1
論 刻 UDG :532.
526 日本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 報 告 集 第404 号・
1989 年 10月境
界
要素法
の
破 壊 力学 問題
への
適 用
一
J
積 分法
に よる応 力拡 大
係
数
の解析
一
正 会 員 正 会 員 正 会 員村
岸
平上
谷
居
孝
孝
聖
*_
* * 之* * *1.
序 論 線 形 破 壊 力 学が成 立する小 規 模 降 伏 状態の下で は,
応 力 拡 大 係 数が き裂 進 展の有 用なク ライテ リ オン で あり,
構 造 工 学で は脆 性 材 料の破 壊 現 象 を記 述 する ために利用 さ れて い る。
そ の際に, 実 用 問 題にお ける任 意の境 界 条 件の下での応 力拡 大 係 数 を精 度 良く求める こと が重 要な 課 題 とな る。
筆 者の一
人は,
静 弾 性 問 題へ の境 界 要 素 法 の適 用 性に関する一
連の研究 を通して, 特に重ね合わ せ の原 理に基づく間 接境界要素 法の開 発 ならびにその有 用 性 を 既に報 告して い る1)・
2)。
また,
二 次 元 静 弾 性 問題 を 対 象と する間接 境 界要素 法プロ グラ ム (一
定 要 素 を用い たもの は既 報3り に 」積 分の数 値 計 算 サブルー
チンを組 み込み,
精 度 良く簡 便に応 力 拡 大 係 数を評 価 すること が で き る手 法を活 用 し て,
コ ン クリー
トの ひび割れ進 展 機 構の解 明に そ の結 果 を応 用して いる4)”
6) 。 応 力 拡 大 係 数の解 析には,
種々の方法が あ る が,
理論 的 解 法に より応 力拡 大 係 数の厳 密 解が求め ら れ る問題 は 非 常に限ら れてお り,
コ ンピュー
タに よる数 値 解 法が,
こ の分 野において も近 似 解 を求 める ための強 力な手 段と なっ ている。
その う ち で, 有限要素法は, 理 論 的 基 礎や 実用面での応 用 範 囲の広さ などの点で す ぐれた数 値 解 法 であるが,
き裂 問題に関して は入 力の手 間 や計 算 時 間な どの経 済 性や精 度 面で境 界 要 素 法に比 較し て劣る もの と 考え られる。
また,
西 谷に よっ てき裂 問 題 を対 象に開 発 さ れ た体 積 力 法は,
重ね合わ せの原理に基づ く解 析 方法 の一
つ であ り,
き裂 部 分の応 力の特 異 性に対応 し た体 積 力の分 布を用い るこ とによ り,
非 常に精 度の 良い応 力拡 大係数を求め ること が可能で,
種々 の問題に適 用さ れ て その 有 用 性が 認 め ら れて いる7 )・
S }。
し か し,
体 積 力法に 代 表さ れ る重ね合わ せの原 理に基づ く従来の方法は,
変 位の解 析が含ま れて いないので,
変位で与え ら れ た境界本 論 文は
,
J。urnal 。f the Faculty。f Engineering,
しhe University』
QfTokyo (B}
,
Vol.
37,
No.
3,
1984〔東京 大学工学部紀要 }に発表し た。
* 熊 本 大 学 講 師・
工 博 II 日本 大 学 教 授・
工博 (東 京 大 学 名 誉 教 授 ) U * 大分 大 学 教 授・
工博 (19S9 年 2月16日原 稿 受理,
1989年 7月19日採用決 定 ) 条 件 を含む第2種 ある い は混 合 境 界 値 問題に適用でき な かっ た。
本 研 究にお け る解 析 方 法は,
いずれの境 界値問 題にも適用でき,
例えば異 種 材 料の接 合 面にお け る残 留 応 力の解析などに実績が ある9)・
1°) 。 本研 究で は,
有 限 要 素 法 を用い たき裂 解 析 手 法を境 界 要 素 法に応 用し,
任 意 境 界 条 件の き裂 問 題の解析 例を通 じ て,
そ の有 用 性を明ら か にする。
2.
