【論 文】 UDC ;69
.
022 ;699.
S41 :624.
012.
4:539.
386 日本 建 築学会構造系論文 報 告 集 第 380 号・
昭 和 6Z 年 10 月鉄 筋
コン
ク
リ
ー
ト
耐
震 壁
の
せ ん
断 耐 力
に
関
す
る
研 究
正 会 員益
尾潔
*1.
序 鉄 筋コ ン ク リー
ト耐 震 壁につ い て こ れ まで に も数 多く の実 験 的な らびに理論 的な研 究が行わ れ て い るが,
こ こ で は, 耐震壁の せ ん断耐力の評 価に限 定し既 往の研 究を み て み たい。
な お,
本 研 究では, 対 角 線 加 力に よる 1層 1 は り 間の単 位 耐震壁と, 主に連層耐 震 壁 を想 定 し た軸 力,
曲げモー
メン トお よ びぜん断 力を受け る耐 震 壁 (以 後tNMQ 加 力に よ る耐 震壁と呼ぶ)とを併わ せ て考え る ことにす る。 NMQ 加 力によ る耐 震 壁につ いて は,
耐 震壁 を トラス 置 換し せ ん断耐力を評価し た菅野1〕 の 研究,
お よび 既 往 の実 験 結 果に基づ き荒川 式 を修正 し た広沢2}の 研究が あ る。 ま た, 称 原, 加tu1
)お よ び南, 栃尾 4 )は , 塑 性 解 析 ない し累 加 強 度 理 論 を用い て終 局 時の軸 力 とせ ん断 力の 相関特 性を評 価し, 塩 原 5>は,Marti
の塑 性 解 析 理 論を 応 用し耐 震 壁の終 局 耐 力を評 価し て い る。 ただ,
耐震 壁 のせ ん断 耐 力につ い て は,
長 方 形 断 面 を有 する柱,
は り 部 材と異な り,
壁 板に対する周辺架 構の耐 力な い し拘束 効 果の影 響が重 要に な ると考え られるが,
上記の研 究で は,
いずれもこ の点に関し て考 慮 が 払 われて いない。対角線加 力に よ る 耐 震 壁に関 して, 山田
,
河村,
樫 原6) は,
壁 板をブレー
ス置換す ること に よ り せ ん断耐力と変 形 性 状を評 価して い る が,
そ の際,
壁 板コ ンク リー
トブ レー
ス の有効 幅に経 験 的 な値を 用い てい る。
その後,
山 田, 河村, 稲田 7)は , 上 記の有 効 幅を周辺架 構の耐 力を 考 慮し算 出して い るが,
評 価 式が複 雑で ある。 今 井 8)は,
周 辺架 構の拘 束 効 果が大き い場 合と小さ い場 合に わけ,
耐 震 壁のせ ん断 耐 力を評 価している が,
周 辺架構の拘 束 効 果が明 快な形で定量化さ れて いない。
ま た.
望月9)IO) は, 周辺架構と壁板との境界部にお け る応 力の つ り合い式に 基づ き,
壁 板ス リップ破 壊型 と 周 辺架構 破 壊 型との判 定 式 を導き,
壁 板の ス リッ プ破 壊お よ び 周 辺架構の せ ん断 破 壊が支 配 的な場 合につ い て耐震 壁のせ ん断 耐 力の理 論 式 をそ れ ぞ れ誘 導し て い る。 ただ,
理論 値と実験値で は か な り異なっ て い る の で,
重 回帰 分 析 を行 うことに よ り 設計式と し てのせ ん断 耐 力 式 を与え て い る。
・ (財 )日本 建 築 総 合試験所 主 任 研 究 員・
工博 (昭 和 52 年旦月 12 日原 稿 受理)一
方, 富 井, 江 崎 11]−
le)は,
対 角線 加力 および NMQ 加 力に よ る耐 震 壁を竝象と して,
壁 板の ス リッフ破壊お よび周 辺架構のせ ん断破壊が支配的な場 合につ い て耐 震 壁の せ ん断 耐 力式 を理論 的に導い てい る。 こ の場合, 壁 板の ス リッ プ強 度お よび側 柱 (付 帯 柱 )と側 ばり (付 帯 ば り〉の せ ん断 耐 力 を重回帰分析に よ り評 価 し,
ま た壁 板ス リップ破 壊型 と周辺架構せ ん断破壊 型との判別法14) を既往の実 験結果に基づき検 討し てい る。 た だ,
この研 究で は 理論 的な関点 が 重視さ れ,
耐 震 壁の せん断 耐 力の 評 価は複 雑になっ て いる。 この よ う に多く の 研究者に よっ て耐 震 壁のせ ん断 耐 力 の評価が試み ら れて い る が,
こ の こ と は,
耐 震 壁の破 壊 性 状の複 雑さ に起因 し てい るものと考え られ る。一
方, 耐 震 壁 を合 理 的に設 計す る た めに は,
特 定の破 壊 型のみ を対 象とする の で は なく考え得る破 壊型 を対 象と し, か つ 各 破 壊 型 間の相 対 閧 係を明 確に し一
貫し た形で簡 便に 耐 震 壁のせ ん断 耐 力 を評 価 し得る こと が望 まれる。 本 研 究で は,
上述の課 題を克 服する ために,
対 角 線 加 力と NMQ 加 力に よる場 合につ い て, 耐 震 壁の モデル化 および周 辺 架 構の破 壊 機 構 を検 討 し た上で,
周 辺架構の 終局耐 力に対 応 し た拘 束 係数 を 理 論的に定義 し,
壁板の ス リッ フ破 壊強 度に よっ て決ま る場 合と周 辺 架構の終局 耐 力の 影響を受け る 場合につ い て,
耐 震 壁のせ ん断 耐 力 を一
貫 し た 形で簡潔に評 価 す るこ と を 試 み る。
な お,
本 研 究で は,壁 板の ス リ ップ破 壊が支配的な場 合 と して は, 周 辺 架 構の拘 束 効 果が大き く,
かつ拘 束 効 果にかか わ ら ず耐 震 壁の せ ん断 耐 力が決ま る場 合 を考え る こ と に し,
ま た.
