・ 昨年5月の国民健康保険法の改正により,全国市町村国保の赤字総額約3,500億円に見合う, 約3,400億円の公費拡充を前提として,平成30年度から,都道府県が市町村とともに国保の運営を担うこと とされた。 ・ 本県における平成26年度の市町村国保被保険者一人当りの医療費は,389,958円(対前年度伸率 約2.23%) となっており,また,全国状況においても, 毎年増加する傾向にある。 ・ 被保険者の高齢化の進展に伴い,今後も更なる医療費の増加が見込まれる。
1
都道府県単位化に係る財政措置の確実な実施
・ 平成30年度からの拡充となる1,700億円の交付基準の詳細や,実施規模等については,未だ,明らかと なっていない。 ・ 公費拡充については,国保の都道府県単位化の前提であるとともに,都道府県による国保財政運営に 影響を及ぼすものである。 ・ 高齢化の進展等に伴い,今後も医療費の増嵩が見込まれることから, 国保財政の将来にわたる安定化を 図るためには, 継続的な財政措置が必要である。課 題
市町村国保被保険者の一人あたりの医療費の状況
国の対応状況
4 安心な暮らしづくり
(2) 市町村国保事業の都道府県単位化への支援
2
激変緩和措置
に係る十分な財政措置及び赤字解消・削減の取組における裁量性
の確保
本年4月,「国民健康保険における納付金及び標準保険料率の算定方法について(ガイドライン)」(以下 「ガイドライン」という。)が,また「都道府県国民健康保険運営方針策定要領」(以下「策定要領」という。)が, 各々取りまとめられた。 ・ 策定要領では,保険料率について,「市町村ごとに設定することを基本としつつ,地域の実情に応じて, 二次医療圏ごと,都道府県ごとに保険料率を一本化することも可能」との考え方が示されているが,保険料率 の一本化に伴う激変緩和措置については,言及されていない。 ・ 特例基金による激変緩和措置は,平成35年度までの6年間に限定されており,また,激変緩和措置の範囲 等の検討に必要となる当該基金の造成規模は,明らかとなっていない。 ・ 財政措置の拡充には,保険者努力支援制度など,各保険者における収納率向上や医療費適正化等の成果 に応じて交付されるものも含まれており,全国の市町村国保の赤字の解消が保証されたものではなく,さら に,市町村によっては,一般会計繰入等により保険料率の負担水準の妥当性が確保されている場合など,財 政措置の拡充によっても赤字の解消を見込むことが困難となる可能性も考えられる。課 題
国の対応状況
4 安心な暮らしづくり
(2) 市町村国保事業の都道府県単位化への支援
【 提案先省庁:厚生労働省 】
1 都道府県単位化に係る財政措置の確実な実施
(1) 国保の都道府県単位化の前提である約3,400億円の公費拡充のうち,未実施の
約1,700億円について確実に実施するとともに,交付基準等の詳細を早期に提示すること。
(2) 国保の持続可能な運営を確保する観点から,地方の意見や運営状況を踏まえながら,
国の財政支援の在り方について不断に検討し,今後の医療費の増嵩に耐えうる継続的な
財政措置を講じること。
2 激変緩和措置に係る十分な財政措置及び
赤字解消・削減の取組における裁量性の確保
(1) 保険料率の一本化に伴う場合も,激変緩和措置の対象に含め,十分な財政措置を講じる
とともに,対象範囲に影響を与えることとなる「特例基金」の造成規模について,早急に提示
すること。
(2) 一般会計からの繰入等により保険料率の負担水準の妥当性が確保される場合などには,
赤字解消・削減の取組に係る赤字の範囲を都道府県と市町村が協議の上決定できるような,
裁量的な取扱いとすること。
国への提案事項
4 安心な暮らしづくり
(2) 市町村国保事業の都道府県単位化への支援
○
財政調整機能の強化
(財政調整交付金の実質的増額)
○
自治体の責めによらない要因
による医療費増・負担への対応
(精神疾患,子どもの被保険者数,非自発的失業者 等)
○
保険者努力支援制度・・・医療費の適正化に向けた取組等に対する支援
(インセンティブ確保に係る公費)
○
財政リスクの分散・軽減方策
(財政安定化基金の創設・高額医療費への対応 等) 等
<平成27年度から実施>
○
低所得者対策の強化
のため,保険料の軽減対象となる低所得者数に応じた自治体への財
政支援を拡充
(約1,700億円)
<平成30年度から実施>(毎年約1,700億円)
・平成27年度から、財政安定化基金を段階的に造成等
(平成27年度200億円⇒平成29年度約1,700億円)
・平成30年度以降は、上記の項目に約1,700億円を配分
○ あわせて,医療費の適正化に向けた取組や保険料の収納率向上などの事業運営の改善等
4 安心な暮らしづくり
(2) 市町村国保事業の都道府県単位化への支援
参考資料①
~国による公費拡充の概要~
360,409 369,450 373,288 381,454 389,958 299,333 308,669 315,856 324,543 333,461 290,000 310,000 330,000 350,000 370,000 390,000 410,000 1 2 3 4 5 広島県 全 国 (単位:円) H22 H23 H24 H25 H26 ※全国状況は国民健康保険事業年報による
参考資料②
~市町村国保被保険者一人当り医療費(本県及び全国の状況)~
4 安心な暮らしづくり
(2) 市町村国保事業の都道府県単位化への支援
・ ガイドラインでは,都道府県繰入金等による保険料負担の激変緩和措置の考え方が示されたが,「一般会計 繰入の解消や,財政調整基金の取崩し・前年度からの繰越金等の影響による保険料負担増については都道 府県繰入金による激変緩和措置の対象としない」としている。 ・ 策定要領では,市町村における決算補填等を目的とする一般会計繰入等については,公費拡充により解消 が図られるものとし, 「市町村ごとの標準保険料率(市町村標準保険料率)を賦課し,標準的な収納率分の保険 料を徴収することができていれば,基本的に赤字は発生しない」との観点から,運営方針において,市町村ごと の赤字解消 ・削減の目標年次及び赤字解消に向けた取組につき,定めることとされている。 ● 激変緩和のイメージ ア) 納付金の算定の設定による激変緩和措置 納付金算定に当たり,市町村の保険料率に激変が生じにくい調整係数の算定式を適用 (※ 都道府県が定める内容とは異なる調整係数を一時的に適用する措置であり,施行後, 都道府県が定める調整係数に近づけていく必要がある。) イ) 都道府県繰入金による激変緩和措置 市町村の「標準保険料率の算定に必要な保険料総額」が,都道府県で定めた一定割合以上 増加すると見込まれる場合,都道府県繰入金を個別に当該市町村に保険給付費等交付金とし て交付し,納付金の支払いに充当。当該市町村の納付金総額を減額。 ウ) 特例基金の繰入による激変緩和措置(施行当初) イ)による都道府県繰入金が多額となる場合,激変緩和の対象外となる市町村の納付金額 が増とならないよう,激変緩和用として積み立てる特例基金(交付・貸付に用いるものとは 区分)を計画的に都道府県特別会計に繰入れ,他の市町村の納付金への影響を調整