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学位論文題名 IRole of clover yellow vein virus-helper component protease (CIYVV-HCPro) gene in replication and pathogenicity

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Academic year: 2021

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博 士 ( 農 学 ) ヤ ン バ オ マ レ オ ノ ラ   ミ ラ

     学位論文題名     I

Role of clover yellow vein virus‑helper component protease     (CIYVV‑HCPro) gene in replication and pathogenicity

( クロ ーバー 葉脈 黄化 ウイ ルスHCPro遺伝 子の 複製 と病 原性 にお ける役割)

学 位 論 文 内 容 の 要旨

  クローノくー葉脈黄化ウイノレスclover yellow vein virus(CIYVV)は、ポティウイノレ ス科ポティウイルス属に属し、マメ科作物の重要病害である。グノムは、一本鎖(十)

鎖RNAで、5 末端にVPgタンパク質が結合しており、3 末端にポリアデニル鎖を持つ。

ウイ ルス 遺伝子はーつの長いORFが翻訳された後、自身のプロテアーゼにより切断さ れ、10の 成熟 した タン パク 質と して 発現する。本研究では、このうち、ヘルパーコ ンポ ーネ ント プロ テア ーゼ(HCPro)と 呼ぱ れる 遺伝 子に つい て解 析し、複製と病原 性に重要な役割をはたしていることを明らかにした。

1)HCProの感 染細 胞内 での 発現 と蓄 積を調 べた 。HCProを、 マル トース結合タンパ     クとの融合タンパク質として、大腸菌で発現させた。発現タンパク質はマルトー     スのアフイニティカラムを用いて精製し、ポリクローナル抗体作製に供した。こ     の抗体を用いた、ウエスターンブロット法により、感染ソラマメ、エンドウ、イ     ンゲ ン、Nicotiana benthamianaからHCProが50KDaタン パク 質として検出でき     た。ソラマメで発現を経時的にモニターしたところ、HCPro、は、可溶性分画では     感染5日後 から 、ま た不 溶性 分画 では4日後から検出され、量的には不溶性分画     によ り多く含まれていた。同時に外被タンパク質も検出したところ、感染4日後     から可溶性分画と不溶性分画の両方から検出され、蓄積量もHCProより多かった。

2) ウ イ ル ス タ ン パク 質の うち 、NIbがRNAポ リメ ラーゼ とし て機 能し 、VPgは ゲノ     ムの5 末端に結合していることが既に知られている。またウイルスグノムの複製     過程で、複数のウイルスタンパク質が相互作用していることが推測されている。

    そこ で、ウイルス複製に関与していると推測されるHCPro、VPg、NIaPro、NIbタ     ンパ ク質について、酵母two−hybridアッセイを用いて、タンパク質問の結合に     よる相互作用を調べた。HCPro、VPg、NIaPro、NIbタンパク質を、Binding domain     とActivation domainにそれぞれ挿入して、お互いの結合能を調べた。その結果、

    HCPr0とVPgは それ ぞ れ 自 身 で 結 合 す る こ と が判っ た。 またNIaProがNIbと結     合 し た 。 さ らにHCProとVPgが結 合す るこ とが 明ら かに なっ た。HCProとVPgの     結合は、ポティウイルスではいままでに報告がなかった新しい相互作用であった。

    そこでこの結合を確かめるためにさらに、ファーウエスターン法で解析した。バ     クテ リヤ で発 現し たHCProとVPgを電気泳動した後に、ニトロセルローズ膜に転     写し、これにそれぞれVPgとHCProを反応させた。さらに反応に用いたタンパク、

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(2)

    質に対する抗体を用いて結合が確認できた。また酵母two―hybridアッセイを用     い て 、VPgとVPg、お よ びVPgとHCProの結 合ド メイ ンの 特定 を行っ た。VPgの     遺 伝 子 に 、 様 々 な欠 損 を 導 入 さ せた 結果 、VPgのCー末 端の38アミ ノ酸 がVPg     とVPgの相 互結 合に 、ま た中 央の19ア ミノ 酸がHCProとの 結合 に必 要な こと を     明らかにした。