周 辺架 構の拘束係数 を 理論 的に定 義し,
周 辺 架 構 の拘束効果を定量化す ることによ り,
物理的,
定量的に 明確な形で耐 震 壁の 破 壊 型 を判定す ること を試みる。
一
方,
筆者は,
上 述と 同 じ 目的よ り文 献17
で耐震 壁 のせ ん断耐力 の評 価を試みて いる が, これ は,
周 辺 架構 の 拘束効 果と破 壊機構の関係を明確にすること がで き な か っ たの で,
再 検 討し本 論 文を ま と め た。2.
耐 震 壁の せ ん断 耐 力式 2.
1 せん断 耐 力 式の定 式 化 本研究で は, 対 角 線 加 力お よ び NMQ 加力に よる場合 とも,
耐 震 壁の せん断 耐 力Qwu
を,
(1.
1)〜
(1.
3)式に一
76
一
藁
薄
(a) 対角線加 力に よ る場 合 (b)NMQ 加 力によ る場 合 図一
1.
1 耐 震 壁の ブレー
スモ デル 示すごと く,
壁 板コ ン ク リー
トお よ び 壁筋をモデル化し た45
°
方 向の置換ブレー
ス6)9)の せ ん断 耐 力Qwc
,
Qws
の 和と して評 価す る (図一
L1 参照)。 qwc ‘=Qwc
/Fclt;bc− ・
・
一 ……・
・
……・
・
一
《1.
1)q
ω
。
=
Qw
。
/E
。lt・
=
β。
Pde/V2
’
=2a
。b
,β。P
、。一’
・
・
甲
・
・
・
…
tt・
・
一
’
・
・
・
・
・
・
・
…
甲
…
甲
(1,
2
) ∴ q” 。=Qwu
/F,lt=
b。(1+2α。e
。P.)・
……・
…
(ユ,
3) こ こ に,
βs=
σua/Fc,
Fc : コ ン ク リー
トの圧縮 強 度 σwv :壁 筋の降 伏 点,
p. :壁 筋 化 1:付 帯 柱 間 距 離,
t:壁 厚b
、 :肌/V2
’
1
:無 次 元 化 有 効 幅 晩 :圧 縮コ ン ク リー
トブレー
ス の有 効 幅 α。
=Ws
/肌,Ws
:引 張 鉄 筋 ブレー
スの有 効 幅 Pde=
αde/lt;
2V2’
α sbePt 。ade= (ave十ahe)/V百
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(1.
4)α
。
。
=
ahe=
v!互Iw.tPw
(1.
2 )式 中の 2a。bc
の値は,
今 井s} お よび 望月9レ の研 究に よ る と O.
5程 度と考え られ (全 壁 筋を有 効と し た場 合,
2a 。b,−
1),
また無 次 元 化 有 効 幅b。
の値は, 本 論 文で検 討 し た既 往の実 験 結 果で は,
0.
1−
O.
4の範 囲に ある の で,
2α。b
。=
0.
5,
b
。!
O.
25を仮 定す ると a。=
1 と なり,
この値を用い ると,
qwu;
bc
(1十2βsPw )…・
………・
…・
…………
(2.
1) な お,
(2.
1)式は,
対 角 線 加 力お よ び NMQ 加 力によ る周 辺 架 構 を有 する耐 震 壁 を 対 象 とし, 作 用 軸 力1V
σは 付 帯 柱に の み伝 達され壁 板に は伝 達され ない もの と 考 え,
ま た作 用 軸 力は付 帯 柱の曲げ お よびせ ん断 耐 力に影 響し, 結果的に壁 板に対す る 周 辺架構の拘 束 効果 な らび に無 次 元 化 有 効 幅bc
に影 響する もの とし た。
こ の軸 力 の付 帯 柱へ の伝 達 性 状は,
実 験 時の加 力 方 法,
層数 等に よっ て も 変 化し,一
意 的に決める ことは難し いよ うに思 わ れ る が,
こ こ では評 価 式の簡 潔 化を優 先さ せ た。た だ,
対角 線加力に よ る単位 耐震 壁 お よ びNMQ
加 力に よ る 1 層 耐 震壁 ない し最上層でせ ん断 破 壊す る耐震 壁に つ いて は, 付 帯 ばりの剛 性が比 較 的低い た め, 作用軸 力の付 帯 柱へ の伝 達 率は大き く な る もの と考え ら れ る。
この こと は, 富井, 江崎”
)O 解 析結果に よっ て も 示 され てい る。
な お,
富 井, 江崎 15} は, 付帯柱 直 上に作用 す る軸 力 以 外咳>
QL1 L榊 +1冊 珊、
L
卩.
岸 虚
図一
1.
2 壁板の みの場 合 ζ;−
10n +9n十 丁 leP一
〇.
10 図一
1.
3
軸 力の効 果 に付帯ばり上に分布し て作 用す る鉛 直 力につ い て も耐 震 壁のせ ん断 耐 力に及ぼ す影 響 を考 慮 して い る。
一
方,
付 帯 柱を有さ ない壁 板の み の場 合に は,
図一
1.
2
に示す ご と く, 作用軸力は壁 板に直 接 作 用 するもの と考え られ,
この場合,
直 応 力とせん断 応 力 を受けるコ ン ク リー
トの破 壊 条 件ls )を考 慮し (2.
2)式で せ ん断 耐 力を 評価す る (図一1.3
参 照 }。
qw。
r=
bc
(1
十2fisPw
)ζ,…………・
………・
・
…
(2,
2
)益
= −
10nε十9n,十lle ,・
tttt
・
・
t・
…
t・
・
・
…
t−s・
(2.
3) :軸 力の効 果こ こ5こ
,
nt=
ハ」ε/(FcAt
十 σurvawv 十2σsyacg )・
・
…
(2.
4
) A,=
tt,
awv :壁 縦 筋の断 面 積 a。g,
σ 。y :端 部 補 強 筋の 断 面 積お よ び降 伏 点 な お,
本 論 文では,
式の表 現を簡 潔に す る た め,
周 辺 架構の有 無にか か わ らず耐震壁の せ ん断 耐 力を (2.
2 ) 式で統一
して表すことにす る。 た だ し,
周 辺 架 構を有 す る 場合には, つ ね にζ尸1
と す る。2.2
壁 板の無 次 元 化 有 効 幅 本研究で は, (2.
1),
(2.
2>式 中の無 次 元 化 有 効 幅b
。 を, 下式に示すごと く, 周 辺架構の拘束効 果が大き く壁 板のス リップ破 壊に よ り耐 震 壁の せん断 耐 力が決ま る場 合と耐 震 壁の せ ん断 耐 力が周 辺架 構の拘 束 効果の影 響 を 受 ける場 合につ い て考え ることにす る。
す.
