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Ⅳ.環境保全の取組 環境報告書:水資源機構

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(1)

■ 工事実施前の環境影響予測調査

群馬用水管理所では、施設の老朽化対策として、幹 線水路トンネルの改築工事を計画しています。トンネ ルの改築工事を実施するために併設水路を設置する必 要があり、工事による改変予定区域に生息、生育して いる鳥類を把握するため、事前に調査を実施しまし た。

平成 28 年度は 4 回にわたり定点調査を行った結 果、工事区域周辺においてオオタカの飛翔が確認され ましたが、工事区域周辺での営巣は行っていないこと がわかりました。平成 29 年度も引き続き調査を実施 します。

調査により飛翔が確認されたオオタカ

Ⅳ 環境保全の取組

1.環境保全に配慮した取組

1- 1 自然環境の保全

①環境調査・環境保全対策の実施

水資源機構の事業は山間地域などの自然豊かな場所も含めて行われることが多く、ダムや用水路などの 施設の建設は自然の改変を伴うことから、自然環境の保全対策に努めています。施設の新築や改築事業に おいては、自然環境の保全のために調査・影響予測を実施し、その結果に基づいて環境保全対策を実施し ています。実施した環境保全対策については、モニタリング調査により効果を検証しています。

また、ダムや用水路などの管理業務においては、施設の供用に伴う施設周辺の自然環境の変化を把握す るとともに、環境に配慮した取組を実施しています。(19 ページに自然環境調査の実施事務所及び内容一 覧を示します。)

環境調査・環境保全対策の実施

【平成 28 年度計画※1 【平成 28 年度実績(概要)】

[新築及び改築事業]

自然環境調査及び環境影響予測を実施する。その結果に基 づき、環境保全対策を講じるとともに、モニタリング調査を 4事業(思川開発、川上ダム建設、小石原川ダム建設及び両 筑平野用水二期)で実施し、その効果を検証する。

●動植物、生態系、水質、景観等の自然環境の保全を図るた め、自然環境調査等を実施した。

●3 事業において、影響を回避、低減又は代償するための環 境保全対策を講じた。

●4 事業において、モニタリング調査を実施し、実施した対 策の効果を検証した。

[管理業務]

施設が周辺の自然環境に与える影響の把握が必要な場合な どには、自然環境調査を実施するとともに、その結果に応じ て必要な環境保全対策を実施する。

ダム下流河川への堆積土砂還元を 8 施設において、また、 フラッシュ放流※2等の取組を 12 施設において、河川流況の 状況に応じて積極的に推進する。

●16 施設において、魚類の遡上調査、下流河川の環境調査 等を実施した。

●ダム下流河川への堆積土砂還元については、8 施設で実施 し、全ての施設で土砂の流下が確認できた。

●フラッシュ放流等の取組を実施環境が整った 9 施設で実施 した。

(2)

※ 2 ダムが建設されてダム下流の河川流況が平滑化されるため、付着藻類の剥離更新の促進及び河床堆積物の掃流等を目的として一時的に放 流量を増加させる取組。

※ 3 ダム建設予定地において、地質調査のために掘られた横穴。 ※ 4 水中に浮遊又は懸濁している不溶性の粒子状物質量。

※ 5 ダムの洪水調節容量内に一時貯留した水をダム下流の河川環境改善のために放流し、その効果を評価する取組。

※ 6 河川にダムができると貯水池に土砂が溜まるため、溜まった土砂をダム下流河川内に運搬、置土し、ダムからの放流水によって下流河川 へ流下させる取組。

■コキクガシラコウモリの保全対策

朝倉総合事業所(小石原川ダム建設事業)では、保 全対象種であるコキクガシラコウモリがねぐら環境と して使用している横坑※3が工事により消失すること から、代替として保全措置坑(コウモリトンネル)を 整備し、モニタリング調査を実施しています。コウモ リトンネルは平成 28 年 3 月に整備が完了し、9 月に このトンネル内において、コキクガシラコウモリを初 めて確認しました。

■ダム下流河川環境の改善

ダムができると、ダム下流への土砂供給量が減少 し、また、ダム下流の流量が平滑化され、生物の生 息・生育環境、景観など河川環境へ影響を及ぼすこと があります。そのため、フラッシュ放流を含むダムの 弾力的管理試験※5、ダム下流への土砂還元※6を行い、 ダム下流河川環境の改善の取組を行っています。

平成 28 年度は、下流河川への土砂還元を8施設に おいて実施し、全ての施設で土砂の流下を確認しまし た。これにより、ダム下流河川において「粗粒化の改 善」、「生物生息環境の改善」、「付着藻類の剥離」とい った河川環境保全に一定の効果が得られています。

■沈砂池から出た排水の水質測定

川上ダム建設所では、生活再建工事として県道の付 替工事を実施しています。

工事から出た排水が直接、河川などに流れ込むこと がないように沈砂池に集水し、そこで濁質を沈降さ せ、フィルターを通してから河川に流しています。

工事期間中は沈砂池から出た排水の濁度及び pH を 常時測定し、また、盛土などの土工事を実施している 期間は毎日1回、SS※4についても測定しました。

調査で確認したコキクガシラコウモリ

沈砂池の状況

ドローン操作状況

■ドローンを利用した植栽調査

琵琶湖開発総合管理所では、琵琶湖の湖岸保全及び 環境保全対策を目的として整備したヨシの植栽地にお いて、モニタリング調査を行っています。

平成 28 年度は新たな取組として、ドローンを利用 したモニタリング調査を行いました。ドローンを利用 することで容易に上空から撮影することが出来るた め、今後も調査への活用が期待されます。

(3)

魚類遡上状況(上:稚アユ、下:モクズガニ) フラッシュ放流前

クッキングイベントの様子

■魚類遡上調査

河口堰などの施設においては、魚類の遡上に配慮 し、魚道の設置や魚類を誘導するためのゲート操作の 実施などの取組を行い、その効果を確認するための魚 類遡上調査を実施しています。

利根川河口堰では、堰の左右岸の魚道において、稚 アユ、カニ類及びサケの遡上数の計測を実施していま す。平成 28 年は、左右岸の魚道の合計で魚類 24 種、 甲殻類 2 種の遡上が確認されました。調査年ごとに 変動はあるものの、毎年順調に遡上が確認されていま す。

布目川漁業協同組合、JOFI 奈良(釣りインストラクター連絡 機構)、NPO 法人 日本へらぶなクラブによる特定外来生物である チャネルキャットフィッシュ(通称:アメリカナマズ)の釣り大 会が布目ダム湖で開催されました。同大会では釣り大会に加え、 クッキングイベントのほか、アメリカナマズについての解説も行 われ、参加者は、外来魚に対する理解を深めることができまし た。

〈ダム下流河川のフラッシュ放流による変化(青蓮寺ダム、室生ダム、比奈知ダム下流の大屋戸地点)〉 フラッシュ放流後(付着藻類の剥離を確認)

