1
論 文】 UDC :624.
02 :624.
042.
7 :620,
1 日本建築学会構造系論文報告集 第 370 号・
昭 和 61 年12月仮 動 的 実 験
に よ る
地 震 時 応 答
の
精度
仮 動 的実 験手 法
に よ る地震 時応 答再
現性
正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員崎
島
薗
崎
田之
山
中
上井
前
正
隆
征
克
裕
*愛
* *志
* * * 男* * **馬
* * * * *1.
序 筆 者ら は仮 動的実 験による構 造 物の地 震 時 応 答 再 現 性 を評 価す る目的で一
運の実 験を実 施した。
こ の実 験で は 2種 類の鉄 骨 骨 組 (2層 純 骨 組および 2層 筋 違 付 骨 組) を対象に した。 各 骨組に対 して同一
の試 験 体 を2体 製 作 し,1
体を用いて振 動 台 実 験を実 施し,
他の 1体 を用い て仮 動 的 実験 を実 施し た。
そ して両 実 験か ら得られる応 答 を 直接 比較する ことに よっ て,
仮 動 的実験に よ る応 答 の真の応 答に対 する精 度 を評 価す ることを試み た (文献 1)。 そ の結 果,
仮 動 的 実 験による応 答は振 動 台 実 験によ る 応答を良く再 現して いる が,
当 然の ことなが ら両 応 答 が まっ た く同じ という訳で は ない。 純 骨 組 試 験 体 (以 下BF
試 験体 )では変位応答におい て塑 性 流れ量に差が見 られ る (す なわ ち一
方の応 答 が他の応 答に比べて正負い ずれ か に偏っ ている),
筋違付試験 体 (以 下BB
試 験 体 ) で は筋違の抵抗過 程にや やずれ が見られ る こと,
等が明 ら か に なっ た。
本論は 上述実験 結 果の差 を さ らに考 察 し, 仮 動 的 実 験 手法の地 震時 応 答 再 現 性につ い て定 量 的 評 価を加え るこ と を 目 的 と す る
。
こ の 目的を 達成する た めに解 析モ デル を設 定し数値解析を行っ た。 解 析モ デルの設 定に あ たっ て は,
両 実 験 結 果か ら得られる応 答 を生み出し た構造シ ス テ ム (系 )は一
体 何であっ た かを逆問題と して解い た。
すな わち振 動 台 実 験 結 果 を生み出す構 造 系 と, 仮 動的実 験 結果を生み出す構 造系を,
そ れ ぞ れ シ ステム同 定 手 法 を用いて求め た。
一
般に2
つ の 地震応答 時 刻 歴 を比 較 するこ とは難し い。画
応 答の違いは各時 刻ご とに当 然 変 化 するの で,
単 * 建設 省 建 築研 究 所・
工 博 II 建 設省建 築研究所・
Ph.
D,
*# 建設省建築 研 究 所・
工修 # # 佐 藤工業(株)技術研究 所 (当時 建 設省建 築 研 究 所 受 入 研 究 員 )・
工修 1* # “ 前 田建 設 工 業 (株 源 子 力部 〔同上) (昭和61年3月5日原 稿 受理} に各 時 刻ご との差 を 求め提 示した ところで, それ は結果 の散 漫な比 較に しかなり得 ない。 しか し上 述の よ う に, ま ず 実 験 結 果 を生み出し た系 を定 義し,
その系の特性の 差 を持っ て両実 験結果の違い をと らえ ること は,
応 答の 持っ 差 異の 本 質 を議 論す ることを可 能に す る。
2
章では 両実験結果を生み出した系 を同定す る手法 を提 示する。
3章 で は同 定 さ れた系の数 値解析に よっ て,
仮 動 的 実 験 に含 まれ る各 仮定・
簡 略 化 (文 献1参 照)が試験体の応 答にどの程 度の影 響 を及ぼ す か を考 察 する。
4,
5章では,
同 定さ れ た系の数 値 解析によ る 応答と,
実 験か ら得られ た応 答を 比較 する ことに よっ て,同定の 精 度 を検 討す る。 ま た振動台実験 を代 表 する系 と,
仮 動 的実験を代 表 する 系の持つ構造特性の違い を明 示し, その違い を生み 出し た 要 因 を 分析 し,
さら に分析 結果に基づ い て仮 動 的 実 験 の地 震 時 応答再 現 性を考 察す る。
2.
試験体の モ デル化2.1
運動方程 式の設 定振動台実 験と仮 動 的 実 験の弾 塑性応 答を再 現 する解 析 モ デル と して , 2自 由 度のせ ん 断 型バ ネ
ー
質 点 系 を 仮 定 し,
次式に 示 す 2階の微 分 方 程 式 を 中央 差 分 法を用い て 解いた。
tmJlxl
+[c]1
制+Vi
=
=rmJllneg
bmJ
とし て は文 献 玉 の表一
3に記さ れた値 (こ の値は 仮 動 的 実 験に先 立っ て実 測さ れ た値であ る)を用いた。
ま た [c]と して,
振 動 台 実 験 応 答の再現にあた っ て は弾 性 1 次,
2 次モ デル に対し て そ れ ぞ れ0.
7%,
0.
2%に な るよう なレー
レイ型 減 衰 を 与え た。
こ れ らの値は,
振 動台に よ る共 振 実 験に よっ て得られ た値であ る。一
方仮動的実験 応 答の再現にあ たっ て はこ れ を無 減 衰 と し た。 これ は同 実 験 を, 実際に無減衰と して実 施し た ことに対 応 するもの である (以上文 献 1 参照)。
ま た 入 力 加 速度は振 動 台 実 験時に振動台上で得 られ た加 速度を 0.
01秒 刻みに離 散 化し たもの で ある。 な お, 仮 動的実 験の際にもこれを入 力 として用い て い る。一 40 一
上式に おい て [
fl
で表さ れ る復元 力 特 性につ い て は,
振 動 台実験と仮 動 的 実 験それぞれ か ら得ら れた各 層の荷 重 変形曲 線 を再 現す る復 元 力モ デル を設 定し た。
こ の よ うに解 析モ デル の設 定に当たっ て は,
i
)モ デ ル を2自 由度系バ ネー
質 点系と仮定し,ii
.