な わ ち, 無 次 元 化 有 効 幅bc
は,
前 者の場 合,
周 辺 架 構の拘 束 効 果に かか わ らずス リッ プ破 壊によっ て決まる無 次 元 化 有 効 幅b
,u と して評 価 し,
後 者の場 合,
壁 板のみによっ て決 ま るbc。
と周 辺 架 構の 拘 束 効 果に よっ て決ま るbr
との和 と し, ス リッ プ破 壊に対するb
,u よ り もつ ね に小さ く な ると する。
壁 板の ス リッ プ破 壊に よっ て決 まる場合.
bc=
bcu・
…
(3) 周 辺 架 構の拘 束 効 果の影 響 を受け る場 合 :b。
;b。
。
十b
!≦b。
u なお,
上式 中に示し た無 次 元 化 有 効 幅は, 次 章 以 降に おい て,
既 往の実 験 結 果を検 討 する と ともに,
周 辺 架 構 の崩 壊モー
ド と終 局 耐力 を 理論 的に検 討し た 上で定 式 化 を行うことにす る。
3.
壁板コンク リー
トのス リッ プ破壊 強度 本 章では, 壁 板コ ンク リー
トのス リップ破 壊 強 度につ いて 既往の実験結果に基づ き 考 察 す る。
まず,
望 月1°) に よっ て行わ れた壁 板周 辺 に鉄板わ く が接合さ れ た壁板一
77
一
o
.
4O.
3o.
20.
1〜
A7a,
願 跏b
0100200
200
400
500
600 図
一
2 (bc}test−
F。
関 係 (以 後, 周 辺 拘 束 壁 板 と呼ぶ〉の実 験の結果, お よび対 角 線 加 力AOn.
A】z)とNMQ
加 力Bl〕−
B3s)に よ り そ れ ぞれ ス リッ プ破 壊し たと考え られる実 験 結 果につ い て,
(bc)「
test ((2.
1),
(2.
2>式 参 照 )とコ ン ク リー
トの圧 縮 強 度F
。との関 係を図一2
に示 し た。 な お,
対角線 加力とNMQ
加 力に よる場合,
ス リッ プ 破 壊の 判 定は,
ス リップ破 壊に対す る無 次 元 化 有 効 幅b
。u が, 周 辺架構の拘束 効 果の影響 を受け る無 次元化有 効 幅bc
よ りもつ ね に大き く,
周 辺架構の拘束効 果にか か わ らず決ま る と し た (3
)式の考え方による。 すな わ ち, 既往の実 験結果を み た場 合,
原 論 文で示さ れて いる 破 壊性状の記 述が,
各研究者間で必 ずしも統一
さ れ て い る と は限らず,
原 論 文で示さ れた破 壊 性 状の みよ り,
耐 震 壁の破 壊 を,
壁 板ス リップ破 壊 型 と周 辺 架 構 破 壊 型に 明快に分 類す ることは難し い ように思わ れ,
破 壊 型の判 定を物 理 的,
定 量 的に明 確にする ために,
前 述の考え方 を採用 し た。そこ で,
両加力によ る既 往の実 験 結 果では,
無 次元化 有 効 幅b
。の 上限値が 0.
3程 度と なっ て いるの で.対角線加 力とNMQ 加力に よ る場 合には,
(b
。>test> 0.
3の場 合 を暫 定 的に壁 板ス リップ破 壊型 と す る。
この 場 合,
対 角 線 加 力Ai)一
Alz〕で は,
82体の う ち6
体A4 }−
A6 },
IVMQ
加 力BL ]−
B33 )で は, 原 論 文でせ ん断破 壊 と み な され る試 験 体 104体の う ち12体B6)・
BU )・
B27)・
B2s}がス リ ッ プ破 壊 型 と判 定さ れた。
な お,
ス リッ プ破 壊型 と判定さ れ た 試験体は, いずれ も壁 板の ス リップ破 壊ない し圧壊を と もなう破 壊性 状を示し たと報告されている。一
方, 5,
2
節において周 辺架構の拘 束 効 果 を検 討し た上で,
周 辺 架 構の拘 束 効 果に基づ き耐震壁の破 壊 型の分類につ い て改 めて検討す る。
図一
2に示す ごと く, 望 月 1°}の 周 辺 拘 束 壁 板の実 験 結 果よ り, 周 辺拘 束の相 違に よっ て ス リッ フ被 壊 強 度は変 化するが,
周 辺 拘 束が一
定の条 件の も とで は,
コ ン ク リー
トの圧 縮 強 度の増 加に と も ない ス リッ プ破 壊 時の無 次元 化 有 効 幅 (bc
)testは低 下す る もの と考え られ る。
そ こ で,一
定 拘 東 条 件 (拘 束鉄板の厚さ=
2.
3mm :一
定 )’D 〕 の も と に お け るbcu− E
。関 係の 直 線 回 帰 式およびス リップ破 壊 強 度 τ、u を (4.
1
),
(4.
2 )式に示 した。
beu=bcmll
−
O.
171(Fc
/200
)1
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4.
1)τcu=
bcuFc
;bcm
Fcll− 0.
171
(Fc
/200
)1
・
…
(4
.
2)一
78
一
こ こに,b
。 .=O.
304
(相関係 数=−
0.
89 (11体 )>Fc,
rcu :kgf
/cm2 な お,
(4.
2) 式は倣 物 線 式で あり,
Fc≧585kgf
/cmZ で は τ、u が低 下 し現 実 的で ない の で,
この場 合,
τ,u=τcmax
=585
bcn
/2 (kgf
/cm2 ),
bcu=
τcmax /Fc
で表す。
一
方, (4.
1) 式に お ける b。
m を未 定 係 数とし,
これ を周 辺拘 束の程度に よ り決 まるもの と仮 定 す る。そこ で,
図一
2に示し た対角 線加 力 とNMQ
加 力に よる 18体の (b
∂ testお よ びFe
の平均値 (図中の◎の位 置 〉が,
(4.
1) 式を満 足す る と し未定 係 数b
,m を決め, 対 角 線 加 力とNMQ 加 力に対す るb
。 u を下 式の ごとく決 定 す る。beu=0,
444− e.
