香川大学農学部学術報告 第32巻 第2号125∼133,1981
山腹斜面の等価粗度に関する研究
鎌 田 萬EMPIRICALSTUDYON EQUIVALENT ROUGHNESS FORFLOOD RUNNOFF
Takashi KAMADAInstudying貝00dsonsmallcrriversorvalleysinamountainousaIea,1tisnecessarytodiscoverthemechanismfor anoverland魚owphenomcnonlcadingtoahyrologicmodel
AlthoughthemcthodofKincmaticwavehasbeendevelopedfbT thcelucidation oftheunderlyingmechanismof
thcrtlnOfrprocess,itprovideslittlcbasisfbrtheequivalcntroughnessN(m ̄1/8sec)fbrthemountainsidconthebasinTheauthorproposedamcthodofdeterminlngthcequivalentroughnessfbIthcmountainsidcbytheuscofstream
flowandrainfa11recordsobtainedatstationsinthebasinlThismethodislimitedtoareaswhicharesmallenough
SOthattheyaremeteorologicallyhomogcncous
HydologicdataareavailableontheprlnCiplefl00drecordsobtained atTonogawaDamand MaeyamaDamin
Kagawa,KagamiDaminKohchi,IshitegawaDamandTamagawaDaminEhime,KugaDaminOkayama,Oze− gawaDaminHiroshima,DaibohDaminYamaguchi,OhsakoDaminNaTa,andIkunoDamandHikiharaDam inHyogo TheICSultingvaluesofNarefbundtobcaboutOh4,0”3andO・20namOuntainousareawithhigheraltitude,long mountainside,andthickcoveroffbrest,OnamOuntainousareawithloweraltitudeandcoveroffbrest,andonamoun−
tainousaIeaWhichisnarrowandrocky,reSpeCtively
Thejusti丘cationfbrthcsomewhatrcmarkableconclusionsisbasedonthefえctthattheseresultsroughlycoincidewiththoseofhydraulicexperinlentSh Itishoped thatfbr designpurposes themethod consideredprovides abasis
fbrdeterminingtheequivalentroughnessfbr themountainsidethroughoutJapan
中小河川,および,渓流なと山地流域の洪水流出を研究するには,その流域の山腹斜面上を流れる雨水流の流出機 構を適確に把握することが必要である. この分野の研究については,近年,Kinematicwave法が進歩発展しているが,山腹斜面等価粗度は,まだ,全国 的を決定基準もなく,この分野の重要を研究課題となっているい 筆者は,この山腹斜面等価粗度の見出しについて,数年前より,集水面積の小さい,近年完成した防災ダム管理事 務所の水文資料,すなわち,ダム直上流の流入水位変化とその流域内の降雨盈を用いて解析する手法を提唱して重た小 そして,四国地方は,香川県の殿川ダムと前山ダム,高知県の鏡ダム,愛媛県の右手川ダムと玉川ダム,中国地方 は,岡山県の久賀ダム,広島県の小瀬川ダム,山口県の大坊ダム,また,近畿地方は,奈良尾の大迫ダム,兵庫県の 生野ダムと引原ダムの過去大出水時の水文資料を調査,解析してきたい そして,わが国において,山地流域の洪水流出解析に不可欠な山腹斜面等価粗度については,おおよそ,標高が高 く,山腹斜面長の長大な林相の良い山地流域はⅣ=0‖4m ̄り$sec,標高がやや低く,林相の普通の山地流域はⅣ=0.3 mTII8sec,流域が狭少,岩石露出の岩山域域はN=0.2m−1/8sec程度と考えてよいことを明らかにした. 