)動 的 応 答をz
階の微分方 程 式で代 表さ せ,
iiD
質 量 と減 衰 特 性 を既 知 量と し,iv
)復元力だ けを実験結果か ら同定する, と い う手順を とっ た。 仮動 的実験応答の解析モデル につ い て は,
元来,
実験その もの が 上 記i
)一
iv
)の仮 定に基 づ い て いるの で,
復元力だ け を取り出して同 定する こと で問 題は ない と考え ら れ る。一
方,一
般に振 動 台 実 験 応 答の解 析モ デル につ い ては, i
)一
iii
)の諸 仮 定その も の が必 ずし も妥当であ る とは限らず, した が っ て こ れ等 の仮定の も と に復元力特性だけを同定す る手 順は,
必 ず じ も最適と はい え ない。
しか し, 本 実 験に用い た試 験 体 の 質量の集中 度 (質点位置に 92−
94% の集 中 質 量 ), さ らに本実 験か ら得られた履 歴の大き さを 考 慮し て,
振 動 台 実 験につ い て も仮 動 的 実 験と同様の手法で 同定し た。
復 元 力モ デルの同定の概 要を以 下に示す。2.
2Ramberg
:Osgood
型復元力モ デ ル 今 回の実 験では骨組 柱 部材が弱軸方 向に抵 抗するよ う に加 圧し た た め,
骨組 部は紡錘型の履歴特性を持っ て い・
る 。 そ こ で紡錘型の復元力 特 性を適切 に表現 で き る Ramberg−Osgood
型モ デル (文献2,
以後R −0
モ デル と称 する)を用いて骨 組 部をモ デル化し た。こ の R
−O
モ デル は,
骨格 曲線お
よび反転点 {x。/Xv,
Po/Ps)後の履歴 曲 線 を 無 次 元 化表示 する と それ ぞれ次 式で示さ れ る。
\ 骼 曲線・
蕎
巻
(
1+ aP
T−
1 π)
履 歴 曲 線 ・詈
一
響
(
P−
Po γ一
1 1十 a 2Py)
た だし
,
Xyは降 伏 変 位,
Py は降 伏 荷 重,
α,
γは材料 に よっ て決ま る係 数 を示す。係 数 α
,
γが そ れ ぞ れ変 化 する と,R −
O
モデ
ル の骨 格 曲 線は図一
1の よ うに変化する。
α,
γの骨 格 曲線の性 状 図一
1Ramberg・
Osgoodモデルの性状 に及ぼ す影 響は次の よ うに解釈で き る。
1
) α の性 状a=
O
の場 合は, γ の値にか か わ らず,
R−0
モ デル は 弾 性とな る。
ロ≠0の場 合, α が大きい 程 降伏 荷 重に お け る変 位は大き くな り,
見かけの剛 性は下が る。
2) γ の性 状γ
=
1.
0の場 合はa の値にか か わ らずR −0
モ デル は 弾 性 とな る。 γ≠1.
oop場 合, γが大きい程R −0
モ デル はバイ リニ ア型に近づいて ゆ く。
以 上の記 述か ら,
R−
0 モデル を数値解析に用い る場 合には, Xy,Py
が同一
で も係 数 a,
γ によっ て見か けの 初期 剛 性 や 非 弾 性 域で の履歴特性が大き く変 化する こと を考慮し な け れ ばな らない。
2.
3 非 線 形 最 小2乗 法に よ る係 数決定R −0
モ デルの係 数を決定す る た めに, こ こ で は振 動 台 実 験と仮動的 実験 より得ら れ た 荷 重一
変形 関 係に非 線 形 最 小2
乗法を適 用し た。
ま
ず,R
−0
モ デル の係 数 を, 初 期 剛 性 (K
}, 正 側 降伏 荷重 (Py+
), 負 側降 伏 荷 重 (Py.
)およ び係 数α,
γとし た。 通 常の R−0
モ デ ル 〔文献2 )で は降 伏 荷 重は正負と も 同じ で あ る と考え ら れ ている。
しか.
し,
本 実 験 結 果で は 耐力 が 正負で 異 な ること,
また こ の違いが応 答に大き な 影 響を及ぽ して い る可能 性が ある こと を考慮 して,
正負 降伏荷重 を独 立な係 数 とし, せ ん断 力は 正負の降伏 荷重 の比に応じ て求め ら れ る と した。
係 数 を求める手順を以 下に示す。1> 各 係 数に初 期 値を与え る。 初 期 剛 性はr 正側 骨格 曲線の荷 重の最大値の 1/3 に至っ た点と原 点 を結ぶ 直 線の傾き か ら
,
ま た 降 伏荷 重は最大 荷 重の 80 %と し, 正負と
.
も同じ降伏 荷 重で あ る と し た。
a とγ につ いては,
正 側 骨 格 曲 線に線 形 最 小2乗 法 を 適 用 する こ と に よっ て求めた。
2) 実 験 より得 られ た変 位 〔翻 を用い て,
R−O
モ デ ルか ら復 元 力 (F
。(x ‘))を計算す る。 3) 実 験より得られ た復元力 (Fe
(x、))と2
)で計 算され た復元力と の残 差 を求 め
,
その2
乗和 (S
)を計算 す る。 4> S の 中に含ま れ る各 係 数を修正 する。 この 修正に は Levenberg
−
Marquardt 法 を 適 用し.
tl
。 尚 本計 算に は,
富 士 通フ ォー
ト ランSSL
且 (科学 用サブ ルー
チン ラ イ ブラ リ)サブルー
チン (NOLF
1 ) を用い た。.
5
)2
)〜4
)を繰り返し, 残 差の 2乗 和 が 最 小 と なる よ うに, 各 係 数 を決 定する。
BF
試 験 体にっ い て仮 動 的 実 験と振 動 台 実 験に非 線形 最 小 2乗 法 を適 用し た結 果を表一
1に示 す。 ところで,
弾 性 応 答 実 験か ら得ら れ た 1次お よび2次の固 有 振 動 数 が振 動 台 実 験につ い て,
2,
133Hz,
6.
048
Hz,
仮 動的 実一
41
一
表
一1BF
試 験 体R−
0 モデルの係 数 R−
O 南odel Pora肥 ters CBF Specimen}5眠 PSO 1F2F1F2F 匸14就io 5tiffness〔ton! l Y1巳1d Forcel+} 【to網l Y1ε1d
Forcel
−
Htonl 5 Y 0.
09902.
7062−
2.
63170.
7104 田.
4674 0.
13522.
8172−
2。
81720.
710410.
4674 0.
09902.