076
(Fc
/200
)・
・
,
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
《5) な お,
対 角線加 力とNMQ
加 力による場 合,
(bc
)test>O.
3
の場合をス リップ破 壊 型とし たが,
本 論文中で検討 し た既往の実 験結果で は, 原 論 文 中で壁 板の ス リッ プ破 壊ま た は圧 壊 を と もな う破 壊 性 状を示し た と さ れ る試 験 体が, 対 角 線 加 力で 82体の う ち 54 体,
NMQ 加 力で104
体の うち64
体 と多 数 含 まれて い る。 すな わち,
(5 ) 式で評価さ れ るス リッ プ破 壊強度は, 周 辺 架 構の拘 束 効 果が大き く 壁板のス リップ破 壊によ り耐 震 壁の せ ん断耐 力が決ま る場合を表す が, 周 辺架構の拘 束 効 果の程 度に よっ て は,
(5 )式で求ま る値 以下 で あっ て も,
壁 板の ス リッ プ破 壊を と も な う 破 壊性 状を示す もの と考え られ る。 こ の こと につ い ては,5.
2
節で 既往の実 験 結果を検 討し,
再度 考 察す る。
ち な みに,(5)式に示した壁 板の ス リッフ破壊 強 度は
,
鉄筋コ ン ク リー
ト柱・
は り接 合 部の終 局せ ん断 強 度 式19) と同一
の定 式 化が行われて おり,
ま たコ ンク リー
トの圧 縮 強 度に対す る傾 向は相 等 し い。
4,
周 辺架構の崩壊モー
ド と終局耐 力 本 章で は,周 辺架構の拘 束 効 果 を評 価す るの に先 立 ち,
周 辺架構の 崩 壊モー
ドと終 局 耐 力に つ い て 考 察する。
4.
1 対 角 線 加 力に よ る場合 耐 震 壁のせ ん断耐力時に周 辺架 構と壁 板と の間に図一
3.
1に示す よ う な点対称の拘束反力と せ ん断 力が生 じ る もの と仮 定する。 なお,
図一
3,
1に示 し た終 局 時の周 辺 架 構の曲げモー
メ ン ト分 布は,
望月23 )お よ び富井,
平石24〕 の解 析 結 果を周 辺 架 構の崩壊モー
ドを考慮 して概略的にP
πr
t−
「
鱒
1
蹴
1
蹴 二
:
h’
2Qc 図一
3.
1 崩 壊モー
ド形成時の周 辺 架 構の応 力 分 布 (対 角 線 加 力 )表し た も の と と ら え ること がで き る
。一
方,
望 月91は,
拘 束反 力 が一
様に 分布して いる と し,
終 局 時の周 辺 架 構 の応 力状態 を仮 定し た。 これに対し,
図一
3.
1では,
拘 束 反 力の合 力が付帯柱お よ び付 帯ば りの最 大 曲 げモー
メ ン ト発生 位置に作 用 す る もの と仮 定し た。 こ の拘 束 反 力 の作用位 置を表す係 数 α は未 定 係 数で あ る が,
5.
2
節で 既 往の 実 験 結 果に基づ き係数 a の 値につ い て定量的に 検 討する。
図一
3.
1に示 し た応 力状態にお け る曲げ降 伏 型お よ び せん断 破 壊 型周 辺架構の終局耐力は,
下 式の ご と く表す こ とが で き る。
(曲 げ降伏型) 曲 げ降伏型 周辺架 構につ い ては,
図一3.
2に示 すご と く,
柱 降 伏 型 と は り降 伏型の崩 壊モー
ド を考える ことに よ り下式 が得ら れ る。Qfcm
=4Mcy
/αh,
Q
/gm=4Mgs
/αh ・
・
・
・
・
・
…
(6.1
)Q
!m =Min
〔Q
!cm,
Qtgm
〕・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(6.
2
) こ こ に,Qm
;曲げ降 伏型 周 辺架 構の終 局 耐 力 M ,y,
Mgy :付 帯 柱, 付 帯ば りの降 伏モー
メ ン ト な お,
図一
3.
1中に示 し た曲 げモー
メ ン トM
とは未 定で あるが
,−
Mcy〈 Ml くMcy また は一
Mgy< M さくMgs の場 合,
周 辺 架 構は静 的 許 容 状 態にある。
(せ ん断破 壊 型 ) せん断 破 壊 型 周 辺 架 構につ い ても点 対 称な位 置 (柱 破 壊 型では,
図一
3.
1に示 し た 間,
は り破壊型で は 間)で付 帯柱ない し付 帯 ば り が せ ん 断 破 壊 す る と し,
周 辺架構の終局耐 力を下式で評 価す る。
QfCu
”
=2Qeu,
Qfgu
=2Qgu
l
/h ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt
(7,1
)(〜!8
=
Min 〔Q
!cu,
Qfgu
〕・
・
・
…
r・
…
一・
・
・
・
・
・
…
7r
(7.
2) こ こ に,Qrs
:せ ん断 破 壊型 周 辺架 構の終 局 耐力Q
、。,
Q
。u ;付 帯 柱,
付 帯ば りの せ ん断 耐 力 4.
2 NMQ 加 力による場 合 隙:
・ 、亂
潮
鞭
翹
m
,r
}、
一
一
申,,
一
「
鵡
劉
髞
R群
〔の 柱 降 伏 型 (b) は り 階 伏型 図一
3.
2 曲 げ 降伏 型 周 辺 架 構の崩 壊モー
ド(対 角線加 力)馬
」 McQ ♂2M許h M⊂ Qc 鴨 ∠\
[
塑
隣
し「
QgMg
・
2M4・
L Q 図一
3.
3 第 〔a> 柱 破 壊 璽 (h}はり 破 壇 型 (般層} (煙 上層 } NMQ 加 力によ る 場合の周 辺 架 構の崩 壊モー
ド 主に連層耐震 壁を対象と し たIVMQ
加 力の場 合,
一
般 層で は 付帯柱の 破 壊 が問題にな る と考え られ,こ の場 合,
図一
3.
3 (a)に示すごと く, 対角線加 力と同様, 柱 破 壞 型 の崩 壊モー
ドを仮 定す る。
ま た,1
.
層 耐 震 壁お よ び多 層 耐 震壁の最上
層で は,柱 破 壊 型の ほ か に, 図一
3.
