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81年以降に国家として独立をした国を除いた、114カ国について、1980年、1992年、2001年の識字率を以下の基準で2分割した

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民 主 化 指 標 の 考 察 と 検 証

識 字 率 と の 相 関 分 析 を 通 じ て −

原 郁 郎

目 次

は じ め に 第 1 章 民 主 化 指 標 の 考 察 1 民 主 政 と 民 主 化 指 標 2 民 主 化 指 標 の 計 測 方 法 第 2 章 識 字 率 に つ い て 1 識 字 率 と 民 主 政 2 世 界 の 識 字 率 第 3 章 識 字 率 と 民 主 化 指 標 の 相 関 分 析 1 両 指 数 の 経 年 的 ク ロ ス 表 2 カ テ ゴ リ ー 間 の 推 移 の 考 察 第 4 章 民 主 化 指 標 の 計 量 的 価 値 と 限 界 に つ い て 1 経 年 的 推 移 の 意 義 2 マ リ と ベ ナ ン の 考 察 を 通 じ て お わ り に

は じ め に

社 会 科 学 に お け る 計 量 的 分 析 は 、 統 計 学 な ら び に 計 算 機 の 発 展 と と も に 急 速 な 進 歩 を 遂 げ て い る 。 国 際 関 係 学 の 分 野 に お い て も 計 量 的 な 分 析 は 、 ア メ リ カ を 中 心 に 活 発 に 行 わ れ 、 政 治 的 分 野 の 領 域 に お い て は 、 民 主 化 論 の 研 究 に お い て 早 く か ら 取 り 入 れ ら れ た 。 リ プ セ ッ ト (1959) は 民 主 化 の 程 度 と 新 聞 、 都 市 化 率 、 一 人 あ た り 国 民 所 得 、 識 字 率 な ど の ピ ア ソ ン の 相 関1 )を 計 量

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化 し 、 民 主 政 に お け る 社 会 的 、 経 済 的 要 因 を 論 じ た 。 さ ら に 1960 年 代 に 入 る と 国 家 の 民 主 化 程 度 を 示 す 民 主 化 指 標 が 作 成 さ れ る よ う に な り 、 各 国 の 指 標 化 の 比 較 研 究 が 数 多 く 報 告 さ れ る よ う に な っ た2 ) こ れ ら の 研 究 を 踏 ま え て 、1971 年 ダ ー ル は 近 代 民 主 政 に 対 し て ポ リ ア ー キ ー(polyarchy)と い う 新 た な 概 念 を 構 成 し 、各 国 の ポ リ ア ー キ ー 度 を 比 較 、 検 討 し た(ダ ー ル 1971) 。 ま た 、 自 由 な 社 会 の 促 進 を 目 的 に 1943 年 に 設 立 さ れ た フ リ ー ダ ム ハ ウ ス(Freedom House)は 、ガ ス テ ィ ル を 中 心 と し て 1972 年 よ り 毎 年 、各 国 の 自 由 民 主 政 指 標 を 公 表 し て い る(Freedom House 2002)。 テ ッ ド ・ ガ ー は 1800 年 か ら 約 200 年 間 に わ た る 様 々 な 政 体 の 維 持 と 期 間 の 研 究 に お い て ア ノ ク ラ シ ー (anocracy) と い う 政 体 概 念 を 提 唱 し 、 そ の 指 標 化 を 行 っ て い る(Polity Project 1989)。 民 主 化 指 標 は 多 く の も の が 報 告 さ れ て い る が 、 本 稿 に お い て は 、 こ れ ら polyarchy、freedom score、anocracy の 3 種 の 民 主 化 指 標 に 関 し て そ の 計 測 方 法 に つ い て 批 判 的 考 察 を 加 え る 。 さ ら に 、 民 主 政 に は 識 字 率 が 必 須 と 考 え ら れ て い る こ と か ら 、 識 字 率 と 民 主 化 指 標 と の 相 関 分 析 を 行 い 民 主 化 指 標 の 有 効 性 に つ い て 検 証 を 行 う 。1980 年 か ら 20 年 間 に わ た る 経 年 的 な 分 析 に よ り 新 た な 知 見 が 得 ら れ た こ と を 報 告 す る 。

第 1 章

民 主 化 指 標 の 考 察

1 民 主 政 と 民 主 化 指 標

民 主 政 と は 何 か に つ い て の 研 究 は 政 治 学 の 主 要 な テ ー マ の 一 つ で あ り 、 そ の 分 析 の 方 法 は 多 岐 に わ た っ て い る 。 政 治 制 度 と し て 民 意 に よ る 統 治 と い う 用 語 上 の 意 味 は 容 易 に 理 解 で き る が 、 そ の 制 度 上 の 多 様 性 は 一 義 的 に 論 ず る こ と は 困 難 で あ る 。 古 代 ギ リ シ ア に お い て 最 も 民 主 政 が 進 ん で い た ア テ ネ で は 直 接 民 主 政 で あ る の に 比 べ 、 現 在 の 民 主 政 は ほ ぼ 代 表 民 主 政 で あ る 。 ま た 古 代 に お け る 民 主 政 は 、 ア テ ネ な ど 一 部 の 都 市 国 家 で の み 行 わ れ た 政 体 で あ る が 、 現 在 で は 、 世 界 の す べ て の 国 家 は 民 主 政 で あ る と 自 称 し て い る と 言 う ( ヘ ル ド 1998, 3)。 民 意 の 反 映 と い う 点 に お い て も 、 エ リ ー ト 論 、 行 政 国 家 論 の 立 場 か ら 実 際 の 政 策 で は 一 般 の 人 々 の 参 加 は 望 ま し い も の で は な い 、

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と い う 研 究 報 告 も 出 さ れ て お り (Parry and Moyser 1994,46)、 民 主 政 と い う 政 体 概 念 の 外 延 は 大 き く 広 が っ て い る こ と が 認 め ら れ る 。 さ ら に 資 本 主 義 に お け る 民 主 政 、 社 会 主 義 に お け る 民 主 政 、 マ ル ク ス 主 義 に お け る 民 主 政 に 対 し て 、 ど の よ う な 分 析 的 枠 組 み が 有 効 で あ る か に つ い て も 、 研 究 者 に よ り 異 な っ た 考 え 方 に あ る と 言 わ な け れ ば な ら な い 。 民 主 政 の 記 述 的 研 究 に お い て 、 ヘ ル ド (1998) は 民 主 政 と 共 和 制 は 政 治 理 念 と し て は 同 じ も の で あ る と 指 摘 し て い る が3 )、 民 主 政 の 研 究 に お け る 用 語 の 使 い 方 な ど に つ い て も 、 一 般 的 な コ ン セ ン サ ス に 至 っ て い な い 場 合 が あ り 注 意 を 要 す る 。 本 稿 に お い て は 、 民 主 化 指 標 と い う 呼 称 は 、 様 々 な 民 主 政 に 関 連 す る 指 標 を 総 括 し た も の と し て 用 い る こ と と す る4 )。 公 表 さ れ て い る 民 主 化 指 標 は 多 く の 数 に の ぼ っ て い る 。 民 主 政 の ど の 側 面 を 計 測 し た も の か 、 計 る 基 準 を ど こ に お い て い る の か な ど が 異 な る た め 、 多 種 多 様 な 民 主 化 指 標 が 報 告 さ れ て い る 。 ヴ ァ ン ハ ネ ン は 、 民 主 政 が 抱 え る 特 質 の 一 つ と し て の 再 分 配 の 機 能 を 重 視 し 、 家 族 経 営 の 農 場 規 模 、 エ ネ ル ギ ー の 消 費 量 な ど の 変 数 を 用 い 、 民 主 化 の レ ベ ル を 示 す た め の 重 回 帰 モ デ ル を 構 築 し 各 国 の 民 主 化 レ ベ ル の 予 測 を 行 っ た (Vanhanen 1997 )。 ヴ ァ ン ハ ネ ン の 研 究 は 、 各 国 の 実 情 の も と で 到 達 す る 民 主 政 の レ ベ ル を 示 し た 点 で 、 民 主 化 論 に 新 た な 議 論 を 提 起 し た が 、 民 主 化 の た め の 武 力 行 使 が 問 わ れ る 現 在 、 計 量 的 民 主 化 論 の 重 要 性 を 示 し た も の と 注 目 さ れ る 。 2 民 主 化 指 標 の 計 測 方 法 1) ポ リ ア ー キ ー (Polyarchy) 最 初 に と り あ げ る ポ リ ア ー キ ー ( 以 下 Polyarchy と 表 記 す る ) は 、 現 代 ア メ リ カ の 政 治 学 者 ロ バ ー ト ・ ダ ー ル に よ り 造 り 出 さ れ た 政 治 概 念 で あ る 。 そ の 背 景 に は 、 古 代 ギ リ シ ア の 都 市 国 家 を 中 心 と し て 発 達 し た 直 接 民 主 政 に 対 し て 、 近 代 以 降 の 民 主 政 が 大 規 模 国 家 に お け る 代 表 民 主 政 と し て 発 展 し て き た こ と が あ げ ら れ る (Dahl 1989)。 ウ ェ ー バ ー ( 1954) は 、 家 産 的 、 カ リ ス マ 的 、 封 建 的 、 議 会 的 な 歴 史 的 支 配 の 形 態 を 分 類 し て い る が 、 こ の 歴 史 的 な 支 配 形 態 の 分 類 を 考 慮 す れ ば 、 ポ リ ア ー キ ー は 、 議 会 的 支 配 の 正 統 性 に お い