55932.
91B4 圏.
24235.
6150 0.
13522.
89102.
8910L24236.
6150 験にっ い て,
2.
133Hz,
6.
056Hz
とほ と ん ど一
致し て い た。 そこ で, 表一
1中の初 期 剛 性は実験か ら得ら れ た 固 有 振 動 数 を振 動 方 程 式に入れ て解い た値の平均 値と し,
非 線 型 最 小2乗 法の適 用にあた っ て はこれ を 既 知 量 と し た。 2層につ い て は, 応 答がほ ぼ線 形で あ る た め非 線 形 履 歴 部 分 を 規 定 する係 数の α,
γを適 切に求め るこ と が 困難であっ たの で,
2層の係 数 α,
γ は 1層と同じ 値と し た。
3.
仮 動的実験に伴 う近似の影響 仮 動 的 実 験は種々 な仮 定 と簡 略 化 を含んでい る。
その 主な もの に 1 )本 来 連 続 体で あ る構 造 物を バネー
質 点 系 に置換
するこ と (運 続 体の離 散 化 ),
2)微 分 方 程 式であ る運 動 方 程 式を差 分 法で解くこと (時 間の離 散 化), 3> 減衰特性を速度に比例する粘 性 減 衰とし て代 表させ,
ま た その減 衰 定 数 を仮 定 すること, 等が挙 げら れ る。
2
章で求め たBF
試験体を代 表する バ ネー
質 点 系モ デ ル を用いて,
各 近 似の弾 塑 性 応 答に対 する影 響を検 討す る。 1)連続体の 離散化につ い てBF
試 験 体で は各層床 位置に 2t相 当の錘 を取り付け た。 こ の重 量は仮 動 的実験で仮 定し た各 質点重量 の約 90%に相 当して い る。 こ の試 験 体の よ うに質 量が あ る 点に集中して い る時,
そ の集 中し た点を離 散 化され た モ デル の質点位置とすること は,
一
般に妥 当な仮 定である。
弾性応 答実験か ら得ら れ た 1次お よ び 2次 固有 振 動 数が 振 動 台 実 験と仮 動 的実験で ほ と ん ど一
致し て い る こと は, 2 質点系と して取り扱っ ても,
本 来 連 続 体と して の 試験 体が持つ 振動 特性を適切に表現で きうるこ とを示 し てい る。
2) 時 間の離 散 化につ い て 仮動 的実験に用い た入 力 加 速 度は振 動 台 実 験 中に振 動 台上で得ら れた加 速 度 記 録を0.
01秒 刻み でA
/D
変 換 し たもの で あ る。 アナログ記 録さ れ た振 動 台 加 速 度 記 録 を7回独 立にAID
変 換して7
個の 離 散 化 加 速 度を得 た。
こ の 7個の 加 速 度に よ るBF
振 動 台実 験の 弾塑性 応 答を, 仮 動 的 実 験と同じ条件下で中央 差 分 法による数 値 解析から求めたところ,
応 答は 7個と もほ と ん ど一
致 し た。
この結果,
入力 加速度を0.
01秒 刻み に離 散 化 す るこ と は試 験 体の応 答に関わ る周 波 数 成 分をすべ て正し く含む程 度に十 分 細かい ことが明 らかと なっ た。
運 動 方 程 式を中 央 差 分 法に よっ て解く時の解の精 度は一
42
一
表一
2 粘 性 減 衰の種 類 と 定 数 (BF 試 験 体 ) 5「5peci刪m.
R巳n−
R2Iyp∈Of ViscOu5 ロa 叩ing (SUffness
Pro
o 就 bnal
lVi
麗oロ5
D in 隔tio stHoe2n 隔P 巳
Ba5ed on 1nltね1 Stiff日ess 巳器ed on 丁ang叩t Stiffnε55 Based on 【nit 重al Stiffness
Based on Iang巳nt Sti「fne3S
閥OD 邑叩ing 0
,
0070,
0070,
0100.
0100.
ooo 0.
0200.
0200.
0280.
0280.
000 84.
2 o一
84.
2Effect
ofV
置8co腫8D
囗rnping2F
Di5F
l
, ‘BF
Speeimen,
Run −
R2,8 0 03
.
65Time {seC} Effect of Viscous Dαmp 置nglF Shear‘ton} (BF Specimen
,
Run−R2
,1
→
5.
65
一
3.
08[ 図一
2 粘 性 減 衰の応 答に対す る影 響 Tlme ‘sec, 積 分 時 間 刻みの関 数で ある。BF
試 験 体の仮 動 的実験で は 0.
01 秒の時間刻み を用い た。
中 央 差 分 法に よるBF
試 験体の数値解 析 を,
積 分 時 間 刻み O.
Ol,
0.
005
,0.
0025
秒の3
種類につ い て実施 し た。 応 答 結 果に差は ほと ん ど 見 られず,O.
Ol
秒とい う積分時間刻み は,
解の精 度 を 十分保 証す るこ と が判っ た。 な お,
積 分 時 間 刻み と応 答 の精 度の関係にっ いて は文 献3
が詳しい。3
) 粘性減衰の影響につ い てBF
試 験 体 弾 性 実 験で は, 粘 性 減 衰 とし て弾 性1
次 モー
ドに対して0.
7%と な るよ うな初 期 剛 性 比 例 型 減 衰を与え,一
方 弾 塑性 実 験で は無 減 衰と し た。
現実 (振 動 台 実 験)の粘 性 減 衰 特 性は時 刻の関 数である可 能性も あ り, あ る意 味で未知 量 とい え る。 粘 性 減 衰の応 答に対 する影 響 を検 討 する た めに表一2
に示す5 種 類の粘性減 衰を仮 定して数 値 解 析を実 施し た。
弾塑性応答結果(2層 変 位と 1層せん断 力 〉 を併わ せ て図一
2に示す。
こ の図 か ら明ら か な よ う に,
粘性減 衰を弾 性 実 験と同 様の初 期 剛性比例型 と して与えて も,
その減 衰 量を弾性 実 験で用 いた値の2
倍と しても,
ま た接 線 剛 性 比 例 型 とし て与え て も,
応 答に ほ と ん ど影 響は ない。BF
試 験 体の弾 塑 性応 答で は
1
層が大き な塑 性 変形を受 けることに よる減 衰 (履 歴 減衰)が 圧倒 的に大きい の で,
粘 性 減 衰が全 体の 応 答に及ぼす影 響は微々た る もの であ ること が判る。
以 上 BF 試 験 体に対す る仮 動 的実験に含ま れ る連続 体の離 散 化, 時 間の離 散 化, 粘 性 減 衰 選 択によっ て生み 出さ れ る誤 差は,
全 体の応 答か ら見る と無 視で き る ほど 小 さい こと が明 らかになっ た。 な お,
BB 試 験にっ い て も 同じ手 順で上記の仮 定に対 する応 答の影 響 を考 察 し,
BF
試験体と同様の結果を得た。4.