き裂 解 析 手 法 き裂 先 端の特 異 性 を特 別に考 慮 して いない通常の数 値 解 法を用い た き裂 解 析 手 法に は,
直 接 応力法,
直 接 変 位 法,
全エ ネル ギー
法,
」積 分 法などが あ る11)。
こ こ では 境 界 要 素 法を用い たこれ らの手 法の適 用につ い て,
以 下 で具 体 的に説 明する。
2−1
直 接 応 力 法および変 位 法 応力拡大係 数で表示さ れ る き裂 先 端 近 傍の応 力あ るい は変位の近似式に,
数値解析によっ て求め られ た応力 あ るい は変位の計 算 値 を 直接 代 入 することに よ り, 応 力 拡 大 係 数の近 似 値が求め ら れ る。 ただ し, き裂 先 端 近傍の 応力ある い は変位の計 算 値は,
き裂 先 端の応力の特 異性 により一
般に精 度の悪い のが 普 通であり, 本 解析方法 も その例 外ではない。
そこで,
種々 の き裂 先 端か ら の距 離 r の点につ い て求めた応 力 拡 大 係 数の値を r− O
に 直 線 外 挿 する ことに よ り,
精 度の比 較 的に良い解が得ら れ た。2.
2
全エ ネル ギー
法 ひずみエ ネル ギー
解 放 率G
は,
き裂が微 小 面 積dA
だ け進展 す る と きの ひずみエ ネル ギー
の変 化 をdU
と す れば,G
=一
∂U
/∂A
(変位一
定 ),
∂U /∂A (外カー
定 ) で あ り, ま た応 力拡大 係数K
と次式により関 係づけら れ る。K
=VE
’:Z
;…………・
…・
……・
…・
………・
…
(1) た だ し,E
’
=E
/(1−
v2) (平 面ひずみ状 態 ),E
(平面 応力状 態 ),E
;ヤング係 数,
レ;ボアソ ン比。
そこ で,
わずか に異な る き裂 長さ につ い て ひずみエ ネル ギー
の変 化 を計 算 し, ∂u
/∂A
をAU
ノムA
と し て差分 近似に よ り求め れ ば,
式 (1)か ら応 力 拡 大 係 数が得られ る。
そ一
25
一
NII-Electronic Library Service の 際に
,AA
をで き る だ け小さ く す る 必要が あ る が,
そ れに よ りひずみエ ネルギー
の変化も小さ く な るの で,
数 値 計 算におい て有 効 数 字の桁 落ちに よ る誤 差が無 視でき な く な る。 そこ で,
種々 のAA
に対 して応 力 拡 大 係 数 を 計 算し,AA
一・
Oに直 線 外 挿す ることに より,
精 度の 良い解 が 得 ら れ た。
ま た,
ひずみエ ネル ギー
の計 算は,
境界要 素 法で は ひずみ エ ネル ギー
密 度を領 域 全 体にわ たっ て積分 す ること が で き ない の で,
外 力 仕 事 を計 算 す る 方法に よっ た。
2.
3J
積 分 法Rice
に よっ て導 入 され た」積 分は,
線 形 弾 性 体にお い て ひずみ エ ネル ギー
解 放 率に一
致す ること か ら,
次式 で定 義され る 」積 分 を 数 値 計 算す ることに よ り,
応力 拡 大 係 数 が 求められ る。・
一
ル
・y−
T・
審
・・)
…一 ・
……・
…一
(・) た だ し,
w ;ひずみエ ネル ギー
密 度,
T ;経 路 厂 に沿 う 分 布 力ベ ク トル,
u ;経 路r
に沿う変位ベ ク トル,dc
; 経 路r
上の線素 (図一1
参照 )。
本 解 析で は, 積 分 経 路 r を線 分要 素に分 割 して
,
各 要素の 中点に お け る離 散 値の総 和 と して 」積 分を近 似 的に求めた。