3 (b
) に示 すご と く対角線加 力と同様, は り破 壊型
も考え るこ とにす る。
こ の場 合,
周 辺 架 構の終 局 耐 力が低く評 価さ れ るこ と が考え ら れ る が,
評 価式の 簡潔化を重 視し た。
以上の 崩 壊モー
ドの仮 定に従っ た 場 合,
周 辺 架 構の終 局 耐 力は,
対 角 線 加 力と同 様,
(6.2
), (7,
2
)式で評 価で き る。
な お,
対 角 線 加 力に対 してNMQ
加 力の場合,
全体曲 げの影 響が考え ら れ る が,
耐 震 壁に おい てせ ん断 破 壊が 支 配 的な場 合,
全 体 曲げに よ る影 響は大き くな ら ない も の と考え,
対 角 線 加 力と同様の崩 壊モー
ドを 仮 定 し た。
一
方,
富 井,
江 崎IZ)は,
対角線 加 力に対しNMQ
加力で は,
左右の 付帯柱のせ ん 断耐 力は増 減す る が,
左 右の付 帯 柱の せん 断 耐 力の和は変わ らず,
さ らに壁 板の負 担す る せ ん断 力と鉛 直 力も変わ ら ない こと か ら,
両 加 力に対 す るせん 断 耐 力 式は一
致 する と した。 4,
3 部 材の降 伏モー
メ ン ト と せ ん断 耐 力 付 帯 柱お よび付 帯ばりと も,
こ れを長 方 形 断 面 材とし3
点モ デル 3ωに 置 換し,
降 伏モー
メン トMy (M,y ま「
た C:Mgyj
を下 式よ り求める こ とにす る。
Nc
≦O.
3FcBD .
My=
0.
8(atσ sy 十〇.
5Nc)D
・
…
一一一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(8
) 0.
3FcBD くNc
≦0.
5FcBD
:My =O.
8at
σ』yD 十 〇.
12FcBD2
こ こ に,
at,
σsy :引 張 鉄 筋 断面
積およ び降 伏 点B
= BcQr Bg,
D=
Ocor P9’
N 。
:軸 力,
た だ し,
付 帯ば りで はN。;
O (8>式で は.
Nc>O.
5F 、BD
の場 合を示してい ない が, こ れ は,
本 論 文で検討 を行っ た実 験 結果に上 記の場 合が 含ま れて いない た めであ り,
ま た,
(8
)式の第2式は, 建 築 学会RC
規ee21
}に示さ れ た式と一
致す る。
付帯 柱お よ び付 帯ばりのせ ん断 耐 力Qu
(Q
、
u また はQgu
)は,
山 田,
河 村の研 究22〕に基づ き (9.
1)式で求め る。Qu ;
q. FcBD ζc・
・
・
・
…
一
・
・
−t−t・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9.
1
) こ こ に, σ,=
τ。/F, τc :軸 力“
0”
にお け る せ ん断強度 ζ,;
−
10nさ十9nc十l IB》・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9.
2)・
:軸 力の効 果 (図一
1.
3 参照) n。=N
、/(F
、BD
+α。
9σ。
。) a。g,
σ。Y :付 帯 柱の軸 鉄 筋 断 面 積および降 伏 点 た だ し, 付 帯ば りで は, N.
=
O,
ζ,=
1 な お, (8),
(9.
1)式の 降伏モー
メ ン トと せ ん断 耐力 を 算 出する にあた っ ては,
対 角 線 加 力お よ びNMQ
加 力一
79
一
と も, せ ん断力の作 用に ともなう柱
,
は り部 材の変 動 軸 力 を無 視し,外 力と し て直接作 用す る軸 力の み考 慮 する。
5.
周 辺 架 構の拘 束 効果 5.
1 周 辺 架 構の拘 束 係 数の定義 本 節で は,
周 辺 架 構の拘 束 効 果 を表す物理 量 と して周 辺架構の拘束係 数 を定 義する。
こ の拘 束 係数 は,
壁 板の せ ん 断 耐 力 に対す る周 辺 架 構の終 局 耐 力の比に比例さ せ るべ き と考え ら れ る 。そこ で,
壁 板のせ ん断 耐 力 (ス リッ プ破 壊 強度 )を 主に支配 すると考えられるQwu
を (IO ) 式で定 義し,
これに対 して曲げ お よ びせん断 耐 力に関す る周 辺 架 構の 拘 束 係 数hm
,
hts
を (11.
1), (12.
1)式 で定義する ((6.
1),
(6.
2)式お よ び (7.
1>, (7.
2) 式 参照)。Qwu
=F
.lt
ζピ・
一一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
9一鹽
鹽
・
・
・
・
・
・
…
7
(10) (曲げ耐 力に関する周 辺 架 構の拘 束 係 数 h血 )hJtn
・=Min 〔hcm,
hom
〕=
(Q
加 /Qwu
)×100 (%)…・
…・
…・
…・
・
…・
…………
(11.
1> んc働=
(Qc
短/Qwu
)X 董00 (%〉 κ。m−
(Q
。
m /Qwu
)×loo
(%)”’
『
… … ”
(ll・
2 )Qc
四;MCy
/ん;
αQtcm
/4
−
………・
……・
……
(11鹽
3)Q
皿=
M。y〆h
=
αQ
加 /4
Q
/m=
Min 〔Q
σ
配
,
Qgm
〕=
αQ
ノ皿
/4 ・
…
『
・
・
・
・
・
…
(11.
4 ) (せ ん断 耐 力に関す る 周 辺架構の拘束係数 彪。)
h
/s;
Min 〔hes
,legs
〕=
Q
/s/Qwu
鹽
一
・
・
…
77・
…
(12.
1)
hcs
;Qcv
/Qwu
,
hgs
=Qgu
/Q
凵ti
…
一・
・
・
・
…
(12.
2)
Qcu
=
QCu
/qc=
QJcu
/2qc
_
…一 ………・
(12.
3
)
Qgu
=
Qgul
/gch;Q
/gu/2q 。
Q
,3=
Min 〔QCu
,
Qgu
〕=Q
∫s/2qc・
・
・
・
・
・
…
r…
(12.
4)なお
,
せ ん 断 耐 力に 関す る拘 束 係 数hrs
は,
(9,1
),
(10),
(12.
1)一
(12.
3)式 を 用いて書き 下 す と (周 辺架 構を有する場 合 :「
る=
1,
2.
1節 参照),
(12.
