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学位論文題名Gelsolin Suppresses Tumorigenicity through InhibitingPKC Activation inaHuman Lung Cancer Cell Line,PC10.

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 佐 川 憲 明

     学位論文題名

Gelsolin Suppresses Tumorigenicity through Inhibiting PKC Activation inaHuman Lung Cancer Cell Line ,PC10 .

(ゲルソリンはPKC シグナル伝達経路を介して 肺癌 細胞 株 PC10 の造腫瘍性を抑制する。)

学位論文内容の要旨

    目的

  ゲルソリンはアクチンの重合及び脱重合を調節する蛋白質として知られており、アクチン細胞骨格 のダイナミックな変化を制御することで細胞運動において重要な役割を担っていると捉えられてきた。

近年、肺癌、大腸癌、乳癌、膀胱癌など各種癌でゲルソリンの発現低下が見いだされている。さらに、

ゲルソリンを強発現させた大腸癌や膀胱癌で造腫瘍性が抑制されることが報告されている。ゲルソリ ンはアクチンフィラメントに対し切断活性(severlng)を示すほか、フィラヌントの反矢尻末端に結 合レ、モノマーアクチンの付加を阻害したり切断後の短いアクチンフィラメントの再重合を防ぐ capping活性を持つ。一方でアクチン重合の律速段階である重合核形成を通じて、アクチンの重合に 促進的に作用するnucleating活性を持つ。これらはカルシウムイオン或いはプ口トンによって活性化 され、また細胞内情報伝達系において重要な役割を担っているホスファチジルイノシトールリン脂質 により不活化される。Protein kinaseC(PKC)は細胞膜リン脂質の代謝産物であるdiacylglycerul (DAG)や発癌プロモーター、12‑O‑tetradecanoylphorbol‑13‑acetete(TPA)の細胞内標的蛋白であり、

細胞増殖や分化など様々な細胞応答反応に関わっていることが知られている。本研究では、ヒト肺癌 細胞株PC10の造腫瘍性に対するゲルソルン高発現の効果を調べるため、レト口ウイルスベク夕一を 用いて野生型ヒトゲルソリンが高発現している株を樹立し、m vitro、in vivoでの造腫瘍性を検討 した。またPIP2などのホスファチジルイノシトールリン脂質に対して高い親和性を持っゲルソリンと 細胞内情報伝達を担うPKCの関わりについて検討し、ゲルソリンによる造腫瘍性抑制の分子機構につ いて解析した。

    材料と方法

  ゲルソリン高発現クローンの樹立:扁平上皮癌である肺癌細胞株PC10ではゲルソリン発現の低 下 が 確 認 さ れ て い る 。 レ ト 口 ウ イ ル ス ベ ク 夕‑ pLNCXのHind 111←Hpal siteにhuman cytoplasmic gelsolin cDNAのHind 11トStul fragmentを挿入し、ゲルソリン・レト口ウイルスベク 夕‑ pLNChGsn作成 した。pLNChGsnおよびpLNCXをパ ッケージ ング細胞 であるCAK8にトラ ンス フウクションしてゲルソリンレト口ウイルスおよびコント口一ルウイルスを作成した。PC10細胞に これらのウイルスを感染させ、ゲルソリン高発現株ならびにコント口一ル株を作成した。抗ヒトゲル ソリンモノク口一ナル抗体(2C4)を用いてWestern←ljlottingを行い、各株におけるゲルソリン蛋白 質の産生量を検討した。さらに、検出した:bandをデンシトヌ一夕一を用いて定量化した。細胞増殖 能とアポトーシス:各株ををそれぞれ10%、1%FBS添加培養液で培養し、2日毎に細胞計算盤に て細胞数を測定した。MTTassayは細胞培養後48時間で判定した。次に各株をアポトーシスを誘導 するスタウ口スポリンで処理し、一定時間後1こHoechstで染色して、螢光顕微鏡による観察を行った。

細胞100個中における核の凝集が認められる細胞の割合を測定した。軟寒天培地におけるコ口二一 形成能の測定:各ク口一ンを3plateずっ軟寒天培地に捲いた後、37℃、C○25%で3週間培養した。

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(2)

判定は1 plateにっき20視野でコ口二ー形成率を測定しPost−hoc testにて検定を行った。In vivoに おける造腫瘍性の検討:各株をヌードマウス皮下に5 Xl06個ずっ注射し10日毎に腫瘍を計測した。

プ ラ ジ キ ニ ン 刺 激 に よ るphospholipaseC(PLC)の 活 性 化 : 細 胞を あ ら かじ めmyoー[3H]

inositolで標識しPLCを活性化するブラジキニンを種々の濃度で作用させinositol triphosphate (IP3)の産生量を測定した。PKCの細胞内局在の変化:PC 10からtotal cell proteinを抽出し、各 isoforrnに特異的な抗PKCモノク□ーナル抗体を用いてWestern blottingを行しゝ、PK(二各isoforII1を 検出した。続いて、48時間血清飢餓状態においた。各株をPKCを直接活性化する発癌ブ□モ←一夕一 TPAあるいはブラジキニンで処理後、細胞を回収して、ホモジェナイザーで細胞を破砕した。低速遠 心により核成分を分離・除去した後、超遠心にて細胞質成分と細胞膜成分に分離した。Braclfurcl assayで各画 分の蛋 白質濃度 を定量し 、細胞 質画分と 細胞膜 画分の各PKC isoforInをWestern ljlottingにより検出し比較して、細胞内の局在の変化、すなわち活性化の指標となる細胞膜への移行 の有無を検討した。