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て 、 大 衆 参 加 の 側 面 を よ り 強 調 し て い る こ と に な る 。 ま た 、 ダ ー ル は 国 家 の 多 元 主 義 的 側 面 を 重 要 視 し て お り 、 そ の 多 元 主 義 的 国 家 が 自 由 主 義 的 競 争 原 理 に よ り 機 能 す る 点 に 注 目 し て い る こ と を 考 慮 す れ ば 、Polyarchy は 自 由 主 義 経 済 の も と で の 民 主 政 を 新 た に 名 づ け な お し た も の と 考 え る 事 が で き る 。 ダ ー ル は 、Polyarchy の 7 つ の 基 本 的 条 件 を あ げ て い る( Dahl 1989)。1) 行 政 決 定 を 管 理 す る 選 挙 さ れ た 官 吏 、2) 自 由 で 公 正 な 選 挙 、3) 普 通 選 挙 、4) 行 政 職 に 対 す る 公 開 性 、 5) 表 現 の 自 由 、 6) 代 替 的 情 報 ( 反 対 意 見 ) へ の ア ク セ ス 権 、7) 市 民 社 会 組 織 の 自 治 、 で あ る 。 Polyarchy の 程 度 を 測 る た め に 、 公 的 異 議 申 し 立 て を 中 心 に レ ベ ル 分 け を 行 い 、 各 レ ベ ル に お い て 選 挙 の 参 加 程 度 に よ り さ ら に 区 分 し 、114 カ 国 に 対 し て 順 位 を 与 え た ( ダ ー ル 1981,268-271 )。 公 的 異 議 申 し 立 て の 尺 度 順 位 は 、 1 か ら 31 番 ま で あ る が 、 第 2 位 は 当 該 国 が な い と し て い る 。 一 例 と し て 9 位 ま で を 表 1 と し て あ げ る 。1969 年 当 時 、本 稿 に お い て 後 に 考 察 す る マ リ と ダ オ メ( ベ ナ ン )の 位 置 は 31 の 尺 度 の な か で 両 国 と も 25 位 に 位 置 し て い る こ と を 確 認 し て お く 。 選 挙 人 資 格 の 成 人 市 民 パ ー セ ン ト 9 0 % 以 上 2 0 - 9 0 % 1 ベ ル ギ ー 、 デ ン マ ー ク 、 オ ラ ン ダ 、 フ ィ ン ラ ン ド ル ク セ ン ブ ル グ 、 ノ ル ウ ェ ー 、 ス ウ ェ ー デ ン ス イ ス 3 ア イ ス ラ ン ド 、 イ ス ラ エ ル チ リ 、ア メ リ カ 4 ア イ ル ラ ン ド 、 イ タ リ ア 、 イ ギ リ ス 5 豪 、 オ ー ス ト リ ア 、 カ ナ ダ 、 西 ド イ ツ 、 日 本 、 ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 、 フ ィ リ ピ ン 、 ウ ル グ ア イ 6 フ ラ ン ス 、 レ バ ノ ン 、( ト ル コ ) 7 イ ン ド 、 ジ ャ マ イ カ 、 ト リ ニ ダ ー ド ・ ト バ ゴ 8 コ ス タ リ カ 、 マ レ ー シ ア 9 コ ロ ン ビ ア 、 ベ ネ ズ エ ラ エ ク ア ド ル

表 1

1969 年 前 後 の 114 カ 国 の Polyarchy 指 標 (35 位 の う ち 9 位 ま で ) Polyarchy の 発 表 の 後 18 年 が 経 っ た 1989 年 に 、ダ ー ル は 再 度 168 カ 国 を 7 段 階 に 分 け Polyarchy 度 の ク ラ ス 分 け を 発 表 し た 。そ の 中 で 、世 界 の 約 60%

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の 国 々 が 正 ・ 準 ・ 包 括 的 Polyarchy の い ず れ か に 区 分 さ れ 、 そ れ ら に 至 っ て い な い 諸 国 家 を 上 回 っ て い る こ と 報 告 し た(Dahl 1989)。 分 析 概 念 と し て のPolyarchy が 多 元 的 な 近 代 代 表 制 民 主 政 に 、 一 つ の 統 一 し た 定 義 を 与 え た 功 績 は 大 き く 、 そ の 後 の 民 主 政 の 計 量 的 研 究 に 大 き な 影 響 を 与 え て い る 。 こ こ で は 、Polyarchy が 急 速 に 広 ま っ て い る こ と に 対 し て 2 つ の 問 題 点 を 提 起 し て み た い5 )。 古 代 ギ リ シ ア の ポ リ ス に お け る 民 主 政 に お い て は 、 貴 族 ・ 平 民 の 全 体 が 参 加 す る 政 体 を 誇 り と し て い た が 、 そ の 政 体 を 他 の 政 治 領 域 へ 拡 大 す る こ と に つ い て は 望 ん で は い な か っ た 。 こ の 点 に つ い て 、 現 在 のPolyarchy が 急 速 に 広 が っ て い る 事 実 に 対 し て 、 世 界 銀 行 の コ ン デ ィ シ ョ ナ リ テ ィ ー に 代 表 さ れ る よ う な 民 主 化 を 要 件 と す る 場 合 、 そ の 程 度 や 質 を ど の よ う に 計 測 ・ 認 識 す る べ き で あ る の か に つ い て 、 よ り 研 究 が 深 め な け れ ば な ら な い 。 ま た 、Polyarchy 概 念 に お い て は 選 挙 へ の 参 加 が 基 準 の 一 つ と し て あ げ ら れ て い る が 、 伝 統 的 政 治 形 態 で あ っ た 首 長 制 に お け る 住 民 代 表 と の 合 議 制 と 代 表 民 主 政 に お け る エ リ ー ト 論 と は 異 な っ た も の で は あ る が 、 そ の 決 定 的 相 違 を ど こ で 線 引 き す る の か は 不 明 確 で あ る 。 し た が っ て 、 非 西 欧 型 政 治 体 制 か ら 西 欧 型 民 主 政 へ の 移 行 を 論 じ る 場 合 、「 民 主 的 」と い う 概 念 は 、 必 ず し も 西 欧 型 民 主 政 の み に 適 用 さ れ る と 考 え る こ と は 不 適 合 な 場 合 が 出 て く る こ と が 予 想 さ れ る 。 こ の こ と は 、 ア ジ ア 的 価 値 観 が 唱 導 さ れ る 場 合 な ど に 実 際 に 見 ら れ る こ と で あ り 、 今 後 と も 民 主 政 を 考 え る 際 の 重 要 な 点 で あ る こ と を 忘 れ て は な ら な い 。

2) ポ リ テ ィ プ ロ ジ ェ ク ト (Polity Project)

次 に ポ リ テ ィ プ ロ ジ ェ ク ト( 以 下Polity Projectと 表 記 )に つ い て 考 察 を 加 え る 。Polity Project は 、 1974 年 、 テ ッ ド ・ ガ ー6 )が ア メ リ カ 政 治 学 会 誌

(American Political Science Review ) に 発 表 し た 、「 1800-1971 年 の 政 治

シ ス テ ム の 変 化 と 恒 常 性(Persistence and Change in Political Systems,

1800-1971)」の 発 表 論 文 を 基 礎 と し て 始 ま っ た 。そ の 後 、Polity II・III Project

へ と 発 展 し 、 現 在 は ガ ー を 顧 問 と す る 研 究 グ ル ー プ に よ りPolity IV Project

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地域別ポリティスコア -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 72 76 80 84 88 92 96 0 1980      1900      2000 年 度 W. Europe N&C America S. America E. Europe Asia Sub-Sahara C. East 図 1 Polity Project で は 民 主 化 指 数 と 専 制 指 数 に 対 し て そ れ ぞ れ 0 か ら 10 の ポ イ ン ト を 与 え 、 民 主 化 指 数 か ら 専 制 指 数 を 減 ず る こ と に よ り Polity Score(-10 to +10) を 計 測 す る 。 民 主 化 指 数 と 専 制 指 数 を 計 測 す る に 当 た っ て は 、 次 の 6 変 数 を 基 本 と し て 数 値 化 を 行 い 、 さ ら に そ れ ら の い く つ か を 組 み 合 わ せ た も の に 重 み を つ け る こ と に よ っ て 行 う 。1) 行 政 職 へ の 閉 鎖 度 、2) 行 政 職 へ の 競 合 度 、3) 行 政 的 表 現 ・ 組 織 の 抑 制 度 、6) 非 エ リ ー ト の 政 治 的 発 言 の 制 度 へ の ア ク セ ス 度 。 ポ リ テ ィ I V プ ロ ジ ェ ク ト で は 調 査 対 象 国 家 が 、50 万 人 以 上 の 人 口 で あ る た め 154 カ 国 と 実 際 の 国 家 数 よ り か な り 少 な く な っ て い る が 、 1800 年 か ら 2002 年 ま で の 約 200 年 間 に わ た っ て 追 跡 さ れ た デ ー タ が 揃 え ら れ て い る こ と は 、 民 主 政 の 研 究 に は 欠 か せ な い デ ー タ の 一 つ に な っ て い る と 言 っ て よ い 。 図 1 は 年 度 2000 1996 1992 1988 1984 1980 1976 1972 ポ リ テ ィ ス コ ア 0 -10 10 ベネズエラ アルゼンチン 図 2 職 へ の 開 放 度 、4) 首 長 の 実 質 的 独 立 度 、 5) 政 治 1972 年 か ら 2000 年 ま で の Polity Score を 地 域 別 に 表 し て い る 。 1989 な ど の カ テ ゴ リ カ 年 か ら 1991 年 に か け て の 世 界 の Polity Score の 顕 著 な 伸 び 率 は 、 東 欧 ・ ア ジ ア ・ サ ハ ラ 以 南 の ア フ リ カ が 大 き く 、 南 北 ア メ リ カ は 小 さ く 、 中 東 は ほ ぼ 一 定 で あ る 。1990 年 代 以 降 、 Polity Score は 、 す べ て の 地 域 で 増 加 率 が 停 滞 し て い る 。 Polity Project の デ ー タ を 利 用 す れ ば 、 宗 教 ・ 宗 派 の 違 い ル な デ ー タ 、 広 範 囲 な 経 済 ・ 社 会 指 標 な ど と の 長 期 間 に わ た る 比 較 が 容 易 で あ り 、 計 量 分 析 に 用 い る 指 標 と し て

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の 価 値 は 非 常 に 高 い と 言 え る 。 し か し な が ら 、 2 0 0 年 に 及 ぶ 一 貫 し た 政 治 制 度 の 枠 組 み を 指 標 化 す る こ と い

3) フ リ ー ダ ム ス コ ア (Freedom Score)