〈平成 28 年度ダム下流河川環境の改善の取組実績〉

弾力的管理試験等

下流河川の土砂還元 維持流量の増量放流※1 フラッシュ放流

徳山ダム  一庫ダム 寺内ダム

阿木川ダム  室生ダム 青蓮寺ダム  比奈知ダム 一庫ダム   富郷ダム 新宮ダム

浦山ダム   滝沢ダム 下久保ダム  阿木川ダム 青蓮寺ダム  比奈知ダム 布目ダム   一庫ダム

※1 魚類の生息場の環境改善及び無水・減水区間(瀬切れ等)の解消等を目的とした放流。

トピックス

(4)

事務所 自然環境調査対象 環境保全対策実施 対策効果検証 結果

利根導水総合事業所 鳥類

思川開発建設所 動植物 猛禽類、昆虫、植物 植物移植の効果 猛禽類対策等の効果 移植植物の開花確認オオタカ B つがい繁殖途中失敗

群馬用水管理所 鳥類

豊川用水総合事業部 猛禽類、植物 木曽川水系連絡導水路建設所 猛禽類、植物、魚類

川上ダム建設所 猛禽類、オオサンショウウオ 猛禽類、オオサンショウウオ 猛禽対策等の効果、オオサンショウウオの人工巣 穴の利用

オオタカの繁殖確認、オオサンショ ウウオが利用していることを確認 丹生ダム建設所 動物、鳥類

朝倉総合事業所

(小石原川ダム) 猛禽類、ほ乳類、植物、昆虫 猛禽類、ほ乳類、植物、昆虫 植物移植の効果 猛禽類対策等の効果 移植植物の生育確認A、Dつがいの繁殖成功を確認

両筑平野用水総合事業所 魚類 魚道改築の効果 遡上個体の確認

事務所 魚道遡上調査実施施設 下流河川環境調査 変遷追跡調査等 河川水辺の国勢調査※ 2

利根導水総合事業所 利根大堰秋ヶ瀬取水堰

(武蔵水路) 植物、魚類、底生動物

沼田総合管理所

ダム湖環境基図作成 (矢木沢ダム)

(奈良俣ダム)

利根川下流総合管理所 利根川河口堰 植物、鳥類(妙岐の鼻地区)植物(霞ヶ浦)

荒川ダム総合管理所 猛禽類

ダム湖環境基図作成 (浦山ダム)

(滝沢ダム) 猛禽類

下久保ダム管理所 河床構成材料、水生昆虫、魚類、付着藻類 草木ダム管理所

木曽川用水総合管理所 木曽川大堰

岩屋ダム管理所 陸上昆虫類

阿木川ダム管理所

長良川河口堰管理所 長良川河口堰

味噌川ダム管理所 陸上昆虫類

徳山ダム管理所 魚類

琵琶湖開発総合管理所 植物、魚類、底生動物

木津川ダム総合管理所

鳥類 (青蓮寺ダム)

(高山ダム) (室生ダム)

(比奈知ダム) 河床環境、生物等

(布目ダム)

一庫ダム管理所 魚類、底生動物、付着藻類

日吉ダム管理所

池田総合管理所(池田ダム) 池田ダム

魚類 (新宮ダム)

(富郷ダム) 銅山川環境調査

(早明浦ダム)

旧吉野川河口堰管理所 旧吉野川河口堰今切川河口堰

筑後川局 筑後大堰

(大山ダム)

ダム湖環境基図作成 朝倉総合事業所(寺内ダム)

※ 2 国土交通省が全国の 1 級水系(ダム湖を含む)と主要な 2 級水系を対象に実施する動植物に関する定期調査で、国土交通省が所管する水 資源機構管理のダム湖も対象。「魚類」「底生動物」「植物」「鳥類」「両生類・爬虫(はちゅう)類、哺乳(ほにゅう)類」「陸上昆虫」「動 植物プランクトン(ダム湖のみ)」「環境基図作成」の項目に分け、毎年いずれかの項目を抽出し、調査しています。

〈平成 28 年度 新築、改築事業における環境調査等一覧〉

〈平成 28 年度 管理業務における環境調査等一覧〉

(5)

②環境保全のための環境巡視等

ダム建設事業については、面的な地形改変を伴うことから、事業実施区域内の巡視、職員と工事関係者 が一体となった環境保全のための協議会の設置、工事ごとの環境保全管理担当者の配置などにより、環境 保全の取組を着実に実施しています。

取 組 状 況

環境保全のための環境巡視等

【平成 28 年度計画】 【平成 28 年度実績(概要)】

ダム工事の実施に当たっては、環境巡視などにより現況を 把握し、必要に応じて改善対策等を講じるほか、3事業(思 川開発、川上ダム建設及び小石原川ダム建設)においては、 環境保全協議会を開催し工事ごとに環境保全管理担当者の配 置を行い、工事関係者と一体となって環境保全に取り組む。

●小石原川ダム建設事業においては、環境巡視などにより現 況を把握し、必要に応じて改善対策等を講じた。

●3 事業(思川開発、川上ダム建設及び小石原川ダム建設) においては、環境保全協議会を定期的に開催するとともに、 工事ごとに環境保全管理担当者を配置した。

パトロールの状況(川上ダム建設事業)

■環境巡視等の実施

朝倉総合事業所(小石原川ダム建設事業)では、工 事の実施前に、工事により改変される区域において環 境巡視を行い、植物の重要な種(保全対象7種)が確 認された場合には保全地へ移植を行っています。環境 巡視は、専門家、水資源機構職員、工事関係者が協力 して実施し、植物の確認から保護、移植まで、適切に 保全措置を行っています。

また、保全地への移植後もその効果を把握するた め、モニタリング調査を継続して行い、生育状況を確 認しています。

■環境保全協議会の活動

思川開発事業、川上ダム建設事業及び小石原川ダム 建設事業では、水資源機構職員や工事関係者の環境保 全意識の向上を図るとともに、一体となって環境保全 対策を実施するため、両者で構成される環境保全協議 会を設置しています。

それぞれの協議会において、環境保全の視点(水質 保全、騒音・振動、植物・動物の保全)から各工事現 場をパトロールするとともに、環境保全に関する対応 策の周知・徹底を図っています。

保全地に移植した植物

(6)

③環境に関する委員会・検討会等

環境に関する調査や影響予測、環境保全対策の検討に当たっては、最新の知見に基づいて実施するとと もに、外部の専門家などから構成される委員会・検討会等を設置し、その指導・助言を得ています。

取 組 状 況

環境に関する委員会・検討会等

【平成 28 年度計画】 【平成 28 年度実績(概要)】

環境保全対策等の実施に当たっては、専門家等の 指導・助

言を踏まえて実施する。 ●言を得ながら実施した。環境保全対策等の実施に当たっては、専門家等の指導・助

思川開発建設所、川上ダム建設所及び朝倉総合事業 所(小石原川ダム建設事業)の 3 事務所では、環境 への影響を回避、低減又は代償するため、専門家等の 指導・助言を踏まえて動植物の移植などの環境保全対 策を講じました。