一・方,山腹斜面等価粗度に関する従来の研究においては,永理実験をどが行われ,その催は,植生面上で,N= 03∼0.4m ̄1/8sec程度と発表されている.. したがって,本研究は,これら従来の研究の実証ともなるものと考察された. 今後,この研究が,わが国における山腹斜面等価粗度の全国的決定基準の−・資料となることを念願する、.香川大学鹿学部学術報告 第32巻 第2号(1981) 126 1ま え が き 近年の水災審における実態は,従前の水磐史に記されているごとき大河川の氾濫による災書とは異をり,急激に開 発されている地方都市周辺の中小河川の氾濫,および,その内水災亀 また,山地渓流の土石流災零が大部分を占め, その被害規模は,人・物的ともに,きわめて大規模をものとなっている. このことば,わが国の従来の治水事業が直轄重点主義であり,さらに,近年の過激を社会開発と相侠って,これら 中小河川,山地渓流の防災対策の遅れとなり,現在,あらためて,中小河肛 および,山地渓流の治山・給水車業の 促進が緊急,かつ,重大な社会問題とをっていることを提起している… したがって,本研究においては,これら中小河川,および,山地渓流をど小流域河川の治山・治水計画に不可欠な 洪水流出について研究することにした… この研究には,とくに,山腹斜面上の雨水流出,すなわち,U」腹斜面上を流れる雨水流の抵抗別に関する調査,研 究が必要であり,なかでも,この山腹斜面等価粗度に関する調査,研究恥現在,きわめて重要な研究課題となって lハる. 本研究においては,この山腹斜面等価粗度の解析につき研究することとし,その手法については,近年完成した集 水面墳の小さい防災ダムを選び,そのダム管理事務所の水文資料(ダム直上流の流入水位と降水盈)を用い,雨水到 達時間の解析は,電子計静機のディスプレイ装置を用いた新しい手法,また,山腹斜面等価粗度の解析は,Kinematic wave法に上述の値を用い静出できることを提唱した∩ そして,わが国における山腹斜面等価粗度の解析については,四国地方は,香川県の殿川ダムと前山ダム,高知県 の鏡ダム,愛媛児の右手川ダムと玉川ダム,中国地方は,岡山県の久賀ダム,広島県の小瀬川ダム,山口県の大坊ダ ム,近畿地方は,奈良県の大迫ダム,兵庫県の生野ダムと引原ダムの11ダムを選び,各ダム上流域の山腹斜面等価粗 皮は,上述の新手法を適用,解析し,従来研究してきた水理実験などの値との実証を図った・ 2 山地流域の洪水流出機構 2−1Kinematicwave法 雨水流,すなわち,表面流の流出は,山腹斜面上を流れる地表面流と河道を流下する河逆流に分類され,現在,こ れらの流出機構については,つぎの特性曲線式が研究(2)されている 1−P ガ=宣‡回‡:彗竿・Q(げ]■丁示 (1) ここに,Qは流盈,留(.g)は流路単位長当りの横からの流人盈(時間の任意関数),方は距軋fは時間であって, 流れがManni喝の抵抗別に従うものとすると, 貼‡花(Sin町1喝2′さド,ク=品である・ この場合,乃は流路の粗度係数,Sin♂は流路の勾配,&およびgは径深と流水断面との関係定数である このうち,地表面流の伝播については,式(1)を変形して,つき−の関係式がえられている・ l一夕○
ガー∈=毒Ji潮:」客車ポ,で可丁
矩(品)PD
(2)ここに,qOは単位幅当りの流盈,Ⅰ・βは過剰降雨,Ⅳは等価粗皮,Sinβは山腹斜面の勾配・また,山腹斜面上流
