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次元量子重カのモンテカルロシミュレーションによる研究)

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 四 辻 健 治

    

学位論文題名

Monte Carlo study of two‑dimensional quantum gravity     coupled to weighted percolation cluster models

  

(重みっきパーコレーションクラスターモデルに結合した

2

次元量子重カのモンテカルロシミュレーションによる研究)

学位論文内容の要旨

    4次元時空における量子重カの定式化は、基礎物理学に残された難問のひとつである。

我々はおもに場の理論の立場から、まず2次元および3次元の量子重カを理解する方向でこ の問題に取り組んできた。特に2次元では、Liouville理論と行列模型による厳密な解析が 可能であり、さらに数値シミュレーションを利用した大規模な解析によって、中心電荷が1 以下の共形場が結合した2次元重カについて多くのことがわかってきた。特に量子化された 時空のフラクタル的性質は最も興味ある対象であり、この性質は量子重カに特有の極めて普 遍的な特徴であることがわかってきた。

  量子重 カのフ ラクタル性を調ぺるには、時空の2点関数を一般座標変換不変な形式に構 成してそれを解析するのが、今のところ最も有効な方法である。特に物質場が結合していな い純粋な2次元量子重カの場合には、転送行列の方法で時空の2点関数を厳密に解析でき、

その結 果、物質 場が結 合してい ない2次元時 空のフラクタル次元は4であることがわかっ た。一方、物質場として共形場が結合した2次元重カに対しては、転送行列の方法で解析す るのは非常に困難であり今のところできていない。ところが、時空の測地的距離の定義を変 更することによって厳密な解析が可能となり、この場合、中心電荷がcの共形場が結合した 2次 元重カに おける 時空のフ ラクタ ル次元dB) はcの関数として理論的に予言できる。時 空のフラクタル次元はまた別の方法でも予言されている。それはLiouville理論における拡 散方程 式を解析 する方法であり、この場合もある仮定のもとで理論的な予言dゲがあたえ られて いる。物 質場が結合していない重カの場合、すなわちc=0のときは、どちらの予言 値もdH二ニ4となり、厳密な結果と一致する。しかしそれ以外のcの値に対しては大きく異 なり、どちらの予言が正しいかは今のところわからない。いずれにしても、ある仮定のもと での理論値であり、全く独立な別の方法で解析する必要がある。

  そこで 本研究 では、様々なcの値で数値シミュレーションを実行し、理論値のチェック を行った。もちろんこのようなシミュレーションをする場合、数値計算特有の問題がっきま とうのだが、数値シミュレーションの利点のひとっは、どのような仮定も置く必要がないと ころにある。

    他の研究グループによる、これまでになされた数値シミュレーションは、おもに0くcく1 のユニタリー共形場が結合した2次元重カの系である。その結果は、 この領域においてcの 値に関 係なくdH 4である。またこれは、どの研究グループもほぼ同じ結果であった。こ の領域に関する限りでは、どちらの理論値もシミュレーションの結果と一致しているとは言

‑ 162 ‑

(2)

えない。

  我 々 は こ こ で 、 力 学 的 単 体 分 割 と 呼 ば れ る 方 法 を 使 う 。 こ れ は2次 元の 多様 体を 重力 場 の1つ の 配 位 と み な し 、 こ の2次 元 面 を 三 角 形分 割 して 系の 自由 度を 有 限に し、 コン ピュ ー タ で 数 値 的 に 解 析 す る 方法 であ る。 この よ うな アプ ロー チを 採 ると2次 元重 カの 量子 化の 問 題 は 、 三 角 形 分 割 さ れ た様 々な 形状 の2次元 面を ァ ンサ ンプ ルと する 系 の統 計力 学の 問題 に 置 き 換 え る こ と が で き 、こ の系 の臨 界現 象 を解 析す るこ とに よ って 、場 の理 論 とし ての2次 元量子重カの性質を 調べることができる。

  我 々 は ま ずc=2の ス カ ラ ー フ ェ ル ミ オ ン モ デ ル が2次 元 重 カ に 結 合 し た 系 で シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 っ た 。 こ の モ デ ル は あ る 程 度解 析 的に 解く こと がで き るた め、 それ を利 用 して モ ンテ カル ロ法 を使 わ ずに 独立 な配 位を 直 接作 り出 すこ と が可 能で ある 。こ れ はシミュ レー シ ョン の高 速化 にっ な がり 、そ れに よっ て 、過 去の シミ ュ レー ショ ンに 比べ る とはるか に に 多 く の 独 立 な 配 位 と大 きな サイ ズの 格 子で シミ ュレ ーシ ョ ンが でき る( い ずれ も106の オー ダ ー) 。フ ラク タル 次 元を 得る ため に我 々 が測 定し た物 理量は、 時空の2点関数である。

そ の 際 、 有 限 サ イ ズ ス ケ ー リ ン グ が 有 効 に 働く 。 これ らの テク ニッ ク を駆 使し て、 我々 は dH二 ニ3.58土0.04の 結果 を 得た 。こ の様 な高 い 精度 の結 果は 、 これ まで のシ ミュ レ ーション では 得 られ なか った 。ま た この 結果 は、 理論 値d伊(c: −2)=3.561と よく 一致 し ている。