平成 28 年度は上記 3 事務所を含む 8 事務所で次の とおり環境に関する委員会・検討会等を実施しました。

また、洪水調節などを目的に含む管理中のダム・堰・ 湖沼開発施設を対象として、国土交通省の各地方整備

局とともにダム等管理フォローアップ委員会を設置し ています。この委員会は、各施設について洪水調節実 績、環境への影響等の調査及びその調査結果の分析・ 評価を客観的かつ科学的に行い、適切な管理に役立て ることを目的としています。原則として、5年ごとに 過去の調査結果の分析・評価を行い定期報告書として とりまとめ、委員会で専門家等の意見を聴くこととし ており、平成 28 年度は、次のとおり委員会を開催し ました。

〈環境に関する委員会・検討会等一覧〉

〈平成 28 年度に開催したダム等管理フォローアップ委員会一覧〉

委員会の名称 水資源機構管理施設

関東地方ダム等管理フォローアップ委員会 霞ヶ浦開発

近畿地方ダム等管理フォローアップ委員会 青蓮寺ダム、日吉ダム

四国地方ダム等管理フォローアップ委員会 早明浦ダム

事業所名 委員会・検討会等の名称 平成 28 年度 開催回数

利根導水総合事業所 秋ヶ瀬取水堰魚道検討懇談会 1

思川開発建設所 思川開発事業生態系保全委員会 1

下久保ダム管理所 神流川土砂掃流懇談会 1

豊川用水総合事業部 豊川用水希少猛禽類保全検討会 1

徳山ダム管理所 徳山ダムの弾力的な運用に関する検討会 1

川上ダム建設所 川上ダム自然環境保全委員会 1

筑後川局(筑後大堰管理室) 筑後大堰関連環境調査連絡協議会 1

朝倉総合事業所 小石原川ダム環境保全対策検討委員会 1

(7)

1.概要

思川開発事業は、利根川水系渡良瀬川の支川思川の 支川南摩川に南摩ダムを建設して洪水調節を行うとと もに、同じく思川支川の黒川、大芦川と南摩ダムを導 水路で連絡して水融通を図り水資源開発を行うもの で、平成 36 年度の完成を予定しています。

当事業では、平成 5 年度の環境影響評価(閣議ア セス)実施後も、専門家による委員会(思川開発事業 生態系保全委員会)の指導 ・ 助言を受けながら、多様 な動植物の生息 ・ 生育環境を最大限守るための取組を 進めています。

この一環で、事業が地域の動植物に与えてきた影響 に配慮して、湿地環境を有する環境保全地を整備しま した。

2.環境保全地の目的

-多様な動植物の生息 ・ 生育環境の創出- 昆虫、両生類、鳥類等の多くは、耕作地とその周囲 の森林や河川等とも深くかかわりを持ち、地域の生態 系を形成しています。

南摩ダムが建設される栃木県鹿沼市上南摩地域で は、住民の方々が移転され、付替道路等の工事が実施 される中で、水田や畑といった耕作地、森林、河川な ど地域本来の環境が改変されてきました。

そこで、多様な動植物の生息・生育環境の創出を目 的に、地域本来の環境の代替として新たに、湿地を始 めとする多様な環境を持つ環境保全地を整備すること にしました。

上南摩地域の環境

落葉広葉樹林

水田 スギ ・ ヒノキ林

河川 畑

事業による改変

耕作地(水田 ・ 畑)の改変割合が比較的多い 【 完成イメージ 第 8 回思川開発事業生態系保全委員会資料(平成 21 年 3 月)】

環境保全地整備の取組

特集

(8)

3.環境保全地の整備

3.1 整備方針

-多様な環境要素とエコトーンを 自然の成り行きにゆだねて形成-

委員会では、新たに湿地環境を整備することに対 し、それを維持することの難しさが問題となりまし た。

耕作地を単に復元しても、人間の手入れなしでは、 環境の維持はできません。

良好な湿地環境は、良好な陸地環境とのつながりの 中で成立するため、池を核に、周辺の各要素が連続的 なつながりを持つ環境(エコトーン)が自然に形成さ れるよう、池 ・ 湿地、草地、森林など多様な環境要素 を形成するための基盤のみを整備し、後は動植物の進 入、定着、利用等を待つこととしました。

3.2 整備の実施

-池を造成、森林では広葉樹の増加を促進- 環境保全地の整備場所は、事業用地内でまとまった 面積を確保できる沢を選びました。

整備場所のスギ林を伐採し、池と池の周囲に草地に なる場所を作りました。

整備場所及びその周辺にはスギ ・ ヒノキ林が多 く、植生が乏しく単調なため、皆伐(全て伐採)、 間伐(間引き)等により広葉樹の増加を促進しまし た。

池の構造は、河川をせき止める方式にすると洪水時 の損傷や土砂が堆積するため、河川近くの平坦地を掘 削し、管路で水を引く方式にしました。

より多くの生物に適した環境を作るため、水深 1m 程度の深めの池と、水深 30cm 程度の水田的な浅い池 を造成しました。

上記の整備のうち、池の造成は平成 23 年度に、ス ギ ・ ヒノキの伐採は平成 22、25 年度に、それぞれ実 施しました。

環境保全地の目標像

池周辺の配置

池の造成(平成 24 年 2 月)

深い池

浅い池

浅い池へ

流入部

水際を緩傾斜に造成

●抽水植物の生育基盤を形成

●水~陸のエコトーン化を図る

抽水植物の生育基盤を形成

水深 1m を予定

水深 30cm を予定 河川に排水

流入口

池周囲は湿性草本、樹 木の生育基盤に

(9)

4.環境保全地の現状

整備後約 5 年経過し、環境保全地は植生が自然に 遷移しており、概ね良好な環境が形成されています。 池・湿地周辺では、池 ・ 草地 ・ 樹林のエコトーンが 形成されつつあります。

池では、イトモ、水生カメムシ類(コオイムシ等)、 ゲンゴロウ類、トンボ類(ヤゴ)、カエル類などの生 息 ・ 生育、繁殖が確認されました。

水際ではミゾソバ等(一年草)に加え、スゲ類(多 年草)が増えてきました。

周囲の草地では、ススキ、クマイチゴ、ヤナギ類等 の草や樹木が生育し、健全な植生遷移が進行中で、多 くのトンボ類やチョウ類などが見られます。

こうした環境の中、鳥類は、森林を好む種、開けた 場所を好む種に加え、水辺を好む種 ・ 餌場とする種が 確認されています。

深い池

浅い池

深い池

浅い池 草地

森林

森林

草地

〈環境保全地で確認された動植物の例〉

池 ・ 湿地の状況(平成 28 年 8 月)

イトモ タチツボスミレ

コオイムシ

ヒメウラナミジャノメ

ネキトンボ

ニホンアカガエル ミズカマキリ

クロゲンゴロウ

ミヤマカワトンボ

(10)

