ナ ンの物的流通技術 の改善 に関す る基礎的研究
I
藤 井嘉儀
* 昭和52年8月31日受付Fundamental Studies On the Distribution Technique
of Japanese Pears I
Yoshinori FuJII*
To clarify tho physical properties of pears in the process of distribution, several experiments have successfully been cOnducted, frOm 、vhich the fOl10wing findings may be deduced.
1. It has been recOgnized that, relative to the temperature of pears and their packing method, the storage Of heat fOr the adiabatic Packing material shOuld
not be neglected as far as ventilatiOn is concerned.
2. ThOugh the significant difference between the weight reductiOn and the kind of packing materials could not be discerned, it will be assumed that the inherent trend appears when the void ratiO Occurred.
3. The strain rate for the different packing materials wOuld exhibit significant differences at the five percent confidence level fOr the seventh day, eleventh day,
respectively. It is certain that fewer strain rates appear for the polystyren― made box than fOr the cOnventional carton_bOx.
4. The difference of strain rates exist due tO vibratiOns between the excited and nOn― excited pears. The increase oF strain rate would be greatly attributable
to these vibratiOns.
5. Pears tend tO suffer more frOm physical damage due to the upper一 situated
carton―box because of the shortage of pacting materials enclosed in it.
び安定的供給による市場対応力の強化などにあり
,結
果 緒論 的に信用度の向上による市場評価 の安定向上
,合
理的作 鳥取県における廿世糸己ナシ生産の歴史 をみると,そ の 業 による各種経費の節減 などを図ることにある。 出荷販売は明治42年頃から行われている。これ ら共同出荷施設の中心 となるのが共同選果場であ 当時は産出量 も少なく出荷は生産農家単位に行われた
り,こ れは物的流通の技術的基盤 をなしている。この選 ことが想像 されるが
,そ
の後生産量,栽
培農家の増加 に 果場は昭和30年代 から急速 に整備 されたが現在は統合拡 伴い,又
市場構造の変化 などの影響 を受けてそれらに対 大の方向に進んでお り,設
置数は減少 したものの規模拡 応する様々な流通手段 が講 じられ今 日のごとき一大流通 大に伴 ってその処理能 力は飛躍的に増強 されている。 組織が形成 された。これ らの選果場の発達に伴って出荷の「荷姿」即 ち梱 現在の県下のナンの出荷形態はそのほとんどが共同出 包方法
,梱
包材料 も大 きく変化 し,か
っての木箱,本
毛 荷であり,そ
