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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 塩 井 恒 介

学 位 論 文 題 名

白色 LED 用 窒化珪素 系新螢光 体の研究 学位論文内容の要旨

  白色LEDは、1990年 代半ば より、 液晶バ ックラ イト用光源として用いられてきたが、近年、白 色LEDが 有する 低消費 電力、長 寿命、 水銀の 不使用 等の特質から、一般照明分野への普及が始ま りつっ ある。 白色LEDが一般照 明分野 で広く 普及す ることにより、大きを省工ネ効果が期待され るが、そのためには、極めて多種の白包LEDの品揃えが求められる。

  窒化 物は、 共有結合 性が高 く強固を結晶構造を有することから、熱的および機械的性質に優れ る。ま た、窒化物を螢光体ホストとした場合、nephelauxetic効果並びに結晶場の影響による発光 イオンの軌道分裂により、一般に酸化物螢光体よりも長波長側に励起およぴ発光スベクトルが現れ る。白 色LED用 螢光体 は、LED素 子が発 する近 紫外〜青 色光で の励起 が必要 であることから、窒 化物は 白色LED用螢光 体ホスト として 好適で ある。 本研究では、取り分け発光効率が低い白熱電 球の自 包LEDに よる代 替を目指 し、そ れを可 能とす る新規黄色発光窒化珪素系螢光体の開発を目 的とした。

  第1章 で は 、 照 明技 術 と 白 色LEDの 関 わ りと 螢 光 体 の役 割 を 概 観す る と と もに 白 色LED用 窒化珪素系螢光体の諸課題を示した。現在までに、赤色発光のSr2Si5N8:Eu2+,CaAlSiN3:Eu2十,緑 色発光のp―SiA10N:Eu2十,黄色発光のCaIローSiA10N:Eu2+等の窒化珪素系螢光体が報告されてい る。Ca‐a‐SiA10N:Eu2゛は 、優れ た温度特 性を有 すると ころか ら高出 力白色uD用黄色螢光体 として有望視されているが、一層の発光強度の改善が求められている。Srl口‐SiA10N:Eu2゛は、

Ca・a‐SiA10N:Eu2+よりも高い発光強度を示すと期待されるが、合成が困難をために現在までに報 告事例がをい。またSrSi6N8は、近年報告された窒化物であり、SrSi6N8:Eu2゛の発光特性は未だ報 告され ていを い。本 章では 、これ らの課 題を踏 まえ、 本研究の 目的と 位置付けを明確にした。

  第2章では、高窒素含有組成を有するSrSi6N8:Eu2゛螢光体の合成方法に関する検討を行った。

実験技 術並びに生産技術の観点から、大気中での取り扱いが困難をSr3N2に替わる合成原料として SrSi2を用いて、窒化珪素との固相反応によりSrSi6N8:Eu2゛の合成が可能であることを示した。併 せてSrSi6N8:Eu2゛が青色発光を示すことを明らかにした。

  第3章 では、 第2章の 知見を 参照してSrSi2を合 成原料 として 用い、S卜口一SiA10Nの合成につ いて検 討を行 った。SrIaーSiAlONの 合成に 初めて 成功するとともに、SrlひSiAlONはSr量及び酸 素量が少をい組成域で生成し、Sr・口‐SiA10Nの生成組成域をはずれると、第2相としてp‐SiA10N 或いは 第2章で記載したSrSi6N8が顕著とをることを示した。SrIむSiA10Nは、頂点共有した(Si, A1)‐(0,M四面体により構成される籠状空間の中に、Srが入った構造を有する。またSrIa―SiA10N の結晶構造を、リートベルト法により精密化した。.

  第4章 では、Sやa―SiAlON:Eu2゛の発光特性におけるEuの最適添加量を実験的に求めた。最適 値を超えると濃度消光により発光強度が低下すること並ぴに添加量に比例して発光波長の赤方偏位

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が 生じ るこ とを示した。Eu添加 量を最適化すると、同様に合 成したCa̲cy̲SiAlON:Eu2+を 上回る 発光強度 が得られた。またSr‑ば−SiAlON:Eu2+は、高温下でも発光強度の低下が僅かであるととも に発光ス ベクトルの形状およびピー ク波長に変化を生じをいことを示した。Sr‑a―SiAlON:Eu2+と InGaN系 青 色LED素 子と を 組み 合わ せて 白色LEDラン プ を作 製し 、そ の光 学 特性 を検 討し た。

発光色度 は暖かみのある電球色で、 発光効率は一般的顔白熱電球 を大きく上回る55.1 ImWに達す る こと を示 し、Sト0−SiA10N:Eu2゛が電球色白色uD用螢光 体として好適であることを明 らかに した。

  第5章で は、Euー 口 −SiA10Nの合 成について検討を行った 。Eu−a−SiA10NはEuで付活 したひ SiA10N螢光 体 の端 成分 であ る こと から 、Euーa−SiA10Nの 合成に関する知見は、広範をEu添加 量 で のa‐SiA10N螢光 体の 合成 を可 能 とす るた めに 重 要で ある 。EuとSrの イオ ン半 径の 類似 性に着目 し、第3章で得られたSIl・Ia−SiAlONの生成組成域に関する知見を援用することにより、

Eu‐口―SiA10Nの合成に初めて成功 した。Eu量及び酸素量が少な い組成域でEu−丗SiAlONが単相 と して 得ら れ るこ とを 示す と とも に、X心氾Sスベクトルか らEuが主としてII価であるこ とを明 らかにし た。またりートベルト法に よる結晶構造の精密化及び励起発光特性の測定を行い、本章に その詳細を記載した。