◇おわりに

これまで、多様な動植物の生育・生息する環境の創 出を目的として保全地の構築が順調に進んでいます が、今後も、委員会の指導・助言を受けながら、引き 続きモニタリングを行っていきます。また、環境学習 等での活用にも積極的に対応していきたいと考えてい ます。

環境学習の様子 ニホンカナヘビ

アカハライモリ(幼体)

カワラヒワ オオルリ

コテングコウモリ タヌキ

森林では、池 ・ 湿地周辺に比べて植生の遷移は遅い ものの、主に皆伐区域で日当りの良い場所に生育する ヌルデやクサギなどの樹種が進入 ・ 定着するなど、場 所により植生の更新が進んでいます。

なお、平成 26 年 2 月の大雪により、大量のスギ・ ヒノキの倒木が発生し、広葉樹の増加を促進する状況 になっています。

また、平成 27、28 年度には、委員会の助言を受け、 鳥類の水浴び場・水飲み場となるよう、池の周りに伐 採で発生したスギ材を設置しており、オシドリやフク ロウなどの利用が確認されています。

◇環境学習の場として

当環境保全地は、地元の小学校の環境学習の場とし ても活用されています。平成 28 年 8 月にも全校児童 22 名が参加した環境学習が行われ、講師(地域の自 然愛好家)指導のもと、池の周りなどで昆虫採集や植 物の観察を行い、自然のしくみや重要性などについて 学びました。採集した生物は、観察後、元の場所に放 しています。

間伐区域:スギ林の中にクサギ等が生育 皆伐区域:カラスザンショウ、ヌルデ等が生育

植生の更新状況

フクロウ オシドリ

(11)

1- 2 水質の保全

①水質情報の把握

安全で良質な水を供給するためには、まず、水質の状況を把握することが基本になります。水資源機構 では、各施設において、巡視、定期水質調査、自動水質観測設備、利水者や他機関からの水質データの入 手などにより日常的に水質情報の把握を行い、状況に応じた水質保全対策を実施しています。

取 組 状 況

水質情報の把握

【平成 28 年度計画】 【平成 28 年度実績(概要)】 良質な用水の供給を図るため、全施設において前年度まで

の水質管理の状況を踏まえて平成 28 年度水質管理計画を作 成し、運用する。計画に基づいて、日常的に水質情報を把握 して利水者等へ提供するとともに、日常の水質管理を的確に 実施する。

●全 52 施設において水質管理計画を作成し、計画に基づき 日常の巡視、定期的な水質調査、水質の自動観測等により 水質情報を把握し、積極的に利水者等の関係機関に情報提 供を行うとともに、ホームページにて公表した。

■巡視

管理用道路や巡視船からの貯水池等の巡視を日常的 に行い、水の色の変化、臭いの有無などの水質を把握 することにより、水質異常の早期発見に努めています。

■定期水質調査

水質状況を把握するために、貯水池、水路施設な どの管理施設において、水質調査計画を策定し、月 1 回を基本とした定期水質調査を実施しています。調査 項目は、一般的な水の性状を表す項目(水温、濁度、 電気伝導度など)、生活環境の保全に関する環境基準 の項目(COD※1、pH、SS など)、人の健康の保護に 関する環境基準の項目(カドミウム、全シアン、鉛 など)、富栄養化に関係する項目(クロロフィル a な ど)を基本としています。

また、職員が巡視時に簡易な水質調査を行うほか、 アオコや淡水赤潮等の発生や、濁水長期化現象、冷水 現象が見られた場合には、臨時の水質調査を実施す るなど、詳細な状況把握を行っています。(アオコな どの発生状況については、31・32 ページのとおりで す)。

貯水池の巡視(筑後大堰)

貯水池の巡視(矢木沢ダム)

採水状況(草木ダム)

簡易水質調査状況 (霞ヶ浦用水)

(12)

※ 2 貯水池において、洪水時に雨水の土壌浸食により発生した濁水が貯留され、洪水後徐々に放流することによって、下流河川の濁りが長期 化する現象。下流河川の濁りが長期化した場合、下流河川の景観上の問題や、河床の藻類の生育、魚類の生育への影響などの問題が生じ ることがあります。

※ 3  貯水池の中下層の冷たい水を放流することにより、下流河川の水温が流入河川に比べて低くなること。河川水温の低下により、魚の生息 環境や稲等の成長に影響する問題が生じることがあります。

②水質異常の発生抑制

アオコや淡水赤潮、濁水長期化現象※2や冷水現象※3等の水質異常を未然に防ぐために、曝気循環設備、 選択取水設備などの各種水質保全設備の運用を行うとともに、流域からの栄養塩流入負荷軽減のための関 係機関との連携などを行い、水質異常の発生の抑制に努めています。

水質異常の発生抑制

【平成 28 年度計画】 【平成 28 年度実績(概要)】

気候変動による水質への影響の可能性も考慮しつつ、富栄 養化現象、濁水長期化等の水質異常への対策にも計画的に取 り組む。

●水質異常の発生抑制のため曝気循環設備、深層曝気設備、 分画フェンス、バイパス水路、副ダム、遮光設備等の水質 保全設備を設置し、水質管理計画に記載している各設備の 運用計画に基づき運用した。

■速やかな水質情報の提供

(ホームページの活用等)

把握した水質に関する情報は、利水者や関係機関に 積極的に提供を行うとともに、各施設を管理する事務 所において工夫を凝らしたホームページを作成し、湖 面利用者や周辺住民等へ情報を公開しています。

ホームページによる水質情報の提供例 (千葉用水総合管理所(印旛沼)) 油膜検知システムの設置状況(長良導水取水口)

油膜センサー及び油膜監視カメラ(長良導水取水口)

■自動水質観測設備

貯水池などにおいては、ダム下流への冷水や濁水の 放流防止や水質異常の早期把握のため、また、水路施 設の取水地点などにおいては、取水水質の監視や水質 事故時等への迅速な対応のため、自動水質観測設備に よる連続的な水質状況の把握に努めています。

長良導水施設では、油流出事故による汚染を早期に 把握するため、長良川からの取入口に油膜検知システ ムを設置しました。

取水口 油膜監視

油膜センサー

監視カメラ

監視カメラ

油膜センサー

(13)

取 組 状 況

■水質異常の発生抑制

各種水質保全設備の概要を示します。

※1 ファームポンド:水源から供給されるかんがい用水を一時的に貯留する施設です。 副ダム

貯水池の流入端に設置し、その地点で粒子性の栄 養塩を沈降させ、貯水池への栄養塩の流入を減ら しています。

設置施設:阿木川ダム、室生ダム、布目ダム

分画フェンス

貯水池表層部の上下流方向をフェンスで仕切り、アオ コ、淡水赤潮、濁水などの拡大防止を図っています。 設置施設:下久保ダム、浦山ダム、高山ダム、青蓮寺ダム、

比奈知ダム、早明浦ダム、富郷ダムなど

遮光設備

植物プランクトンの増殖条件のひとつ である光を遮断することで、植物プラ ンクトンの増殖を抑えています。 ダム貯水池よりも規模の小さいファー

ムポンド※ 1で実施しています。

(14)

