151 輩⑥巻磯2骨(1954)
植物の分岐に関する研究1)
Ⅱ 日照度及び土壌の組成が構物の分岐に及ぼす影響
丑 コスモスの腋芽及びその伸長に於けるシスアム及
び規則性に.ついて
深城貞義†荻原略ニ Theinvestig・ationon thebranchingofplantsⅡTheinfluenceoflightintensity andsoiltextureupontheplantbranChing.
JKIThesystem andregularityin theshootingOfaxillary bud of Cbsmosb砂in〝alusL.
bySADAYOSHIFuK阜KIandREIJIOGIHARA
(LaboratOry Ofplant physiology andecology) (ReceivedJuly30.1954) Ⅱ 日照席及び土壌の組成が植物の分岐に及ぼす影響 さきに・著者等は植物の分岐(主として腋芽の伸長開始前後)を組緻粉末比重より考察したが,更に 続いて植物の分岐に対する環境嬰素として日照慶及び土壌の組成の影響妃ついて若干の笑散考察を行 ったのでこゝに凝集を報告する. (カ 実験方迭及び材料 植物の分岐状態を植物生理生態学的な見地から考察する意味に・於いて,穐物生育の主要な環境要素 と.して日照慶及び土壌組成の稜々の程度に対する分岐状態の変化を観察し調査を行った.日照慶の調 節には蚊帳地布わくを覆苦し,土壌ほ砂と粘土を静々の割合に混合して各経の土壌条件を準備した.
天一々こ・のような条件の下で植物の生育調査として,その草丈_(主茎長)枝長及びそれらの乾盈を測
定し,各条件下に於ける分岐状態の変化によって生ずる草型の数量的な表示について考察を試みた. 材料として用いた植物は木本のものとして,マメツゲ・ドゥダンツ、ジ ,串こ本のものとして,ヒメ ムカショモギ。センダングサ・キク・ハ、キヾである. (2)結果及び考察 §1日照度と植物の分岐 1.陽地苗と陰地苗の比較 先ず日照条件について簡単に,良い場卿こ生育しているもの(陽地苗)と.樹陰に.よる不良な場所に 生育している(陰稚苗)野生のヒメムカショモギとセンダングサの苗について調査を行った.陰地■苗ほ 陽地笛に.比しで一・般に軟易者であり,節問が長く,葉緑素に・乏しいなど,外見的特徴が当然存在する けれども,■之等の農型の差の数量的な表示のために,各区の植物の草丈(主茎長)と校長の総和即 ち伎全長■を測定して比較を試みた.この場合,両測定値からその比(枝会長/主茎長)を用いる七 とに.よって−之を分岐密度と名づける・一−・山屑両草型の比較を明瞭にすることが可能であらた(第 一義). 1)香川県立戯科大学植物生理生態学研究室業践第6号香川塀立農和犬学学術報告
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(第1表)陽地笛と陸地苗の比較 そのL ひめむかしよもぎ 苗 地 陸 相田 比 較 隣 地 測 定 個 体 数 4 】 5 1)枝全長を草丈で除したも その2付せんだんぐさ 空⊥旦」⊥⊥⊥竪 測 定 個 体 数 3 1 3 (第2表)昏々の日照皮下に於けるマメツゲの分仮の比較 その1.長さによる場合 即ち両区の苗を比較する場合 分岐密度を用いることが草丈或 いほ彼の金長を比較するより, 測定値の平均バリアンスが低く 求められることからより有効で あるように考えられる.従って 各特性借を比較検定する場合, 衆の如く分晩密度について始め てその差の有意性が明瞭になつ で来る.以下各表に・ある分妓密 麓1 度とはすべてこの意味である. 当然のことながら,陽地苗は 陰地苗に」比して草丈低く,枝仝 長が勝っている. 11各線の日照度下に於ける 分岐状態 日照度調節のために戯畷地1 重から5富までの布わくを覆書遠.l如遥もl。品】草丈(cm)