す な わ ち,
J≒
¥
(
tvAy− T ・
審
△・)
。…………一 …・
(3
) た だ し,W ,
T ,
∂u/∂x は, そ れ ぞ れ経 路 要 素r
,の中 点に お け る ひずみエ ネル ギー
密 度,
分 布 力ベ ク トル,
変 位の偏微分場の離散値で あ り,以下の ように し て求めた。
O
ひずみエ ネル ギー
密度W
は, 応 力の計算値か ら次 式 に より求め た。w ・
・
5
{
ル
(・k
・・;一
・v’
・。a。)・吉
・ly
}
・
…・
(・) た だ し, 〆=
レ/(1一
の (平面ひずみ状態), り (平 面応 力状 態)。
O
経 路r
に沿 う分 布 力ベ ク トルT
は,
応力の計算値か ら次 式に より求め た。隠
H
瓢
畿
二
1
幽
一
階
.笥
劉
……・
…・
……
(・・ た だ し,
nx,
ny は,
そ れ ぞれr
上 の外 向き法 線ベ ク ト ル n の x,
y 軸方 向 成 分である。 ○変位の偏微分場 ∂u/∂x は,
本 解 析では基本解の偏 微 分 場 を重ね合わ せ る方 法に よ り求 めた。 以下に,
その 基本原 理につ いて述べる。
い ま
,
図一
2に示す ように問題の領 域を Ω, その外 部 領域 を Ωc と して,
問 題の境 界表面 L 上に重み荷 重W
を作用させ る。
そ のと き,
Ω内 部の点K
に お ける応 力 お よび変位 場は, 重ね合わ せの原 理に よ り次式の よ うに 求め られ る。
・砦一
∬
砦
・
嘘dL
・z
−
∫
・
曜 ・一・
・
…
一….
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(6) ただ し, 記 号に付け た下 指 標は座 標 軸を表し,
総 和 規 約 に従 う もの とする。 ま た,
左肩指標は基 本解の ソー
ス位 置 と その 作 用 方 向,
右 肩 指 標 は観i則点を表 し,
ま た 鰍 砿 お よ び *ShafJ は,
基 本 解す な わ ち無 限 領 域 Ω+ΩC 内 部の点S
においてk
方 向の 単 位 集 中 荷重 が作 用す る と き の点K
に お け る変位お よび 応 力 を,
畦 は境界表 面jL
上の点S
に作用 させ たh
方 向の重み荷 重を そ れ ぞ れ示す。 式 (6 )に お い て, 問 題の領 域 内 部の点K
の 境界 表 面 上の点S
へ の極 限 操 作 を行え ば, 次 式が得 ら れ る。
ui−
∫
・
w
£dL
・歪一
・f
’…一
∫
・
醐 ・eL
−
∫
楸 丁柳 是d
五……・
…・
・
(7) 上 式が重ね合わ せ の原理 に基 づく間接境界要 素法の基礎 式で あり,
与え ら れ た境界条 件を満足 す る よ うに未 知 数 で あ る重み荷 重の分 布 密 度を定め れば,
式 (6
)か ら領 域 内部の任意の点にお け る応 力お よび 変 位が求め ら れ る。
また,
変 位の偏 微 分 場は次 式に より求め ら れ る。
讐
一
∫
∂欝
欄L − 一 ・
………一 ・
(・)Crack
図一
1 」積 分の定 義 u 外 部領 域Ω・
〆 重み荷重W3 ノ 図一
2 間接境界 要 素 法の原 理一
26
一
N工 工一
Eleotronio Library1
・
1
瓦 認 点図二3
線形 分 布重み荷 重 以 下に ! 線 形 分 布の重み荷 重に対 して基 本 解の偏 微 分 場 の境界積分 解 析 式を示 す (図
一
3 参照〉.
。 重み荷重 が x 方 向に作 用す る場合,Y
。・
to の と き讐
一 一A ・TT
+(B− A
>FF
+号
・
ss
.