曝気循環設備

湖水を循環させることにより、光や水温を コントロールするとともに、希釈効果、流 れの効果などを与え、植物プランクトンの 増殖を抑えるとともに冷水現象を軽減して います。

設置施設:長柄ダム、草木ダム、浦山ダム、 阿木川ダム、高山ダム、室生ダ ム、布目ダム、日吉ダム、一庫 ダム、寺内ダム、大山ダム、山 口調整池など

バイパス水路

嫌気化により底泥から栄養塩や重金 属が溶け出すことを抑えるため、底 層部に酸素を供給しています。一部 の施設では、余剰空気を利用して、 曝気循環設備のように湖水を循環さ せる機能を兼ね備えた設備を設置し ています。

設置施設:阿木川ダム、一庫ダム、 室生ダム、布目ダム、比 奈知ダム、日吉ダムなど

深層曝気設備

流入河川水を直接下流へ放流することができ、濁水 長期化現象や冷水現象を軽減します。また、栄養塩 を多く含む流入水の一部又は全部を貯水池の上流か ら下流にバイパスすることにより、貯水池への栄養 塩の流入を減らしています。

設置施設:浦山ダム、阿木川ダム、大山ダムなど

(15)

H27

アオコ 淡水赤潮 水の華 異臭味 濁水長期化 H28 H27 H28 H27 H28 H27 H28 H27 H28

0 2 4 5 8 10 12 14

③水質異常発生時の対応

水質異常が発生した場合には、利水者や関係機関に速やかに連絡するとともに、選択取水設備などの運 用により、良質な水を供給するなどの影響の軽減に努めています。

取 組 状 況

水質異常発生時の対応

【平成 28 年度計画】 【平成 28 年度実績(概要)】

水質が悪化した場合及び水質事故の発生時には迅速に河 川管理者、利水者及び関係機関への情報提供・共有を行い、 的確な施設操作や拡散防止策等を関係機関と連携して実施 し、その影響の回避・軽減に努める。

また、水資源機構が発注する工事等に起因する水質事故 の防止を徹底するとともに、水質事故の早期把握に向け、 取水口(都市用水)への油等の汚濁物質を検知するシステ ム・設備の設置について引き続き検討を進める。

●アオコや淡水赤潮等の水質異常が27※1施設で発生した。 ●油類の流入などによる水質事故が8施設で発生した。 ●水質異常が発生した際には、迅速に河川管理者及び利水

者等の関係者へ情報を提供して連携・調整を図ったうえ で、適宜、臨時水質調査による状況把握を行い、影響軽減 対策として的確な施設操作や拡散防止策を実施し、その 影響の回避・軽減に努めた。

■水質異常発生時の対応

水資源機構の管理施設において、平成 28 年度は、 植物プランクトンの異常増殖(アオコ、淡水赤潮など) や濁水長期化などの水質異常※2が、次ページの「平 成 28 年度水質異常の発生状況表」に示すとおり 52 施設中 27 施設で見られました。また、水質異常の種 類ごとの発生施設数は右表のとおりです。平成 27 年 度と比較するとアオコ、水の華、異臭味の発生施設数 は増加しました。

水質異常の詳細な状況や過年度の発生状況について は、「水質年報」でもとりまとめています。

このような水質異常発生時には、各事務所では速や かに利水者や関係機関との連絡調整を行うとともに、 臨時水質調査等の実施により詳細な状況を把握し、水 質の状況に応じて選択取水

設備の取水深を変更する運 用やフェンスの設置等によ り、アオコや濁水の下流へ の流出抑制を行うなど、利 水者への影響を軽減する対 策を行っています。

※1 水質異常及び水質事故の発生施設数は、P31 の表で示す施設各単位で集計しています。例えば、房総導水路の長柄ダム及び東金ダムでア オコが発生した場合、房総導水路の1施設として計上しています。

※ 2 アオコ、淡水赤潮、水の華は、貯水池の湖面の着色が目視により確認できた事象を計上しています。そのうち、藍藻類が優占種として発 生している場合は「アオコ」、湖面が植物プランクトンの発生により黄色~赤色に着色している場合は「淡水赤潮」、それ以外で湖面が植物 プランクトンの発生により着色されている場合は「水の華」として計上しています。また、「異臭味」は貯水池で臭気物質が高濃度で検出 された場合、あるいは利水者などから連絡のあった場合とし、「濁水長期化」は下流河川への放流水の濁りが1週間以上継続した場合を計 上しています。

選択取水設備(イメージ図) 水質異常※2の種類別発生施設数

選択取水設備(日吉ダム)

取水深を

任意に変

(16)

<現象>

凡例

<発生規模>

アオコ 小規模(部分的)

淡水赤潮

水の華 中規模(貯水池半分程度) 異臭味

濁水長期化 大規模(貯水池全体)

施設名 (調整池等) 水質異常の種類 4月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月

矢木沢ダム 淡水赤潮

下久保ダム 淡水赤潮濁水長期化

水の華

浦山ダム 淡水赤潮濁水長期化

水の華

滝沢ダム 濁水長期化

群馬用水 榛名幹線 アオコ 利根導水 秋ヶ瀬取水堰 アオコ

印旛沼開発 北部調整池 アオコ 西部調整池 アオコ

房総導水路 東金ダム アオコ 長柄ダム アオコ

利根川河口堰 淡水赤潮

霞ヶ浦開発 西浦 アオコ

北浦 アオコ

豊川用水 大島ダム 淡水赤潮アオコ

愛知用水 東郷調整池 アオコ 前山調整池 アオコ 木曽川用水 蜂屋調整池 淡水赤潮

三重用水 宮川調整池 アオコ 加佐登調整池 アオコ 徳山ダム 淡水赤潮水の華 琵琶湖開発 南湖 アオコ

青蓮寺ダム アオコ

室生ダム アオコ

布目ダム 異臭味(カビ臭)

比奈知ダム 淡水赤潮

早明浦ダム 淡水赤潮

新宮ダム 淡水赤潮

富郷ダム 淡水赤潮

香川用水 香川用水調整池 淡水赤潮 両筑平野

用水 江川ダム

濁水長期化

アオコ

異臭味(カビ臭)

福岡導水 山口調整池 アオコ異臭味(カビ臭)

寺内ダム 濁水長期化

〈平成 28 年度水質異常の発生状況〉

(17)

油類 化学物 油類・化学

物質以外 自然現象 その他 H27 H28 H27 H28 H27 H28 H27 H28 H27 H28

0 2 4 5 8 10 12

トピックス

水資源機構では、富栄養化が進行した貯水池で発 生するアオコの抑制対策として曝気循環設備を運用 しており一定の効果が得られています。しかし、曝 気循環設備を運用していても、時折、カビ臭が確認 されることがあります。カビ臭の原因は、藍藻類や 放線菌であると言われていますが、貯水池表層での 採水分析や目視では、発生を確認するのが困難な場 合が多いことから、発生場所を突き止めて対策を考 案する必要があります。

