B÷60)

・導入当初は、作業に熟練しておらず作業の低効率が想定されるので、人員を多めに投入

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ステップ6  取組の実施 

プ ロ ジ ェ ク ト チ ー ム を 中 心 に 取 組 を実行 

ステップ1〜5で決定したとおりに、取組を実行します。

 取り組む際には、効果を確認できるようにしておきましょう。

ステップ7  更なる挑戦へ 

取 組 の 範 囲 を拡大する 

現状では難しいと考えられる範囲についても、納品集約制度の拡大を検討しま しょう。

生鮮品などの共同化は難しいといわれていますが、これらの品目についても納 品車両が集約できるように取り組んでいきましょう。

 

   

≪監修≫ 

物流及び環境施策をめぐる問題解決には、多くの関係者の理解と協力が必要です。そのため東 京都環境局を事務局として実施された「端末物流効率化検討調査会」など、様々な検討や実験事 業が行われています。 

本手引は、上記検討会を代表し、座長はじめ学識経験者に監修を頂いております。 

東京海洋大学教授 高橋 洋二 

東京海洋大学教授 苦瀬 博仁 

豊橋創造大学教授 石田 宏之

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納品物流改善のために(実践編)

   平成18年2月発行

   編集・発行 東京都環境局自動車公害対策部交通量対策課 新宿区西新宿二丁目8番1号

登録番号 (17)113 環境資料 第17066号

参照

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