の要 となる共同選果場は約50か所設置 され 詰は既 に過去のものとなり新414包材に完全に置 き換 えら ている。れた。 共同出荷施設の機能は云 うまでもなくその品質管理及
同時に大量供給
,大
量消費に応ずべ く輸送方法も変化 *鳥 取大学農学部農業経営学科農業経済学及び農産物マーケ ッティング研究室ナ ンの物的流通技術の改善 に関す る基礎的研究
I
し,今
日では市場向け出荷のほ ゞ九害Jは貨物 自動車輸送 に依存 している。このような出荷事情の変化 に伴 って輸 送上の問題 も含め種々の品質管理上の問題が表面化 して 来た。 本報はこれらナンの物的流通場面 に対 し果実の物性 な どとの結び付 きの面から接近 し,そ
の改善に資する事 を 目的 として行つた研究の予報的報告である。 果実の生理 と品質保持問題1.果
実生理 と品質 ナン品質の維持管理 を考 えるとき,そ
の果実生理 に適 した手段 を講ずるのが合理的である。 ところで品質の維持 には果実の固有の形質を保つため, 熟成および劣化 (老化)の
抑制・防止 を図 り,又
物理的, 化学的損傷 をできるだけ少なくす ることが肝要である。 収穫後の果実の劣化はその果実 自身の消耗 によるもの であり,そ れは呼吸作用などによ り促進 されると云 われ ている。これらを内部的劣化要因 と云 うならば,そ れを 変化せ しめる環境状況及び物理的,化
学的要因を外部的 劣化要因と呼ぶことがで きよう。 果実の内部的劣化要因は一般 にその夕陪田的劣化要因に 影響 されるので,外
部的劣化要因 を規制することにより ある範囲内でその内部的要因をも制御す ることが可能で ある。1)温
度 と果実生理 収穫 された果実は呼吸作用 によって生体 を維持 しつ ゝ 消耗 し劣化する。 その呼吸作用は果実の熟度 によっても強 さが異 なるが 環境温度による影響が大 きい事は知 られてお り, GOR
E(1911)に
よると,呼
吸強度 と温度の関係は次式で算 出されるよ)10gY=10g Y。
+at
た ゞし
,Y:呼
吸強度 Y。 :その果実のO℃時 の呼吸強度ti温
度a:係
数 (一般 におよそ0.0376位) したがって8℃時の呼吸強度 は0℃時の約2倍であ り, 16℃時は4倍の強度 となる。 いま果実の流通 を考 えるとき,い
かに消耗 を防いで消 費者へ届 けるかが生産者流通業者の任務で あ り,その技 術の優劣 が附加価値へ結 びつ き需要 に影響す ることを考 えれば温度 を無視 した流通手段 は考 えられない。 一般 に生鮮農産物 の品質は,収
穫又は出荷の初期条件 が重要 であることが知 られているがナンの場合,昔
か ら その収穫は早朝の低温時 に行 うものとされて来た。 このことは流通過程 におけるナンの品質管理 がすでに 収穫の時点で始 まっていることを意味 しているが,労
力 の払底 している昨今,収
穫時刻の調整はかなり困難 とな っている。 その他,流
通過程 における環境温度の問題 も併せて今 後の研究に待つ ところが大 きい。2)振
動,衝
撃の果実生理 果実体 に振動,衝
撃 など物理的外力を与 えることは, 直接的な外傷のみでなく,生
理的刺激 を与 え呼吸作用 を 促進することが知 られているぎ) 第 1図 は温州 ミカンの実験例であるがナシの場合 もこ のことは予想 される。3210123456
時間 第1図 温州 み かんの落下 とCOっ発生量 (九大農産研 1967)2.物
理的外 力による損傷 物理的損傷 とは,果
実 を移動す ることなどによって加 えられ る外 力,即
ち振動や衝撃 などによるナ シの直接的 な損傷 を指すが,こ
れ らか ら果実 を保護 す るのが緩衝包 装で ある。 一般 に生鮮農産物 は脆弱 で,その保護 にはかな り細心 でな くてはな らないが,そ
の技術 はおよそ第二次産業 に おける緩衝理論 か ら出発 した方法の応用 であって,個
体 差の著 しい生鮮農産物 に適 さない部分 もかな りある。 しか し,その経済的 問題 も合め,諸
々の理 由か らこれ らの諸技術 を利用せ ざるを得 ないのが実状 で あるので, 現実 には,それ をよ りよ く応用す るための技術 を開発 す る事 に努めなければ な らない。1)振
動 と損傷 振動 とは一般 に一定時間ごとに同 じ様 な運動が繰返 さ れる事 を云 うが,物