BF 試 験 体の相 関 性 4.
1
実験と解析の比 較 2章で求め られた両実験 結 果を代 表する解 析モ デルを 用い て弾 塑 性 応 答 解 析 を行っ た。 以 下 両 実 験 結 果と解析 結 果を 比較検 討す る。 1 ) 振 動台実験と解析の比較 図一
3,
4,5
に層 間 変 位と層せ ん断 力 時 刻 歴と1層 履 歴の比較図を示す。
図中, 太線, 細 線は そ れ ぞ れ実 験結 果 と解 析 結 果で ある。・
また表一3
には両 者の相 関 係 数 を 示す。
1層層間変位に関し て は, 部分的に は解析 結果が 大き な応 答 を 示 すが (例え ば0.
7秒で 14%, 2.
8
秒で 30%),
相 関 係 数か らも明ら か な ように両 結 果の相 関は 良く,
解 析 結 果は実 験 結 果が負の方 向へ 塑 性 変 形して い る様 子を よ く再 現して いる。一
方 1層 層せん 断 力につ い て は,
実 験 結 果と解 析 結 果には位 相のずれもほとん どな く。
また 最 大 応 答 値で も 高々 3%の 違い (正側で は 3% 実 験 結 果が大 き く,
負 側では3
% 解 析 結 果 が 大 き い)であり,
解 析 結 果は,
実 験 結 果 を極めて良く再 現し て い る。 変位 応 答の相 関がせ ん断 力応 答の相 関に比べ て 劣るの は,
紡 錘 型の復 元 力 特 性を有 する本 試 験 体では,
大変形領 域に おいて せ ん断力の わずか の差が変位応答に 大 き な 影 響 を 及 ぼ してい るこ とによ る。一
方2
層に関し て も, 1層ほどで は な い が実 験 結 果と解析 結果の相関は 良 く,
特に層せ ん断 力 応 答の解 析 結 果は,
実 験 結 果に現 れる 2次 応 答を良く再 現し て い る。
しか し,
そ の卓 越 度 は解 析 結 果の方が や や大き い。 こ れ は 2.
3節の末 尾に も 述べ た ように,
2層におい ては大 変 形に至る大 きな履 歴 を示さ な か っ た の で,
こ れ を1層と同程 度に精 度よ く同5
σ0
丿 0 ゼ αO
「OO.
0
0一
100 .
O 図一
3 振動 台 実験結果 と解 析の比 較 〔BF 試 験 体 変 位応答,
Run−
R 2 )2F Sぬ8σ厂
For
σo (ton,但FS
ρθcitnen,
R
凵nR2
丿3
.
0 0⇔
三〇 峨0
・0
一
4 .
0
図一
4 振 動 台 実験 結 果と解 析の比 較 (BF 試 験 体せ ん断力応 答,
Run−
R 2) 4.
0 0 定 する こ と がで き な かっ た こ とに一
因がある と思わ れ一
40 る、
こ の ことは表一
3に示し たよ うに, 実験 結 果 と解 析 結果の相 関 係 数が,
振動台 実 験, 仮動 的実験 と も 1層に 比べ 2層で は小さ くな っ て い る ことか ら も うか が え る。
2) 仮 動 的 実 験と解 析の比 較 図一
6,
7,
.
8に層 間 変 位と層せん断 力の時 刻 歴と 1層 履 歴の比 較 図 を 示 す。
ま た表一
3に両 実 験 結 果の相 関係 数を示す。
1
層に関し て は, 層 間変位 ,層せ ん断力とも 実 験 結 果 と 解 析 結 果の相 関は良い。
た だ振 動 台 実 験と解 析の比 較 同 様,
解 析 結 果の変 位 応 答が大きい部 分もある (例え ば0.
7秒で ll %,
2.
8秒で 12% )。
層せ ん 断 力 ’FS幡 レ8.
伽.
融 ’at’en 曲’ρ ’FShear 78.
D飴P潟 8 ’0πoπ訪’ρ 4.
0 o−
40−
loe.
O σ tOO.
O−
100.
0 0 100.
O ‘BF Specirrコ8俾,
Rロ”一
尺2冫「
‘8F sp80颪m8 ”,
R凵”−
R2丿 図一
5 振 動 台 実 験 結 果と解 析の 比 較 (BF 試 験 体 1層 履 歴,
Run−
R 2} 表一
3 実 験 結 果 と解 析 結 果の相 関係 数 (BF 試 験 体 )一
43
一
50
.
00
一
50
ρ2F
Story
D’sp.
‘mm ,‘8
厂sρeclmen
,
尸凵n−
R2丿 6.
o一
PSD Test一 PSD
AnaO帽is 800ρTimeCsec
.
) σ−
tOO.
0 図一
6 仮 動 的実 験結果と解析の比較 (BF 試験 体 変位応 答,
Run−
R2 )2
ρ 0・
2.
02F
Sheαr Fbrc8ぐforり‘θF
S
ρedme 叫Run−R2
丿6.
σ一 PSD
Test
一
PSD Anatys’s Ttme ‘s.
,4・
O
o
)−4
ρ 図一
7 仮 動 的実 験 結 果 と解 析の比 較 (BF 試 験 体せ ん断 力応 答,
Run−
R2 }’F ξ朗e囗rv $
.
DiSp.
Relatiensぬ’ρ ’F Sh8α サs.
αsμ尺創b” ’ρO 0
一
tOO.
0 0 100.
O−
tOO.
O・
O IOO.
O‘BF Specimen
,
Run−
R2丿 ヒ8F Spectme”,
R凵r卜R2♪ 図一
8 仮動 的 実 験 結果 と解 析の比 較 (BF 試験 体 1層 履歴,
Run−
R 2) で は, 解析 結果が正側で 2% 小さ く,
負 側で 3% 大 き く なっ て い る。一
方』
2層につ い ても2
次応 答の部 分 的な 相 違 を 除いて,
解 析 結 果は実験結果を良く再現し ている。 図一8
を 見 る と実験結果 と解析結果は非 常に よい相 関を 示し,R −0
型履歴モ デル は本 試 験 体の復 元 力 特 性を精 度よ く再 現で き る モ デルで あ ること が わ か る。一
44
一
4.