学識者からダム湖の浅瀬にカビ臭の原因となる藻 類が付着し、生育している可能性があるという情報 を得たことから、木津川ダム総合管理所が管理する 布目ダム湖では、上流の浅瀬の底泥を採取しカビ臭

の原因藻類の有無を顕微鏡により確認しました。 現地調査の様子(布目ダム湖)

今回の調査では、カビ臭の原因藻類は確認できま せんでしたが、今後も発生源の究明に努めていきま す。

■水質事故発生時の対応

ダム貯水池や水路などの水資源機構施設又はその周 辺で発生した交通事故や不法投棄などに起因する油類 の流入などにより水質事故が発生することがありま す。平成 28 年度は、このような水質事故が水資源機 構の管理する 52 施設のうち、8 施設で 9 件発生しま した。種類別発生件数を見ると、全 9 件のうち 8 件 が油類を原因としたものでした。

水質事故に対しては、水資源機構は利水者、関係機 関等と迅速な連絡調整を図って情報共有に努めるとと もに、オイルフェンスやオイルマットの設置などの対 策を行い、水質被害の拡大防止に努めています。

水資源機構では防災業務計画(水質事故災害対策 編)を策定しています。また、業務継続計画(大規模 地震編)において大規模地震に見舞われた場合の水質 事故対応を一般継続重要業務※と位置付け、すべての 施設にオイルフェンス、オイルマットなどの資材を備 蓄し、関係機関との訓練や講習会を開催するなど、水 質事故発生時の対応に備えています。

旧吉野川河口堰管理所において実施した水質事故対 応訓練では、関係機関への伝達訓練を机上で行い、作 業船でオイルフェンス設置訓練を実働で実施し、連絡 体制や現地での作業手順の確認を行いました。

水質事故の種類別発生件数

オイルフェンス設置作業の状況(旧吉野川河口堰)

(18)

淡水赤潮を流入端に行けなくする

分画フェンス 流入河川水

シスト堆積 淡水赤潮

淡水赤潮

地点

流速分布 水温分布

a a

④水質改善に向けた取組

水質改善に向けた取組として、水質保全設備の効果的・効率的な運用方法や新たな水質改善方法の検討 を行うとともに、利水者、関係機関等と水質状況や水質改善に向けた取組に関する情報の共有や連携を強 化する体制づくりにも取り組んでいます。

取 組 状 況

水質改善に向けた取組

【平成 28 年度計画】 【平成 28 年度実績(概要)】 富栄養化現象、濁水長期化等の水質異常への対策にも計画的

に取り組む。

アオコ、水草などのバイオマスを貴重なリン資源として有効 活用するため、平成 28 年度は、その効率的な回収・資源化の 現地実験及び分析試験を実施する。

●23 施設において、曝気循環設備などの水質保全対策設備 を設置している。また、水質異常発生時には、水質状況の 監視を強化するともに、利水者等への影響を軽減するため、 選択取水設備の運用等の対策を講じた。

●貯水池の水に含まれるリンの有効活用の観点から、霞ヶ浦 の堤防刈草と浮き草を混合した試料を用いて堆肥化実験を 行った。

集水域からの流入負荷軽減による貯水池等の水質改善に向け て、平成 28 年度は、流入負荷の推移を把握するとともに、地 域住民等への流入負荷軽減のための啓発等の取組を推進する。

●流域の行政機関や住民等に対して、河川から水資源機構施設 に流入する負荷量の経年変化を情報提供するとともに、流域 に存在する負荷発生源の推移について関係機関より情報収集 した。

●ウェブサイトや水の週間におけるイベント、施設見学者への 説明の機会、あるいは清掃活動等を通じて流入負荷軽減のた めの啓発に取組んだ。

これまでに各施設で運用している水質保全対策設備の運用技 術を向上させ、一層の効果的・効率的な運用を行うため、平成 28 年度は、各種設備のより確実な効果発現や運用コストの抑 制を目指した試行を行い、運用データの蓄積を進める。また、 新たな水質保全対策について、情報の収集・蓄積を行う。

●13 施設で曝気循環設備のより確実な効果発現や運用コスト の縮減を目指した試行を実施し、運用データの蓄積を行っ た。

分画フェンスによる淡水赤潮 対策の効果原理

淡水赤潮が集積されている様子

■分画フェンスによる淡水赤潮対策の取組

淡水赤潮の原因種である渦鞭毛藻類は、遊泳能力を 持ち貯水池の上流(流入端)に集積する性質を持つこ とがわかっています。分画フェンスは、淡水赤潮が上 流に集積することを防ぐとともに、渦鞭毛藻類の増殖 過程で生産されるシスト(種の一種)を光の届かない 湖底へ沈降させることで、発生量を抑制させる施設で す。

図は、効果原理の模式図です。写真は、平成 28 年 に富郷ダムで設置した淡水赤潮の集積状況ですが、淡 水赤潮が分画フェンスの下流側に集積している様子を 確認することができました。

(19)

H23

chl-a(mg/L)

無 5基 9基

H24 H25 H26 H27 H28 0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

平均 最大 最小

私が担当しています!

■超音波処理装置による貯水池の

アオコ抑制対策の取組

水資源機構では、一定以上の水深(20 m以上)を 保つ貯水池のアオコ対策として曝気循環設備を導入し てきましたが、農業用ため池などの水深の浅い貯水池 では、曝気循環設備の運用が困難なため、浅い貯水池 でも適用が可能な超音波処理装置を試験的に導入し実 験を行っています。超音波処理装置の効果原理は、先 端からマルチ波長(23 ~ 50KHz)の超音波を発信し、 藻類の細胞や細胞内の液胞に共鳴振動を起こし、ガス 胞や細胞膜に損傷を与え、液胞膜が破壊されることで 藻類の増殖能力を抑制するものであるといわれていま す。実験は、平成 24 年度から千葉用水総合管理所が 管理する房総導水路の坂田調整池で行っています。

図は、超音波処理装置の稼働基数と藻類の指標であ るクロロフィル a(Chl-a)の関係を示しています。 超音波装置を 5 基稼働した平成 24 年度は、装置が稼 働していない平成 23 年度に比べて最大値及び平均値 ともに大幅に改善されていることがわかります。ま た、9 基に増設した平成 25 年度以降は安定して改善 効果がみられることがわかります。

写真は、同じ時期(6 月)のものですが、稼働有り は稼働無しに比べ明らかに、水質が改善されている様

子を確認できます。 超音波処理装置を稼働無し(左)と稼働有り(右)の比較

超音波処理装置の稼働基数とクロロフィル a(Chl-a)の関係

千葉用水総合管理所の房総導水路事業所は、導水路約 100km・ ダム 2 箇所・揚水機場 5 箇所と管理範囲が広いため、環境保全に ついても多様な観点から取り組む必要があります。

中でも水質の保全については、特に重要な取組の一つとなってい ます。水質調査は定期水質調査を基本としていますが、写真のよう にポータブル水質計により、簡易な調査を行うこともあります。