5) 式に示 す ご と く,
壁 板の 断 面 積に対 する周 辺 架 構 部 材の断 面 積 (た だ し, 付 帯柱につ い て は,
軸 力の効 果 を 考 慮 )の比 と して表すこ と ができ る。産rs=
Min
〔BcDc
ζc/lt
, BgDg/ht
〕・
・
・
・
・
・
・
…
(12
.
5}一
方, 周 辺架構の終 局 耐 力 qr. は (13.
1) 式で表 すこ と がで き るの で周 辺 架 構の拘 束 係 数 肪 を (13.
2 )式で 定 義 する。q
/u=
1Min 〔qm・
q
!・〕’
…’
……’
…”………・
・
(13.
1 ) ht=
Min 〔hm ,
(km
)e〕…・
・
……・
…一 ……・
(13.
2
> q加=Q
血 /Q
脚罪
(4
/α)碗 /100
_
・
・
・
・
・
・
…
t−−t・
(14.
1) q/s=
QJS
/Qwu
=
2qchXs(
h
!摺
)θ=SekfS
(%),
Se=
(aqc /2)×100(% )・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(14.
2) なお, (14.
2 >式の拘束 係 数 (hm
)e は, せ ん断耐力に 関 する拘 束 係 数 勧。
を曲 げ耐 力に関す る拘束係 数に換算 し た もの であ り, (14.
ユ)式にお け る せ ん断 耐 力qs。が 曲 げ耐 力 qm に一
致す るとし て求め た。
す な わ ち,
図一
一
80
一
3.
1に示 し た曲 げモー
メ ン トMc
ま た はMg
を (15
)式 より求め, Mcu をMcs またはMgu
をMgy
と み な して曲げ耐 力に関する拘 束 係 数 を 求めた こ と に等しい (4
.
1節 参 照 )。Mc =Mcu
= (〜 cuah /2,
Mg =
Mρ u=
Qgual
/2…
(15) 次に,
周 辺架 構の拘 束 効 果が耐 震 壁の せ ん断耐力に影 響 を 及 ぼ す 場 合につ い て,
正 規 化 有 効 幅ηc を,
(3) 式 と同 様 (16.
1)式に示 すご と く,
壁 板のみに よっ て決ま る ηc。と周 辺 架 構の 拘 束 効 果に よっ て決ま る ηノと の和 とし, また, ηノが周 辺 架 構の拘 束 係 数 馬に比 例す ると 仮 定 する。
ηc=bc
/bcu
= ηee十 ηノ≦1
,ηノ= βノたノ・
・
・
・
・
…
(16,
1) こ こに, η。。 ,βノ:未 定係数 また,
(16.
1) 式 を (2.
2) 式に代入 す る と,
(16.
2 ) 式に示す ご と〈, 耐 震 壁の せ ん断 耐 力 を壁 板コ ン ク リー
ト, 壁 筋および周 辺架構の各 負 担 力に分 解す ること が で き る。
awu
=qwa
/ζ ,=qwce
+qws
+qra・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(16.
2>・
qweo=bcu
ηco・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(17鹽
1> qws;2bcurPcBsPw
・
・
−t・
…
一
・
tS・
・
…
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(17.
2) qJ.=bCt
β1k ,………・
………・
……一 ・
・
一
(17.
3) そこで,
(17.3
)式と同様,
曲げ降 伏 型お よ び せ ん断 破 壊型周 辺架 構の終局耐 力 q加,
qノ。を(17.
4 )式で表し,
(14.
1)式と (17.
4)式を そ れ ぞ れ等 置すると, β加一
a ない しfits
一
一
qc関 係が (17.
5)式で得ら れ る。 q/m=bCtP
ンmk /tn−
qrs=bcuflXskte
・
▼
・
・
・
・
・
・
…
(17,
4 ) α=
1/25bc調加 gqc=
=
bCt,Bts
/2・
・
t・
・
t・
・
・
・
・
…
(17.
5) ∴ (14.
2)式 より,S
。=
firs
/βm…・
……
(17.
6) こ こ に,
β加,
βノ。 :未 定 係 数 5.
2
未定係数の決定 本節では, 対角 線加 力Al,¶
Al1,とNMQ
加力Bl}−
B33)の実 験 結果 に つ い て (ηc)test=
(bc
)test/bCu
((b
.) test : (2.
1),
(2.
2)式,b,
。
:(5)式 参 照 ) を 求 め, (η。
)test と周辺架 構の拘 束 係 数の関 係 を検 討し, 5.
1 節で定義し た未定 係 数 を決定す る。
なお, 既往の実 験 結 果 を 検 討 す るにあ たっ て,
原 論 文 で実験の不備が明 記さ れ た試 験体は除外し,
ま た縦横壁 筋 比 (ρwv,
PWit)が異な る場 合Pw・
!
(Pua十Pwlt)/2
と し,
斜筋 (断 面積 αd>を有す る場 合 ρ.=
ad/sinθlt
(θ=
tan−
WJ
)と し た。 た だ し,
NMQ 加 力の場 合,
斜 筋 を 有す る試験体を含めて いない。 ま た,
付 帯 柱を有さ ない 壁 板のみの試験体で は,
広 沢Z )に よ り 示 さ れ た よ う な 仮 想の付帯柱を評価せず, さ らに付帯柱お よ び付 帯ば りの 幅Bc
,Bg
は全 幅が有 効に働く と し た。
た だ し,
ス ラブ を 有する場 合は検 討の対 象 外と し た。
5.
2,
1 対 角 線 加 力に よる場 合 対 角 線 加 力の 実 験 結 果 (82体 )Al 〕−
A ]1)に つ い て求め た (η。
>testと拘 束 係 数 iCnn,
hJSと の関 係 を図一
4 (a>,
(b
)に 示 す
。
な お,
同 図 中の実 験 結 果につ い て破 壊 型 を分類 するこ と が困難な場 合 も考え ら れ,
特に破 壊 型 ごと に各 試 験 体を分 類して いない。
す な わ ち, 壁 板の ス リップ破 壊型,
周辺架 構の曲 げ 降 伏な い し せ ん断 破壊, お よ びこ れ らの複 合 破 壊 型が混 在し て い るもの と考え ら れ る。
図一4
(b
)の (ηe)test− krs
関 係で は,
hi
。
の増 大に と も ない (η。)testが 増 大 す る 傾 向は み ら れ る もの の (η、)testとhfs
と の相関性はあま り良くない。
これ に対 し て 図一4
(a)の (ηc>test− km
関 係で は, (ηc)testとhm
との相関性はkfS
の場合に比べて良い よ うであ る。
そ こ で, 未 定 係 数 βノ。 を決める にあた っ て は, 物理的 意 味 を明 確にするた め,
柱は り部 材のせ ん断 耐 力に相 応 す る q。=O.