フ リ ー ダ ム ハ ウ ス ( 以 下Freedom Houseと 表 記 ) に よ る 民 主 化 指 標 は 、 二 で 10 項 目 と 補 遺 2 項 目 が あ る 。 10 項 目 は 、 選 は 明 ら か に 困 難 を 伴 う と 考 え ら れ 、 個 々 の 国 家 の 情 勢 とPolity Score が 必 ず し も 一 致 し て い な い 。 図 2 は 、 ア ル ゼ ン チ ン と ベ ネ ズ エ ラ の Polity Score を 1972 年 か ら 2001 年 ま で 示 し た も の で あ る 。 ア ル ゼ ン チ ン は 1998 年 に 経 済 不 況 に 見 舞 わ れ 、2001 年 に は 事 実 上 国 家 経 済 の 崩 壊 が 起 こ っ て い る 。そ れ に も に も か か わ ら ず 、Polity Scoreで は 、 概 念 上 の 完 全 な 民 主 政 を 示 す 10 に 近 い 8 が 与 え ら れ て い る 。 ま た 、 ベ ネ ズ エ ラ に お い て は チ ャ べ ス 大 統 領 に 対 す る 全 国 民 的 抗 議 は 2000 年 に 始 ま っ て お り 、 そ の ス コ ア が 7 で あ り 、 2001 年 か ら 2002 年 に か け て 、 チ ャ ベ ス 大 統 領 に 対 す る 民 衆 の ス ト ラ イ キ や デ モ が 大 規 模 に 起 こ っ て い る が 、2001 年 の ス コ ア が 7 の ま ま で あ る こ と は 、6 項 目 に わ た る 評 価 に は 反 映 さ れ な い 大 規 模 な 政 治 的 不 安 定 要 素 が あ る8 ) Polity Score は 、 各 国 の 長 期 に わ た る 経 年 的 な 変 化 を 捉 え る の に は 著 し 利 点 が あ る が 、 行 政 職 に 対 す る 開 放 度 を 中 心 と し た ス コ ア 計 測 方 法 は 、 ウ ェ ー バ ー 、 シ ュ ン ペ ー タ ー 、 ミ ル ズ な ど の 政 治 学 的 理 論 が 色 濃 く 反 映 さ れ て い る こ と は 否 め な い 。 た と え 民 主 化 指 数 が 同 程 度 で あ っ て も 、 国 内 の 大 規 模 な 騒 乱 を 武 力 に よ っ て 制 圧 す る の で あ れ ば 、 制 度 的 民 主 政 と は 裏 腹 に 専 制 的 な 政 体 と し て の 可 能 性 が あ る 。 行 政 職 へ の 開 放 度 の み な ら ず 、 戒 厳 令 や 国 内 騒 乱 に 対 す る 武 力 制 圧 な ど も 民 主 化 指 標 の 要 因 に 何 ら か の 方 法 で 加 味 さ れ る こ と が 望 ま れ る 。 つ の カ テ ゴ リ ー か ら 成 っ て い る 。 一 つ は 、 政 治 的 権 利 で あ り 、 も う 一 つ は 市 民 的 自 由 で あ る 。 世 界 192 カ 国 と 18 の 自 治 地 域 そ れ ぞ れ に つ い て 1 か ら 7 ま で の 指 標 が 与 え ら れ て い る が 欠 損 値 も か な り の 数 に 上 っ て い る 。27 項 目 ( 補 遺 2 項 目 ) に つ い て 0 か ら 4 ま で の 指 標 を 与 え 、 重 み を つ け る こ と な く そ の 得 点 を 加 算 す る9 ) 政 治 的 権 利 に つ い て は 、 全 体 挙 過 程 に つ い て 3 項 目 、 政 治 的 多 元 主 義 に 対 し て 4 項 目 、 政 府 の 機 能 に つ

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い て 3 項 目 で あ る 。 ま ず 選 挙 過 程 に つ い て は 、 国 家 元 首 ま た は 政 府 の 首 長 が 選 挙 に よ り 選 ば れ た か ど う か に つ い て 0 か ら 4 ま で の 指 標 を 与 え る 。次 い で 立 法 府 の 代 表 、 投 票 が 公 正 に 行 わ れ て い る か ど う か を 同 様 に 0 か ら 4 ま で の 数 値 で 指 標 化 す る 。 政 治 的 多 元 主 義 に お い て は 、 政 党 結 成 の 自 由 、 反 体 政 党 の 意 見 の 反 映 度 、軍 制・政 党・宗 教 な ど の 組 織 に 対 す る 選 択 の 自 由 、そ し て 、 少 数 派 グ ル ー プ の 決 定 過 程 へ の 参 加 度 の 4 点 に つ い て 指 標 化 を 行 う 。 政 府 の 機 能 に つ い て は 、 立 法 を 担 当 す る 者 の 選 挙 、 政 府 の 腐 敗 、 政 府 の ア カ ウ ン タ ビ リ テ ィ の 程 度 に つ い て 項 目 が 立 て ら れ て い る 。政 治 的 権 利 の 補 遺 2 項 目 は 、 専 制 君 主 が 領 域 内 の 人 々 と の 協 議 の 場 を 提 供 し て い る か ど う か 、 特 定 の 文 化 の 破 壊 な ど を 行 っ て い な い か ど う か に つ い て の も の で あ る が 、 こ れ ら は 、 専 制 君 主 体 制 の 場 合 の み 計 測 に 使 わ れ る 。 市 民 的 自 由 に つ い て は 、 表 現 と 信 条 の 自 由 に つ い て 4 項 目 、 市 民 社 会 の 組 織 点 間 隔 で 1 か ら 7 の edom Houseは N P O と し て エ レ ノ ア ・ ル ー ズ ベ ル ト1 0 )と ウ ェ ン デ ル ・ ウ D 化 の 権 利 に 関 し て 4 項 目 、 法 の 支 配 は 3 項 目 、 個 人 の 主 体 性 と 自 由 に つ い て 4 項 目 が 調 べ ら れ る 。個 々 の 項 目 の 内 容 に つ い て は 資 料 2 に 示 し て い る が 、 メ デ ィ ア の 自 由 、 学 問 の 自 由 、 市 民 組 織 形 成 の 自 由 、 司 法 の も と の 平 等 、 所 有 権 ・ 個 人 事 業 の 有 無 な ど が 中 心 項 目 と な っ て い る 。 政 治 的 権 利 と 市 民 的 自 由 の 各 項 目 の 得 点 を 加 算 し 、5 数 字 に 振 り わ け た も の が お の お の の 数 値 と な る 。 最 後 に 両 者 の 得 点 を 平 均 し 3 区 分 す る こ と に よ り 「 自 由 」、「 部 分 的 自 由 」、「 非 自 由 」 と レ ベ ル 分 け さ れ る 。 Fre ィ ル キ ー11 )な ど が 中 心 と な り 1943 年 に 結 成 さ れ て い る が 、 数 値 に よ る 指 標 化 を は じ め た の は 1972 年 か ら で あ る 。 ダ ー ル の Polyarchy指 標 が 1971 年 に 発 表 さ れ て お り 、 政 治 的 参 加 と 市 民 的 自 由 ( 公 的 異 議 申 し 立 て ) に よ り 指 標 化 す る 手 法 は 、Freedom Houseに も 大 き な 影 響 を 与 え た も の と 考 え ら れ る 。

Freedom House の 指 標 の 特 徴 の 一 つ に 、 民 主 政 を 選 挙 民 主 政 ( Electoral

emocracy )1 2 )と 自 由 民 主 政(Liberal Democracy) の 概 念 に わ け て 考 察 を 加

え て い る こ と で あ る 。 自 由 民 主 政 は 選 挙 民 主 政 と は 異 な っ た 政 体 で あ り 、 前

者 は[ 所 有 権 ・ 私 企 業 な ど の ] 実 質 的 市 民 的 自 由 を 含 む も の と し て い る 。 最 終

的 に 得 ら れ た 3 つ の カ テ ゴ リ ー の う ち 「 自 由 」 に 属 す る 国 で は 選 挙 民 主 政 と

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あ る が 自 由 民 主 政 で は な い と し て い る 。 民 主 政 は ま ず 選 挙 民 主 政 か ら 始 ま り 、 そ れ に つ れ て 自 由 民 主 政 が 発 展 す る 定 義 に 対 し て 細 目 を 立

第 2 章

識 字 率 と 民 主 政

1 識 字 と 民 主 政

本 稿 に お い て 識 字 率 を 考 察 す る 第 一 の 理 由 は 、 民 主 政 の 実 現 の た め に は 識 が で き れ ば そ れ を 統 治 す る 「 機 構 」 が 必 要 と な り 、 そ の 「 機 構 」 に と い う 考 え 方 が 支 持 さ れ る 場 合 も あ れ ば (Bova 1997)、同 時 性 が 強 調 さ れ る 場 合 も あ る (Beetham 1994 ) も あ る 。 こ の よ う な 民 主 化 過 程 の 問 題 は 、 文 化 ・ 社 会 的 な 側 面 を 多 く 抱 え て お り 、 一 国 内 に お い て の み 議 論 す べ き で は な く 他 国 と の 比 較 に お い て な さ れ な け れ ば な ら な い 。 Freedom House の 指 標 は 、ダ ー ル の 民 主 政 に 関 す る て 、 そ れ ぞ れ の 点 数 を 単 純 加 算 し た 点 数 を 3 等 分 す る こ と に よ り レ ベ ル 分 け し た も の と 考 え る こ と が 可 能 で あ る 。 自 由 主 義 経 済 に 依 拠 し た 民 主 政 の 尺 度 は 、Polyarchy と い う 構 成 概 念 の 構 築 方 法 を ほ ぼ 踏 襲 し た も の で は あ る が 、 世 界 の 190 に 上 る 各 国 す べ て に 加 え て 自 治 地 域 な ど に も ス コ ア を 与 え て い る こ と は 高 く 評 価 さ れ な け れ ば な ら な い 。 字 が 不 可 欠 で あ る と 一 般 的 な コ ン セ ン サ ス が 得 ら れ て い る と 考 え ら れ る か ら で あ る 。 人 間 集 団 従 わ せ る た め に 様 々 な 理 由 付 け が な さ れ て き た 。 歴 史 的 に は 古 代 に お け る 王 政 ・ 首 長 制 と い う 支 配 形 態 は そ の 後 も 人 々 が 集 団 生 活 を 維 持 す る た め の 原 理 と し て 機 能 し 続 け て き た 。 そ の 権 威 は 、 封 建 制 と い う 経 済 制 度 と 深 く 結 び つ き 、 あ る い は 宗 教 ・ 宗 派 と 結 び つ き 、 国 家 と い う 社 会 的 集 合 と 結 び つ い て き た 。 し か し 、 こ の よ う な 権 威 に 対 し て 、 人 間 の 物 理 的 側 面 、 生 物 的 側 面 、 ま た 、心 理 学 的 側 面 の 理 解 が 進 む と 共 に 、「 神 話 性 」を 温 存 し た ま ま 統 治 の 権 威 を 示 す こ と に は 多 く の 困 難 が 生 じ て き た 。 社 会 の 諸 問 題 が 管 理 で き な く な っ た 場 合 を 「 正 統 性 の 危 機 」 と し て 総 括 さ れ て い る が 、 歴 史 的 に は 社 会 問 題 と い う 意 識 は 極 め て 希 薄 で あ り 、 統 治 の 権 威 に 対 し て は 反 逆 か 隷 従 か の い ず れ か の 選 択 を 絶 え ず 迫 ら れ て き た と 考 え ら れ る べ き で あ る 。「 正 統 性 の 危 機 」