端∈=0から距離.£までの地表面流の伝播時間よ一丁は,式(2)より, 1−タ0 軸足o☆=i:dsii:r・e(之)ヰ耳 (3)鎌田 萬:山腹斜面の等価粗度に関する研究 127 を満足するものとして与えられる. したがって,この地表面流の伝播時間については,伝播時間中に降雨が常にあるとすると,つぎの式で求めること ができる goエ㌃o r仇p トpo (4) f8=£−で= つぎに,河道流の伝播時間についても,おなじく,つぎの式とをる fe=・ (5) すなわち,地表面流の伝播時間については,その式は,山腹斜面の等価粗度入〔山腹の平均傾斜角β,山腹斜面長 Lo,伝播時間内の平均有効降雨強度γ如の関数となっており,これらの偲が,すでに測定されていると,この借は, 容易に欝出することができる.. しかしながら,山腹の平均傾斜角,斜面長,平均有効降雨強度については,その値は,地形図,および,降雨資料 から容易に求めることができるが,山腹斜面の等価粗皮についてば,山腹の地形,地質,および,植生状態など諸条 件で,かなり異なる値とをるものと思われるい そして,現在,この値については,全国的に決定基準もをく,地表面流の研究には,この山腹斜面等価粗度の調査, 研究がこの分野の重要な研究課題となっている したがって,本研究においては,わが国の各地形特性に対応した等価粗度の定数化を図ることとした.. 2−2 雨水到達時間の解析 i)理論的方法 最大流盈と雨水到達時間の関係については,石原・高梓は, Kinematicwave法から,理論的にその発生条件について研究・ 発表(1)している. すなわち,山腹斜面にFig,、1のような有効降雨工・8があったと き,下流端で液大流盈が現われるときには,政大政盈を発生する 降雨部分に対応する特性曲線の伝播速度は,股小であって,しか も,最大流盈を発生する特性曲線の出発時刻Tpと到達時刻らと における有効降雨強度は等しくなければならない rp tp Fig1lRelationoftp。andr。 この条件は,Fig.1に示すとおりであって,さらに,次の関係式が成立する…
′−‥=′ご、・・=、,
恥=エ0・r・肌p (6)ここに,gpは鰍流鼠矩(品)Po
エ。は斜面長,rmp=了 ±㌻i:; r・8dfである・ 以上の式は,地表面流の雨水到達時間f卯と有効雨盈強度7如の関係式である つきに,河逆流を考えたとき,雨水の漢床流人時間ち¢については,渓床における叔大流盈の発生時刻は,河道流 域を直方形と仮定す−ると,下流端の最大流盈の発生する時刻から河逆流下時間の1/2時間,前の時刻となり,ち,¢は, また,式(6)を用いて,おなじく算出することができる− す夜わち,理論的方法とは,この発生条件を用いて雨水到達時間を静定する方法である. ii)実測雨盈と水位による方法 雨水流出の追跡については,筆者は,集水面硫が小さく,管理設備が近代化している近年完成した防災ダムを選定 し,その現地実測資料(ダム上流の流入水位変化と降雨盈)を用いて解析する手法を提唱(¢)している.. すなわち,降雨が山頂から水位観測所までの雨水到達時間の解析については,水位観測所の水位変動記録が顕著に 現われたピ・−・ク時刻を基準とし,降雨は,その前後の降雨資料を用い,各単位時間ごとに,平均降雨強度を求め,降香川大学虔学部学術報告 第32巻 第2号(1981) 128 雨強度変動図(時刻一降雨強度図)を解析する“そして,降雨到達時間の推定については,時間は,この降雨強度変 動図と水位変動図が相似する単位時間を見出し,この時間を雨水到達時間とする手法である この解析については,聾者は,香川大学FACOM6234Aディスプレイ装置とそのFACOM6876Cハ・−ドコピr 装置を用いて解析する新手法を採用した 上述の手法は,地表面流のみを考えたときのものであり,ダムの集水面培が広大になると,当然に河道区間も長大 とをり,雨水到達時間については,渓床への流人時間と河逆流下時間に区分して解析することが必要となる. すなわち,山腹演床から水位観測所までの河道流下時間の推定については,石原・小葉竹は,河道系における洪水 の合成過程において,洪水時には,ほほ一局の伝播速度で流豊が下流方向に伝播すると報告(さ)しているので,河造 の平均流速は,水位観測所における水位一流速曲線を解析し,これを適用,解析する手儀を採用した Fig“2は,奈良県の大迫ダムにおける昭和51年9月12日,14時前後の筏場水位観測所の洪水流出について雨水到達 時間の解析を香川大学FACOM6234Aディスプレイ装置とそのFACOM6876Cハードコピ、−・装置を用いて解析し たものである.