3)クローバー葉脈黄化ウイルスは、ソラマメに感染するとエソをおこして枯死させ     る。このエソをおこすウイルス遺伝子を特定する目的で、エソをおこさない突然     変異 株MMと野 生株 のゲ ノム比較を行った。まず、野生株の感染性cDNAクローン     をも とに して 、MM株と 様々なキメラウイルスを作製した。キメラウイルスをソ     ラマ メに 接種 して その 病徴 を観 察し た。P3遺伝 子のC―末端からVPg遺伝子のN     一末 端領 域、 ある いはVPg遺 伝子 のC―末端 からCP遺 伝子のNー末端領域を、MM     株に 置き 換え たキ メラ ウイルスは、野生株と同じ病徴を現した。しかし、Pl遺     伝子 のCー 末端 からP3のN一 末端 領域をMM株 に置 き換 えた キメ ラウ イル スは 、     軽微な退緑病徴を呈し、また移行・複製能カの低下が見られた。この領域にコー     ドさ れる タン パク 質の アミ ノ酸 配列 を比較 する と、8ケ所でMMは野生株と異な     っ て い た 。 す な わ ち 、Plで182番 がEか らG(E182G)に 、HCProで は 、27     番 がTカ ゝ らI (T27I) 、33番 がIカゝ らV(133V)、51番 がRカ ゝらI(R51I)、1     93番 が Dか らY (D193Y)、 327番 がLか らQ(L327Q)、 さ ら に393番 が V     か らI (V393I) に 、 更 にP3で は 、122番 がNか らS(N122S)に 置 換 し て い     た。 そこ で、Pl遺 伝子 のC一 末端 からP3のN一末 端領 域を さら に細 かい 断片 に     分け てキ メラ を作 製し て、ソラマメでの病徴とウイルス複製をCPタンパク質の     蓄 積 で 解 析 し た 。Pl,(E182G)とHCPro (T27I)をMM株由 来に する とウ イル ス     の複製能が著しく低下したが、エソを誘導する能カは維持されていた。またHCPro     (T27I)を野生株にすると複製能力回復がみられたので、このアミノ酸置換がウ     イ ル ス の 複 製 に 重要 で あ ろ う と 思わ れた 。HCPro (D193Y)か らP3 (N122S)の     領域 をMM由来 にし たキ メラは、エソを誘導しなかった。また複製能もやや低下     していた。従って、この領域がエソ誘導に重要であろうと結論した。更に病徴や、

    ウイルス複製能に関与するウイルス遺伝子の機能解析を行うために、それぞれの     遺伝 子を ウイ ルス ベク ター を用 いて 、単独 で発 現す る実験系を開発した。Pea     early browning virus  (PEBV)  ベ ク タ ー にCIYVVのHCProとP3大部 分の 領     域を挿入して、エンドウに接種した。接種エンドウからウエスターンブロット法     でHCPr0の発現が確認できたので、このウイルスベクターを用いた実験系が今後     のCIYVVウ イ ル ス 遺 伝 子 機 能 解 析 に 有 効 で あ る こ と が 示 さ れ た 。   以 上の 結果 から 、HCPro遺 伝子が、CIYVVの複製と病徴発現に重要な役割を果たし てい るこ とが 明ら かに 出来 た。  ま たHCProに 対す る抗 体が作製され、さらにPEBV ベクターを利用した実験系を確立できたので、今後の詳細な遺伝子機能解析が可能と なった。

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(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨

     学位論文題名      ●

Role of clover yellow vein virus‑helper component protease   (CIYVV‑HCPro) gene in replication and pathogenicity

(クローバー葉脈黄化ウイルスHCPro遺伝子の複製と病原性における役割)

  本 論 文は 、 図23、 表6、 引用 文 献198を含 み8章 か らな る 総頁 数100の葵 論 文である。他に参考論文5編が添えられている。

  本研究は、クローバー葉脈黄化ウイルスclover yellow vein vユrus(ClYvv)の10 の遺伝子のうち、ヘルパーコンポーネントプロテアーゼ(HCPro)と呼ばれる遺伝子 について解析し、複製と病原性に重要な役割をはたしていることを明らかにしたもの である。その内容は以下のように要約される。

1)HCProの感染細胞内での発現と蓄積を調ぺた。HCPr0に対するポリクローナル抗     体を作製し、これを用いてウエスターンブロット法により、感染ソラマメ、エン     ドウ、インゲ、Nicotiana benthamianaからHCProが50KDaタンゾくク質として     検出できた。ソラマメでHCPr0は、可溶性分画では感染5日後から、また不溶性     分画では4日後から検出きれ、不溶性分画により參く含まれていた。同時に外被     タンパク質も検出したところ、感染4日後から可溶性分画と不溶性分画の両方か     ら検出きれ、蓄積量もHCProより参かった。