B[
{
}
Y
。,
一
(
・・
AA −
v
’
・
cc)
(x
・’
− t
}]
毒
・
[
一
{
− 4
功
+(B− A
)AA
+号
・
ss
}
Y
。・
(
醐一
咢
・
cc)
〔x
・+ ・)]
み
寄
一
[
1
(A−
・B)AA一
穿
・
cc
}
Y。一
{
(A − B
)・・一
#
・
∬}
(・・−
t)]
、:
+
[
一
{
(A−
2B )AA −
e
・
CC
}
Y。・
{
(A − B
)
FF −
#
・
∬}
(・・’
・ t)]
券
咎
一
[
・ ・(
AA +粤
)
Y・・芽
・
・s
(・・二
t)]
毒
+
[
B
(
AA
+望
)
Y・一
詈
・
ss
(x
,+ t>]
轟
咎
一
[
一B
(
TT +祭
+2FF)
Y
。− B
(
CC
AA 十 2)
(x ・
−
t)]
舜
†
[
B
(
TT
+甼
+2FF
)
Y。+B
(
AA 十CC
2
)
〔x
・+t’]
£
’
Yo=
0,IX
。11
・t
の と き籌
一A
(
Xo− t
1十BB ・
2)
・−
A(
l十BB・
Xo十 t 2t)
β,
0
∂Ux ∂y x。− t
Xo
十 t π(A −
B) ミα一
π(A − B
)・
β 2t 2t.
(「Xol
>t),
(1
x
。1
〈t),
∂Uy蕊
=
0・
咎
一B
(
1+BB ・
「
it
)
α一B
(
x
。+ t1
十BB ・
2t
)
β,
重み荷 重が y方向に作 用す る場 合,Y
。+0
の と き ∂Ux_
∂x 十BAA
十 22t ’
∂娠万
=TT +
一
ガ +2FFCC
aCC
[
TB
(
AA
+望
序
+咢
・
∬ (x
・一
・t
)]
舌
[
(
)
y
・一
書
・
ss
(x
。+t
)]
・&卜
・(
)
Y
。−
B
(
AA
+7
)
(x・−
t)]
π・
[
・(
序
・
B
(
AA
+7
逸
・’1
協
咎
十 レ
・
π +書
・
ss
+(A
+B
)FF
}
Y
。一
(
A・
AA +喜
・
cc
)
(端一
司
毒
+
[
(
A・
TT +穿
・
ss +(A+B ) FFIY
。・
(
A・
AA ・穿
・
cc)
(・・+ t)]
£
,
咎
一[
{
吟
・跚 ・#
…}
Y・一
{
(A
+B
}FF
+夸
・
ssj
(x
・一
・t)]
毒
+
[
一
{
(A
+2B
)AA
+#
・
CC
}
V
,・
{
…瞬
・9
・
ss
}
駅 ・]
岩
,Y
・=
°・
lx
・1
+ ε9
と き ∂蛎可
=
O・
咎
一
B(
Xo− t
l十BB・
2t)
・− B
(
Xe
+t
l十BB・
2t)
B.
.
咎
一A
(
l十BB ・
Xe−
t 2t)
・− A
(
Xo十 tl
十BB ・
2t)
β,
NII-Electronic Library Service ∂Uy ただし
,
∂y oXo
十 tX
。−
t・
α一
π(A+B ) π(A
+B
)・
β2t
2tqX
。1
>t},
(lx
。1
<t
),A −
(1i31
}
’k
;
+ ’},
B −
(ン響
孟
+1),
CC
= cos2 θo−
cos2ea,
SS =
sin 2θ,−
sin2
θa,
FF
−e
,−
e。
, 舶一
・・1
畿
1
,
TT=
cot θ,−
cotea
3.
解 析例 以 下に示 す解 析では,
モー
ド1
(開ロ型)の応 力 拡 大 係 数K,が平 面 応 力状態で計算さ れ た。
3.