OHSAKODAM(S510911)
OHSAKODAM(S5109“11) OHSAKODAM(S5109.11)TB=60MIN RMP=35O TB=120MIN RMP=33,O TB=180MIN RMP=27.0
29 40 28 36 27 32 26 28 25 24 2 4 20 2 3 16 22 12 2.1 8 20 4 29 40 28 36 27 32 2 6 28 25 24 24 20 23 16 22 12 21 8 2 0 4 ,2 9 28 2 7 2.6 2 5 2−4 2.3 22 21 20 40 36 32 28 24 20 16 12 8 4 2022 0 2 4 6 810121416】820220 (C) 】9212313 5 7 911131517192123 (b) ld2022 0 2 4 6 8101214161820220 (a) OHSAKO DAM(S51.09.11) TB=240MIN RMP=22.3 OHSAKODAM(S5109.11) OHSAKODAM(S5110911)
TB=300MIN RMP=20√O TB=360MIN RMP=167
29 40 28 36 2 7 32 26 28 25 24 24 20 23 16 22 12 21 8 20 4 29 28 2 7 26 25 2 4 23 22 21 2,0 40 36 32 28 24 20 16 12 8 4 28 36 2 7 32 26 28 25 24 24 20 23 16 22 12 21 8 20 4 212313 5 7 911131S171g2123 (d) (e) (f)
Figい2.naceofrunofrfi・OmrainfallfbrtheOhsakoDamdatarecordedonSeptembeIll,1976:(a)Tゝ=60;
(b)Tβ=120;(c)7ち=180;(d)7ち=240;(e)7ち=300;(り7ゝ=3弧鎌田 萬:山腹斜面の等価粗皮に関する研究 129 これら図面については,降雨は,大台ケ原雨盛観測所の資料を用い,単位時間は,1時間から6時間までに変化さ せ,それぞれ単位時間の降雨強度変動図と水位変動図は,同時にコピ・−とをり,ただちに,雨水到達時間を見出すこ とができるものである. すをわち,この洪水流出の14時における雨水到達時間については,これらの図面により時間は,4時間,降雨強度 は,22.3mm/hI・と解析することができる 3 山腹斜面等価租度の解析 3−1調査対象ダム 調査対象ダムについては,集水面頓が比較的小さい,近年完成した防災ダムを選定し,その資料は,各ダムの過去 大出水時におけるダム直上流の水位観測所の水位と,その流域内に設置されている雨盈観測所の降雨蕊を調査,解析 することにした. そして,四国地方は,香川県の殿川ダムと前山ダム,高知県の鋭ダム,愛媛県の右手川ダムと玉川ダム,中国地方 は,岡山県の久賀ダム,広島県の小瀬川ダム,山口県の大坊ダム,さらに,近畿地方は,奈良県の大迫ダム,兵庫県 の生野ダムと引原ダムの11防災ダムを選び調査した. 3−2 雨水到達時間の解析 各地方の各ダム過去大出水時における雨水到達時間の解析については,ダム直上流の水位変動記録とダム流域内の 時間降雨盈記録を調査,採用し,ダム流域の佼遠地点からダム流入水位観測所までの雨水到達時間の解析は,前述の 実測雨盈と水位による方法を用い,また,ダム上流域,山腹斜面の渓床への流人時間は,水位観測所の水位一流速曲 線より河道流下時間を求め,解析することにした. そして,これらの解析結果については,TablelよりTable4に示すとおりのものとなった. 3−3 等価粗度の解析 各ダム上流域山腹斜面等価粗皮の解析については,上述の渓床流人時間とその降雨強度の値,さらに,地形条件は, 建設省地理院発行の1/50,000地形図より,ダム上流域山腹地形条件を充分に調査,解析し,山腹斜面長が長大,かつ, Tablel‖ Rainfall−arrival−timeandequlValentIOughness,Kagawa・ rainfall.arrival_time stream一点ow−time
冤罪霊慧comments
date timerainfえ11 aTrival− St工eam一 旦ow・・ intenslty timc flowstage time