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を 裏 付 け て い る の は 、 個 々 の 人 間 の 物 理 的 ・ 生 物 的 ・ 心 理 的 理 解 に お け る 相 同 性 で あ る 。 し た が っ て 、「 正 統 性 の 危 機 」 は 、 王 や 首 長 、 さ ら に は 行 政 管 理 体 制 と 結 び つ い た 体 制 の み な ら ず 、 社 会 の あ ら ゆ る 領 域 に 対 し て 適 用 さ れ る こ と が 可 能 と な る の で あ る 。 個 々 の 人 間 の 相 同 性 へ の 理 解 が 、 社 会 一 般 に 対 す る 懐 疑 を 生 み 出 し て い っ た こ の よ う な 歴 史 的 な 政 治 制 度 を 俯 瞰 す る と 、識 字 が 持 つ 意 義 は 個 人 の 生 活 、 ま こ と は 、容 易 に 了 解 さ れ る 。19 世 紀 半 ば に は 経 済 的 権 威 に 対 す る 懐 疑 が マ ル ク ス 主 義 と し て 現 れ た 。デ ィ ビ ッ ド ・ ヘ ル ド は 、19 世 紀 以 降 の 政 治 的 状 況 を 次 の よ う に ま と め て い る 。 王 権 に 対 す る 懐 疑 的 統 治 は 「 発 展 型 共 和 主 義 」 を 、 国 家 に 対 す る 懐 疑 は 「 自 由 主 義 」 を 、 そ し て 、 生 産 手 段 の 私 的 所 有 の 経 済 的 権 力 に 対 す る 懐 疑 は「 マ ル ク ス 主 義 」を 生 み 出 し た( ヘ ル ド 1998, 389)。 た 社 会 を よ り 豊 か に す る こ と 、 と い う 一 般 的 解 釈 の み な ら ず 、 王 権 の 維 持 や 「 正 統 性 の 維 持 」 の た め に 奨 励 さ れ た 側 面 が あ る こ と を 指 摘 し な け れ ば な ら な い 。 民 主 政 に お い て 識 字 が 最 も 基 本 的 な 要 件 と さ れ る 背 景 に は 、 一 般 的 に は 、 教 育 の 機 会 均 等 、 職 業 選 択 の 自 由 な ど と 関 連 付 け ら れ る が 、 政 治 学 的 に は 識 字 に よ り 統 治 の 正 統 性 を よ り 強 固 に 安 定 化 さ せ よ う と す る 働 き が あ る 。 競 争 原 理 が 、 公 平 で 自 由 な 条 件 に よ り 行 わ れ れ ば 、 巨 大 な 人 口 を か か え る 各 国 の 管 理 ・ 運 営 は 効 率 的 か つ 市 民 一 般 の 意 見 に 対 し て も 開 か れ た も の と な る こ と が 可 能 で あ ろ う 。 し か し 、 競 争 原 理 と い う ゲ ー ム に お け る 「 敗 者 」 は 、 さ ら に 「 勝 者 」 を 目 指 し て ゲ ー ム へ の 参 加 を 連 綿 と 余 儀 な く さ れ る 。 こ の よ う な 「 勝 者 」 と 「 敗 者 」 が 歴 然 と 現 れ る 傾 向 が 強 い 競 争 原 理 に お い て 、 両 者 の 共 生 を 確 保 す る 根 本 原 理 と し て 民 主 政 を 考 え る 事 に は 十 分 な 意 義 が あ る も の と 考 え る 。 人 々 が 自 ら を 統 治 す る と い う 民 主 政 に は 、 依 然 と し て 隠 さ れ た 原 理 が あ る の で は な い か 、 た と え 識 字 率 が 低 く と も 民 主 政 と い う 統 治 形 態 は 可 能 な の で は な い か 。 民 主 政 − 経 年 変 化 と 予 測 − 135カ国 1980−1999 年  度 2030 2020 2010 2000 1990 1980 識   字   率 100 90 80 70 60 50 観測 対数 図 3 平 均 識 字 率

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と 識 字 に 対 す る 新 し い 知 見 を 得 る こ と が で き る か ど う か が 、 本 稿 の も う 一 つ の 目 的 と な る 。 2 世 界 の 識 字 率 国 連 は 識 字 率 を 高 め る た め の 運 動 を 繰 り 返 し 行 っ て き た 。1964 年 に は 、ユ ネ す 識 字 率 は 、1980 年 か ら 1999 年 ま で の 20 年 間 に お い て た だ 一 例 を 除 い て 毎 年 す べ て の 国 で 増 加 し て い る1 5 ) 表 2 は 、1980 年 か ら 1999 年 の 毎 年 の 識 字 率 の 平 均 を 最 も 小 さ い 国 か ら 10 カ 国 あ げ た も の で あ る 。 後 に 考 察 す る マ リ と ベ ナ ン の 識 字 率 が 137 か 国 中 、下 か ら 4 番 目 と 識 字 率 ス コ に よ る 識 字 プ ロ グ ラ ム の 宣 言 、1990 年 の 国 際 識 字 年 と 「 国 連 識 字 の 10 年 」、ま た 2003 年 よ り 新 た に「 国 連 識 字 の 10 年 」が 宣 言 さ れ て い る1 3) 図 3 は 国 連 の デ ー タ を も と に 作 成 し た も の で あ る が 、 開 発 途 上 国 を 中 心 と る 世 界 137 カ 国 の 識 字 率 を 各 国 の 人 口 を 考 慮 し て 平 均 し 、 1980 年 を 基 点 と し て 1999 年 ま で の 実 測 値 と 2030 年 ま で の 推 定 曲 線 を 掲 げ て い る 。横 軸 の 2020 年 と 縦 軸 の 90%に お い て 指 標 線 を 入 れ て あ る 。 推 定 曲 線 に は 種 々 の も の が 適 用 さ れ う る が 、こ こ で は 対 数 曲 線 を 使 用 し た1 4 )。対 数 曲 線 に お い て 予 想 さ れ る こ と は 、 将 来 の 識 字 率 の 伸 び は 、2020 年 ご ろ に ほ ぼ 90% に 達 す る と い う こ と で あ る 。 80 1999 19 ニ ジ ェ ー ル 8.0 16.5 ブ ル キ ナ フ ァ ソ 10.8 24.8 ビ ア 16.3 37.8 ガ ン マ リ 13.7 43.1 ベ ナ ン 17.9 38.6 ギ ニ ア 18.6 39.7 チ ャ ド 16.7 44.3 セ ネ ガ ル 21.0 38.3 エ チ オ ピ ア 20.1 40.3 ネ パ ー ル 22.5 42.9 表 2 人口増加率 と 識字率増加率 135カ国の平均 1980-1999 年  度 1995 1990 1985 1980 増   加   率   3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 .5 人 口 増 加 率 識 字 率 増 加 率 図

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5 番 目 で あ る 。こ 10 カ 国 は す べ て 1 満 で あ り 、今 後 と も 各 国 の 支 援 と 活 動 が 必 7 口 を 考 慮 し た 識 字 率 の 増 加 率 を 上 昇 の 懸 念 材 料 と 言 え る 。 の 表 の 999 年 に お い て も 識 字 率 が 50%未 要 な こ と を 示 し て い る 。試 み に 13 カ 国 を す べ て 合 わ せ た 人 口 の 増 加 率 と 各 国 の 人 図 4 に 示 し て お く 。 識 字 率 の 増 加 率 は 、 人 口 の 増 加 率 よ り か な り 低 い こ と が 懸 念 さ れ る が 、 そ の 差 が い く ら か 縮 ま る 傾 向 が あ る 。 先 に 図 3 で 示 し た 識 字 率 の 増 加 は 、2020 年 以 降 識 字 率 は 90% に 達 す る と い う 予 想 が 得 ら れ た が 、 増 加 率 の 鈍 化 は 1% を 切 る 状 況 に 至 っ て い る 事 を 考 え れ ば 、 今 後 の 識 字 率 の

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第 3 章 識 字 率 と 民 主 化 指 数 の 相 関 分 析

1 両 指 数 の 経 年 的 ク ロ ス 表

1 6 ) 識 字 率 と 民 主 化 と の 関 係 は 、 一 般 的 に は 相 関 が 高 い と 考 え ら れ て い る1 7 )。 こ こ で は 、 現 代 、 と り わ け 、1980年 以 降 の 民 主 政 と 識 字 率 と の 関 係 に つ い て 、 そ の 検 証 を 行 う 。 開 発 国 と 移 行 国 を 中 心 と し た 115カ 国 の 識 字 率 の デ ー タ と Freedom House の 自 由 主 義 的 民 主 化 指 標 を 使 う 。 こ の 自 由 主 義 的 民 主 政 は 、 Freedom House に お い て は 、 最 も 高 度 に 発 達 し た 民 主 政 と さ れ て お り 、 選 挙 民 主 政 の み が 達 成 さ れ た 場 合 は 含 ん で い な い 。 相 関 分 析 に あ た っ て は 、 最 初 に ク ロ ス 集 計 表 を 作 成 し た 。 表3 は 、 1980年 、1992年 、2000 年 に お け る 識 字 率 と 民 主 化 指 標 の ク ロ ス 表 で あ る 。 識 字 率 は50% を 境 界 と し て2分 割 し 、 民 主 化 指 標 は 、 自 由 民 主 政 か そ う で な い か で 2分 割 し た1 8 ) 識 字 率 と 民 主 化 指 数 の ク ロ ス 表 1 9 8 0 年 識 字 率 5 0 % 未 満 5 0 % 以 上 合 計 低 3 6 5 5 9 1 民 主 化 高 5 1 9 2 4 合 計 4 1 7 4 1 1 5 1 9 9 2 年 識 字 率 5 0 % 未 満 5 0 % 以 上 合 計 低 2 0 5 9 7 9 民 主 化 高 5 3 1 3 6 合 計 2 5 9 0 1 1 5 2 0 0 0 年 識 字 率 5 0 % 未 満 5 0 % 以 上 合 計 低 1 8 5 8 7 6 民 主 化 高 2 3 7 3 9 合 計 2 0 9 5 1 1 5 表 3