1 中 央ク ラッ ク を もつ帯板の一
様 引 張り 図一
4に問 題の幾 何 形 状お よ び問 題の対 称 性か ら斜 線 で示 す 1/4部 分 領域の境界要 素 分 割の一
例 を示す。
こ の 図に示 すよ うに, き裂 線 上の境 界要 素は,
そ の他の境 界 要素の1
/2
の長さと細か く して い る。 ま た,
各 境 界 要 素 を2分 割す る 方法で要 素 細分割を行っ て い る の で,
要 素 分 割 数は倍々 と なっ て いる。
こ れ に関し て は, 以 下の解 析 例につ い ても同様である。 ところ で,
こ の種の問題は,
解析精 度を 調べ る た めに よ く利用 さ れて い る もの であ る。
図一
5は,
」積 分 法におい て積 分 経路位 置が応 力拡 大 係 数の解 析 精 度に及ぼ す影 響を示す。
この 図 か ら,J
積 分 経 路 をき裂 先 端の最 小 要 素長 さh
以 上離れ た位 置 にとれ ば, 要 素 分 割の精 粗に よ らず精度の良い解が得ら れ ること が わ か る。
す な わ ち,
」積 分 法は, 積 分 経 路 を き裂 先 端の影響 を あ ま り受けな い位 置にとる ことに ょっ て,
要素分割が比較的に粗い場 合にも精 度の良い解を与 え,
さ ら に全エ ネルギー
法の よ うにき裂 進 展の操 作を必 要 と し ない などのすぐれた特長を有す る。
図一
6は,
前 述の各 種き裂 解 析 法に よる解 析 精 度の比 較を示す。 この図か ら,J
積 分 法 や全エ ネルギー
法は ,1
⊃
へ
LLLLLLLLi 2v 一 σe:一
様 引 張 応 力 度 h:き 裂 先端近 傍の 最小要累畏さ r ;#裂先端とJ積 分軽 路 閻 の距 離 Y 魍 80 40 0 i a川=
o.
5 1 2 」楓 分 経 路,
一『、
’
、
!
丶
! 1!
」L
〜\ き裂 表 面
一
一
冒
一
」_
_一
一
一
一一
L−一
一
一
一
一一
;一
一
一
X O 40 80 而m 114部 分 領 域 の 墳 界 要 累分割 (要 素 分 割 数=
20の 例 ) 図一
4 中央 ク ラッ ク を もつ 帯 板の一
様 引張一
28
一
1.
Φo L(
唾
国
巳 V \一
と
虹 〉 姐 訪(
嶂
6,
b)
\ 玄11戸
L30 数 劉 10 鼬 分一.
一
誤差+1.
O竃一
・S−一
厳 密解 〔文 献12)一一・
一
誤 差一
1.
L)X 1.
en−
」一一
〇,
O L.
0 2,
0 3.
0 4.
0 5.
0 き裂先端か らの距離.
r /h 図西 J積 分 経 路位 置が解 析 精 度に及ぼす 影 響 きN解析 手法 O J蹟分法 ● 全工ネ丿レギー
法 △ 直接変位 法 口 直按応 力法 注;〈〉は ク ラック 先 端 近 傍 の 要 雪 細1分剛にょ り 計 算され 拒 姑 果一.
一
誤 差+L.
幌一一
鰭 瞰 献12).
一
誤差・
」.
0竃 40 黴 3。 黝 要 20100 図一
6 各種き裂 解 析 手 法の解 析精 度の比 較 要 素分割が 粗い場 合に も直接 法に比べ て非 常に精 度の良 い 解を与え, 特に き裂 先 端 近 傍の要 素を細 分 割す る こ と に よ り, 全 体の要 素 分 割が粗くて もほ ぼ厳 密 解と一
致 す る解が得られる こと が わ か る。
た だ し,
き裂 先端近傍は き裂 先 端に接す る両 側の要素 を2分 割 す る 操 作 を 繰 り返 し て要 素を細 分割し た。
こ れ に関し て は, 以下の解析 例 につ い ても同様であ る。
とこ ろで,
直 接 法の場 合 も要素 分 割を細か くす れ ば解析精度は向上 し,
特に き裂 先端 近 傍の要
素細 分 割の効 果は著しいが,
直接 応 力法で は精 度 の 向 上に は限 界が あるよ うに思わ れ,
満 足のゆ く解析精 度は得ら れ な かっ た。一
方, 直接 変 位 法は,
エ ネルギー
法では組み合わ せ モー
ドに対し て そ れ ぞ れの モー
ドの応 反 拡 大係 数を分離して求め ら れ ない場合に, 有 効な手 法 にな るもの と思わ れ る。3,
2
片 側に ク ラックをもつ 帯 板の一
様 引 張り1 純 曲 げ お よ び中 点 曲げ 図一
7に問題の幾何形 状お よ び境 界 条 件,
な ら びに問 題の対称 性に よ り1/2部 分 領 域の境 界 要 素 分 割の一
例を 示す。
この 問題は先の問 題と異な り,
リ ガメ ン ト断面に 曲 げモー
メ ン トが作 用し て い る。 図一
8は,
各載荷形 式 に対して境 界 要 素 分 割 数が応 力 拡 大 係 数の解 析 精 度に及 ぼ す 影 響 を示す。
ただ し,
応 力 拡 大 係 数の 解析は 」積 N工 工一
Eleotronio Librarya!V
=
O.