hI m−1/8sec mm/hr bI Cm Tonogawa Dam Sep..30,19J79 22:40 0ct.19,1979 9:40 Sep.11,1976 21:00 Sep11,19J76 8:10 Sepり12,1976 0:20 Aug.23,1975 4:20 ハJ 6 8 3 9叫 2 11O l 1 1 0 0 0 0 0 0 2 2 2 1 2 2 3 0 0 8 2 3 6 9 5 ︻hJ 3 6 6 5 7 4 8 5 2 1 1 1 0 0 0 0 0 0 エβ=1..5g∬ sinβ=0.26 〇 鼠 Q小 3 ワト 0 4 4 1 0 2 ■hJ こJ −小一L O 1 nつ 6 8 ハJ ウー2
Maeyama Dam
Sep,30,1979 20:00 0ct.19,1979 9:20 Sep.11,19−76 9:40 Aug‖23,19‘75 3:10 6 4 6 .1 1“2 2 2 1 6 1 1 3 ︵ソー 3 3 0 0 0 0 エ8=2..Og∬ sinβ=0.22 9叫 ∩心 0 0 0コ 9 1 6 7 1 2 3 ,L 2 2 2 7 ■hJ 7 2 1 1 1 2 6 3 1 2 5 6 9 1 0 0 0 0 l l l 1香川大学農学部学術報告 第32巻 第2号(19飢)
Table2。Rainfall−arrival−timeandequivalentIOughness,ShikoknlI 130
Iainfall_arrival_time stIeam−80W−time
inlet−time
ofsurface equlValent comments
date time
Iainfall arrival− StICam− flow− n。W rOughness
intensity time flowstage time
mm/hr hr cm hr hr m ̄1/8sec l−5..2 3.5 273 0.6 2.9 0.26 14い0 4.5 172 1.1 3い4 0“32 14い8 4.0 186 1.0 3.0 0い27
Ishitegawa Dam
Sepい11,1976 17:30 Aug.17,1975 20:30 Jun..27,1973 5:30 エβ=2、0れ好 sinβ=017Tamagawa Dam
Sep.12,1976 22:30 A喝.17,1975 11;10 0 4 3 2 〇.〇. エβ=1‖5∬∬ sinβ=0.29 0 ︻hJ 仁J 6 3 2 α L QU O ︻J 5 0 にU nu ︵u 3 3 2 2 .5 .5Kagami Dam
Apr18,1979
May 8,1979
0ct.19,1979 Jul…13,19L78 Aug.3,1978 Sep巾11,1977 Sep.10,1976 Sep.11,1976 A咽い17,1975 Sep‖15,1972 エβ=2.0∬〟 sinβ=0.27 7 7 こJ O−J 7 7 5 9 2 2 2 2 2 2 3 2 112 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 9 2 0U 3 1 6 8 ︻hJ 8 4 3 3 3 3 3 3 2 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 ■〇 〇 4 4 4 3 4 6 4 2 2 3 3 2 2 3 2 2 3 5 4 3 0 9 8 5 9 2 0 0 6 7 4 ウJ 4 1 7 2 6 5 2 5 1 1 1 L一1 2 1▲ 0 0 0 3 3 5 0 3 3 3 5 6 8 0 2 5 0 0 3 0 0 8 0 5 3 0 7 8 7 0 L 4 6 2 2 2 4 1 2 6 4 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 5 7 0 3 6 5 1 9 0 2 1 2 Table3.Rainfall−arrival−timeandequivalentroughncss,Chugoku巾 Iainfa11_arrival_time stream一点ow−time inlet_timeOfCe