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ク ロ ス 表 よ り 読 み 取 れ る 最 も 大 き な 特 徴 は 、 識 字 率 が50% 未 満 で 民 主 化 指 標 が 低 い 国 の 数 が 、36, 20, 18 と 約 半 数 に 減 る 一 方 、 識 字 率 が 50% 以 上 で 民 主 化 指 数 が 高 い 国 の 数 が 、19, 31, 37 と 約 2倍 増 加 し た こ と で あ る 。つ ま り 、 大 き な 流 れ は 、 ダ ー ル や ヘ ル ド が 指 摘 す る よ う に 、 識 字 率 と 民 主 化 程 度 の 間 に 相 関 を 認 め る こ と が で き る 。 識 字 率 ・ 民 主 化 の 両 数 値 が 低 い 国 家 は 、 識 字 率 の 上 昇 が 先 行 し 、 そ の 後 民 主 化 指 数 の 増 大 が 見 ら れ る こ と を ほ ぼ 確 認 す る こ と も 出 来 る ク ロ ス 表 に よ る 分 析 を さ ら に 正 確 に 数 値 で 表 し た も の に 相 関 係 数 が あ る 。 こ れ は 、-1∼ +1ま で の 数 値 に よ り 表 現 さ れ 、絶 対 値 が 0.2以 下 で あ れ ば ほ ぼ 相 関 は 無 く 、0.2-0.4で は 弱 い 相 関 、 0.4-0.7で は 中 程 度 と の 相 関 、 0.7以 上 は 強 い 相 関 と お お よ そ 区 分 さ れ て い る 。 こ こ で は 、 識 字 率 と の 相 関 を よ り 明 確 化 す る た め に 、 民 主 化 さ れ て い る か そ う で な い か と い う ク ロ ス 表 の 二 分 法 で は な く 、Freedom House の も と の 値 を 反 映 さ せ て 政 治 的 権 利 と 市 民 的 自 由 の ス コ ア を 加 算 し た も の を 民 主 化 指 標 と し た 。 相 関 係 数 は ノ ン パ ラ メ ト リ ッ ク ( カ テ ゴ リ カ ル な デ ー タ ) な 変 数 に 使 わ れ る ス ピ ア マ ン の 相 関 係 数 1 9 )を 求 め た 。 表4に 結 果 が 示 さ れ て い る よ う に 、0.384、0.404 と な り 、弱 い 相 関 か ら 中 程 度 の 相 関 が 認 め ら れ 、 そ の 程 度 が 上 昇 傾 向 に あ る こ と が 示 さ れ た 。 ま た 、 参 考 の た め に あ げ たPolity Score と の 相 関 係 数 も 弱 い 相 関 か ら 中 程 度 の 相 関 を 有 し て い る 結 果 が 得 ら れ た2 0 )

な お 、Freedom House と Polity Score の 指 標 を 1980年 か ら 2000年 ま で の

そ れ ぞ れ の 年 度 で ペ ア と し て t− 検 定 を 行 っ た と こ ろ 有 意 水 準 は 20年 間 す べ て に わ た っ て 、0.0001以 下 と い う 極 め て 高 い 検 定 結 果 も 得 ら れ た こ と を 報 告 し て お く2 1 ) ス ピ ア マ ン 相 関 係 数 1 9 8 0 年 2 0 0 0 年 F r e e d o m S c o r e 0.384 0.404 P o l i t y S c o re 0.251 0.416

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以 上 、 ク ロ ス 表 に よ り お お よ そ 相 関 が あ る こ と を 確 認 し 、 ス ピ ア マ ン の 相 関 係 数 に お い て 統 計 学 的 に 弱 い 相 関 か ら 中 程 度 の 相 関 が 認 め ら れ る こ と が 検 証 さ れ た が 、 本 稿 で は 、 一 般 的 い わ れ る ほ ど の 強 い 相 関 と は な ら な か っ た こ と を 重 視 す る も の で あ る 。 民 主 化 指 標 自 体 が 抱 え る 問 題 も 一 因 と し て あ げ ら れ る が 、二 種 類 の 全 く 異 な っ た 指 標 で か な り 近 い 相 関 係 数 が 0.4 前 後 で 得 ら

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れ て い る こ と は 、 そ れ 以 外 の 要 因 が よ り 大 き い 可 能 性 が あ る 。

2 カ テ ゴ リ ー 間 の 推 移 の 考 察

カ テ ゴ リ ー 間 の 推 移 の 考 察 と は 、 ク ロ ス 表 で 得 ら れ た そ れ ぞ れ の カ テ ゴ リ ー 、 つ ま り 2 分 割 さ れ た 識 字 率 と 民 主 化 指 数 の 合 計 4 カ テ ゴ リ ー に 振 り 分 け ら れ た 国 家 が 、20年 の 間 に ど の よ う に カ テ ゴ リ ー 間 を 移 動 し た か を 検 討 す る も の で あ る 。 こ の よ う な 民 主 化 指 標 に お け る カ テ ゴ リ ー 間 の 移 動 を 経 年 的 に 追 っ た 研 究 と し て は 、 ア ラ ッ ト に よ る 各 国 の 人 権 状 況 と 民 主 政 に 関 す る 研 究 が あ る が 、 ア ラ ッ ト は 市 民 的 ・ 政 治 的 権 利 と 社 会 的 ・ 経 済 的 権 利 の2つ の 変 数 に よ り カ テ ゴ リ カ ル な 変 化 を 追 っ て い る (Arat 1997)。 識 字 率 カ テ ゴ リ ー 50% 未 満 50% 以 上 低 I II 民 主 化 指 数 高 III IV 表 5 ク ロ ス 表 の 4 カ テ ゴ リ ー 4 つ の カ テ ゴ リ ー が 3 つ の 時 期 に わ た っ て い る の で 、64通 り の 推 移 の 過 程 が 考 え ら れ る が 、 実 際 に は 開 発 国 を 中 心 と し た115カ 国 に お い て は 、 16通 り の 推 移 過 程 の み 観 測 さ れ た 。 推 移 の 過 程 を 追 跡 す る た め に 、 前 述 の ク ロ ス 表 に し た が っ て 、表 5 の よ う に カ テ ゴ リ ー を 定 め る 。カ テ ゴ リ ー I は 、識 字 率 が50% 未 満 で あ り 民 主 化 指 数 が 低 い 場 合 つ ま り 自 由 民 主 政 で は な い 場 合 で あ る 。 カ テ ゴ リ ーIIは 、 識 字 率 が 50% 以 上 で あ り 民 主 化 指 数 が 低 く 、 カ テ ゴ リ ーIIIで は 、識 字 率 が 50% 以 上 で 自 由 民 主 政 が 達 成 さ れ て い な い 場 合 、カ テ ゴ リ ーIVで は 識 字 率 が 50% 以 上 で 自 由 民 主 政 が 達 成 さ れ た 場 合 で あ る 。旧 ソ ビ エ ト や 東 欧 の 移 行 国 家 の い く つ か を 含 め て 開 発 途 上 国 を 中 心 と し た115カ 国2 2 )に つ い て 、推 移 過 程 の 多 い 順 か ら 考 察 を 加 え る 。な お 各 国 の 情 勢 に つ い て は 、 国 連 年 鑑 な ど に 加 え て 地 域 研 究 の 評 論 ・ 論 文 を 適 宜 参 照 し た 。 3 影 響 の 大 き い 推 移 最 も 国 家 数 の 多 か っ た 推 移 は 、 カ テ ゴ リ ー II の ま ま で 20年 間 変 化 が な か っ た 国 で あ り 合 計31カ 国 あ っ た 。 前 章 で 確 認 し た よ う に 、 識 字 率 は す べ て の

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国 で 平 均 し て 毎 年 約1% 前 後 の 上 昇 傾 向 に あ る 。し か し 、識 字 率 が 50%を 超 え た 状 態 が20年 間 続 き な が ら も 民 主 化 に 至 ら な か っ た 国 が 全 体 の 約 24% に の ぼ っ て い る こ と は 、 識 字 率 と 民 主 化 指 標 の 相 関 が 予 想 よ り も 低 か っ た 大 き な 原 因 の 一 つ と 指 摘 で き る 。2 0 年 間 と い う 限 ら れ た 時 間 的 ス パ ン で あ る た め 、 よ り 時 間 を か け れ ば 民 主 政 の 移 行 が 伴 う と 推 測 す る こ と は 可 能 で あ ろ う 。 こ の 時 間 的 な ス パ ン の 問 題 で は 、 カ テ ゴ リ ー I → II → II と 移 行 し 、 1992 年 に は 識 字 率 が50%を 超 え た も の の 、そ の 後 の 8年 の 間 に 民 主 政 に 移 行 し て い な い 国 家 が12カ 国 あ り 、I → I → II と 2000年 に 識 字 率 が 50%を 越 え て い た 場 合 が5カ 国 あ る こ と が 注 目 さ れ る 。 識 字 率 が ど の あ た り で 民 主 化 が 顕 著 に 進 行 す る の か に つ い て の 知 見 や 、 識 字 率 の 上 昇 と と も に 、 お お よ そ ど れ ほ ど 経 過 す れ ば 民 主 政 に 移 行 し て ゆ く の か な ど に つ い て は 今 後 の 研 究 課 題 と な る 。 識 字 率 を 上 げ れ ば あ た か も 民 主 化 が お の ず か ら 進 行 す る か の よ う な 予 測 は 、 少 な く と も こ の20年 間 に 限 っ て 言 え ば 十 分 に 証 明 さ れ た と は 言 え な い と 指 摘 し て お か な け れ ば な ら な い 。 カ テ ゴ リ ー 間 移 動 の な か で は 、 指 標 と 識 字 の 相 関 を 高 め る 要 因 が い く つ か あ る が 、カ テ ゴ リ ー I の ま ま 動 か な か っ た 場 合 が 15カ 国 、ま た 、II→ IV→ IV と い う 過 程 と 、IVの ま ま 動 か な か っ た 過 程 で と も に 13カ 国 ず つ あ る 。 II→ IV →IVと い う 過 程 は 、1992年 に は 識 字 率 が 50% を 超 え て い る に も か か わ ら ず 自 由 民 主 政 に 至 っ て い な か っ た が 、2000年 に は 移 行 し た 国 で あ る 。ラ テ ン ア メ リ カ の ア ル ゼ ン チ ン 、 ボ リ ビ ア 、 チ リ 、 そ し て 東 ヨ ー ロ ッ パ の ブ ル ガ リ ア 、 ハ ン ガ リ ー 、 ポ ー ラ ン ド 、 ア ジ ア で は 韓 国 、 モ ン ゴ ル が 入 っ て い る 。IVの ま ま で あ っ た 国 は 、 バ ハ マ 、 ボ ツ ワ ナ 、 コ ス タ リ カ 、 ジ ャ マ イ カ 、 マ ル タ 、 ト リ ニ ダ ー ド ト バ コ で あ り 人 口 規 模 が 小 さ い 特 徴 が あ る 。 こ の 人 口 規 模 と 民 主 政 に つ い て は 、 ア メ リ カ や 日 本 、 ま た 、 あ る 時 期 を 除 く イ ン ド な ど の 巨 大 人 口 国 家 で 自 由 民 主 政 が 維 持 さ れ 続 け て は い る が 、 人 口 が 少 な け れ ば 少 な い ほ ど 民 意 が 反 映 さ れ る こ と が 容 易 に 推 測 さ れ 、 自 由 民 主 政 実 現 と そ の 維 持 に 関 す る 重 要 な 要 因 と し て 見 過 ご す こ と は で き な い2 1 ) 4 頻 度 の 小 さ い 推 移 に つ い て カ テ ゴ リ ー 間 移 動 の な か で II や IV の カ テ ゴ リ ー の ま ま で 20年 間 変 わ