5 di.
} L=
5W 一mm
.
80一
様 引弓長 40 …{
1
鱒
レ
[
コ
一 一 〇.
160200 mm 旧 髑 隷 鞠、
丶 、 lJ 磧分経 路 ’ ! ’ 1!2部 分領域の境 界 要 素分割 (要素 分 割数三
32の例 ) 図一
7 片 側クラッ ク を もつ 帯 板の一
様引張,
純 曲げおよび中 点 曲げ 10.
0 5.
O
0,
0 0 A ● o <A> 〈● 〉 <O> Q ● ム 片側ク ラック を もつ帯板 ○一
様引張 ● 純 曲げ △ 中 点曲 げ 注 :〈〉 は、
クラック先端 近 傍の 要素 細分割 に よ り計 算さ れ 海結果 (9
’ a> 図一
8 10 20 30 40 50 要 素分割 数 載 荷 形式の違いが解 析 精 度に及ぼす 影 響 分 法によ る。
こ の図か ら, 各 載 荷 形 式につ い て全 体の要 素分割を細か く す る ほど,
ま た き裂 先 端 近 傍の要 素 細 分 割に よ り解析 精度は大き く向上し ていることがわ か る。
この種の問題の よ うに,
領 域が細 長く,
かつ 曲げモー
メ ン トを う け る場 合に は領 域全体の要 素分割を あ る 程 度 紐 か くすると ともに,
き裂 先 端 近 傍の要 素を細 分 割す るこ と が,
精 度の良い解を得る ために必 要であ る。 表一
1は,
上記 載 荷形 式につ いて き裂長 さ が 応 力 拡 大 係 数の解 析精度に及ぼ す影 響を示す。 同表1
ピは, 板 幅に 対す る.
き裂 長さの比 が0.
1−
O.
5の 5種 類の き裂 長さに 関 し て計算され た結果 が示されているが,
すべ て の解が 表一
1 き裂長さ が解析精 度に及 ぼ ず影 響 片 側ク ラッ ク a /w 厳 密 解 本解 析値 %饌 差 を もっ帯 板: 〔文献12) 0.
12.
11 2,
ll +0.
0一
嬢 引 張 0.
22.
43 2.
43 幸0.
0 冨=
K1/σ篤百 O.
3,
2.
95 2,
94・
0.
2 σに引張応 力 0,
43.
74 3.
73一
〇.
2 O,
54.
98 4.
97・
O,
2 o.
11.
852L843一
〇.
49 純 曲 げ 0,
21.
869 L860一
〇.
48 Y=K1/σ b百 0.
31.
992 L977一
〇.
76.
恥 :公称 曲げ o.
42.
2292.
209一
〇.
91 応 力 0.
52.
651 2.
610一
L57 0,
11、
746
1.
738. 一
〇.
46
中 点 曲 げ o,
2L738 1.
735一
〇,
17 Y=
藍i/σb直 0.
31.
&48 1.
840一
〇.
43 恥 :公称 曲げ.
o.
42.
080 2.
064・
0,
78 応 力 0,
5、
2.
5QL12
.
471一
1.
21 精 度 2% 以 内に納っ て い る。
ただ し,
き裂長さ が増 加 す る につ れ て解析 精 度 が 次 第に悪く’
tsっ てい るが, こ れ は上 述の よ うにき裂 が 深く な る と」 リガメン ト長さに対 す る領 域 長 さの比が増し,
リ ガメン ト部分で の曲 げ状聾 が数 値 的に十 分に保 証さ れ な く な る た めで ある。
こ れ を 保 証 する ためには,
リガ メン ト部分の要素 分 割 を さらに 細か く する必 要が ある。3.3.
支 承 部で拘 束を受け る片 側ク ラックを もつは り 図一
9に問 題の 幾 何 形 状お よ び境界条件 を示 す。
同 図 には,
4種 類の支 承 部の拘 束 条件が示ざ れ てい るが, 拘 束0
% と は支承部 がロー
ラー
で,
支 承部に水 平反 力を 生 じない場合,
拘 束100
% とは支 承 部がピン で水 平 方 Hf3 2H!3 P!2 P!2↓
1
S=3U 一 P!2P〆2
一
一
P!2一一
1P
!2 拘 束 礦く
拘束33.