2)ウイルス複製に関与していると推測きれるHCPra、VPg、NIaPro、NIbタンパク質     について、酵母two一hybridアッセイを用いて、タンパク質問の結合による相互     作用を嗣べた。HCPro、VPg、NIaPra、NIbタンパク質を、Binding domainと     Activation domainにそれぞれ挿入して、お互いの結合能を調べた結果、.HCPro     とVPgはそれぞれ自身で結合することが判った。またNIaProがNIbと結合し、

    さらにHCProとVPgが結合することが明らかになった。HCPr0とVPgの結合は、

    ポティウイルスではいままでに報告がなかった新しい相互作用であった。この結     合は、ファーウエスターン法でも確認した。また酵母two−hybridアッセイを用     いて、VPgとVPg、およぴVPgとHCPr0の結合ドヌインの特定を行い、VPgのC一

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郎 税

徳 児

一  

  久

田 田

戸 谷

上 増

伴 畑

授 授

授 師

教 教

教 講

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

末 端 の38ア ミ ノ 酸 がVPgとVPgの 相互 結合に 、ま た中 央の19ア ミノ 酸がHCPro と の 結 合 に 必 要 な こ と を 明 ら か に し た 。

3) クロ ーバ ー葉 脈黄化ウイルスがソラマメに感染するとエソをおこす遺伝子を特定     する 目的 で、 エソ をお こさ ない 突然 変異 株MMと野生株のゲノム比較を行った。

    野生 株の 感染 性cDNAク ロー ンを もと にし た、刪株との様々なキメラウイルスの     病 微 か ら 、P1遺 伝 子のC― 末端か らP3のNー末 端領 域が エソ誘 導に 重要 であ る     ことがわかった。この領域にコードきれるタンパク質のアミノ酸配列を比較する     と 、8ケ 所 でMMは 野 生 株 と 異 な っ て い た 。 す な わ ち 、P1で182番 がEか らG     (E182G)に 、HCPr0で は 、27番 がTか らI(T27I)、33番 がIか らV(I33V)、     51番 がRカゝ らI(R51I)、193番がDカゝらY(D193Y)、327番がLカゝらQ(L327Q)、     き ら に393番 がVか らI (V393I) に 、 更 にP3で は 、122番 ぬ ミNか らS(N122S)     に置換していた。そこで、この領域をさらに細かい断片に分けてキメラを作製し     て、 ソラ マメ での 病徴 とウ イル ス複 製を 解析した。Pl (E182G)とHCPro (T27I)     をMM株由 来に する とウ イル スの 複製 能が 著しく低下したが、エソを誘導する能     カは 維持 きれ ていた。またHCPro (T27I)を野生株にすると複製能力回復がみら     れたので、このアミノ酸置換がウイルスの複製に重要であろうと思われた。HCPro     (D193Y)か らP3 (N122S)の 領 域 をMM由 来 に し た キ メラ は、エ ソを 誘導 世ず 、     また複製能もやや低下していた。従って、この領域がエソ誘導に重要であろうと     結諭した。更に病徴や、ウイルス複製能に関与するウイルス遺伝子の機能解析を     行うために、それぞれの遺伝子をウイルスベクターを用いて、単独で発現する実     験系を開発した。Pea, early browning virus  (PEBV)  ベクターにC1YVVのHCPro     とP3大部 分の 領域 を挿 入し て、 エン ドウ でHCProの 発現 が確 認で きた ので、こ     のウ イル スペ クターを用いた実験系が今後のCIYVVウイルス遺伝子機能解析に有     効であることが示された。

  以 上の よう に、 本諭 文は 、HCPro遺伝子が、CIYVVの複製と病徴発現に重要な役割 を果たしていることを明らかにした。またHCProに対する抗体が作製され、さらにPEBV ベクターを利用した実験系を確立できたので、今後の詳細な遺伝子機能解析が・可能と な っ た 。 こ れ ら の 研 究 成 果 は 、 関 連 学 会 で 学 術 上 高 く 評 価 さ れ て い る 。   よ っ て 、 審 査 員一 同 は 、 ヤ ン バ オ マ レ オ ノ ラ ミ ラ 氏 が 博 士 ( 農学 )の 学位 を 受けるに十分な資格を有すると認めた。

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