122
〕 を 仮 定 し,
コ ン ク リー
トの 圧縮強 度 を 250kgf/cm2 (bcu=0.349
:(5
)式参照〉と して (17.5
) 式よ りβf。を次式の ご と く決定す る (図一4
(b
)参 照)。
βノs= 0.
573・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(18.
1> ま た,
未 定 係 数 β茄 につ い ては,
ス リッ プ破 壊に よ り 耐震 壁の せ ん断耐力が支配さ れ る よ う な周 辺架構の拘 束 係 数 が 特に大 き な 範 囲 を除いて,
(18,2
)式 に示 す ご と く,
η。 とhm
との 直線回帰式 を求め, これ に基づ き,
(18.
3) 式に示す ご と く,
β加 と換算係 数Se
((17,6
)式参照) を決 定する (図一
4 (a)参照)。
ηc=
0.
509十 〇224km・
・
・
…
t−・
・
−t・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(18.
2) (κ加 く2.
O%の 80体 :相 関 係 数・
=
O.
66) β.=
0.
224,
Se=
2.
56 ………・
…・
t
(18、
3) 次に, 上式 の 換算係 数 Se を用い て周 辺 架 構の拘 束 係 数h
!を (13.
2)式よ り求め,
(η。)test一
傷 関 係 を図一
4 (c)に示し た。
そこ で,
周 辺架 構の拘 束 係 数が特に大 き く壁 板の ス リップ破 壊 (3 章参照)が支 配的と考え ら れ る範 囲 皿 (ηc=
1 )を除い て,
周 辺 架 構の拘束 係 数が 特に小さい範囲1
と中間的な範囲II
を想 定 し,
次式 中に 示し たあ らか じめ設 定 し た範 囲につ い て η、とh
ノと の 直 線 回 帰 式 を求 めた後,
各 範 囲に対 する η。− k
ノ関 係の交 点を求め各 範 囲を設 定した (図一
4 (c)参 照)。
(1
) hノ≦0.
22 %.
ηc=
O.
449十 〇.
499h ! (h1
くO.
3
%の8
体 :相 関 係 数=0.68
) (皿) 0.
22
% <h
∫≦2.
16 % :ηc;0.509
十〇.
227ht
(醇く2.
0%の80
体 ;相 関 係 数 = O.
65) (皿)2,16
% 〈h
! : ηc=1
・
一…
r・
・
一・
・
・
・
…
一・
・
一・
・
一・
・
・
・
…
(19 ) な お,
5,
1節で述べ た ご と く,
拘 束 係 数k
! は せ ん 断 破 壊 型の場 合を含め曲 げ耐 力に関す る拘 束 係 数に換 算し て い る の で,
(17.
5 )式に お い てβtm を β!に置き換えて 用い ると,
拘 束 反 力の作 用 位 置を表す係 数・
α の値は 次 式の ご と く求ま る (F
、=250kgf
/cm2,
b
。。=0.34g
((5
> 式参照)と し た)。 (1
):a=
O.
23,
(皿):a; O.
51・
…ttttt
・
・
…
(20}範 囲 皿の a の値
0.
51
は, 望 月 23〕 お よび 富 井, 平 石 z4) ●:山 田 研 ω )〜
(A6)……
1対 角 圧縮 加 力1
:
躑
1
駁 賢
1
,〕
・
・
… 角騰・
・1・・同時 加 力 n:冨 井,
大 嵎 (At2)一
・
…
1対 角 圧 龜加 力 (ac)test.
・…c
/・
/ ・’
F
パ \ “。
(18.
2)式 0.
5 kfmC・
le) 0 1 2 ヨ (a) (η.
)臨
.
じ
rk己
卩
関 係 (q 、 )t 。gt . 1,
0.
’ 葛
. 。5
讃
ノ
/ ロノ
/ K。
.
573kfs 1!/
ks O謐
尸
’
・
景∫
』
h ピ≒.
豈 琴」
⊥ rDg ・・、
・ ,。
,、 ・2・1)式 最男
hの仮定 。。
:
:
講
瓢
圏
二団
7,
嶺筋の み krm〔。
ノ。
) O I 2 3 4 5 (a)(nyc),
。
卩
、
−
K,
.
関係 (qc猛t : 1.
0 0.
5 O.
5 1.
0 0 (b) (ηc
)tny.
t−
k嚠
,
鬨 係 (nc} 止e5亀 . 1・
0 ・:.
/L−一
.一一
1・
O 話。 /〈 \ q9)式 鬼 05 0.
5 rL一
皿__
一 皿 kf〔°
ん) O l 2 3 (c)(η.
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竃
一
kF闃 係 ,。§
柔
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B
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5 1.
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5 (b)(ηc)teSt−
km 関係 (a?test Oo懸
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エ」_
匠 」_
皿 ktC・
i.
) 0 1 2 3 4 5 (匸
〉 (nlc)Le■
匸
一
k糴
闃1系 図一
4 対 角線 加力によ る 図一
5 NWQ 加力によ る 場 合 場合 の解 析結果に ほ ぼ対 応する値であ り,
ま た 範 囲1
の α は範囲H
に比べ小さいが,
これ は,
周 辺架構の拘 束 効 果 が小さ く な るに従い 周 辺 架 構の部 材端に損傷が集 中す る ことを 表し てい る もの と考え ら れ,
実験 的 事 実A3 )と も符 合 する。一
方,
(19 )式の各 範 囲に対 して,
実験 結果Al }−
A12)に 基づき以 下の ご と く耐 震壁の破 壊 型を分 類で き る もの と 考え ら れ る。
まず, 範囲 皿は, 周 辺 架 構の拘 束 効 果が大 き く壁板の ス リッ プ破 壊 強 度 (5)式によっ て決 ま る 場 合を表す。
な お, 3章で は,
(bc
)test>O.