枝全長(Cm)l分肢密度 1.82±0.29 2..15±0.28 フ.フ7±0.63 37一′3±6..ユ. 44.5±6..0 208小0±9..6 20.5±0−3 20.8±0..5 2フ.0±1.、5 0..96±0.19 1.09±0.18 4.73±0小15 22“0± 5.2 2フ.3± 6..1 134..3±15..0 22.7±2.0 24.3±2.2 28..3±2..0 0.フ1±0.24 0.75±0.23 2.84±0.40 18.0± 5.3 ユ9.7± 5.2 81.7±13.2 26。0±2.0 26.6±2.7 29..0±3.0 0.75±0.08 0.92±0.12 2.59±0.55 18.フ±1.3 23.7± 3’.6 82.0±22.5 25,3±2.1 25.7±1.8 30り3±4.1 0.45±0.07 0.49±0り13 1.44±0.36 9.3± 2.9 9.7± 3.3 34..3±5.6 20.0±3.2 19.0±3.6 25.0±3.2 0.41±0.09 0.5〔;±0.20 1.33±0.3フ 9.3± 3.8 14.3± 7.4 38.3±1.4 21.3±3.8 22.0±4.0 2フ.7±2.3 1)各区の測定個体数は4 す革¢巻静2骨(1954) そ・の2.乾鼠によ′る場合 1 して,棟準区も含めて計6区を設定 し,マメツゲ・ハ、キヾ・センダング サ及びドゥダンツヾ少を用いて観顛を 行った. マ れた苗で実験を開由し′,1952年10月16
日,1953年3月2日及び同年6月13日
の三回に儲査を行った.最後の調叡羊 は之を抜き取り乾畳の測産も狩らた二 結果ほ第2表及び第1図の如く∴であるり 1.)一個体当りの平均乾盈 2)羊の場合は乾畳に・よる分肢密度 (第1図)∵てメツゲに於ける日照度と分岐状態 ‰ Lイー
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′ ふ ′ .一 (d)各日照度に・於ける乾畳による分 岐密度の比較 各区の日照慶の此較は1953年の夏期,晴天の日 を選びボルチンスキー・の照度計を用いて測定し, れネ卓上乙わ 冒 純 度 (C)各日照度忙於ける分岐密度の比較 棟準を100とした比較照度をもって図表作興をな した.先ずその主茎長は日照低下につれて伸長し,標準区の約30%程度の日照条件で最高を示すが,それ
以下の日照不足では急激に低下する(第1図a).このことは植物生存の限界日照度を示すものと考え香川県立盛科大串寧術報告 154 られる.枝全長は標準区を最高として日照不足につれて低下する(第1図b).しかしこゝで注意すべ きことは,蚊帳地1重わく顔葦と標準区との日照魔の間隔が開き過ぎていることから,枝会長の最高 が榛準区に・あると結論することほ,このマメツゲが陰樹であるノ串などから危険だと考えられる.むし ろこの図からでほ,その中間に最高点が存在すると思われる節が多分にある.このことについては彼 の考究に僕ち庇い. 次に分肢密度と日照度とは,この実験に.於ける区のとり方が妥当であると仮定すれば先金に比例的 な関係に.あり(第1.図c),この分吸物度と.日照慶の回帰係数を算出して見ると.,日時の経過(植物の 年齢の経過)と∴共に増大して来る. (第3表)種々の日照皮下に・於ける他の植物の分岐の比較 その1.キク 以ム 日照度調節 による外見草型の変 化に.ついでであるが, 実際の植物生育の 程度に.関して各区の 乾畳を此較しで見る と(第2表その2), 当然のことながら童 茎,枝及び乾畳に.よ る分岐密度共に榛準 区が最高で日照の不 足に伴い低下する. その2.ハ→キヾ 長 さ (cm)l 乾 盈 (g)
主茎l伎i分肢密度1重賞i枝
抽.1標 準 ムわ.2蚊帳地布わく(1重) ♪ゐ.3 〝 (2露) ヱⅥ).4 〝 (3畳) ∧わ.5 〝 (ノ4畳) 6 Mノ 9 1 9 4 6 3 ︵︾ 1⊥ 4 0 5 1ん 1⊥ 2 1 4 9 0U つム 0 9 4 7 4 ﹁ノ 9 5 1 ︵ロ 7 5 5 6 3 3 ユ..70 なお同様に・キク, ユ・・24 ハ→キヾについても 0・55 観察調査を行ったが 同様な緒論が得られた(第3表,第4表及び第2図).
しかし,ドゥダンツ、ジのみほ凝った結果が得られ
た.この材料はマメツゲと同一・条件に置かれたのである
が,主茎長のみは前述の諸材料の結果と・−・致するが,枝
会長,及び各乾盈従って分妓密度のいずれに澱いても照
度30%附近が最高を示した(第4表及び第3図)・ (第4表)種々の日照皮下に於けるドゥダンツ、ジ の分岐の比較 (第2図) キクに∴於ける日照度と草丈,枝 全長及び分岐密度 区 3β第6巻帯2骨(1954) 即ち日照慶30%から棟準までの間で前記諸材料と重く 逆の傾向を有し,これはドゥダンツ、ジが高い陰樹性の ために生ずる結果であると考えJられるが後日の研究に.供 ちたい. 155 才仏 ℃ \