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ら な い 場 合 な ど 、 多 く の 国 が 同 様 な 推 移 を し て い る こ と が 確 認 で き た 。 し か し 、5カ 国 以 下 で ひ と つ の ま と ま り を 形 成 し て 同 じ 推 移 を し た 場 合 も 全 体 の 35% あ っ た 。こ の よ う な 少 な い 国 家 の ま と ま り で 同 じ 推 移 を し た 場 合 を 考 察 す る こ と は 、 あ る 理 論 が 理 論 的 枠 組 み を 超 え た 新 た な 例 外 の 出 現 に よ り 、 さ ら に 綜 合 的 な 理 論 へ と シ ン セ サ イ ズ ( 止 揚 ) さ れ る 場 合 が あ り 、 重 要 か つ 不 可 欠 の 検 証 で あ る と 言 わ な け れ ば な ら な い 。 頻 度 の 少 な い 推 移 を し た31カ 国 に つ い て 一 カ 国 ず つ 推 移 を 確 認 し た が 、最

も 重 要 な も の は 、I → III → III と 推 移 し た マ リ と ベ ナ ン で あ っ た 。こ の 2

カ 国 に つ い て は 識 字 率 が50%未 満 で あ り な が ら 、 自 由 民 主 政 を 1992年 に 実 現 し て お り 、 そ れ を2000年 に も 維 持 し て い る か ら で あ る 。識 字 率 が 民 主 化 の 根 本 要 因 と す る 一 般 的 な 考 え 方 に 反 証 を 与 え る 極 め て 重 要 な 例 と 言 わ な け れ ば な ら な い 。全 体 の2% 弱 で あ り 、統 計 上 で は そ の 影 響 が 無 視 さ れ て し ま う が 、 民 主 政 と 識 字 率 の 関 係 を 根 本 的 に 問 い 直 す 例 と な る 可 能 性 が あ る 。2000年 に お い て も 識 字 率 が50%未 満 で あ る に も か か わ ら ず 、 自 由 民 主 政 が 維 持 さ れ て い る こ と は 、 民 主 政 と 識 字 率 と の 根 本 的 原 理 に か か わ る 特 質 を 備 え て い る 。 こ の こ と に つ い て は 、 項 を あ ら た め て 論 ず る 。 次 に 、I → III → I と 変 化 し た バ ン グ ラ デ シ ュ 、 ネ パ ー ル で は 、 識 字 率 50%未 満 で の 民 主 政 を 2000年 に は 維 持 で き な か っ た 例 で あ る 。 バ ン グ ラ デ シ ュ で は1991年 の ジ ア 大 統 領 に よ る 民 主 政 の 移 行 が 評 価 さ れ た が 、野 党 の 反 対 運 動 の 激 化 や テ ロ 組 織 に よ る 治 安 悪 化 が 続 き 民 主 化 指 数 に も 影 響 し た も の と 思 わ れ る 。 ネ パ ー ル は1990年 に 議 会 制 民 主 主 義 を 達 成 し た が 、そ の 後 は ゲ リ ラ 活 動 な ど の た め に1996年 か ら 政 情 は 不 安 定 と な っ て い る 。 ま た 、 イ ン ド と ガ ー ナ で は 、III → II → IV の 変 化 を し て お り 、 1992年 に は 自 由 民 主 政 か ら は ず れ て し ま っ た も の の 、 そ の 後 復 帰 し て お り 、 民 主 政 を 一 度 経 験 し た 国 家 は 、 民 主 政 か ら 離 れ 権 威 主 義 的 ま た は 専 制 的 に な っ た と し て も 、 短 期 間 の う ち に 民 主 政 に 戻 る 可 能 性 が あ る こ と を 示 唆 し て い る 。 イ ン ド は1947年 の 独 立 直 後 に 議 会 制 民 主 主 義 を 取 り 入 れ 、国 民 会 議 派 が 長 期 に わ た っ て 社 会 主 義 的 経 済 政 策 を 行 っ た 後 、91年 の ラ オ 政 権 か ら 自 由 化 を 促 進 さ せ た2 2 )。ガ ー ナ は 、80年 当 時 暫 定 的 に 政 党 制 が 復 活 し た が 、81年 か ら 軍 制 が 敷 か れ2000年 に 大 統 領 選 挙 と 国 会 議 員 選 挙 が 行 わ れ た こ と が 民 主 化 指 数 の 上 昇 と な っ た が 、80年 代 は 非 民 主 政 、90年 代 は 選 挙 民 主 政 の 指 標 が 与 え ら

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れ て い る 。

第 4 章 民 主 化 指 標 の 計 量 的 価 値 と 限 界 に つ い て

1 経 年 的 推 移 の 分 析 の 意 義

カ テ ゴ リ ー 間 の 推 移 表 1980 2000 1980 2000 ¼ I 17 I 0 ¬ II 17 ¼ II 34 ¬ II I 2 II I 0 I 3 6 I V 0 18 II 5 5 ¬ I V 21 58 ¬ I 1 I 0 ¬ II 1 ¬ II 6 II I 0 II I 0 III 5 ¬ I V 3 2 I V 1 9 ¼ I V 13 37 表 6 こ れ ま で の 述 べ て き た カ テ ゴ リ ー 間 の 推 移 を ま と め た も の が 表 6 で あ る 。 1980年 か ら 2000年 ま で 、各 カ テ ゴ リ ー に 属 し て い た 国 々 が ど の よ う に 変 化 し た か が 示 さ れ て い る 。 た だ し 、1992年 に つ い て は 表 が 煩 雑 に な り す ぎ る た め に 割 愛 し た が 、 記 述 的 に は 前 項 で 含 め て 考 察 し た 。 識 字 率 が す べ て の 国 で 上 昇 し て い る た め に 、 表 の 右 側 の カ テ ゴ リ ー II と IV か ら の 左 へ の 移 動 は ま っ た く な い 。 そ の な か で 、 最 も 特 徴 的 な こ と の 一 つ は 、I か

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ら 直 接 IV へ の 移 行 が 行 わ れ て い な い こ と が あ げ ら れ る 。 つ ま り 、 識 字 率 が 50% 未 満 の 民 主 政 で な か っ た 国 は 、識 字 率 が 高 く 民 主 政 で あ る カ テ ゴ リ ー へ の 移 行 は こ の20年 間 で 一 カ 国 も な か っ た こ と を 示 し て い る 。 こ の こ と は 、 前 述 し た よ う に 現 在 の 各 国 の 識 字 率 の 民 主 政 へ の 影 響 は 、 よ り 長 い 時 間 的 ス パ ン が 必 要 で あ る こ と を 示 唆 し て い る と 考 え ら れ る 。 次 に 特 徴 と し て あ げ ら れ る の は 、II に 該 当 す る 国 家 は 、す べ て II に 留 ま る か 、 そ れ と も IV へ 移 行 す る か の い ず れ か で あ っ た が 、 識 字 率 は す べ て の 国 で 上 昇 し て い る こ と を 考 慮 す る と 、問 題 は む し ろ 前 章 で 考 察 し た よ う に 、 IV へ の 移 行 が 行 わ れ ず に II の 状 態 に 留 ま る 国 が 多 か っ た こ と で あ る 。 経 年 的 な 識 字 率 と 民 主 政 の 程 度 の 分 析 に よ り 、 開 発 国 を 中 心 と す る 民 主 化 過 程 に は 、 極 め て 有 意 な 特 徴 が あ る こ と が 確 認 さ れ た 。 次 に 、 マ リ と ベ ナ ン の 問 題 に 立 ち 返 り 、 民 主 政 の 基 本 要 件 と さ れ る 識 字 率 が 低 い に も か か わ ら ず 自 由 民 主 政 を 達 成 で き た こ と に 対 し て 、 民 主 政 と 識 字 と の 間 に あ る 根 本 原 理 に つ い て 考 察 を 加 え る 。

2 マ リ と ベ ナ ン

マ リ は ア フ リ カ 大 陸 に お い て 有 数 の 巨 大 な 帝 国 と し て 栄 え た 時 期 も あ っ た が 、16世 紀 に は 約 300年 間 モ ロ ッ コ の 支 配 を 経 験 し た 。 そ の 後 フ ラ ン ス の 植 民 地 と な っ た が 、1960年 に 独 立 し た 。ト ラ オ レ 大 統 領 の 軍 事 政 権 が 続 き 、1992 年 よ り 複 数 政 党 制 と 選 挙 制 を 定 め た 新 憲 法 に よ り 民 主 化 指 数 が 上 昇 し た 。 1997年 に 選 出 さ れ た コ ナ レ 大 統 領 は 96% の 高 い 得 票 率 で あ り 、こ の 数 字 を 見 る 限 り 複 数 政 党 制 が 発 達 し て い る か ど う か 疑 問 点 も 残 る 。 し か し 、 国 内 情 勢 は か な り 安 定 し て お り 反 政 府 勢 力 が90年 代 に 入 り 相 次 い で 活 動 終 結 宣 言 を 出 し て い る こ と は 重 要 な 点 で あ る 。 Freedom Houseの 指 標 に よ る と 、 1992年 に 、 政 治 的 権 利 ・ 市 民 的 権 利 の 両 ス コ ア が 大 き く 上 が っ て い る 。 マ リ は 、 ア フ リ カ 大 陸 に お け る 民 主 化 の 優 等 生 な ど と 呼 ば れ て い る が 、 そ の 識 字 率 が1980年 に は 13.7%で あ っ た 。 選 挙 と 複 数 政 党 制 の 憲 法 を 定 め た1992年 に お い て も 、 識 字 率 が 29.6%で あ り 、 2000 年 に 至 っ て も 、 マ リ の 識 字 率 は43.1%と 報 告 さ れ て い る 。 確 か に 、 マ リ の 民