2 相 関 性の評 価 3章で仮 動 的 実 験に含ま れる各 近 似の応 答に対す る影 響は無視できる程 小さ く,
また前 節で両 実 験を代 表さ せ る履 歴モ デルを用いた数 値 解 析が実 験 結 果 を適 切に再 現 で き ること が判っ た。
し た がっ て両 実 験 結 果の差は両 実 験 結 果の履 歴の差で あ る と考え ら れ る。
つ ぎに履 歴モデ ルを 比較する ことによっ て, 両実験に差 を生み出 した要 因 を 考 察す る。
表一
1のR −0
モ デルの係 数 a,
γを比較すると,
振 動 台実験結果 を表すモデル (以 下 振 動 台モデル )の方が仮 動的実験 結果を表す モ デル (以下仮動的モ デル)に比べ て, a が小さ く γが大きい。
これ は 2章で説 明 し た よ うに振 動台モ デルの方が よ り完 全 弾 塑 性 型に近い こ と を 示 唆し てい る。
正 負 降 伏 荷 重を 比較す る と,
振 動 台モ デ ル で は正 側が負 側に比べ て3
% 高く,
仮動的モ デル で は負 側が 正側に比べ て約 14%上 昇 して い る。 R−0
モ デル では,
見か けの剛性や降 伏 荷 重は各 係 数の変 数で あ る の で,
例えば見かけの耐 力の検 討に,
定 数 とし て与え た 降 伏 荷 重 を 比較す る だ けで は不 十 分である。
図一
9に 振 動台モデル と仮動 的モ デル の骨格・
履 歴 曲線 を示す。 な お,
図 中変位の最大値は そ れ ぞ れの解 析 結 果に おける 最大値に合わ せて いる。 本 図か ら正側におい て は両モデ ル の非 弾性域における剛性 低 下 特 性に顕 著 な差はな く, 仮 動的モ デル のせ ん断 力は振 動 台モデル の せん断 力に比 ぺ て一
貫 して低い こと (振 動 台モデル の最大せ ん断力の 約10
%),一
方 負 側におい て は振 動 台モ デル の剛性 低下 の ほ う が大き く,
その結 果 大 変 形 域におい て仮 動 的モ デ ルの せ ん断 力のほ う が 大 き く なるこ と が読み取れ る。図
一
9の破線
は仮 動的実験 時に 生 じて いた原 点のずれ を補 正 し た履 歴である (文 献1 参照)。
この図か ら正側 最 大 応 答 付 近の せ ん断 力で約 100kg 振 動 台モ デル の方 が大き く,
逆に負 側で は約 100kg 仮 動 的モ デル の方が 大きい結果と なっ て いる。 振 動 台モ デル におい て負 側せ ん断力が正側せ ん断 力に比べ て約 100kg 小さい ことを,
実験 中 に 柱 脚の一
部が破 断し た結 果で あると解 釈し, 理 想状態で は振動 台モ デル の正 負せ ん断 力は大 変 形 領 域で 等しい と仮定するな ら,
負 側せ ん 断 力は両モデル で一
致.
0 図一
9 振 動 台モ デルと仮 動 的モデル の履 歴 比 較 (BF 試 験 体1 層 履 歴,
Run−
R 2)し
,
正負 最大せ ん断 力の和 (図一
9の縦 軸 最 大 値か ら最 小 値へ の距 離 )もほ ぼ一
致 する。最 近載荷 速 度の履 歴etr及ぼ
す
影 響が諦
じら れて い る (文献4,
5
)。
振 動 台 実 験で は加 力が動 的で ある のに対 し,
仮動的 実 験で は加 力は準 静 的であり,
両 実 験の載 荷 速 度は明らか に異な る。
こ こ で本 実 験たお け る載荷 速度 の履 歴に及ぼ し た影 響の可 能 性とそ の程 度 を考
察す る。 図一10
はBF
試 験 体の振 動 台実験か ら得ら れた変位と 速度の履歴 図であ る。 本図 中 太 線で示 し た部 分は最も 大 き な変 形を受けた 1サ イク ル で あ る。 い ま変 位が0
の点 を考え る と,
速 度は正側で 58.
2,
負側で 64.
4,
両 者の 平 均61,
3kine
であっ た。 こあ 1サ イ クル の変 形 を 受け た時の R−0
モ デル履歴 を 図=11
に示す。 図一
11の変 位0位 置での せん断 力は,
正 負せ ん断 力の絶 対 値の和と して (総せ ん 断 力 と定 義)振 動 台モデル に対して 3.
99t,
仮動 的モ デ ル に対し て3.56t
であり, 振 動 台モ デル の ほ う が 13% 高い結 果と なっ た。 振 動 台 実 験では絶 対 加 速度に質量 を乗じた値を も とに せ ん断 力 を 求め て い るた め, 厳密に はこれに粘 性 減 衰 力の効 果 も考 慮 する必 要が あ る。 いま系が1
次モー
ドで応 答 して いる と仮 定し,1
次モー
ドに対する粘 性 減 衰 定 数を0.
7 % (文 献1 参照)一
so・
9
80.
0−−
Disp.
emm) 図一
10 速 度 変 位 履 歴 図 (BF 試 験 体1層 履歴,
Run−
R2 ) FarcOfteρ, 図一
11 振 動 台モ デルと仮 動 的モ デルの 履 歴 比較 {BF 試 験体 1層履歴,
Run−
R2 ) と す る と,58.2
,64.
4kine
の速度に対す る減 衰 力は そ れ ぞ れ 57kg , 63kg
とな り,
こ の減衰力の和は振 動 台 モ デル の慣 性 力か ら求め た総せ ん断 力の 3.
