博 士 ( 獣 医 学 ) 岡 松 正 敏
学位論文題名
Antigenic and genetic analyses of ●
avlaninnuenZaVlruSeSiS01atedinJapan
(日本で分離された鳥インフルエンザウイルスの抗原性と遺伝子の解析)
学位論文内容の要旨
日 本で 分離 されたH5およぴH9インフルエンザウ イルスについて、遺伝子と抗原性を 解析するとともに、宿主鳥の病理学的検索を実施した。
2005年、茨城県下で採卵鶏に鳥インフルエンザが発生し、流行が終息するまでに一年 を 要 し た 。 感染 が確 認さ れた41農 場の うち9農場 の鶏 から16株 のH5N2ウ イル スが 分 離された。分離株の抗原性およぴ遺伝子解析の結果、いずれも1994年から中米の家禽で 流 行 し て い るH5N2ウ イ ル ス と 極 め て 近 縁 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 分 離 株 A/chicken/Ibaraki/l/2005 (H5N2)を実験感染させた鶏は、臨床症状を示さなかったが、
呼吸器からウイルスが回収された。病理検索の結果、唾液腺上皮細胞でウイルスが効率 よく増殖していることが判った。また、ウイルスは隔離ケージ間を伝播したことから、
鶏群の中で飛沫により感染が拡大したと推察された。
2008年 、北 海道のサロマ湖畔で発見された斃死 オオハクチョウから、H5Nl高病原性 鳥インフルエンザウイルスを分離した。この斃死体の病理学的検索の結果、死因は重度 の肺のうつ血性浮腫であった。分離ウイルス遺伝子の解析により、中国、ロシア、韓国 およぴ日本の秋田県、青森県で同年に分離されたウイルスと近縁であり、クレード2.3.2 に属 する こと が判った。分離ウイルスはこれまで に分離されたH5Nlウイルスの抗原性 と大きく異なっていたため、国内備蓄Vac‑lワクチンの本ウイルスの攻撃に対するワク チンの防御効果を調べた。攻撃後、ワクチン接種ニワトりの組織の一部からウイルスが 回収されたが、ニワトりは14日間症状を呈することなく生残した。すなわち、国内備蓄 ワ ク チ ン は 現 在 流 行 し て い る ウ イ ル ス の 感 染 に 対 し て も 、 防 御 効 果 を 示 し た 。 近 年ア ジア の家禽や哺乳動物からH9N2インフル エンザウイルスが分離されている。
そこ で、 アジ アの 家禽 に流 行し てい るウ イルスに近縁なA/swine/Hong Kong/10/1998 (H9N2)お よび 野生水禽から分離されたA/duck/Hokkaido/13/2000 (H9N2)に対するモノ クローン抗体を作出し、当研究室のインフルエンザウイルスライブラリーに保管されて いる21株 のH9ウイ ルス の抗 原性 を解 析し た。 その 結果 、 調べ たH9N2ウイルスは抗原 性と遺伝子が多様であることが判った。
こ れら の鳥 インフルエンザウイルスの抗原性と 遺伝子が多様であることの理由とし て、 一部 の国 で家禽にH5およびH9ウイルスワクチ ンが使用されていることが挙げられ る。以上の成績は、家禽のインフルエンザは早期摘発淘汰を基本とする対策が重要であ ることを示している。
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学位論文審査の要旨
学 位 論 文 題 名
Antigenic and genetic analyses of ●
avlan influenza vlruSeSiSOlatedinJapan
( 日 本 で 分 離 さ れ た 鳥 イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス の 抗 原 性 と 遺 伝 子 の 解 析 )
日 本 で 分離 され たH5およ びH9イン フ ルエ ンザ ウイ ルス につ いて 、遺 伝子 と抗 原性 を解 析するとともに 、宿主鳥の病理学的検索を実施した。
2005年、 茨城 県下 で採 卵鶏 に 鳥イ ンフ ルエンザが発生し、流行が終息するま でに一年を 要 し た 。 感 染 が 確 認 さ れ た41農 場 の う ち9農 場 の 鶏 か ら16株 のH5N2ウ イ ル ス が 分 離 さ れ た。 分離 株の 抗原 性お よび 遺 伝子 解析 の結果、いずれも1994年から中米の家 禽で流行し て い る H5N2ウ イ ル ス と 極 め て 近 縁 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 分 離 株 A/chicken価ara矧1/2005(H5N2)を実験感染させたニワトりは、臨床症状を示さなかったが、
呼 吸器 から ウイ ルス が回 収さ れ た。 また 、本ウイルスは隔離ケージ間のニワト りに伝播し たことから、飛 沫により鶏群に感染が拡大したと推察された。
2008年 、北 海道 のサ ロマ 湖畔 で発 見 され た斃 死オ オハ クチ ョウ から 、H5N1高 病原 性鳥 イ ンフ ルエ ンザ ウイ ルス を分 離 した 。こ の斃死体の病理学的検索の結果、死因 は重度の肺 の うっ 血性 浮腫 であ った 。分 離 ウイ ルス 遺伝子の解析により、中国、ロシア、 韓国およぴ 日本の秋田県、 青森県で同年に分離されたウイルスと近縁であり、クレード2.3.2に属する こ と が 判 った 。分 離ウ イル スは これ ま でに 分離 され たH5N1ウ イル スの 抗原 性と 大き く異 なっていたため、.国内備蓄丶′acー1ワクチンの本ウイルスの攻撃に対するワクチンの防御免 疫 賦与 効果 を調 べた 。攻 撃後 、 ワク チン 接種ニワトりの組織の一部からウイル スが回収さ れ たが 、い ずれ の鳥 も14日間 症 状を 呈す ること詮く生残した。すなわち、国内 備蓄ワクチ ン は 現 在 流 行 し て い る ウ イ ル ス の 感 染 に 対 し て も 、 防 御 効 果 を 示 し た 。 近 年 ア ジア の家 禽や 哺乳 動物 からH9N2イ ンフ ルエ ンザ ウイ ルス が分 離さ れて いる 。そ こ で、 アジ アの 家禽 に流 行し て いる ウイ ルスに近縁な州swindHongKon〆10/1998(H9N2) および野生水禽 から分離された削duck/Hokkaidリ13/2000(H9N2)に対するモノクローン抗体 を 作 出 し 、当 研究 室の イン フル エン ザ ウイ ルス ライ ブラ リー に保 管さ れて いる21株 のH9 ウ イ ル ス の抗 原性 を解 析し た。 その 結 果、 調べ たH9N2ウ イル スは 抗原 性と 遺伝 子が 多様 であることが判 った。
宏 司
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授 授
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査 査
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主 副
副 副
これらの鳥インフルエンザウイルスの抗原性が多様であることの理由として、一部の国 で家禽にH5およびH9ウイルスワクチンが使用されていることが挙げられる。以上の成績 は、家禽のインフルエンザは早期摘発淘汰を基本とする対策によって制圧されるべきこと を示している。
よって、審査員一同は、博士論文提出者岡松正敏氏が博士(獣医学)の学位を授与さ れるに十分な資格を有するものと認めた。
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