一方、このときdg) (c=―2)=2である。

    我 々 は さ ら に −2cOの 領 域 を 詳 し く 調 べ る た め に 、 重 み っ き パ ー コ レ ー シ ョ ン ク ラ ス タ ー モ デ ル が2次 元 重 カ に 結 合 し た 系 で シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 った 。こ のモ デル は Q‑stateポ ッ ツ モ デ ル をdichromatic polynomi甜 で 表 現 し た も の で あ り 、 こ こ でQは 形 式 的 に 任 意 の 正 の 実 数 と し て よ い 。 こ の と きcQに は 対 応 関 係 が あ り 、0Q4の 範 囲 でQを 変 化 さ せ る とcは ―2か ら1ま で 動 く 。 我 々 は こ の 範 囲 で12個 の モ デ ル に つ い て調 ぺ た。 まず はじ めに 、 物質 場に 関す る臨 界 結合 定数 を決 め なけ れば なら ない 。 これをす るために我々は、普 通のノヾーコレーション理論におけるノヾーコレーション転移のオーダーノヾ ラメ ー ター を使 い、 有限 サ イズ スケ ーリ ング を 利用 して 決め た 。次 にべ イビ ーユ ニ バースの 分 布 の 解 析 か ら 、stringsusceptibiHty仏 を 測 定し た。 この 量 は2次 元 面の 形状 を特 徴づ け る も の で あ り 、 ま た 時 空 の フ ラ ク タ ル 性 を 反 映 し た 量 で あ る 。 こ の 結 果はKPZの公 式と よ く一 致 して おり 、こ のこ と は先 に決 めた 臨界 結 合定 数が 十分 に 正確 であ るこ とを 意 味してい る。 我 々は 以上 の準 備の も とで 、時 空の フラ ク タル 次元 を測 定 した 。方 法は スカ ラ ーフェル ミ オ ン モ デ ル と 同 様 に 、時 空の2点 関数 を解 析し て 求め る。 その 際、 格 子の サイ ズが 十分 に は 大 き く な い の で 、 有 限サ イズ スケ ーリ ン グを 様々 な形 で利 用 した 。3通り の独 立な 方法 で フ ラ ク タ ル 次 元 を 決 め たが 、い ずれ も互 い に同 様な 結果 が得 ら れた 。特 に、 ―2〈―c0の 領域 で は理 論値d警 )と よく 一致 し てお り、d警 )の 正し さ示 す 結果 が得 られ た。 一 方、領域 0c1に 対 し て はdH4と な り 、 過 去 の デ ー タ と 一 致 す る 結 果 で は あ る が 、2つ の 理 論値の判定基準には ならなかった。

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(3)

学位論文審査の要旨

    

学位論文題名

Monte Carlo study of two‑dimensional quantum gravity     coupled to weighted percolation cluster models

  

(重みっきパーコレーションクラスターモデルに結合した

2

次元量子重カのモンテカルロシミュレーションによる研究)

  現実の4次元空間での 重カの量子化の問題は、素粒子論における未だ未解決の最も本質的な問題 のーつである。ところ が2次元の量子重カは、2次元 基本単体である三角形をランダムに貼り合わ せる事により、構成的に定義できる事が明らかになってきた。ヌ2次元量子重カの本質的物理量は、

フラクタル次元であることも明らかにされた。

  重カの量子論は、物 質場が存在する場合に本質的に影響を受けると考えられるが、2次元量子重 カでは、物質場の指標 はセントラルチャージcで表される。申請者はこの論文に於いて、重みっき パーコレーションクラ スターモデルを2次元重カに 結合した模型を用いて、セントラルチャージc が‑2くc<lの 領域 で量 子 重カ に対 する物 質場の影響を色々な物理量 を数値的に計算する事によ り調べた。特にフラクタル次元の計算では、理論的に求められている、二通りの値のー方の予言で あ る 河 本 ― 綿 引 の 結 果 と か な り の 領 域 で 一 致 す る こ と を 数 値 的 に 確 か め た 。   2次元量子重カの本質 はフラクタル構造に有る事が既に過去の計算によって示されているが、フ ラクタル次元のc依存性 を系統的に調べた例はこれ までにない。c=―2,0,0.5,0.8及びc冫1で 幾っかのグループがその計算を既に行ってはいるが、必ずしも整合性の取れた結果になっていなぃ。

こ こ で は こ の 問 題 に、 特に −2<c<lの 領域 でc依存 性が どの よう に なっ てい るか を数 値 的に 明らかにし、ニっの理 論予言のーっの結果が正しい 事を示した。この計算は、3次元4次元の量子 重カが格子上で定式化 される為の、更なる傍証をと して注目すべき結果を与えている。この計算 は、計算機を用いたモンテカルロ法による数値計算であり、模型の設定をもとに、計算機に乗せる までのプログラムの作成、或いは計算手法の開発を、これまでの数値計算の経験を元に独自に開発 した事、及びこれらの開発の過程で、他の模型での計算の失敗も踏まえ正しい模型を選択し最後ま で数値計算の実行を行 ったことは高く評価される。また申請者は、2次元量子重カの関連論文とし て、「Quantum geometry of topological gravityJ,Phys.Lett.B397(1997) 177ー184,と  「The

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昇 三

行 一

     

健 正

本 川

本 山

河 石

藤 中

授 授

授 授

     

教 教

教 助

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

quantum space‑time ofc〓‐2gravityJjNucl.Phys.B511(1988) 673‑710,を出版しており、こ れらの論文での共 同研究が本論文の研究のべー スを与えた。

  上記の研究成果により審査員一同、申請者が博士(理学)の学位を受けるに十分な資格があるも のと認めた。

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参照

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