    結果

  ゲルソリン高発現ク口一ンの樹立:親株よりそれぞォ晒倍、7.5倍のゲルソルンを産生する株やG3、 PG2)が 得られた 。これ らをべク 夕一の みを導入 したコント□一ル株Q?N3、PN4)、親株P(̲10と ともに本研究に使用した。軟寒天培地におけるコ口二一形成能の測定:ゲルソリン高発現株では コント口一ルに比ベ、軟寒天培地中でのコロニー形成能が減少していた。Iri vivoにおける造腫瘍 性の検討:ゲルソリン高発現株ではヌードマウス皮下での造腫瘍性も低下していた。細胞増殖能と アポトーシス:ゲルソリン高発現株での造腫瘍性低下の要因が細胞増殖能の低下によるのかアポト ーシスの昂進が原因であるのかを検討した。各株間でL0%FCS添加medium下での細胞増殖能にはに 差は認められなかったが、1%FCS添加培養液下ではゲルソリン高発現株で細胞増殖は抑制されてい た。MTT assayでも同様の結果が得られた。一方、スタウ口スポリンを使用したアポトーシス誘導実 験 では各ク 口一ン問 に差は 認められ なかっ た。プラジキニン刺激によるPLCの活性化:PIP2は PLCPの活性化、によってDAGとIP3に加水分解される。PLCpを活性化するブラジキニンで各株を刺激 し、各株間でIP3産生量を比較した。PN3ではブラジキニンの濃度依存性にIP3産生量が増加し高い レ ベルで維 持される のに対 しPG2で はIP3産生が著明に抑制された。PKCの細胞内局在の変化:

PKCは大き く3種 類(cPKC、nPKC、aPKC)のタイ プに分 けられそ の中で12種類のisoformsが知ら れ て い る。cPKC、nPKCはDAGやTPAと直 接結合 すること により 活性化さ れる。PC10細胞では PKC isoformの う ちcPKC(PKCa、PKCア ) 、aPKC (PKCA、PKCc) が 発 現し て い た 。い ず れの株におしゝてもTF)A処理によってPKCd、PKCアは細胞質から細胞膜へ局在が変化することが確認 された。一方でaPKCの局在変化は認められなかった。次に、ブラジキニン刺激によるPKC局在の 変 化を比較 検討した 。PC10、PN3、PN4のコント口一ル群ではcPKCの細胞質から細胞膜への局在 の変化が確認されたが、ゲルソリン高発現株(PG2、PG3)においては局在の変化は確認されなかっ た。

    考察

  我々は本研究で、アクチン調節夕ンパク質であるゲルソリンが肺癌細胞PC10の造腫瘍性を抑制す ることを示し、さらに、その機構がPKCの細胞内情報伝達系路に深く関わっていることを初めて証明 した。ゲルソリンは腫瘍抑制遺伝子としての役割を持ち、その効果は発現量にも依存することが示さ れた。PKCは細胞内情報伝達における重要な蛋白として知られ、細胞増殖、分化、ホルモン応答とい った様々な生物現象に関与している。ゲルソリン高発現線維芽細胞においてPI,C活性が阻害されてい たことから、癌細胞でもこの経路がゲルソリンの造腫瘍性抑制に関係していると予想された。ホルモ ンや細胞増殖因子などの細胞外刺激により、PLCが活性化され、PIP2は【)AGとIP3というニつのセカ ンドメッセンジャーに加水分解される。ブラジキニンは、細胞膜の受容体に結合し、三量体G蛋白質 を 介してPLCpを 活性化 させる。その結果、PIP2が加水分解されDAGが産生されてPKCと結合する とPKCが活性化され腫瘍増殖へと導かれる。このことから、ゲルソリン高発現株において腫瘍増殖が 抑制された機序として次のことが言える。すなわちPC10細胞においてゲルソリンがPIP2と結合し P1工6の活性が抑えられる。そのためPIP2の加水分解が抑えられPKCの標的蛋白であるDAGの産生量 が低下する。この結果、PIくcが標的とする腫瘍遺伝子が活性化されず造腫瘍性が抑えられるというこ とである。

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(3)

    結語

  肺扁平上皮癌PC10細胞において、野生型ヒトゲルソリン遺伝子を導入レ、高発現させることで造 腫瘍性を強く抑制させることを示した。これは、ゲルソリンがPLCpの活性化を抑制し、イノシトー ルリン脂質代謝による細胞内情報伝達経路を介する腫瘍増殖を抑制させるためであることを証明した。

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(4)

学位論文審査の要旨 主 査    教 授    秋田弘俊 副 査    教 授    葛巻    暹 副 査    教 授    加藤紘之

     学位論文題名

Gelsolin Suppresses Tumorigenicity through Inhibiting PKC Activation inaHuman Lung Cancer Cell Line .PC10 .