0
%に相 当 す る。 ゆ え に約10
% が両モ デル の履 歴に よ る せ ん断力 の差と な る。
鉄 骨構造部材,
あ るいは架構の規模で は載 荷速 度の履 歴に及 ぼ す影響 を定量的に考 察し た資料は残 念な が ら少ない。
長方形 断面を有す る長さ50cm
の鋼 製片持ち ばりが頂 部に30kine
程度の載荷速度を受け る 時 (本試験 体の柱反曲 点 位置 を端 部か ら50cm と仮 定 し た時に ほ ぼ対 応), 降伏 荷 重や履 歴 時せ ん断 力 が 15% 程 度 増 す とい う興 味 ある成 果が林 (文 献5)によっ て報 告され て い るが,
本 実 験か ら推 定さ れる変 位0位 置にお ける せ ん断 力の差は約 10%で あり,
彼の推 定 よりや や 低い値と なっ て い る。 5.
BB 試験体の相 関性 数 値 解 析に当っ て は,
試 験 体を骨 組に対して R−O
型 の,
筋 違に対し てバ イリニ アス リッ プ型 の履歴特性を持 つ 質点系に モ デル化し た。
骨組,
筋 違の復 元 力 特性 を表 す 各 係 数は,
2 章と同様に実 験か ら得ら れ た荷 重一
変形 関係に非 線 形 最小2
乗法を適用し て求め た。 非 線形最小 2 乗法から求め ら れ た各 係 数 を表一
4に示す。
こ こ で,
骨 組 部の復 元 力は柱に て ん付さ れ た ひずみゲー
ジ デー
タ よ り計算さ れ た値 を, また筋 違 部の復元 力は, 全 体 復 元 力か ら骨 組の復 元 力 を差し引いた値 をそれぞ れ用い,
筋 違 部, 骨 組 部の係 数 を独 立に求めた。
図
一
12,
13に振 動 台 実 験と解析の 変 位と せ ん断 力時 刻 歴の比 較を,
図一
14に 1層 履 歴の比 較を,
図一15,
16に仮 動 的 実験 と解 析の変 位と せ ん断力 時 刻 歴の比較 を,
そ して 図一
17に 1層 履歴の比 較を示す。
な お, 以 上の図はいずれ も弾塑性応答に関す る ものである。
また 実 験と解 析 結 果の相 関係 数 を 表一5
に示 す。
実験 と解 析 結 果の比 較か ら次の事 項が明ら か に なっ た。 変位時刻 歴 につ いて は振 動 台・
仮動 的 両モ デ ル と も大 変 形 経 験 後の 比 較 的 小さな応 答 領 域におい て差が見ら れ る。
せ ん 断力 応 答につ い て も,
筋 違 部が抵抗し始め せ ん断 力 が 急 激に 表一
4 BB 試験 体 R−
0バ イ リニ ア混 合モデル の係 数 B巳 SPECI旺 膕 mD 匚L P照姙 T匸艮S 巳RκES (Bihne 己r 鰍}de1} s闘K pso 巴otry 1F 2FlF 2F 匚lasticStiffness〔ton! ,
Yi肆ld Force 【+} 〔tonl
Yield Force 〔
−
1〔to吋 Second StiffRe∬ Relatiりe toε1astic5目fr卩e55 ‘
+
}Second Stiffness 陸eloti 肥
to Elostic Stiffne55 【
−
1 1.
聰54 0.
695 4.
334 2.
610甲
4.
540辱
2.
745 0.
0157 0.
073 0.
0α巳7 0.
041 L219 0.
740 4.
2刀 2.
252r4.
104 2.
074 0.
0233 0.
0364 D.
0148 0.
0522 F臓 S【R−
0南d已1}Elastlc
Stiffne3s
ltonノ 1
ヤield
Force 田 〔tonl
Yield Force l
−
1〔ton}o γ 0
.
1536 0.
1434 3;0615 3・
1587」
−
2,
9949,
3.
1937 0.
7849 0.
1147.
9.
6437 ,0.
8804 0.
1409 0.
1519 3.
05D2 4,
師510−
3.
3011−
4.
9811 0,
8702 1.
0672 }O.
2328 ,0.
9189一
45
一
5
αO o一
50.
0
tOOρ o一
SHK Test一 SH
κAnOlyd8
,F
D 【mm , ‘B8Speclmen
,Run−R2
, rlOO・
O
図一
12 振 動 台 実 験 結 果 と解 析の比 較 〔BB 試 験体 変位応 答,
Run−
RZ > 1α0一
to.
OiO.
oO
lF
Shoor
Fbrce‘f }‘88
S
ρedmon. R」麟
一
R2, o一
to.
O−
SH
κTest
』
SHκ Anatysts 図一
13 振動 台 実 験 結 果と解 析の比 較 (BB 試験体せ ん断 力 応 答,
R腫n−
R2 ; 「 Sbeαr劉5.
D域 Rdb,b闘帥 IF S禰 rり5.
D翁臥RelatkUshlP lαO lαO 0 o■
ゆ ρ一
ゆρ・
tOO.
0 0 「OO.
0卩
10α0 0 100.
O ‘B日Specimen,
F一
R2, ‘8B Spechnen,
R田一
R2, 図一
14 振 動 台 実 験 結果 と解 析の比較 (BB 試験体1層 履歴,
Run−
R2 ) 上昇す る部分 に おい てせ ん断 力に差 が 現れ る (例えば振 動 台実験で は7,
2秒 付 近, 仮 動 的 実 験で は 3.
8秒 付 近)。 振 動 台・
仮動的 両 実 験の比 較か らも,
筋 違 部が抵 抗し始一 46 一
5
α0 o一
50.
o ゆ0
ρ orlOO.
0
図一
15 「o.
o o一
10ρ1
αo
0一 PSD
「rest
一 PSD
A
呵 陣 tF 晦 ‘mm 冫189
S
圃,
Run一
咫 , 仮 動 的 実 験 結 果と解 析の比 較 (BB 試験 体 変 位 応 答,
Run−
R2 )2F
Sh8αrFbrce
‘量 , ‘BB
Speclme
の,
Run−
R2,tF Shear Fbrce‘tOfl, (B8 Spectrnen,
RUi−R2
,
一
IOρ 図一
16 仮 動 的 実 験 結 果 と解 析の比 較 (BB
試 験 体 せ ん断 力 応 答,
Run−
R 2) IF Stmorりs.
【獅 R8絢,b脚 IF S 」「乱D鱈p.
R∈虐擢br蹈由IP
’α0 κ瓦0 0 o一
P.
o−
tOD
−
IOO.
0 0 tOO.
O圏
fOO.
O O JOO.