datetime rain以1ar!ival− Stream− flow− …だミニ:蒜 i
ntenslty time aowstage time
hT m−り8sec mm/hI hT Cm bT Kuga Dam Apr..14,1976 11:00 Sepい10,1976 9:00 Sepll,1976 18‥00 Jul..14,1975 10:00 Aug..6,1975 15:00 4 1 0 4 3 3 3 3 3 3 0 0 0 0 0 エβ=2,0∬ガ sinβ=016
6 5 7 8 3 8 0 1 6 6 1 3 2 1 1
1 0 ■L tL l▲ 3 9・J 4 4︰ 4 ウ一旦 4 2 7 6 9 6 6 nO −︺ nO 9叫 0 6 6 8 り上 8 6 3 i 6 ﹂丁 0 5 0 0 0Ozegawa Dam
ApI.28,1977 3‥00 Sep.13,1976 9:00 At唱..1」7,1975 23:00 ApI.16,1973 2;00 nO 3 4 1 3 3 3 3 0 0 0 0 エβ=2lOJr∬ sin♂=0い06 3 ⊥. 6 3 0 4 5 6 2 3 2 1 1 1 1 1 6 0 3 8 544 5 4 0 7 2 ー▲ OU 3 ︻J 2 0 4 9 1 2 10 0 0 0 7 5 6 7
Daiboh Dam Jun.、11,1978 5:00 At唱.24,19‘77 1」7:00 ApI。29,1976 7:00 Julい13,1975 6:00 JuL17,1974 23:00 エβ=2.Og∬ sin♂=0い11 8 8 8 9 8 33.3。L 4 3 2 3 2 3 0 0 〇〇 〇 7 9 2 9 dT 2 2 2 ■1 2 0 0 0 0 0 0 9↓ 月 0 4 一∴ ウi 4 7 8 1 1 1 6 4 4.4つん 5一 0 0 0 0 07 6 8 2 8 5 8 9 9 2 1 1 1 2 1
鎌田 萬:山腹斜面の等価粗度に関する研究 Table4。RainfalトarrivaトtimeandequlValentroughness,Kinki 131 rainfall_ar貢vaトtime stream一点ow−time in1et…time
0土Ce
date
tirne rainfallarrivalq stream−
nOW− 呂豊㌫扁忘
intenslty time flowstage time
m−1/$sec mm/hr hr cm hr bT Ohsako Dam Jun,.23,1978 11:00 Junい25,1977 7‥00 Sep.10,1976 12:00 Sep.12,1976 14‥00 Aug′18,1975 6:00 Augh23,19J75 0:00 Aug.26,19J74 3:00 Sep..1,1974 23:00 4 7 2 2 8 0 3 1 つJ 3 nJ 3 ウJ 一寸 ・寸 3 0 0 0 0 0 0 0 0 エβ=3..5g∬ sin♂=0い22 3 ∩∠ 6 6 6 ワ′−〇 6 ︻ユ う ウ← 3 ま 2 4 2 6 0 7 1 0 0 2 8 3 2 7 8 6 0 3 9 1 1 2 2 3 5 2 3 0 0 0 0 0 0 0 0 ︻J O心 4 4 4 3 5 4 0 0 0 0 0 0 0 0
664443.5.3.
3 2 7 3 3 3 2 7 9 L 2 2 9 6 0 8 1 2 2 2 6 2 4 Ikuno Dam Jun29,1979 13:00 Sep…16,1978 2:00 Nov,17,1977 1:00 Sep.10,19L76 18:00 Sep.12,1976 10:00 Augい23,197−5 11:00 Sep・・9,1974 10:00 エβ=3.0∬∬ sin♂=0.07 2 3383 0 ∩“0 α 0 0 0 1 ︻.〇 2 4 00 食J 7 3 1 3 0 2 5 5 1 2 1 2 1 1 1ト O O O O O O O 6 4 6 4 6 5 EJ EJ 4 6 6 の0 6 ︻ユ 4 6 4 6 4 5 5 0 0 0 0 0 0 0 6 ︻b︻/ ワト 9 7 6 り4 0 0J 9 nJ 7 8 5 9 ウJ 3 7 1 0J ■1 2 1 1 1 1 HikihaIa Dam Sep.16,1978 2:00 Nov.17,1977 1:00 Sep.10,1976 11:00 Augい23,19715 4:00 Sep9,1974 10:00 Jun… 8,1972 7:00 Jul小12,1972 0:00 Jul・23,197117:00 Aug.21,1970 21:00 0 6 9 0 2 3 7 0 8 4H ︵J 4 4 4 の∂ 3 4.