(ゲルソリンはPKC シグナル伝達経路を介して 肺 癌細 胞株 PC10 の造腫瘍性を抑制する。)

  ゲルソリンはアクチンの重合及び脱重合を調節する蛋白質として知られており、アクチン細胞骨格の ダイナミックな変化を制御することで細胞運動において重要な役割を担っていると捉えられてきた。近 年、肺癌、大腸癌、乳癌、膀胱癌など各種癌でゲルソリンの発現低下が見いだされている。さらに、ゲ ルソリンを強発現させた大腸癌や膀晄癌で造腫瘍性が抑制されることが報告されている。ゲルソリンは アクチンフィラメントに対し切断活性(severing)を示すほか、フィラメントの反矢尻末端に結合し、

モノマーアクチンの付加を阻害したり切断後の短いアクチンフィラヌントの再重合を防ぐcapping活 性を持つ。一方でアクチン重合の律速段階である重合核形成を通じて、アクチンの重合に促進的に作用 するnuceaang活性を持つ。これらはカルシウムイオン或しゝはプロトンによって活性化され、また細 胞内情報伝達系において重要な役割を担っているホスファチジルイノシトールリン脂質により不活化さ れる。Pro臓nkmaSeC(PKc)は細胞膜リン脂質の代謝産物であるdia酬g炒cerol(DAG)や発癌プ口 モ一夕一、12―O―te皿ldecan捌phorbo】―13Hace艶te(TP心の細胞内標的蛋白であり、細胞増殖や分化 など様々な細胞応答反応に関わっていることが知られている。本研究では、ヒト肺癌細胞株PC10の造 腫瘍性に対するゲルソリン高発現の効果を調べるため、レトロウイルスベク夕一を用いて野生型ヒトゲ ルソリンが高発現している株を樹立し、加汾tr〇、加呱りでの造腫瘍性を検討した。またPp2など のホスファチジルイノシトールリン脂質に対して高い親和性を持っゲルソリンと細胞内情報伝達を担う PKCの関 わりに ついて検 討し、ゲ ルソリンによる造腫瘍1壁抑制の分子機溝について解析した。

  ゲルソリン高発現クローンの樹立:扁平上皮癌である肺癌細胞株PC10ではゲルソリン発現の低下が 確認 さ れ てい る 。 レト 口 ウ イル ス ベ クタ ーpLNCXのHmduトH:palsiteにhurnanq吐OplaSmic gdsouncDNAのHmdulISmlfragmentを 挿 入 し 、 ゲ ル ソ リ ン ・ レ ト 口 ウ イ ル ス ベ ク 夕 一 puNalGsn作成し た。pLNChGsnお よびpINくXを パッケ ージン爿 細胞で あるQ虹く8にトラ ンスフ ェクションしてゲルソリンレト口ウイルスおよびコントロールウイルスを作成した。PC10細胞にこれ らのウイルスを感染させ、ゲルソリン高発現株ならびにコントロール株を作成した。抗ヒトゲルソリン モノクローナル抗体(2(X)を用いてWeStem―t)lot丗培を行い、各株におけるゲルソリン蛋白質の産 生量を検討した。さらに、検出したbandをデンシトヌ一夕一を用いて定量化した。細胞増殖能とアポ トーシス:各株ををそゎぞれ10%、1%FBS添カロ培養液で培養し、2日毎に細胞計算盤にて織数を測 定した。MITaSsayは細胞培養後48時間で判定した。次に各株をアポトーシスを誘導するスタウ口ス ポリンで処理し、一卿寺問後にHCechtで染色して、螢光顕微鏡による観察を行った。細胞100個中 における核の凝集が認められる細胞の割合を測定した。軟寒天培地におけるコロ二一形成能の測定:各 クローンを3pぬずつ軟寒天培地に捲いた後、37℃、C○25%で3週間培養した。判定は1plateにつ き20視野でコ口こ←形成率を測定しP岱t一h(℃teStにて検定を行った。血呱′〇における造圃劇生の検 討:各株をヌードマウス皮下に5X106個ずつ注射し10日毎に腫瘍を計測した。プラジキニン刺激に     ー421―

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(6)

議 の結果、大学院課程における研鑽や取得単位なども併せ、申請者は博士(医学)の学位授与に値するも の と判定した。

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第四章では、APNP による OATP2B1 発現抑制における、高分子の関与を示す事を目 的とした。APNP による OATP2B1 発現抑制は OATP2B1 遺伝子の 3’UTR

する議論を欠落させたことで生じた問題をいくつか挙げて

お客様100人から聞いた“LED導入するにおいて一番ネックと

つの表が報告されているが︑その表題を示すと次のとおりである︒ 森秀雄 ︵北海道大学 ・当時︶によって発表されている ︒そこでは ︑五

しかし私の理解と違うのは、寿岳章子が京都の「よろこび」を残さず読者に見せてくれる