3 奥山正司教授は、2017 年 3 月に定年退職されました。先生は、2000 年 4 月、 現代法学部の創設とともに現代法学部教授として本学に着任され、以後、17 年 間にわたり本学の教育と研究に寄与してこられました。その間、現代法学研究科 委員長、図書館長、史料委員会委員長、学長候補者推薦委員会委員長、教員資格 審査委員会委員長を歴任されるなど、全学ならびに現代法学部、現代法学研究科 において本学の発展に大きく貢献してこられました。また学校法人東京経済大学 の評議員ならびに同評議員会副議長も務められ、法人経営においても重責を担っ てこられました。 奥山先生は、中央大学文学部を卒業後、成城大学大学院文学研究科日本常民文 化専攻修士課程・博士課程において学ばれ、さらに一橋大学大学院社会学研究科 社会問題・政策専攻博士課程に進まれて、研究を深めてこられました。この間、 東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)において研究に 従事されたほか、大学院修了後は、十文字学園女子大学教授として福祉社会学、 老年社会学等を中心に講じておられます。そうした教育・研究の経緯から、本学 では、「高齢者福祉と法」を中心に福祉分野の諸科目を担当してこられました。 こうしたご経歴にみてとれるように、先生のご研究の関心は一貫して高齢者の 生活環境と福祉政策に向けられ、この分野において多数の著書・論文を世に問う ておられます。2009 年に上梓された『大都市における高齢者の生活』は、先生 のそうした研究活動の注目すべき成果のひとつです。また、2013 年 12 月には 「高齢者家族の福祉社会学的研究」で博士の学位(社会福祉学)を取得しておら れます。他方で、デンマークを中心に諸外国の高齢者のおかれた環境と政策にも 目を向け、調査研究をとおして学術交流を深めるとともに、海外で開催の国際学 会、国際シンポジウム等への招聘にも積極的に応えるなど、国際比較の視点を重 視して研究の射程を広げてこられたことも、先生のご研究の大きな特徴です。 奥山先生は、学会ならびに社会においても多大なる貢献をしてこられました。 具体的には、日本老年社会科学会をはじめ、日本社会学会、日本社会福祉学会、
奥山正司教授退任記念号の発刊に寄せて
現代法学 34 4 米国老年学会、日本家族社会学会、日本村落研究学会、日本地域福祉学会、日本 地域社会学会、家族問題研究会、福祉社会学会、日本応用老年学会など、多数の 学会において、役職を務めながら精力的に活躍しておられます。また、高齢者の 自治的活動を表彰する農林水産省の審査会への参画や、地方自治体の介護保険運 営協議会への参画など、国と地方の両レベルにおける実務への専門研究者として の貢献にも大きなものがあります。 本学における長きにわたる教育と研究にひとつの節目をつけ、自由に時間をご 使用できるようになった今、健康に留意され、ますますご活躍されますことを心 より祈念いたします。 2017 年 12 月 4 日 現代法学部長 羽 貝 正 美