  第6章では、本研究の内容を総括した。SrSi2を用いて窒化珪素との固相反応によりSrSi6N8:E・u2+ を 合成 し、 大 気中 での 取り 扱 いが 困難 をSr3N2に替 わる 合 成原料として有用であること を示し た。SrI伽SiAlON:Eu2゛が電球色白 色um用黄色蛍光体として好適 であることを明らかとし、白包 LEDの一般照明分野への普及に貢献するところ大であることを示した。

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学位 論文審 査の要旨 主 査    教 授    吉 川 信 一 副 査    教 授    高 橋 順 一 副査   客員准教授武田隆史

学 位 論 文 題 名

白 色 LED 用 窒 化 珪 素 系 新 螢 光 体 の 研 究

  白色LEDは一般照明分野で広く普及することにより大き顔省エネ効果が期待されるところから、

極めて多種の白色LEDの品揃えが求められている。本研究では、取り分け発光効率が低い白熱電 球を白色LEDによって代替することを目指し、それを可能とする新規黄色発光窒化珪素系螢光体 を開発することを研究目的とした。

  第1章で は、照 明技術と 白色LEDの関わりと螢光体の役割を概観するとともに白色LED用 窒化珪素系螢光体の諸課題を示した。既に赤色発光のSr2Si5N8: Eu2+,CaAISiN3: Eu2+,緑色発 光のp‑SiAlON: Eu2+,黄色発光のCa‑a‑SiAlON: Eu2+等の窒化珪素系螢光体が報告されている。

CaーaーSiAlON:Eu2+は、優れた温度特性を有するところから高出力白色LED用黄色螢光体とし て有望視されているが、一層の発光強度の改善が求められている。Sr‑ar‑SiAlON: Eu2+は、Ca‑a‑

SiAlON:Eu2+よりも高い発光強度を示すと期待されるが、合成が困難をために現在までに報告事 例 が 顔 い 。 本 章 で は 、 こ れ ら の 課 題 を 踏 ま え 、 本 研 究 の 位 置付 け を 明確 に し た。

  第2章では、高窒素含有組成を有するSrSi6N8: Eu2+新規螢光体の合成方法に関する検討を行っ た。実験技術並びに生産技術の観点から、大気中での取り扱いが困難教Sr3N2に替わる合成原料と してSrSi2を用いて、窒化珪素との固相反応によりSrSi6N8: Eu2+の合成が可能であることを示し た。併せてSrSi6N8: Eu2+が青色発光を示すことを明らかにした。

  第3章では、第2章の知見を参照してSrSi2を合成原料として用い、Sr‑a‑SiAlONの合成につ いて検討を行った。 Sr‑a‑SiAlONの合成に初めて成功するとともに、Sr‑a―SiAlONはSr量及び酸 素量が少をい組成域で生成し、Sr‑a―SiAlONの生成組成域をはずれると、第2相としてp‑SiAlON 或いは第2章で記載したSrSi6N8が顕著と誼ることを示した。Sr‑a‑SiAlONは、頂点共有した(Si, Al)−(O,N)四面体により構成される籠状空間の中に、Srが入った構造を有する。またSr‑a‑SiAlON の結晶構造を、リートベルト法により精密化した。

  第4章では、Sr‑a‑SiAlON:Eu2+の黄色発光特性におけるEuの最適添加量を実験的に求めた。

最適値を超えると濃度消光により発光強度が低下すること並びに添加量に比例して発光波長の赤方 偏位が生じることを示した。Eu添加量を最適化すると、同様に合成したCa‑a−SiAlON: Eu2+を上 回る発光強度が得られた。またSr‑a‑SiAlON:Eu2+は、高温下でも発光強度の低下が僅かである とともに発光スベクトルの形状およびピーク波長に変化を生じ誼いことを示した。さらにInGaN 系青色LED素子とを組み合わせて白色LEDランプを作製し、その光学特性を検討した。発光色

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度は暖かみのある電球色で、発光効率絃一般的を白熱電球を大きく上回る55.1 Im/Wに達すること を示し、Sr ̄ば‐SiAlON:Eu2゛が電球色白色uD用螢光体として好適であることを明らかにした。

  第5章では、Eu‐a‐SimoNの合成について検討を行った。その合成に関する知見は、広範顔Eu 添加量でのば‐SiNON螢光体の合成を可能とするために重要である。EuとSrのイオン半径の類 似性に着目し、第3章で得られたSr一ぱーSimONの生成組成域に関する知見を援用することにより、

Eu―a‐SiA10Nの合成に初めて成功した。Eu量及び酸素量が少教い組成域でEu‐a‐Si心ONが単相 として得られることを示すとともに、XANESスペクトルからEuが主としてII価であることを明 らかにした。またりートベルト法による結晶構造の精密化及び励起発光特性の測定を行い、本章に その詳細を記載した。

  第6章 では 、 本 研究 の 内 容を 総 括し た。SrSi2を用い て窒化 珪素との 固相反応 により SrSi6N8:Eu2゛を合成し、大気中での取り扱いが困難をSr3N2に替わる合成原料として有用である ことを示した。SrIa―S仏lON:Eu2゛が電球色白色LED用黄色螢光体として好適であることを明ら かとした。

  これを要するに、著者はSr一ロ‐SiAlON:Eu2゛が白熱電球を代替する白色uD用黄色新螢光体で あるとの新知見を得たものであり、この新螢光体の開発が白色LEDの一般照明分野への普及に貢 献するところ大である。よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるもの と認める。

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参照

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