O‘B8 Sρoc1men
響
R凵叨一
R2) ‘8B Sp6d , Run−
R2, 図一
17 仮動 的実 験結果と解 析の比 較 〔BB 試 験 体 1層 履 歴,
Run−
R2 ) め せ ん断力 が急 激に立 ち上が る部分にお け る せ ん断 力の 差が観 察 され た。
こ の部分では わずか な変 位の差 がせ ん 断 力に大き な影 響 を及ぼ すの で数 値解析の限 界ともい え表
一
一
5 実 験 結 果 と解 析 結 果の相 関係 数 (BB 試 験 体 ) る。 表一5
の相関 係 数 を見る と一
般に変 位 応 答の 方がせ ん断力応 答よ り も良い。BF
試 験 体で は大変形 領 域に お ける剛性が低いの で, 変 形の誤 差は せん断 力の誤差 と し て ほ と んど現れず, その結 果せ ん断 力応 答の相関が変位 応 答の相 関に勝っ て い た。一
方BB
試 験体では非 弾 性 繰返 し変形 領 域に お い て は,
筋 違 が 抵 抗 す る部分で の せ ん断 力 がその時の変 形に敏感であ るので, せん断 力 応 答 は変 位 応 答 よりも相 関が悪い。
ま た振 動 台 実 験 結 果と解 析の相 関は,
振動台と 仮 動的両実 験 結果同士の相 関より 高い と はい えず (特に せ ん断 力に お い て),
これ は解 析 モ デルが試験体の特性を十 分につかみ きっ て いない結 果 であ る。 図一14
か ら も 明 らか な よ うに振 動台実 験の履 歴には小さ な凹 凸が多数観察され る。
これ は加 速 度と変 位 計 測の微 妙な位相のずれ,
また如
速 度 計に混 入さ れ た せ ん断 力とは本 質 的に無 関係な 衝撃 波, 等に影 響されて 生 じたもの であ る が,
こ れ ら 凹 凸は こ こ で規 定したモ デ ル の適 切 度を減 じ て お り,
した がっ て相 関 係 数も低 く な っ て いる。 振 動台・
仮 動的両モデル か ら それ ぞ れ得ら れ た 骨 格・
履歴曲線を 図一
18に示 す。 こ の図に よ る と両モ デル の 履 歴特 性は,
負 側 初 期の非弾性域にお け る せん 断 力のわ ずかな差 を除け ば,
ほと ん ど等 しい ことが判る。
これは 実 験 結 果の比 較や,
ま た各実験 と解 析との比較に お い て も明らか な ように,
両実験結果に顕 著な差が な く,
相 関 が良い こと を示す もの であ る。
図一
16の履 歴 曲 線を骨組挙動 を代表す るR−
0 モ デル と, 筋 違 挙 動を代表す るバ イリニ アス リップモデルに分 離し て,
図一
19,20
で そ れ ぞ れ比 較 する。 図一19
か ら 正側の履歴 は ほ ぼ等しい が,
負 側で は仮 動 的モ デル の最 大せ ん断 力が7
%高く, また振 動 台モ デル で は大変形
領域にお け る正 負せん 断 力がほ と ん ど等しいの に対し て,
仮 動 的モデルでは正 側に対し て負 側せ ん断力が9
% 高い結 果と なっ てい る。
図一
20を 見る と仮 動 的モ デル の筋 違 剛性の方が若 干 高 い。
また並
側の降 伏 荷重は ほ ぼ 等しいが,
負側では仮 動 的モ デル の降 伏荷重が約 10% 低い。 ま た第2
こう配は正 負 と も仮 動 的モ デルの方が高 い とい う結果が得ら れ た。 図一
18に よる と両モ デル の 履歴 がほとん ど一
致し て いる の に,
それ を 分割 して図一
19,20
と し て表すと両 者に差がでるこ とに対して は, モ デル化に含 まれて いたい くつ かの問 題 点を指 摘しな け れ ば な らな い。
そ の 1つ は骨 組の せ ん断 力 をひずみゲー
ジ デー
タ よ り算出 し たこ とにある。
文 献1の図一
14 に 示し た よ うに,
ひずみゲー
ジ デー
タ を もとに して得た せ ん断 力とロー
ドセ ル か ら直接 計 測したせん断 力は良好な 相 関 を 示したが,
それで も正 側の 各ピー
ク部 分で は 10 % 程 度の違い が観 察さ れ た。 これ はひずみゲー
ジ デー
タ か らせ ん断 力 を 算 出する際に生じ た誤 差が原 因で あ る と考え られる。 今BB 試 験 体に おい て,
もし仮 動的実 験か ら得られ た骨 組の せん断 力が,
同様な理由で負側に おいて過 大 評 価さ れ たとす る な ら,一
方で全体のせ ん断 Forcettenノ 図一
19 振 動 台モ デル と 仮 動 的モ デルの骨組 履 歴 比較 (BB 試 験 体1層 履 歴,
Run−
R2 )70
、
σ Ferce“ en丿 885pecimen Forcefton丿
一
Te.
O図718 振 動 台モデルと仮 動 的モ デル の履歴比較 (BB 試 験 体
図
一
20 振 動 台 モ デ ル と 仮動 的モ デ ル の 筋違履 歴 比較 (BB 試1層 履 歴
,
Run−
R 2) 験 体1層 履 歴,
Run−
R 2)力が ほ ぼ等しい こと から
,
仮 動 的モ デルから得 られ る筋 違の せ ん断 力は過 小 評 価され ることにな る。
ま た振 動 台 モ デル の筋 違初 期 剛 性が やや低か っ た ことにっ いて は, 実験 開 始 前の筋 違の微 小 なた る みが あり得た こ と を考慮 し な け れ ば なら な し さ らに振 動 台・
仮 動的モ デル にお け る筋違の第2こう配の違い につ い て は, 振 動 台 実 験の 加 速 度 記 録から衝 撃 波 成 分 を 除 去す る際に生 じ た誤 差 や,
振動 台 実 験に おける骨 組・
筋 違履 歴の分離が や や不 十 分であっ たこと (文 献1, 図一
19 (a)参照)に関係し てい た と考え ら れ る。 以 上BB
試 験体にっ い て は モ デル化の過 程で上 述の よ う な 問題 点も あっ た が,
図一
18に示さ れ て い る よ う に両モ デル の履歴は ほ と ん ど一
致し た。 これ は振 動 台・
仮 動 的 両 実 験 結 果の相 関 性の 良さ を裏づけ る もの で あ る。 し た がっ て BB 試 験 体におい て は約 100kine
の最 大 速 度 を受 けたに もか か わ らず,BF
試験体と は対 照 的 に速度の効 果が顕 著に現れ なか っ た。
し か しこの記 述は 載荷速度の影 響がな か っ た と断 定する もの で は な く,
載 荷 速 度の影 響 を 直接 調べ る実 験等を通 じて さ らに検 討す べ き今 後の研 究 課 題である。
6.