のJ O O O O O O O O O エβ=4、.・5g∬ sinβ=0.13 8 9 1 9 8 4 7 1 7 0U O 2 0 7 5 9 ハ0 7 1 1 2 1 1 1 −▲ 1 2 ︻′ 0 6 0 8 9 7 7J ︵烏 O l上 O L O O O O O 5 7 ︻∴ 8 7 6 6 6 5 3 〇 4 0 ワ舟 9叫 9 9 2 6 7 9 6 2 5 0 4 9 2 3 4 6 2 2 1 1 1 1 1 1 2 6 8 8 9 8 7 7︰−√ 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 勾配が緩勾配,また,その面積比重が山番高車地形条件を見出し,山腹斜面長と山腹勾配には,この倍を採用し,解 析はKinematicwave法を用い解析した この解析結果については,TablelよりTable4に示すとおりのものとなった すなわち,四国地方の山腹斜面等価粗皮については,香川県の殿川ダムはⅣ=0い18∼0・23m叫8sec,前山ダムはⅣ= 0.26∼0小31m−1l8sec,高知県の鏡ダムはN=0.28∼0.41m−1/8sec,愛媛県の右手川ダムはN=0.26∼0.32m−1/8sec,玉 川ダムはN=0.24∼030m−1/8sec,中国地方においては,岡山県の久賀ダムはN=0.30∼0。34m−1/3sec,広島県の小瀬 川ダムはⅣ=0.31∼0.38m−1/3sec,山口県の大坊ダムはⅣ=0.29∼0.37m ̄1/8sec,また,近故地方においては,奈良県 の大迫ダムはN=0.31∼0.43m−1/3sec,兵庫県の生野ダムはN=0一31∼0.,43m−1/8sec,引原ダムはN=0.33∼0..49−1I3 m−1J8sec程度であることを明らかにした. すなわち,わが国の山腹斜面等価粗度については,その億は,山地流域の地形,地質,林相をどで,わずかに異を るが,おおよそ,Ⅳ=0.3∼0.4m ̄1/8sec程度であることを明らかにした香川大学農学部学術報告 第32巻 第2号(1981) 132 4 等価粗度についての考察 山腹斜面等価粗度の解析については,その手法は,ダム地点の水文資料を調査,解析し,さらに,Kinematicwave 法を適用,実施した。. その結果,各ダム上流域の山腹斜面等価粗皮の平均値については,香川県の殿川ダムはⅣ=0い21m−り8sec,前山ダ ムはN=0.30m−1/8sec,高知県の鏡ダムはN=0.35m ̄1/3sec,愛媛県の右手川ダムはN=0‖28m−1/8sec,玉川ダムは N=0.27m−1I8sec,岡山県の久賀ダムはN=0“32m ̄1/3sec,広島県の小漱川ダムはN=0.34m−1/3sec,山自県の大坊 ムはN=0。32m−1/Bsec,奈良県の大迫ダムはN=0.36m ̄1l8sec,兵庫県の生野ダムはN=0.37m−1/8sec,引原ダムは Ⅳ=0−.39m ̄1/8secの倍と孜った, これらの値を考察するに,殿川ダムについては,このダムは,香川県の小豆島に設置されているダムで,流域南街 が約3Km2と,きわめて狭少,また,地形が急峻,地質が岩石露出の岩山であるので,その等価粗度は,Ⅳ=0け2 m ̄1/a sec程度と小さい倍となったものと思われるn つぎに,前山ダムと右手川ダム,および,玉川ダムについては,その流域は,いづれも,瀬戸内海に面し,山頂分 水嶺の標高が1,000m以下と,それほど高くなく,林相も普通と思われる山地であるれ したがって,その等価粗度は, Ⅳ=0。3m」/きsecに近い値となっている‖ 中国地方の久賀ダムと小敵川ダム,および,大坊ダムについては,その流域は,いずれも標高が1,000m以上の中 国山脈に分水嶺をもち,林相もやや良好であると思われる山地である.