体 を移動するにあたっては非常に多 く発生する現象で,特
に現在の輸送体系上避け得ない間 題である。 実際の振動は複雑な運動の組合せが多いが,そ
れらも 異 なる振動数 と変位 を持つ単純 な振動の重合 と考える事 が出来 るぎ) 振動の強 さを表す には一般 に加速度の単位 カヨ昭い られ な事 が多い。 今,一
般 によ く発生す るとされている単弦振動波形の 加速度 を求め ると次式であ らわされる。am=Xm
ωつ=(2り
'Xm
た ゞし,am:振
動加速度最大値 cm/sec2Xm:振
動変位量最大値 cnI 加速度 を重 力の加速度の倍数値Gで
あ らわせばGn=Xmの
2/g=(2τデ)2xm/g
た ゞし,Gni最
大値 この よ うに振動加速度は振動数の白乗 に比例す る。 梱包の 目的 は果実体 の保護 であるが,そ
れ を達 成す る ことのみ を考慮すれば良いのではなく,か
さば りを極 力 低め空間比率 を出来 るだけ下 げ輸送量の増大 と費用の低 下 を計 らなければな らない。 そのためには,梱
包す る果実個体間 を可能 な限 り密着 させ ることが大切であるが,一
方 これは完全 な緩衝材で も無い限 り果実 に物理的損傷 を与える危険性 を伴 う。 これら振動による物理的損傷の主なものは擦傷であり, ナンの場合酵素の働 きで黒変 し,著
しく商品価値 を下落 させ る。 21 衝撃と損傷 衝撃は過度的な振動 として扱 う事が出来 るが,そ
れを 表すのに重力の加速度の倍数値Gで
示す。 衝撃が始まって最大値 に達するまでの時間を衝撃時間, 又最大値 を経過 して零 になるまでの時間を衝撃継続時間 と云 うが,こ
れらが包装内の果実に与える影響はその梱 包材の力学的性質と外力の時間的性質によって変化する。 同様の外力を与 えた場合の衝撃の強さは一般 に衝撃時 間の長 さに反比例的に働 く。 移動に伴 う衝撃の主 なものは落下及び衝突によるもの で,こ
れによる果実の損傷は打撲傷,押
傷が多 く時には 裂傷 に至る事 もある。 これらの傷は酵素の作用で褐変 し,裂
傷の場合はそこ から腐敗 し始める。 実験結果及び考察I
ナシ果実温度とタト気温1.樹
上のナシ果実温度1)測
定期 日1970年
8月27日∼ 9月29日 1971年8月27日∼ 9月29日2)供
試圃場イ
)鳥
取大学農学部附属農場 ℃ 01 第 2図 樹上のナシ果実温度 と外気温ナンの物 的流通技術の改善 に関す る基礎 的研究
I
第3図 温 度の変化量 口),烏取県果樹試験場津 ノ井分場 ハ)′亀取県東伯郡東郷町農家果樹 園3)使
用機器イ
)C―
C熱電対 口)電
子式打点記録温度計4)測
定方法地上120∼ 170cmの樹上の被袋ナ ン果 の心部 (表皮下約401nlplと表皮直下部 に針型及 び薄板型 熱電対 を袋上 か ら差込み果実温度 を自記 させた。 同時 に測定 ナ シ果直近 の 日照部分 と日陰部分 に気温測 定用熱電対 を設置 し概 ね48時 間継続測定 した。
5)測
定結果測定 の結果
,果
実温 度は芯部 が安定 的変化 を示 した。 それ と気温 の関連 を検討 したのが第2 図で ある。 ここで外気温 と果実温度の関係 を示せば,次
式 で表す 事 が出来 る。 イ)果
実温度上昇時 (5時∼15時) 810y==― -36x3_卜 97x2_Ⅲ 2108x―卜810t た ゞし,y:芯
部果実温度x:9時
を零 としてそれよ り前 を1時間 ご と1こ(-1)宛
減 じ,又
以後1時間 ごとに(+1)を
加 えた変数。tix=零
時の果実温度 口)果
実温度降下時 (15時∼5時) 810y=一 x3_178x2__1035x4810t た ゞし,x:21時
を零 と して以前1時間 ごとに (一1)を
減 じ,又
以後1時間 ごとに(+1)を
加 えた変数2.採
取後の果実温度1)測
定期 日1970年
9月27日∼28日,28日∼29日 2〉 供試場所,鳥
取県東伯那東郷町小鹿谷集荷場3)測
定方法7時
までに収穫 したナ ンをコンテナ ― (プラスチ ック製480×330X300Hlm内 法)に
三 段 詰め に し露天,シ
ー ト張 りの仮設集荷場 に搬入,三