試験的に行っている超音波処理装置によるアオコ抑制対策の実験 は、これまでの実験で一定の効果が見られていますが、自然が相手 となるので、慎重に評価していく必要があります。また、抑制効果 だけでなく、コスト面も意識して引き続き取り組んでいきます。

(20)

肥料化

水草(ヒシ)回収 切返し・混合作業 散水・計測(温度等)

■干し上げによるアオコ発生抑制対策の取組

三重用水管理所の宮川調整池では、アオコの発生抑 制対策として非灌漑期に調整池の干し上げを行ってい ます。干し上げは、日光による紫外線照射や乾燥に よってシストの死滅が期待できます。三重用水管理所

■リンの有効活用として堆肥化技術の取組

利根川下流総合管理所では、リンの有効活用の取組 として、施設の除草作業で発生する刈草と霞ヶ浦で回 収した水草を材料とした堆肥化試験を行っています。 刈草にヒシ又はヨシをそれぞれ混合した堆肥を作 り、成分分析及びプランタによる植生試験を行いまし た。その結果、いずれの堆肥も堆肥成分の基準値は満 たしませんでしたが、項目によっては、刈草とヒシの 混合堆肥は成分基準値を上回ったものもありました。 また、植生試験により、土壌改良材としては一定の効 果が期待できることがわかりました。

堆肥化作業の流れ

■流入負荷軽減のための取組

ダム貯水池等への流入負荷の軽減は、流域での田畑 への施肥管理や汚水処理推進など、自治体や住民との 協力が必要となります。このため、流入負荷軽減の推 進に当たっては、水資源機構から地域への働きかけが 重要となります。

関西・吉野川支社吉野川本部では、環境省の環境教 育支援組織であり、地元との協働について連携支援の 実績を持つ、四国環境パートナーシップオフィスを招 き、環境教育の動向や持続可能な環境教育(ESD)の 事例等を学ぶ研修会を実施しました。研修会では、環 境教育を先進的に実施している ESD の活動事例を基 に、環境教育の世界的動向や新たな手法について学ぶ ことができました。その後の意見交換の中で、ダム管 理と環境教育を連携させるという提案があり、そのた めには、教育関係者を巻き込んだ取組が大切であるこ とを認識しました。

研修会の様子(関西・吉野川支社吉野川本部) 

干し上げの様子(宮川調整池)

が行った室内実験でも、底泥を 90 日以上干し上げた 場合、効果が認められました。

平成 28 年度は平成 24 年度以来 4 年ぶりに、約 120 日間干し上げを行いました。また、干し上げとあ わせて外来魚の生息状況を確認するための魚類調査を 関係機関や地元関係者とともに行いました。

なお、豊川用水総合事業部の芦ヶ池調整池(左岸 側)においても、アオコ発生抑制対策として約 90 日 間干し上げを行いました。

(21)

2,462,931㎥

環境負荷の全体像

■平成 28 年度のマテリアルフロー

平成 28 年度における事業活動に伴う環境負荷の状 況(マテリアルフロー)を以下に示します。

対象とした範囲は、すべての事務所における事業活 動としています。

2.環境負荷低減の取組

なお、主要な建材・資材の投入量、建設副産物の発 生量等については、発注した工事や調査によるもので す。

エネルギー

電力(購入)※1 181,347MWh ※2 電力(施設管理用水力

発電)※3 5,220MWh ガソリン※1 321,301L 軽油※1 154,045L 灯油※1 165,841L 重油※1 31,710L 都市ガス※1 8,062N㎥ 液化石油ガス(LPG)

※1 1,679㎥

液化天然ガス(LNG)

※1 517㎥

資源等

上水道※1 47,386㎥ コピー用紙※1 2,126 万枚 グリーン購入

(物品・役務※1、工事) 202 品目、68 品目

主要な建材・資材

生コンクリート 57,941㎥ 路盤材(砕石や砂利) 60,316㎥ アスファルト混合物 6,739㌧ 土砂(うち、新材※4

以外の土砂) (2,462,931㎥)2,519,849㎥

土砂の有効利用

事務

工事 調査

平成 28 年度の事業活動 エネルギー・物資の投入量

工事内での有効利用

新材※4以外の盛土埋戻量

35.80 億㎥ 19 回 46,885MWh

用水供給 洪水調節 施設管理用水力発電太陽光発電

用水供給(用水施設) 洪水調節(特定施設) 発電量※6

※その他ダム等による下流河川への利水補給あり

サービス供給量等 施設の有効活用

41、42 ページへ

(22)

排出量

CO₂ 排出量※1※5 87,233t-CO₂

排水量(下水道等)※1 47,386㎥

事業系廃棄物※1 105㌧

清掃活動等により収集した廃棄物量※1※7 25㌧

PCB の処分状況

コンデンサ・安定器など 3 件

建設副産物※8 発生量(現場外排出量)

(㌧) リサイクル量など(㌧) 最終処分量(㌧)

アスファルト・コンクリート塊 7,378 7,375 3

コンクリート塊 19,395 19,395 0

建設発生木材 20,684 20,566 118

建設汚泥 20,494 20,483 11

建設混合廃棄物 887 842 45

建設廃棄物全体※9 70,401 70,180 221

廃棄物・CO₂ 等の排出量等

※ 1 建設機械の燃料使用量等、発注した工事や調査によるエネルギー使用量や CO₂ 排出量は除いています。

※ 2 1MWh(メガワット時)= 1,000kWh(キロワット時)、1kWh(キロワット時)= 1,000Wh(ワット時)です。また、1Wh とは1 W の電化製品を1時間使用した場合の電力量を表します。

※ 3 施設管理用水力発電で発電した電力のうち、管理用として使用した電力量です。 ※ 4 新たに採取した土砂及び購入土砂を指します。

※ 5 温室効果ガスの排出量は、地球温暖化対策の推進に関する法律施行令第3条に規定する排出係数を用いて算定しています。 ※ 6 発電事業者による発生電力量は含めていません。管理用として使用した電力量を含みます。

※ 7 関係機関等と合同で行った清掃活動により収集した廃棄物も含みます(収集後の処理状況については、収集した廃棄物によって異な ります)。

※ 8 平成 28 年度に完了した 100 万円以上の工事が対象です。

※ 9 建設廃棄物全体には、「アスファルト・コンクリート塊」「コンクリート塊」「建設発生木材」「建設汚泥」「建設混合廃棄物」以外の建 設廃棄物も含みます。

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47ページへ

45ページへ

(23)

2- 1 循環型社会の形成に向けた取組

①地球温暖化対策実行計画、再生可能エネルギーの活用

水資源機構では、平成 25 年 12 月に、「独立行政法人水資源機構地球温暖化対策実行計画」を改定しま した。この実行計画では、温室効果ガスの排出の抑制目標として、平成 29 年度までに基準年度(平成 24 年度)における排出量から 372t-CO₂ 以上削減し、平成 29 年度におけるその排出量を 87,392t-CO₂ 以下 に抑制すること等を定めており、省エネルギー対策に取り組んでいます。