3Xく
拘 束66,
7: ・1
拘束100X.
・
I
H→
H:支 承 部 の 水 平 反 力 図一
9 支承 拘 束を受け る片 側クラッ クをもつ はり.
NII-Electronic Library Service 向 変 位が完 全に拘束 さ れてい る場 合
,
拘束 33.
3お よび 66.
7% とは,
拘束 100 %の とき に支 承 部に生 じ る水 平 反 力H
の そ れ ぞ れ1
/3
お よび2/3の反 力が支 承 部に作 用する場 合を 意 味 する。
図
一le
は,
拘 束 0%に おける各 種 曲げ載 荷形式に対 し て計 算さ れ た 」積 分 法に よる応 力 拡大係数の値 を示 すe 同 図に は, 純 曲 げおよ び中点曲げ (ス パ ン, 高さ比:
4)に関 する応 力 拡 大 係数の厳 密 解 を併記 して い る。
従 来, 三等 分 点 曲 げ載 荷に対し て純 曲げに関す る応 力 拡 大 係 数の解析 式が利 用さ れ る場合が多いが, こ の図か ら き裂長さの小さ い範 囲で両 者に差 を生 じて い る こ とがわ か る。
図一
llは,
上記の 4種 類の 支 承 拘 束 を う ける場 合の,
三等 分 点 曲げ (スパ ン・
高さ比=
3)に対する き裂 長さ による応 力 拡 大 係 数の変化を示す。
拘 束が大き く な るに っれ て,
同一
荷重で き裂 長さの増 加に伴 う応 力 拡 大 係 数 2.
8 2.
6A 噂 2,
46 > \ 2.
2 弄 》 2.
0 L8 O 本 解析 解 ●一
厳密 解(文献12) σb:公称 曲 げ応 力度 。_ 。ノ
ン
ノ/
Φ 載荷形 式 (スバ ン・
高 さ 比 ) 三 等分 点 曲げ (3.
0) 純曲 げ 曲 げ (4.
0) 0 3.
O 1。
6 0.
O O.
1 0.
2 0.
3 0.
4 0.
5 a!w 図一10
各種 曲げ載 荷形式に対 する応 力 拡 大 係 数 2.
8 2.
4 2.
0璽
9
) L6丶
重
1.
2 0.
8 o.
4 鶇饕
護
拘 3366100
△ 口 し r ノ6
ノ
〆
一
△ 丶 ム_■
_
4 ノ隔
Φ \ 0 \ o一_
{■_一
一
ノ
¶\
\
\° \ o、 三等 分点 曲げ (ス バ ン
・
高 さ比=3.
0) 0.
0 0.
0 0.
1 0.
2 0呷
3 0.
4 0.
5 a!w 図一
11 支 承 拘 束が応 力 拡 大 係 数に及ぼ す影 響一
301
−一
の増 加 率が低 下し, 拘 束 100%の場 合に は,
はりせい に対 する き裂 長さ の比が約0,
2以 上で応 力 拡 大 係 数が減 少する特 異な現 象を生じる。
こ の こ とは,
破 壊靱性 試験 における曲げ支 承部の拘 束の影 響の重要 性を 示 して い る。
4.
結 論間接境界要 素法の破 壊 力 学 問題へ の適用性につ い て検 討を行い
,
その結 果か らこ の種の問題 に関し て境 界 要 素 法が有力 な数 値 解 析 手 段にな るこ とを明らか に し た。
特 に,
」積分の数 値 計 算によ り 応 力拡 大 係 数 を求める手 法 (」積 分法)は, 応 力 拡 大 係 数の解析に お け る他の手 法 よりも一
般に精 度およ び経済性の点です ぐ れ て お り, 間 接 境 界 要素法を用いた場 合に任 意 境 界 条件につ い て比 較 的に粗い要素分割に対し て も十 分に精度の良い解が得ら れ る こと をい くつ かの解 析 例 を通し て示し た。 参 考 文献 1) 平居孝 之 :重ね合わ せ に よ る二次元弾 性 問 題の解 法に関 する考察,
日本建 築 学 会 論文 報 告 集,
第311号,
pp.