段積み と し各段 の コンテナー側部及び中央部 の袋ナ ン芯部 に熱電 対 を差込み測定 白記せ しめた。実験 は コンテナー を定で 覆って日覆 とした場合 と,それ を除いた場合 を測定 した。4)測
定結果 (第4図,A,B)
3.梱
包後 の果実温度1)測
定期 日1971年
9月10日∼17日2)測
定場所鳥取 大学農学部
3)供
試梱包材a)発
泡スチロール成形箱(厚30∼ 51Xnm),1段18個 詰,3段
重 ね,蓋
30mスチ ロール板,(PSB,A)
b)発
泡スチロール成形箱 (厚30∼ 50nun),1段15個 詰,3段
重 ね,蓋
36nmスチ ロール机 通気孔多数有 り,(PSB,B)
c)ダ
ンボール箱25号 (470X330×250),PSPパ
ック詰,(ダ
ンボール)… …慣行方法4)実
験方法上記
3組
の梱包梨の中段,中
央部 の ナ ン芯部 に熱電対 を差込み記録温度計 に自記 せ しめた。5)実
験結果 (第5図)4.果
実温度 に関す る考察1)樹
上の果実温度 とその変化量 か ら,タト気温 の影響 は約1時間後 にあ らわれ ることが知 れ る。 収穫後 の品質管理上,果
実温度 を可能 な限 り低 く維持 す る事 を考 えた場合,その収穫 は早朝行 うことが望 ま し いが,仮
りに30℃を限度 として考 えると10時 30分 か ら18 時30分までの収穫 は控 えたい。 気温 との関連 を考 えて も17時 までは収穫 は見合せた方 が良いと云 える。 ナシ果実温``\ムンロで覆った場合 ンテナー中央部ナ シ 直射 をうける場合 コンテナー中央部ナシ (A) 第4図 (B) 集荷場 における果実温度 と外気温 1 2 3 4 5 6 7 8日 第 5図 梱包材料別ナシ果実温度 (積算)
2)収
穫後の集荷場 における果実温度の状況は,通
風 がかなり影響すると考えられ, コンテナーに直に日覆 を 掛けるより,風
通 しの良い場所で日陰 とすることを考え るべ きである。3)梱
包ナシの果実温度は梱包材の差としてよりもむ しろ空隙率の大 きさの影響 を受け易いことが解 る。PSB,Aの
実験 区は初期は断熟効果が有利に働 きナ シ果実温度 を低 く保 っているが,空
隙率がィJヽさい気密的 構造の箱であるため段々熱が蓄積 し,積
算温度が上昇 し ている。一方通気孔の多いPSB,B区
は一般 に低温 に 維持 されているが,こ
れは次項 と関連 し検討 を要する問 題 を含んでいる。 Ⅱ ナシ品質の評価 生鮮農産物の品質の判定は非常に抽象的である力比 そ れは判定基準の設定が困難なためである。 しかし,品
質管理 を行 う上で,そ
の効果を評価する品 質判定は不可欠の要素である。 ナシの場合,共
同選果場 において等級選別,規
格選別 を行 って出荷 されるが,こ
の等級選別はすべて外観の観 測 による感覚的方法で行 われ,当
然選別作業者の個人差, 施設間の基準 (水準)差
が生ずる。 他 に全施設 において農家単位のナシ緒度検査 を行い, 一定水準以下の農家の除外に努めているが,こ
れは抜取 検査で破壊検査法のため必ず しも十分に行えず,又
適当 な方法であるとは言えない。 又,一
部施設で果実硬度 を測定 しているが,そ
もそも 市販の果実硬度計は測定者の扱い方による課差 などが大ナシの物 的流通技術の改善 に関す る基礎的研究
I
きく,しかも破壊検査法 で ある。 したがって,種
々の実験等の成果 を判定す る場合,こ
れ らの方法 でその変化 をみ ることは困難で あ り,何
等 か の科学的基準 を見出す ことが必要 となってい る。そこで この方法 を見出す手 だて として以下の実験 を行 った。1.ナ
シ重量 と梱包1)実
験 目的果実はその自己消耗 等により徐々に重 量 を減少 してい くが
,そ
の減少率 か ら品質変化 を察知 す る方法 を見出すべ く,梱
包材,方
法 な どの違 いによる重 量変化の比較 を試みた。2)実
験期 日1970年
9月 31 実験場所′烏取 大学農学部
4)使
用機器a)20kg自
動台稗b)稗
量瓶c)乾
燥 機5)供
試梱包材a)ダ
ンボール箱25号, PSPパ
ッ ク詰 (慣行法)tb)発
泡 スチロール成形箱 (厚30∼ 50mml, 1段18個詰, 3段
重 ね,空
隙率1.6%,(PSB,A)
c)発
泡 スチロール成形箱 (厚30∼ 50mml,1段15個詰,3段