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主 化 は 、元 宗 主 国 の フ ラ ン ス と 密 接 に つ な が っ て い る こ と が 指 摘 さ れ(Jeune Affrique 1996)、 ま た 、 世 界 の 多 く の 国 が 民 主 政 を 制 度 上 で は 達 成 し つ つ あ る こ と の 影 響 は 大 き な も の が あ る 。 し か し 、 国 民 の 大 多 数 が 文 字 を 使 わ ず に 民 主 政 を 達 成 し 維 持 し て い る こ と は 、 民 主 政 に お け る 識 字 の 必 須 要 件 と い う 考 え 方 に 少 な か ら ず 問 題 を 提 起 し て い る 。 マ リ は 、 公 用 語 が フ ラ ン ス 語 と ア ラ ビ ア 語 で あ り 、80%以 上 が ム ス リ ム で あ る が 、 政 教 分 離 に 対 す る 国 民 的 な 合 意 の 形 成 に 政 府 が 努 力 を し て い る と い う (Clark 1999)。 マ ラ バ ウ ト と 呼 ば れ る イ ス ラ ム 教 指 導 者 た ち が 政 教 一 致 の 国 家 を 目 ざ す 動 き に 対 し て 、 コ ナ レ 大 統 領 を は じ め と す る 政 府 の 調 整 機 能 が 紛 争 を 回 避 し て い る 。1999年 に は 地 域 安 全 保 障 協 定 を 結 ん で お り 、そ の 直 後 に 北 部 の 反 政 府 武 装 勢 力 が 闘 争 中 止 の 声 明 を 発 表 し て い る こ と は 、 国 内 政 治 の 安 定 と 地 域 安 全 保 障 が 密 接 な つ な が り に あ る こ と を 示 し て い る と 言 え る で あ ろ う 。 次 に ベ ナ ン で あ る が 、1960年 か ら 1972年 の 間 に 5度 の ク ー デ タ ー を 経 験 し 、 そ の 後 マ ル ク ス 主 義 経 済 を 試 み た が 、1990年 に は 国 民 代 表 者 会 議 を 開 き 、ソ グ ロ 元 世 界 銀 行 理 事 を 首 相 に 選 出 し た 。 そ の 後 議 会 選 挙 と 大 統 領 選 挙 が 機 能 す る よ う に な り 国 内 情 勢 も 安 定 す る に 至 っ た 。Freedom Houseは 、 マ リ 以 上 に ベ ナ ン に 対 し て 高 い 民 主 化 指 標 を 与 え て い る 。1989年 ま で 政 治 的 権 利 に 最 低 の 指 標 を 与 え ら れ て い た が 、1991年 か ら 92年 に か け て 自 由 民 主 政 に ま で ス コ ア を 上 げ て い る 。市 民 的 権 利 に つ い て も1989年 か ら 1990年 に か け て 大 き な 上 昇 が 見 ら れ た 。 こ れ ら の 民 主 化 指 標 の 伸 び 率 は 劇 的 と 言 っ て よ い が 、 制 度 的 変 化 が 社 会 に 定 着 す る か ど う か に つ い て1年 の 間 に 民 主 化 指 標 を 極 端 に 変 化 さ せ る こ と は 、 民 主 化 指 標 の 計 測 が 恣 意 的 な 操 作 を 加 え ら れ る 可 能 性 を 示 し て い な い と も 言 え な い 。 社 会 制 度 の 変 化 に 対 す る 定 着 化 の 問 題 に つ い て は 、「 民 主 的 ニ ュ ー デ ィ ー ル 」 と 呼 ば れ る 政 策 が 政 治 腐 敗 と 宗 教 的 分 裂 に よ り 危 機 に あ る と 指 摘 さ れ て も い る (Dossou-Yovo, 1999)。 さ ら に 1996年 に は マ ル ク ス ・ レ ー ニ ン 主 義 時 代 の 大 統 領 で あ っ た ケ レ ク が 大 統 領 選 で ソ グ ロ に 勝 利 し た が 、 ケ レ ク の 政 策 は 宗 教 的 勢 力 を 利 用 し た も の と し て 批 判 さ れ て い る (Mathieu, 2000)。 宗 教 的 ま た 宗 派 的 対 立 は 、 ア フ リ カ に お け る 争 点 の 一 つ で あ る 。 宗 教 的 権 威 を 公 言 し て 憚 ら な い ケ レ ク 大 統 領 で は あ る が 、 民 主 的 な 制 度 の 確 立 に 努 力 を 傾 け

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る 姿 勢 は 評 価 さ れ な け れ ば な ら な い 。 大 統 領 の 宗 教 的 信 条 と 政 策 上 の 関 係 は 指 標 化 す る こ と が 難 し く 、民 主 化 指 標 の 限 界 と し て 指 摘 し な く て は な ら な い 。 ベ ナ ン の 識 字 率 は 、1980年 に は 17.86%、92年 に 28.43%、2000年 に 37.41%と 伸 び て い る が 、 世 界 で 最 も 識 字 率 が 低 い 国 の 一 つ で あ り 、 識 字 に 対 す る 国 際 協 力 体 制 が 強 く 望 ま れ る 。 マ リ と ベ ナ ン の 例 は 、 民 主 化 指 標 と 識 字 率 が 逆 の 相 関 を 示 す 例 と し て 特 定 し た が 、 こ の よ う な 関 係 を 裏 付 け る 説 は 今 の と こ ろ 限 ら れ て い る 。 ハ ン チ ン ト ン (1991) は 、 ア メ リ カ イ ン デ ィ ア ン の 社 会 が 民 主 的 な 合 議 制 で あ っ た こ と を 示 唆 す る 説 を 紹 介 し て い る 。 政 治 的 信 条 な ど の 顕 在 化 し な い 社 会 的 不 安 定 要 因 の 抽 出 が 困 難 で あ る こ と 、 政 教 分 離 に 対 す る 挑 戦 的 な 原 理 主 義 な ど 、 社 会 の 一 部 分 を 構 成 す る 要 因 に 対 し て 社 会 制 度 を 計 測 対 象 と す る 民 主 化 指 標 は 、 あ る 「 数 値 」 の 状 態 が 「 危 機 的 対 決 」 を 胚 胎 し て い る の か ど う か に つ い て は 何 も 語 る こ と は な い 。 民 主 化 指 標 が 社 会 の あ る 側 面 を 表 し て い る こ と に は か な り の 妥 当 性 が 認 め ら れ る が 、 「 数 値 」 そ の も の に 頼 っ て い て は 社 会 の 変 化 や 良 好 な 国 際 関 係 の 構 築 は 望 め ず 、 他 の 政 治 的 ・ 社 会 的 ・ 経 済 的 な 指 標 と の 比 較 、 ま た 記 述 的 な 研 究 の 必 要 性 が よ り 増 し て い る こ と を 指 摘 し な く て は な ら な い 。

お わ り に

民 主 化 指 標 に つ い て の 批 判 的 検 証 に よ っ て 新 た な 知 見 が 得 ら れ た 。 識 字 率 の 上 昇 が 民 主 化 に は 必 須 な 条 件 で あ る と す る 政 治 学 的 な 前 提 に 対 し て 、 そ の 反 証 と な る 例 を 求 め る こ と が で き た か ら で あ る 。 一 般 的 に は 、 文 字 の 使 用 は 古 代 王 政 の 維 持 の た め に 使 わ れ 始 め た と さ れ て い る が 、 識 字 は 制 度 的 複 雑 化 に 対 応 し 、 社 会 の 効 率 化 と 経 済 発 展 に 関 係 し て お り 、 民 主 政 の 実 現 と 維 持 に は 全 面 的 に か か わ る も の で は な い 、 と い う 視 点 が 導 入 さ れ る 必 要 が あ る 。 こ の こ と は 市 民 革 命 と 呼 ば れ る 王 権 に 対 す る 革 命 、 ま た そ の 影 響 に よ り 民 主 政 を 形 成 し 発 展 さ せ た 近 代 西 欧 の 歴 史 的 観 点 か ら す れ ば 、 容 易 に 受 け 入 れ が た い こ と か も し れ な い 。 し か し 、 民 主 政 の 根 本 原 理 を 「 合 意 」 形 成 と 考 え れ ば 、 文 字 と 合 意 行 動 そ の も の に は 関 連 性 が 希 薄 で あ る と 言 わ な け れ ば な ら ず 、 民 主 政 の 根 本 要 件 に 識 字 を 置 く こ と は 、 市 民 革 命 を 経 験 し た 西 欧 市 民 社

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会 の 誤 謬 で あ る 可 能 性 が 高 い 。 現 在 190 カ 国 以 上 に の ぼ る 国 家 の う ち 、 多 く の 民 主 化 指 標 で は 、 約 半 数 は 自 由 民 主 政 に 至 っ て い な い こ と を 数 値 の 上 で は 示 し て い る2 5 )。二 度 の 世 界 大 戦 を 経 験 し た 後 、60 年 間 で 国 家 の 数 が ほ ぼ 3 倍 に 達 し た 現 在 、民 主 政 に か か わ る 問 題 は 、 一 国 内 に 限 ら ず 現 代 国 際 社 会 を 規 定 す る 重 要 な 課 題 で あ る と い わ な け れ ば な ら な い 。 歴 史 的 背 景 を 完 全 に 無 視 し た 西 欧 型 民 主 政 の 性 急 な 導 入 に よ り 、 武 力 紛 争 に ま で 至 っ て い な い か ど う か に つ い て 十 分 な 検 討 が 必 要 な 時 期 に あ る 。 国 家 と い う 領 域 に 区 切 ら れ た 国 際 社 会 が 国 境 の 生 来 的 に 抱 え る 不 安 定 性 に 対 し て 民 主 政 国 家 同 士 が ど の よ う に し て 安 定 的 国 際 関 係 を 構 築 し う る か は 、 個 々 の イ デ オ ロ ギ ー や 理 念 を 越 え て 国 際 社 会 が 取 り 組 ま な け れ ば な ら な い 課 題 で あ る 。 民 主 政 に か か わ る 諸 問 題 は 、 一 国 内 だ け で は な く 国 際 関 係 に も 深 く 関 わ っ て い る こ と が 十 分 に 理 解 さ れ な く て は な ら な い 。 民 主 政 の 研 究 に お い て 、 民 主 化 指 標 の 試 み は 今 後 と も 続 け ら れ 、 さ ら に 盛 ん と な る で あ ろ う が 、 平 和 と 共 生 の 国 際 関 係 の 構 築 の た め に 使 わ れ な け れ ば な ら な い の で あ っ て 、 西 欧 政 治 制 度 の 導 入 を 渇 望 す る 諸 国 に 対 し て の 単 な る 道 具 と し て 位 置 づ け る こ と は で き な い 。 (Ikuro Fujiwara 本 学 国 際 関 係 研 究 科 博 士 後 期 課 程 ) 本 文 註 1 ) ピ ア ソ ン の 相 関 係 数 は 、 最 も 基 本 的 な 相 関 の 度 合 い を 調 べ る 指 標 。0 . 2 , 0. 4 , 0. 7 の 値 で お お よ そ 、 ほ ぼ 無 相 関 、 弱 い 相 関 、 中 程 度 の 相 関 、 強 い 相 関 と 分 け ら れ て い る 。 ボ レ ン の 0 . 7 3 は 、 強 い 相 関 に 属 し て い る 。 な お 、「 相 関 」 と い う 統 計 用 語 は 、 一 方 か ら 他 方 の 関 係 付 け の 指 標 で は な く 、 双 方 向 の 関 係 付 け で あ る 点 に 留 意 が 必 要 。 2 ) 各 種 の 民 主 化 指 標 の す べ て を こ こ に 網 羅 す る こ と は 不 可 能 で あ る が 、 代 表 的 な も の を 挙 げ て お く 。ケ ネ ス ・ ボ レ ン は 、共 分 散 構 造 分 析 を 1 9 80 年 代 か ら 取 り 入 れ て 、民 主 政 と 社 会 ・ 経 済 指 標 と の 関 連 を 研 究 し て い る が 、1 9 60 年 代 か ら 1 9 7 0 年 代 に か け て 試 み ら れ た 民 主 化 指 標 の う ち 1 3 種 類 を 選 び 、ピ ア ソ ン の 相 関 係 数 を 相 互 に 比 較 し 、 民 主 化 指 標 の 信 頼 性 を 高 く 評 価 し て い る( B o l l e n 1 9 8 0 , 3 7 9 )。 ボ レ ン が 相 関 係 数 を 調 べ た の は 、次 の 1 3 の 民 主 化 指 標( 括 弧 は 作 成 さ れ た 年 )。 ア デ ル マ ン と モ リ ス(1 9 7 1 )の 2 指 標 、コ ー ル マ ン( 1 9 60 )、コ ー ル タ ー( 1 9 7 5 )、

