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堆積平野における微動アレー探査法の適用限界の検証

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Academic year: 2021

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堆積平野における微動アレー探査法の適用限界の検証 倉橋奨@正木和明@津田義博@;嚢匙群 1.はじめに 基盤を含む深部地盤構造を推定するための方法として、微動アレー探査法がある。この手法は、近年様々な堆 積平野で盛んに実施され、他の手法との整合性もよいことが知られている。しかし、表面波の分散特性を用いて 位相速度を検出するこの手法は、理論的には平行層近似を仮定していることから、急激な変化に伴う地下構造直 上の地点においては、適用限界があるのではないかと考えられる。一般的に完全な成層構造である地点はほとん どないと考えられるため、多少の不整形地盤でも適用できると考えられるが、どの程度の不整形地盤まで適用可 能であろうか。本研究では、微動アレー探査法の適用限界について検証した。

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豊橋平野での適用限界 倉橋他 (2005) は、豊橋平野において愛知県により実施された反射法測線直上で微動アレー探査を実施して いる。その結果、反射法と微動アレー探査の推定基盤深度に800m程度の違いがあることを示した。さらにアレー サイズにより分散曲線の形状が違うことを示し、この違いはレイリ一波の基本モードと l次モードの違いである と指摘している。それゆえに反射法と微動アレー探査の推定構造が違うことを示した。なぜ、モードの違う位相 速度が検出されたのか、何が原因なのかは検証されていないが、当該地域は、基盤上部層の物性がよく知られて おらず、反射法による反射面もあまり強く現れていないことから、地盤の物性やコントラストの影響が考えられ る。よって豊橋平野中心部に関しては、微動アレー探査の適用限界があるといえる。 図I観測地点(反射法測線:黒線、大高』高浜断層:鎖線、観測地点

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印) 3.観測概要 3.1 観測地点 文部科学省の交付金を受けて実施された地下地盤構造調査で、岡崎平野では3測線実施されている。そのう ちの平成16年度測線 (NS測線)は、大高高浜断層を横断している。反射法結果では、この断層面が検出され ており、各層に食い違いがみられる。 75

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本研究では、この断層直上地点とその南北の反射法測線直上に2地点ずつにおいて微動アレー探査を実施した。 この際、反射法の様に連続的な地盤構造を推定し、どの程度の不整形地盤まで適用できるか判断できるように、 アレ一半径の半分が重なるよう設定した。探査地点在図1に示す。 3.2観測概要 アレーサイズはLアレー:1000m、Sアレー:250mとし、それぞれ 90分間、 60分間観測した。両アレー とも2重同心円三角形の中心と頂点に地震計を設置した。また、 SアレーはLアレー内に設置した。 観測に用いた地震計は振動技研(株)製速度計(固有周期5秒)、記録器は白山工業(株)製 DATA-MARK LS-800SH 15:. 7 台使用し、サンプリング周波数は 100Hz とした。観測日時は 8 月 5 日~ 11日の昼間とした。 4.観測結果 図2に反射法探査による推定地盤構造そ示す。 1層呂と2層目の境界面と基盤境界面は不明確のため点線で 示されている。図のように、断層面では、 3層目が最も大きくずれており、 250m程度のずれが推定されている。 図3に各地点の分散曲線を示す。ただし、 002地点は Lアレーのデータ不良のため Sアレーのみである。各地 点において、 0.35Hz~2Hz程度において分散性がみられることからレイリー波であると考えられる。また、断 層直上であると考えられる 003(x印)を境に北側の001、002地点と南側の 004,005地点では長周期側で 位相速度に違いが見られる。 大高高浜断層は、断層北東側が沈み、南西側が隆起する逆断層である(愛知県,2004)。よって、基盤が浅 いと考えられる004、005地点の位相速度が速く検出されていることは、このことと整合的であるといえる。また、 003地点においては、断層直上であることから、分散曲線の検出が難しいと予想されたが、他の地点と整合性の あるものが検出された。

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各地点の分散曲鰻 本研究では、微動アレー探査地点の中心点において 3成分微動探査も実施した。この観測データから H/Vス ペクトルを求めた。その結果を図4に示す。図より、 001、002,003地点の卓越周波数は 0.25~ 0.3Hzであり、 004, 005地点は約 0.35Hzである。断層直上である 003地点の局所的な変化は卓越周波数、スペクトル形状と もに特になく、当該地域による微動観測における不整形地盤の影響はないと考えられる。 76

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まとめ 本研究では、大高一高浜断層を横断する反射法測線直上に微動アレー探査を5地点実施した。その結果、 0.3Hz ~2Hz において分散する位相速度が検出されたことからレイリー波であるといえる。断層直上で微動アレー探 査を実施したが、分散曲線の形状、 H/Vスペクトルの形状を他地点と比較するかぎりでは、不整形地盤におい てでも微動アレー探査法は適用できるといえる。しかし、反射法直上で、観測を実施したにもかかわらず、反射法 により推定された地盤構造の理論分散曲線の基本モードとは異なる分散曲線が得られた。 今後、逆解析を実施し、反射法との整合牲を検証する必要があると考えられる。 参考文献 愛知県:平成 16年度.三河地域堆積平野地下構造調査成果報告書,愛知県,2004 倉橋奨・正木和明:堆積平野の基盤構造推定における微動アレイ探査法の適応限界の検証,愛知工業大学研究報 告NO.40,2005 77

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