重 ね,空隙率7.8%,(PSB,B)
※,空
隙率=箱
開隙面積■箱全側面積X100
6)実
験方法各梱 包ナ シを室内 に15日間静置
,毎
日箱内の果実重量 を自動台智 で計量 した。 又,ナ
ン熟度別の合水率 を見 るため収穫時期別 に符量 瓶法 を用いて測定 した。7)実
験結果 (第6図,第
7図) ど `` `ヽ ‐ ヽ ――‐‐____― ‐―マスチ ロー ル ダンボール箱 \ ` ヽ 、 、. ` スチロール 箱 (B) 第6図 貯 蔵 中の ナ シ水 分 の変化 (減少 率) 第 7図 収穫期 と果肉含水率 2. ナンの歪量1)実
験 目的果実水分の減少に伴 って果肉が軟化 し
,加
圧 した場合の歪量に変化が生ず ることが予想 され る。 収穫後の果実の軟化 が歪量 にいかにあらわれるかを知 り品質判定の基準 となり得 るか,又
梱包材,方
法がいか に影響するかを把握する事 を目的 とした。2)実
験期 日1970年
9月3)使
用機器a)歪
量測定装置 (自製,第
8図) b)ノ ギス4)実
験方法ダンボール箱に慣行法で箱詰 したナ ンを25℃の恒温槽に16日間静置 し
,適
当な間隔で歪量 を 測定 した。 又,発 泡スチロール成形箱 (空隙率1.6%)梱
包ナ シに ついても同様の実験 を行つた。 歪量はナンの直径 (赤道径)を
ノギスで測定 し,そ
の 部分 に力がかかる様 に第 8図 に示す装置 に乗せ,定
荷重 (1.46k9)を 1分 間加 えた時の歪量 をダイヤルゲージで 測定 した。測定後のナシは影響 をさけるため廃棄 した。5)実
験結果歪量はナシ個体差 を除 くため歪率 に 換算 した。(第8図
,第
9図) 歪率=歪
量■直径X100(lnm)3.果
実硬度1)実
験 目的果実硬度の測定 による品質判定は我 国では一般的でないが
,米
国でリンゴなどについてかな り利用 されていると言われ,我
国でも現在,手
持式果実 硬度計が市販 されている。 しかし精度,課
差の点で今ひ とつ不満であるが,よ
り精度 を高めた場合,品
質判定 に 利用出来 るかを実験 した。2)実
験期 日1971年
∼1973年 31 使用機器果実硬度測定装置 (自製
j第
10図)4)実
験方法果実肩部表皮上から直径6 nlmのプラ
Y=90.8X0167X
ダイヤル ゲージ ンジャー を定速度 (20鰤毎分
)で
押込み,表
皮 を貫通す る時点の最大加圧 力をひずみ計 で読み取 った。5)実
験結果貯蔵 ナ シの経 日変化 は
,果
実の個体 差 が大 きく,硬
度変化 は読 み取 れなかった。 樹上ナ シ果実の熟期別硬 度 の変化 は第11図の ごとくで ある。 1.シャフ ト2低
速モー ター3
ピニオン 4.ラック5
ロー ドセル 6.プランジャー 7.アンピル8
ひずみ計ヘ 第11図 収穫期 と果実硬度4
品質評価 に関す る考察1)重
量減少は梱包材の空隙率の影響 が大 きく,一
定 傾向は見 られ るもの ゝ,品
質判定への応用 は難 しい。 減少の差 を梱包材料別 に見 ると,材
質の差 と云 うよ り 空隙量の差 と考 えられ,ナ
シ果実水分 を保 つ には空隙率 を出来 るだけ小 さくす る方法 が都合 がよい と言 える。 し か し,前
項 の果実温度 (第 5図)を
み ると逆 に空隙率の r=0.557(N=250) 第9図 歪率 の経 日変化 日 間 第8図 歪量測定装置Y=0876+0031X
第10図 果実硬 度測定装置ナシの物的流通技術の改善 に関す る基礎 的研究
I
小 さい気密性の梱包は都合が悪い。2)歪
率は,ほ
ゞ直線的変化を示 した。この測定方法 は非破壊法であるため,か
なりのナシに行っても影響は 無いものと考 えられ品質評価 の基準 に応用 し得 ると考 え られる。 しかし,ナ
シ果実の硬 さを考え,加
重量 を検討 する必要がある。3)梱
包材 を異 にした場合の歪量の差 に有意差が認め られ,発
泡スチロール成形箱梱包ナンが優れていた。 こ のことは,水
分の保持 と歪量 との関連 を示すものとして 注 目する必要がある。4)果
実硬度はナンの個体差に左右 され,品
質評価 の 指標 に利用 しにくいことが解 った。ただ,熟
期 により硬 度が変化する事が認め られ,こ