3の場合を暫 定的にス リッ プ破 壊 型とした が,
範囲 皿に入る既往の実 験 結 果は,
3章で ス リップ破 壊型 と判 定さ れ た6体の う ち2 体A5 )・
A6 〕で ある。
次に,
範囲1
は,
周 辺架構の拘 束 効 果 が 小 さ く (壁 板のみの場合を含む), 壁 板の せ ん断 ひびわ れ発 生後,
圧力 場 を形 成する ことな く最 大 耐 力に 達 す る 場 合 を表 し,
ま た範囲ll
で は,
周 辺 架 構の損 傷と と も に壁板の ス リッ プ破壊 をと もなう破 壊 性 状 を示すも の と考え ら れ る (3
章参照1
。
5.
2.
21VMQ 加 力によ る場 合 NMQ 加力Bl)−
B33)に よ る せ ん 断 破壊型耐震壁 (原 論 文 でせ ん断破壊型と み な さ れ る試 験 体)の実 験 結 果 (104 体)につ い て求め た (η,)testと拘 束 係 数h
.,
h
!s との 関 係 を 図一
5 (a),
(b
)に示す。
こ の場 合に も対 角線加 力の場 合 と 同様, 破 壊 型ごとに各 試 験 体を分 類してい な一
81
一
い
。
な お, 上記の実 験 結 果に おい て壁 横 筋の み で壁 縦 筋 を有さ ない試 験 体 (1体 )Bηの せ ん断 耐 力が著 しく低い が,
壁縦横筋の抵抗機構の相違は考えら れ るもの の原 因 が明 確でない の で検 討 対 象か ら除 外し,
ま た1層 耐 震 壁 お よ び多 層耐震壁 の最 下 層につ いて周辺架 構の拘 束 係 数 を 求め るにあ た り,
付 帯 ばり間距 離h
を図一
5中に併 示 し たごと く仮 定し た。 対 角 線 加 力の場合と 同様,NMQ
加力 に よ る場 合に も 未 定 係 数 βr。
は (18.
1>式 を用い る こ とに し, また未 定 係 数fltni
につ いて は, 周 辺架 構の拘 束 係 数が特に大き な 範 囲 と 小さ な範 囲 を 除いて η。 と κ加 との 直線回帰式 を (21.
1 )式に示す ご と く求め, こ れに基づ きβ加 と換算 係数 S。を (21.
2)式の ごとく決定する (図一
5 (a), (b
) 参照)。
ηc =O.
476十 〇.
180hm・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
−t・
・
…
(21.
1) (0.5
%<h
血 く2.
0
% の 49体 :相 関 係 数=0.
63
) β血=0.
180
,Se=3.
18 …・
……・
…・
………
(21.
2
) また,
上 式の換 算 係 数Se
を 用いて周 辺 架 構の拘 束 係 数 hノ を (13.
2)式より求め, 対 角 線 加 力の場 合と同 様, 次 式に示 すご と く,
範 囲1
,
ll
に対する ηc と ん との 直線 回 帰 式を求め各 範 囲を設 定し た (図一
5 (c)参 照 )。
(1
)hr
≦0.
58 %.
ηc=
0.
300一
ト0.
456h
ノ (醇く0.
8
%の47体 :相 関 係 数=
0,
93) (n
) 0.
58% 〈h
ノ≦2.
31 % :ηc=
0.
419十 〇.
251 た∫ (0.
5%<h
∫〈2.
0%の63体 :相 関 係 数=
o.
73) (皿 ) 2.
31 %〈h
ノ : ηc=
1・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(22) 対 角 線 加 力の 場 合と 同様, Fc=
250 kgf/cm2 , b。u=
0.
349 ((5>式 参 照 )と し,
(17.
4)式に おい てfi
コta を β! に置き換えて用い る と,
拘 束 反 力の作 用 位 置 を表 す 係 数α の値は次式の ごと く求ま る。 (1
) :α=
0.
25, (II
> :a=0.
46・
・
・
・
・
・
・
…
t…
(23) し た がっ て,
対 角 線 加 力およびNMQ 加 力に よ る場 合 と も周 辺 架 構の拘 束 効 果が特に小さい場合に は a = O.
2〜O.
3,
そ れ以 外で はα=
0.
5程 度 と考え ら れ る。
一
方,
図一
5 (c) 中に は対 角 線 加 力に対する (19)式 の η。一
傷関 係 を併 示し たが, 同 図に示すごと く, 周 辺 架 構の拘 束 係 数が特に小 さい場 合に は対 角 線 加 力に比べNMQ
加 力に よる場 合 η,
がか な り低 くな るが,
拘 束 係 数が大き く な る と, こ の差は少な くなる。 こ の こ とは, 拘 束係 数が小さい場合に はNMQ
加 力にお け る 全体 曲 げの影 響 を 大 き く受 けるが,
拘束係 数 が 大き く な る と壁 板の ス リップ破 壊が支 配 的と な り, 対 角線加力とNMQ
加 力による差が少な く な るものと 思 わ れ る。
以上の こ と か ら,
(22
)式の各 範 囲に対す る耐 震 壁の破 壊 型につ い て も,
対 角 線 加 力に対す る (19) 式の各 範 囲と同様の分 類を行うこ と がで き るもの と考え ら れ る (5.
2.
1項 参 照 )。
一
82
一
o.
4i
日
山 田研.
望 月研 (25熔 ) (騰 ) o.
2t
彦
L望 月 研 ゜0
.
ZO
,
4鵬 ) (A9)
一
一
(All) (a) (q.
.
):
.
.
t−
(q.
.
)c.
1
開 係 (b)ヒス トグ ラ ム (^1)〜
(へ7X ^8)會
蠶
1
.
5擾
・ O.
5 0 0.
05 0.
10 0,
15 100 200 300 400 (の β.
p.
の影 響 (の Feの彫響 図一
6 対 角線加 力に よる耐 震 壁のせ ん断 耐 力の推 定 結 果6.
耐 震 壁の せ ん断耐 力の 推定 結 果 6.
1 対角線 加 力に よ る場 合 対 角 線 加 力の実 験 結 果 (82体 )Al}−
AL2)につ い て実 験 値 と計 算 値 を 比 較し た結 果と して,
図一
6に (qwu)test−
(qwu
>cal 関 係 , ヒ ス トグ ラムお よ びβ。pω,
F
。の影 響 を 示し た。 図一
6 (a),
(b
)に示す ご と く, (qwu)test/(qwu)cal の平 均 値と変 動 係 数は 1