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カ ッ ト ラ イ ト(1 9 6 3 )、カ ッ ト ラ イ ト と ワ イ リ ー( 1 96 9 )、ジ ャ ッ ク マ ン( 1 9 7 3 )、 ジ ョ ン ソ ン (1 9 7 6 ) の 2 指 標 、 9 リ プ セ ッ ト ( 1 96 3 ) の 2 指 標 、 ノ イ バ ウ ア ー (1 9 6 7 )、 ス ミ ス ( 1 9 6 9 )。 3 ) 民 主 政 と 共 和 制 の 違 い に つ い て は 、 ヘ ル ド は 政 治 理 念 と し て 同 等 で あ り 、 ギ リ シ ア で は 民 主 政 と 呼 び ロ ー マ で は 共 和 制 と 名 づ け た も の と し て い る ( ヘ ル ド 1 9 9 8 )。ヘ ル ド に よ る と 、ア メ リ カ 建 国 期 に お い て マ デ ィ ソ ン に よ り 共 和 制 と い う 言 葉 が 使 わ れ た た め に 、 共 和 制 が 王 政 の 権 威 に 対 す る 用 語 と し て 定 着 し た と い う 。 ヘ ル ド 自 身 も 政 治 理 念 と し て 民 主 政 と 共 和 制 を 分 け て 使 用 し て い る 。 4 ) P o l y a r c h y で は ク ラ ス 、 P o l i t y P r o je c t で は ス コ ア 、 F r e e d o m H o us e で は レ ー ト 、 な ど と い う 用 語 も 使 用 し て い る 。 そ の 他 の 民 主 化 指 数 で も 、 民 主 政 の ど の 要 素 を 中 心 的 な 考 察 対 象 と す る か に よ っ て 、 多 様 な 名 称 が 与 え ら れ て い る 。 本 稿 で は 民 主 化 指 標 と い う 名 称 を 統 一 し て 使 用 す る 。 5 ) ダ ー ル の P o l y a r c h y と い う 分 析 概 念 に 対 し て は 、 そ の 多 元 主 義 的 な 側 面 を リ ベ ラ リ ズ ム の 行 き す ぎ た 形 態 と し て 批 判 さ れ る 研 究 が あ る ( た と え ば 、H o f f m a n 2 0 0 3 )。本 稿 で は リ ベ ラ リ ズ ム と し て か ら の 視 点 で は な く 、国 境 を 越 え て 国 内 政 治 に 与 え る 要 因 か ら の 批 評 を 試 み た 。 6 ) テ ッ ド ・ ガ ー は 、 ニ ュ ー ヨ ー ク 州 立 大 学 に て 国 際 関 係 学 で P h . D を 取 得 後 、 プ リ ン ス ト ン 大 学 、 ノ ー ス ウ ェ ス タ ン 大 学 、 コ ロ ラ ド 大 学 で 教 鞭 を と っ た 後 、 現 在 は メ リ ー ラ ン ド 大 学 政 治 学 部 に お い て ポ リ テ ィ I V プ ロ ジ ェ ク ト の 顧 問 を 勤 め て い る 。19 9 3 年 度 に は 、 IS A ( I n t e r n a t i o n a l S t u d i e s A s s o c i a t i o n ) の 会 長 を 務 め て い る 。 7 ) ポ リ テ ィ I V プ ロ ジ ェ ク ト は h t t p : / / w w w. c i d c m . u m d . e d u / i ns c r / po l i t y / の ウ ェ ブ サ イ ト で デ ー タ を 公 開 し て い る 。 ま た 、1 9 7 4 年 に 発 表 し た ガ ー の デ ー タ と ポ リ テ ィ I I ・ I I I プ ロ ジ ェ ク ト の デ ー タ は 、 ミ シ ガ ン 大 学 に あ る I C P S R (I nt e r- u n i v e r s i t y Co n s o r t i u m f o r P o l i t i c a l a n d S o c i a l Re s e a r c h) に 収 め ら れ て い る 。 資 料 番 号 は 、 順 に# 5 01 0 , #9 2 6 3 , # 6 6 9 5 。 8 ) た だ し 、P o l i t y P r o je c t で は 、そ れ ぞ れ の 国 の 評 価 の 対 象 と な っ た 事 項 に つ い て の 記 述 的 説 明 を 掲 載 し て い る 。 そ の 説 明 は 多 岐 に わ た っ て い る が 、 制 度 的 要 因 か ら 離 れ た 大 規 模 騒 乱 と そ の 対 処 方 法 に つ い て の 解 釈 の 相 違 は 解 決 さ れ た と は 言 え な い 。 9 ) F re e d o m H o u s e の 指 標 の 計 測 方 法 は 、 レ イ モ ン ド ・ ガ ス テ ィ ル に よ り 始 め ら れ

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た が 、 現 在 で は 、F r e e d o m H o u s e の 世 界 9 カ 国 の 研 究 施 設 か ら の 報 告 と 多 く の 研 究 者 の 手 に よ っ て 作 成 さ れ て い る 。 さ ら に そ れ ら の 指 標 は 、 評 議 会 に よ り 監 督 さ れ て い る が 、 こ の 評 議 会 に は 現 在 民 主 平 和 論 で 多 く の 著 作 を 出 し て い る ラ リ ー ・ ダ イ ア モ ン ド 、 社 会 学 に お け る 定 量 分 析 の 権 威 ケ ネ ス ・ ボ ー レ ン 、 民 主 平 和 論 に つ い て 民 主 化 の 過 程 に あ る 国 家 間 で は 戦 争 に 至 る こ と が 多 く あ る こ と を 計 量 的 に 証 明 し た コ ロ ン ビ ア 大 学 政 治 学 部 国 際 関 係 論 教 授 ジ ャ ッ ク ・ ス ナ イ ダ ー な ど が 所 属 し て い る (F re e d o m H o u s e 2 0 0 4)。 1 0 ) エ レ ノ ア ・ ル ー ズ ベ ル ト は 第 3 2 代 ア メ リ カ 大 統 領 フ ラ ン ク リ ン ・ ル ー ズ ベ ル ト 夫 人 。 ニ ュ ー デ ィ ー ル 政 策 期 か ら 積 極 的 に 青 年 組 織 や 労 働 者 組 織 と の 対 話 を 進 め 、 第 二 次 世 界 大 戦 後 は 国 連 の 世 界 人 権 宣 言 の 草 案 作 成 に も 携 わ っ て い る 。 ニ ュ ー ヨ ー ク の ル ー ズ ベ ル ト 大 統 領 記 念 博 物 館 に は 、 エ レ ノ ア 夫 人 の 人 権 活 動 を 記 念 し た 特 別 な 展 示 室 が あ る 。 1 1 ) ウ ェ ン デ ル ・ ウ ィ ル キ ー は 、 1 9 4 0 年 フ ラ ン ク リ ン ・ ル ー ズ ベ ル ト の 3 選 目 の 大 統 領 選 挙 に お い て 共 和 党 の 大 統 領 候 補 と し て 対 立 し た が 、 選 挙 に 敗 れ た 後 は ル ー ズ ベ ル ト の 政 策 を 支 持 、 レ ン ド リ ー ス の 成 立 や 孤 立 主 義 の 放 棄 を 世 論 に 訴 え た 。 ル ー ズ ベ ル ト の 特 使 と し て 世 界 各 地 を 訪 問 し 連 合 国 側 の 民 主 主 義 の 大 義 と 戦 後 の 世 界 平 和 構 築 を 力 説 し た 。 1 9 4 3 年 に 出 版 し た 『O n e Wo r l d 』 は 全 米 で ミ リ オ ン セ ラ ー と な り 、 世 界 政 府 の 必 要 性 も 示 唆 し た 内 容 は 、 戦 後 の ア メ リ カ が 孤 立 主 義 か ら 脱 却 す る 大 き な 役 割 を 果 た し た と さ れ る 。 1 2 ) F r e e d o m H o u s e は 、 選 挙 民 主 政 を 次 の よ う に 定 義 し て い る 。『 数 値 に よ る レ ー ト に 加 え て 、「 選 挙 民 主 政 」 が 妥 当 す る か ど う か が 、 最 小 限 の 必 要 要 件 を 満 た す 国 に 与 え ら れ る 。 そ の 用 件 と は 、 ① 有 権 者 は 、 政 府 に よ り 指 名 さ れ て い な い 個 人 や 競 合 す る グ ル ー プ 間 に お い て 自 由 に 権 威 の あ る リ ー ダ ー を 選 ぶ こ と が で き 、 ② 有 権 者 は 立 候 補 者 と そ の 政 治 的 基 盤 に 関 す る 情 報 に ア ク セ ス で き 、 ③ 有 権 者 は 権 力 か ら の 不 当 な 圧 力 な く 投 票 を す る こ と が で き 、 そ し て 、 ④ 立 候 補 者 は 脅 し を 受 け る こ と な く 選 挙 活 動 が で き る 。』(F r e e d o m H o us e 2 0 0 2 ) 1 3 ) 識 字 率 の 向 上 の た め の プ ロ グ ラ ム は 国 連 、 と く に ユ ニ セ フ を 通 じ て 推 進 さ れ て い る が 、 開 発 国 に お け る ジ ェ ン ダ ー の 問 題 や 職 能 に 関 す る 問 題 な ど 多 く の 難 問 を 抱 え て い る 。 識 字 と 共 に 計 算 力 も つ け る こ と を 目 的 と し て お り 、 今 後 と も プ ロ グ ラ ム の 発 展 が 望 ま れ る 。 1 4 ) 対 数 曲 線 以 外 に も 2 時 曲 線 に よ る 推 定 が 観 測 値 に よ く 適 合 し て い た が 、 他 の 曲

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