れは梱包上留意する必要 がある。 Ⅲ 振動 と梱包1.振
動 と梱包材料1)実
験 目的振動は物理的な外 力としてナシ果実 に種々の損傷 を与 える。 梱包は果実をこの外 力などから保護する目的で行 われ, それには物理的外 力を緩和する材料が用いられる。 梱包材料は,そ の材質の特性 により緩衝能力が異 なる が
,理
想的 には外力の増大に比例 して能力が高まるもの 力澄 ましい。 しかし経済的視点からも過大包装はさけねばならず, したがって一般的な梱包材料の中から適切な材料及び組 合せなどを見出すことが必要である。2)実
験期 日1975年
8月22日3)実
験場所鳥取大学農学部
4)使
用機器a)偏
心ベアリン然 力口振装置(自製) 梱 包 材 料 b)小 型加速度変換器 c)動 ひずみ計 d)電 磁 オンログラフ5)供
試梱包材a)ダ
ンボール箱25号 b)梱 包材料 は第1表参 照6)実
験方法加振装置 に加速度変換器 (100o用) を固定接着
,同
じく箱内,中
段,中
央部 の ナ ンに穴 をあ けて加速度変換器 を埋設, ダンボール箱 を加振台 にロー プで固定,加
振台 に無段変連機で所定 の振動 を与 え,各
部 の振動状況 を動ひずみ計 に入 れ,電
磁 オシロ グラフで 記録 した。 振 巾 5 mm,振 動数毎分250回 から50ず つ増加 させ600c. p.m.ま での各振動加速度 を測定 した。7)実
験結果実験 は上下振動及 び前後振動 につい て行 ったが
,こ
こには上下振動の一例 を示 す。(第 1表, 第12図, 第13図)2.振
動 とす シ損傷1)実
験 目的現在
,市
場へ 出荷 され るナシの大部 分 は トラック輸送 であるが,そ れ らは大量積載のため合 理的 かつ入念 に荷積 され振動,衝
撃 に対 してはかな り留 意 されてい る。 ところが個人発送 のいわゆ る小 口輸送 ナ シは,そ
の大 部分 が貨車輸送 であ り,他
貨物 との混載,荷
積時間の制 約,その他 の理 由によ りかな りの損傷 の発生 が予想 され るが,その実態 は全 く把握 されていない。 本実験 は輸送 中,梱
包ナ ンにかかる振動 を人為的 に再 現 し,ナ
シヘの影響 を知 ることを目的 に行 った もので, 同時 に梱包材の適性 を比較 した。 なお,強
制的 に与 える振動 と実際の振動 の関係 は,低
第 1表 梱包材料 とナシの振動強度 単位G
250 300 350 400 450 500 550 600 .m) P.S,Pパック十P.Eシー トP.S.Pパ
ック+P,S,Pシ
ーP,S.Pパ
ック十P.Eネッ ト リ トナパ ック十P,Eシー ト カルプパ ック十P,Eシー ト 梨 箱 梨 箱 梨 箱 梨 箱 梨 箱 α α α α α07 α 25 α 06 α22 α06
α07 0.24 α31 α04
α 05 α15
α21 α05
α06 α16
α21 α08
α10026
α30 α07
α ユ α27
α36 α08
α10 α36
α49 α07
α09623
α27 α08 610
α23
α35 α13 α16 α67
α74 α15 α 18 αα5 α 68 0,14 α 17 α92 1,03 α17 α20 α43
α65 α13 α17 α42
α63 α20 0.%
1.21 1.33 α20
α28 α78 1.08
α22
α24 1.25 1.46 α46
α49 1.30 1.52 α41
α461.30 217
加 振 台 α35
α50
α69
α90 1.13 1.40 1.69 20ユ
′
′
歩ン
ボール
箱
ン果実 250 300 350 100 450 500 550 000c.p.畑 第1.2図 振動数 と加速度の変化の 1例│ 周波の強制振動を10分聞与えた場合,-100マイル僻勺1611ml の果実輸送中の損傷値と一致したと言うO′BFienあ 資料J― に準JLしたものである。2)実
験期日と975年 8月22日∼25日
3)使
用機器 前述の実験に同じ4)供
試梱包材 前述の実験に同じ 250 300 3391 400 450 500 550 000tip.m 第13図 振動 加速度 と緩衝率 51実験方法
加振台に各梱包ナシを口とプで固定
,振巾5Ⅲ
;振
動数毎分