したがって,等価粗度は,四国地方の瀬戸内 海例の山地より,やや高いⅣ=0…3m叫8secを少し上廻る値となっている. つぎに,高知県の鏡ダムと奈良児の大迫ダム,兵庫県の生野ダム,引原ダムについては,流域は,いづれも,標高 が1,300∼1,500mの連山を分水嶺とし,山腹斜面長も長大,また,降雨畳も全国的に多雨地域,よって,林相が, きわめで良好を山地を呈しているので,その等価粗皮は,一層大きいⅣ=0.4m ̄1/8secに近い値となったものと考察 された巾 つぎに,各ダムにおいて,等価粗度の備を変化させたとき,渓床流人時間への影響について考察することにした.. この結果については,Table5に示すとおりとなった. まず,等価粗皮の値については,各ダムの調査,解析の平均値を採用したとき,各ダムにおいては,渓床流人時間 の偏差平均値は,いずれも,002∼0−09となり,その最大値でも1割以内と,かなりの精度をもっていることを明ら かにすることができた.. Table5.E駄ctsoftheequivalentroughnessontheinlet−timeofsurfaceflow. equivalcntroughness eqユValentroughnessandinlet−timeofsurfaceflow inlet−time ofsurfaceflow rB damname
mean mean maX. maX小
N deviation N deviation N deviation
m−1/8sec m−1/3sec m−1I8sec
8 8 9 7 3 7 3 1 0 〇 1 0 1 〇 1 ﹂
0 0 α 0 0 0 0 0
一+一+ +一一一 9 2 ■hJ ノー 7 3 3 5 6 6 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 00 0 0 0 0 〇
0 0 0 0 0 0 0 0 2 3 3 3 3 3 3 3 TonogawaDam 14104 Maeyama Dam l.73 KagamiDam 16」・42 IshitegawaDam 18.93TamagawaDam 13”63
K喝aDam 19い26 0zegawaDam 254−7 DaibohDam 21−48 0bsakoDam 24‖73 IkunoDam 31−51 HikihaIaDam 33.6l 1 0 5 0U 7 2 4 2 6 7 9 2 QJ 3 2 2 3 3 3 3 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 +0い20 4▲ 4..4 0 0 0 + + + 0 0 0 7 6 1鎌田 萬:山腹斜面の等価粗度に関する研究 133 っぎに,等価粗度をN=Ol2m−1/8sec,N=03m−1I3sec,および,N=0”4m−1I3secと仮定したとき,各ダムの渓床 流人時間の長大偏差は,Table5に示したごとく,007∼0…20となり,最大偏差でも2割以内になることも知ること ができた。 したが・つて,わが国において,山地流域の洪水流出解析に不可欠を山腹斜面等価粗度については,おおよそ,標高が 高く,山」腹斜面長の長大な林相の良い山地流域はⅣ=0・4m−1/8sec,標高がやや低く,林相の普通の山地流域はⅣ=0・3 m−118sec,流域が狭少,岩石露出の岩山流域はN=0…2mMl/8sec程度と考えて良いことも明らかにすることができた・ 従来,この山腹斜面等価粗度の研究に関しては,水理実験などが行をわれており,その値は,植生面上で0・3∼0・4 m−り$ sec程度∴また,河川の粗度係数に較べか−ダが一席大きい程度と発表(2,8)されている1 したがって,本研究は,これら研究の実証ともなり,また,わが国の各地形特性に対応した定数化を図ることがで きたものと考察された. 5 ま と め 本研究においては,中小河川,および,山地渓流をど小流域の洪水流出桟橋に閲し,とくに,山腹斜面等価粗度の 解析について,四国地方と中国地方,および,近敵地方の11箇所の防災ダムを選び,水文資料は,それぞれのダムに おける過去大出水時の資料を調査し,それぞれの雨水到達時間と降雨強度の解析については,香川大学FACOM6234 Aディスプレイ装置とそのFACOM6876Cハ・−ドコピ1−・ 装庶を用いた新手法を適用,また,山腹斜面等価粗度の解 析については,上述の値にKinematicwave法を適用,解析した.