また、小水力発電や太陽光発電による新たな再生可能エネルギー開発の取組を進めるとともに、既設 の施設管理用水力発電設備を運用することにより再生可能エネルギーの利用に努めていきます。

■地球温暖化対策実行計画

地球温暖化対策実行計画では、温室効果ガスの排出の抑制目標を次のとおり定めています。

事業活動に伴う温室効果ガスの排出※1について、基準年度を平成 24 年度とし、基準年度時点における 事業活動の範囲を対象として、平成 29 年度までに基準年度における排出量※2から 372t-CO₂ 以上削減し、 平成 29 年度における排出量を 87,392t-CO₂ 以下に抑制することを目標とする。

さらに基準年度においては、施設管理用水力発電の余剰電力の有効利用により温室効果ガス 15,208t-CO₂ の排出の抑制に寄与しているが、平成 29 年度までに新たに温室効果ガス 2,476t-15,208t-CO₂ 以上の排出の抑 制への寄与を図る。

なお、今後とも温室効果ガスの排出の削減を図るための方策について検討を行い、上記目標の見直しを 図っていくものとする。

取 組 状 況

地球温暖化対策実行計画、再生可能エネルギーの活用

【平成 28 年度計画】 【平成 28 年度実績(概要)】 地球温暖化対策実行計画に基づいて、小水力発電、太陽

光発電といった再生可能エネルギーの活用等の施設整備を 進めるとともに、省エネルギー対策に取り組むことで引き 続き温室効果ガスの排出削減を推進する。

国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契 約の推進に関する法律(「環境配慮契約法」)に基づき、温 室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進を図る。

●平成 28 年度におけるすべての事業活動に伴う温室効果ガス 排出量は、87,233t-CO₂ であり、実行計画の平成 29 年度にお ける温室効果ガス排出抑制目標値(87,392t-CO₂)を達成し ている。

●「環境配慮契約法」に基づき、電気の供給を受ける契約につ いては 16 事務所で、自動車の購入及び賃貸借については 11 事務所で、温室効果ガス等の削減に配慮した契約を締結した。

〈温室効果ガスの排出量〉

施設管理等(平成25年度 以降に完成する施設によ る増加分)

4,328t-CO2

排出量(平成25年度以降の増加分を含む) 87,392t-CO2

事務活動 6,234t-CO2

削減(事務活動) △124t-CO2

平成24年度 (基準年度)

排出量83,436t-CO2

排出量87,392t-CO2

平成29年度 (目標年度)

削減(施設管理等) △248t-CO2

施設管理等(基準年度時点の管理施設等) 76,830t-CO2

事務活動 6,358t-CO2

施設管理等 77,078t-CO2

基準年度における排出量に対し372t-CO2以上削減

(24)

※1 事業活動に伴う温室効果ガス排出量は、事務活動に伴うものと施設管理等に伴うものの合計です。

このうち、事務活動に伴う温室効果ガス排出量は、事務室などにおける事務の実施に伴う温室効果ガス排出量です。

発生源は、庁舎において使用する購入電力(照明、冷暖房機器、OA 機器など)やガス類(給湯設備など)、公用車の燃料として使用する ガソリン、軽油です。

また、施設管理等に伴う温室効果ガス排出量は、施設の新築・改築や管理に伴う温室効果ガス排出量であり、施設の 操作、維持などの管 理業務によるものがほとんどです。このため、降水量、河川流量の変動により、排出量も年変動が生じます。

※2 この実行計画においては、温室効果ガスの排出量を、地球温暖化対策の推進に関する法律施行令第3条に規定する排出係数を用いて算定 しています。

また、この報告書に記載している温室効果ガスの排出量の実績値についても同じ排出係数を用いて算定しています。

※3 平成 29 年度(目標年度)の排出量は平成 25 年度以降に完成する施設による増加分を見込んでいることから、平成 24 年度(基準年度) の排出量に比べ大きい値となっています。

※4 施設管理用水力発電で発電した電力のうち、管理用として使用した電力量です。

※5 発電事業者による発生電力量は含めていません。管理用として使用した電力量を含みます。

エネルギー使用量について、水資源機構の業務においては、用水供給等のポンプ運転による電力使用量が多くを 占めています。(温室効果ガス排出量換算です。40 ページ参照)

〈参考 水資源機構施設におけるエネルギー産出量※5

また、温室効果ガスの排出の抑制目標を達成するために、次の取組を推進していくこととします。

エネルギーの種類 単位 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 平成 28 年度

施設管理用水力発電量 MWh 39,080 44,407 44,426 46,037 45,882

太陽光発電の発生電力量 MWh - 63 166 214 1,016

地球温暖化対策実行計画は、水資源機構のホームページ内の「様々な取組」>「環境への取組」の中で公表して います。(http://www.water.go.jp/honsya/honsya/torikumi/kankyo/ondan/index.html)。

■エネルギー使用量

水資源機構の全ての事業活動におけるエネルギー使用量は次のとおりです。

〈全ての事業活動におけるエネルギー使用量の推移〉

エネルギーの種類 単位 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 平成 28 年度

電力(購入電力) MWh 173,895 169,690 177,147 179,119 181,347 電力(施設管理用水力発電)※4 MWh 5,105 5,228 5,066 5,125 5,220

ガソリン リットル 386,425 367,421 362,022 343,360 321,301 軽油 リットル 89,774 111,501 107,858 140,196 154,045 灯油  リットル 110,611 224,717 232,744 126,528 165,841 重油 リットル 52,246 61,309 56,170 39,300 31,710

都市ガス N㎥ 17,216 18,868 23,014 16,474 8,062 液化石油ガス(LPG) ㎥ 4,642 2,662 2,430 1,915 1,679

液化天然ガス(LNG) ㎥ 347 337 388 329 517

〈温室効果ガスの排出の抑制への寄与〉

既設の施設管理用水力発電の 余剰電力の有効利用

15,208t-CO2

新たな取組による抑制への寄与 2,476t-CO2

小水力発電 2,397t-CO2

太陽光発電 79t-CO2

平成24年度 (基準年度)

平成29年度 (目標年度)

■温室効果ガスの排出量の削減を図る取組

●事務活動における取組 ●施設管理等における取組

■温室効果ガスの排出の抑制に寄与する取組

●既存の施設管理用水力発電余剰電力の有効利用

●新たな再生可能エネルギーの活用に伴う余剰電力の有効利用

■温室効果ガスの排出の抑制等に資する取組

●施設周辺における緑化等 ●用紙類の使用量の削減 ●庁舎等における節水の推進 ●廃棄物の減量、ゴミの分別の徹底 ●建設副産物等の有効利用等 ●環境物品等の調達

●環境マネジメントシステムの運用

参照

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3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進 自然豊かで多様な生きものと 共生できる都市環境の継承 快適な大気環境、良質な土壌と 水循環の確保 環 境 施 策 の 横 断 的 ・ 総

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