600回,(10o.ュs)ュ加娠時画
30分,の条件で強常
U振動を与え
,後
26℃恒温槽内に
2日間静置―
開箱して損傷を調査した。
損傷判定は表面上のみを行ぃ
,鳥
取県果実農業協同組
合連合会の職員―
に依頼した。
第2表
振動実験 によるナシ果実の損傷 ナンの物的流通技術の改善に関する基礎的研究
I
梱 包 材 料 調査果数 健全果ull聰
傷果数 損傷内容(か 所) 押 傷 擦 傷P,S,Pパ
ック+P.Eシ
ーP.S.Pパ
ック十Po S,PシーP.S,Pパ
ック十 P,Eネ ット カルプパ ック十P,Eシー ト搬
椴卍
計
翠峨
卍
計
搬概
絆
計
搬
概卍
計
搬幡
卍
計
18 1818
54
18 18 18 5417
1818
53
18 18 1854
18
18 1854
15
10
530
13
15
836
12
14
16
42
25
15
747
18 31
26 23
16 25
60 79
21 50
26 52
21 29
68 131
18 1716
5118
18 1854
リ トナパ ック十PEシ
ー ト なお,設
定 の加速度 は2G(加
振台上)で
,こ
れは輸 送中発生す ると言 われ る最大加速度 に近 い値 である。 又,強
制振動時間30分 間 は約500 km輸送 に相 当する。6)実
験結果 (第2表)3.振
動 に関す る考察1)梱
包材のPSPパ
ックは慣行 の梱包材であるが, そ の各段の間に詰める緩衝材の差はほとんど認められなかった。2)現
在,リ ンゴの梱包 に用 い られ て い る複合 樹 脂 製 の リ トナ, カル プの 両 パ ックによるナ シの梱包は, 500c.p.m以 上の振動 に対 し緩衝能 力が急激 に低下 した。3)P.S,P.パ
ック梱 包では各段の間 にP.E(ポ
リェ チ レン)ネ
ッ トを用 いた もの が効果 があ り,シ
ー トよ り緩 衝能 力が高 いことが認 め られた。4)箱
内のナシの損傷 は3段詰中,上
段程 損傷が多 く, これは梱包材の充J真不足 のため箱内 に空間が出来,振
動 によるナンの移動 を防 げなかったため と考 えられる。5)リ
トナ,カルプ区での損傷の多発 はパ ックの肉厚 が薄 く,果
実個体相互 がぶつ か り合 って出来 た打撲傷 と 考 えられる。 摘要
1.果
実温度 と梱包方法,材
料では断熱性梱包材 を用 いた場合,そ
の通気性 に留意 しな くては内部 に熟が蓄積 され ること力湘 め られた。2.果
実重量減少率 と梱包材料 の間 に有意 な関係 は認 め られなかった。3.果
実重量減少 は梱包材の空隙率 に影響 され る。4.ナ
シ歪率 と各種梱包材の差 の関係 は,実
験後7日 日,■
日目及 び16日 目の値 を検定 したが各々危険率5%
水準 で有意差 が認 め られ,慣
行の ダンボール梱包 よ り成 形 スチロール箱 が歪率 力Ⅵヽさい。5,加
振 ナ シと無加振 ナ シ間の歪率 に危険率5%水
準 の有意差 が認 め られ,加
振 ダンボール梱包梨の歪率 が大 であった。6.梱
包ナ ンの振動 による損傷 は充1真不足 によ り多発 す ることが推測 された。7.品
質評価 の判定基準 としては歪率の応用 が妥当で あると考 えられ る。 文献
1)Gore H.C.i Changes in composition of peel and pulp of ripening bananas. 」.A=どc.Rθs.
3 187(1914)
(苫名 孝:果実 の生理
,養
賢堂,東
京 (1971)p. 212よ り引用)
4)
Q971)
星野茂雄
,豊
田 実 :緩衝包装設計ハ ン ドブック,日本生産性本部
,東
京 (19691 pp!58∼570′B■loぉ M., Gentry」 .P., and Gibson R.C.:
Vibrating tha― racteristics Of fruits as
related to in‐ transit i ury. T″ α,,. Иd/1E 8 241 (1965)(Mosenh N,N. : P/3ys JcrrJ
PTο,9T'力S οF P′α″ι a2b A,力屹αどM,ι9,'α′s,
GordOn and Bre― ach Science Ptlblishers,