1−
10,
1982.
1 2) 平 居 孝之 :二 次 元弾 性問題を対 象とし た撹 界 要素法にお け る間 接 法 と 直接 法につ いて,
日本建築学・
会論文報告集,
第320号,
pp.
45−
55,
1982.
10 3) 岸 谷 孝一
一
,
平居 孝 之, 村 上 聖;二 次 元 弾 性 境 界 要素法 プロ グラム,
日本 建 築 学会 論 文 報告集,
第 327号,
pp、
1−
11,
1983.
5 4) 岸 谷 孝一,
村上聖
,
平居孝 之 :コ ンク リー
トQ
破 壊力 学に関す る研究一
そ の 1,
破 壊 過 程 域の損傷解析一,
日 本 建築 学会 構 造 系 論 文 報 告 集,
第 368号,
pp.
11−
17,
1986.
10 5) 岸谷孝一
, 村上 聖,
平山善 吉,
平 居 孝 之 :コ ン ク リー
トの破 壊力 学 に関す る研 究一
そ の 2,
」樌 分 評 価に お け る直 接お よび 間接 的 方法一,
日本建築 学会 構 造 系 論 文 報 告 集,
第374号,
pp.
10−
16,
1987、
4 6) 村上 聖,
岸 谷 孝一,
平 居孝之 :ゴ ン ク リー
トの破 壊 力 学に関す る研 究一
その 3,
調合 因子が ひび割れ抵 抗 性に 及ぼ す影響一,
日本 建 築 学 会 構 造 系論 文 報 告 集,
第386号,
pp.
1−
6,
1988.
4 7)西 谷 弘 信 :電 子計算機に よ る 二次 元 応 力 問 題の解 法,
日 本 機械学会誌,
第580号,
pp.
627−
635,
1967.
5 8) 西 谷 弘 信,
陳玳;体 積 力 法,
培風館,
1987 9)寺 崎 俊 夫,
瀬 尾 健二,
平 居 孝之 :残 留応 力の整理パラメー
ター
異 種 材 料の界 面 接合部に生 ずる残 留 応 力につ い て(第 1報 )一,
溶接学会論文集,
第5巻,
第4号,
Pp.
103−
107,
1987.
11 10) 寺崎俊夫,
平 居 孝 之,
瀬 尾 健二 :残 留 応 力に及ぼ す材料 定数試 験 片 寸 法の影 響一
異種材 料の 界面 接 合 部に生 ずる 残 留 応 力に っ い て (第2報 〉一 溶 接 学 会 論文 集,
第6巻、
第2号,
pp.
88−
92,
1988.
5 1]) 白 鳥正樹,
三好 俊 郎,
松 下久雄 :数 値 破 壊 力学,
実 教 出 版,
】980 12) 石 田 誠 :き裂の弾 性 解 析 と 応 力 拡 大 係 数,
培風館, 1976 N工 工一
Eleotronio LibrarySYNOPSIS
UDC:532-526
APPLICATION
OF
BOUr(DARY
ELEMENT
METHOD
ON
PROBLEM
OF
FRACTURE
MIIK;HANICS
-Analysis
of stressintensity
factor
by
J-integral
by Dr.KIYOSHI MVRAKAML L¢ctu[er of Kumamoto Univer: sity, Dr.KOICHI KISHITANI, Professorof Nihon
sity, and Dr.TAKAYUK[ HIRA[, Professorof Oita
versity, Mernbersof A.I.J
'
Remarkable
progregshas
recentlybeen
made regarding studies of theBoundary
Element
Method.
It
has
been
reportedin
many papers thatBEM
offers a poweriulmeans
of calculating numerical solutions of engineeringproblems. Etastic analysis of crack propagation
is
one of the problems, and in such case BEM is superior inaccuracy and economy compared with
domain
type methods such as theFinite
Element
Method
and theFinite
Differential
Methocl.
A
crack analysis technique usingBEM
based
on formulationof theindirect
methedis
developeti,
and theeffectiveness of thepresent method isshown