結 論 本 論から待ら れた主な知 見 を以 下に示す。1
ア 鉄 骨2
層 純 骨 組 試 験 体 (BF
試 験体 )と鉄 骨2層 筋 違 付骨組 試 験 体 (BB
試 験 体 )に対して実 施し た振動 台・
仮 動 的 両実験結果を再 現 する解 析モ デル を, 骨組に 対 して は Ramberg・
Osgood
型 の,
ま た筋 違に対 し て は バ イリニ ア スリップ型の履 歴 を仮 定して,
システム同 定 手 法に より求め た。 そ し て こ の モデルが実 験 結 果を精 度 良く再 現でき ることを確 認し た。
2
)1
)で求め た解 析モデル を用い, 仮 動 的実験に含 ま れ る 近似 (時 間 的 離 散 化・
空間的離散化, 粘性減衰選 択)の応 答に対 する影 響 を調べ , これ ら近 似に よ る誤 差 は全 体 応 答か ら見る と無 視でき る程 小さい こと を実証し た。 3> 振 動 台・
仮 動 的 両実験結果の差は,
両 実験から得 れ た履歴の差で あ ることを確 認し た。
この履 歴の差を解 析モ デル の 履歴の差とし て比 較 し た と ころ,BF
試 験体 に対して は正側せ ん断 力におい て仮 動 的モ デル の方が振 動 台モ デルより低 く,
こ の差が変 位 応 答にお け る塑性流 れの差を生み出し た こと を明ら か に し,
また振 動 台モデ ルの方 が より完 全弾塑性に近 く,
そ の差は載 荷 速 度の影 響に よっ て生じた可 能 性が あ ることを示 した。 4 )一
方BB
試 験 体に対 し て は両モ デル の履 歴は ほ と ん ど一
致し,
両 実 験 結 果の相 関が極め て良い ことを裏 付 けた。BF
試 験 体とは対 照 的に,
載 荷 速 度の影 響 が 顕 著に現れな か っ た ことか ら,
載 荷 速 度の地 震 時 応 答へ の 影 響に関しては明 確な結 論が得 ら れ ず, 今 後の研 究 課 題 と なっ た。 5 ) 両実験条件の違い に よ る柱脚 部固定 度の わずか な 差の可能 性, 振 動 台 実 験 時の ロ ッキン グや ね じ れ 振 動の 可 能 性, さ らには振 動 台・
仮 動 的実験に用いた計測器の 有 効 精 度 等 を考え ると, 両 実 験に生じ た差は非常に 小さ いと考え ら れ たが (文 献1),
本 論で求め た解 析モ デル の比 較 を 通 じて もこ の ことが確 認さ れ た。仮 動 的 実 験は, 本 実 験で対 象と し た鉄 骨 試 験 体が示 す よ うな復 元 力 を持 っ構 造 物の地 震 時 応 答を,
精 度 良く再 現で きる と判 断さ れる。
謝 辞 本 研 究は日米 共同大 型 耐 震 実 験研究 (代 表 梅 村 魁,
J
.
Penzien)の一
環 として実 施さ れ た。
本 共同 研究日米 合 同 調 整 委 員 会の委 員 各 位の助 言に感 謝 する。 参 考文献 1) 山 崎 裕ほ か 1振 動 台 実 験と仮 動 的 実 験に よる鉄 骨 骨 組 の地 震応答 (仮 動 的実験手法 に よ る 地 震時応答 再 現性 },
日 本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 報 告 集,
第364号,
昭 和61年6 月.
2)
Jenn
重ngs,
P,
C,
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ing Standards,
Journal
of ST,
ASCE,
Vol.
90,
No.
10,
EM2
,
April 1964,
pp.
131−
166.
3} 中 島 正 愛 :仮 動 的実験に お け る積分時間刻み と応答の安 定の関 係 (仮 動 的実 験 応 答の精 度), 日本建築学会構造系 論 文 報告 集,
第353号,
昭 和60年7月,
pp.
29−
36,
4)高 梨晃一,
宇田川 邦 明 :鉄 骨ば り,
合 成ば りの弾 塑 性 挙 動に及 ぼ す変 位 速 度の影 響,
日 本 建 築 学 会 大 会 梗 概集,
昭 和58年,
pp.
1201−
1202.
5)林 康 裕 :鋼3層 骨組の地 震時挙 動に関す る実験的研 究,
京 都 大 学 工 学 研 究 科,
修 士 論 文,
昭 和59年3月,
一
48
一
SYNOPSIS
UDC:624.02:624.04Z7:620.1'
,
'
・'
-
':
'
ACCURACY
EVALUATION
OF
PSEUDO
DYNAMIC
RESPONSE
Earthquake
response simulation capacity ofpseudo
dynamic
testingby Dt.YUTAKA YAMAZAKI, Dr,MASAYOSHI
SHIMA, TAKASHIKAMINOSONO, YUK{OIZAKI,
KATSUMA MAEDA, Mernbersof A.I.J.
Abstract
'
In
thls paper, analyticinvestigation
was carried outin
order toevaluate the eafthquake response simulationcapacity of pseud6
dynamic
testingtechnique.For
thispurpose, responses obtainedfrom
previously conducted'
shaking tableand pseudo
dynamic
testsemployed forthe identicalstructural system were utilized. Using the'
tem identificationtechnique, the system representing the shaking table response and the system r'epresenting tbe
pseudo
dynamic
response weredefined.
Numerical
analysis was carried.outfor
those system$, and theirsponses
Were
compared with the original t.estresponses.It
wasfound
thatthusdefined
systems are able tosent with reasonable accuracy the testresponses. Using the systems, a variety of numerical analysis was
ducted
to examine the effect of various assumptionslsimplificationslncluded
in
the pseudodynarnic
testing ontheresponse, and thoseassumptions were
feund
at most tohave
the secondary effect on the r.esponse.,Whatever
difference
was observed betweep the shaking table and pseudodyfiamie
responses wasfound
tohave
been
c,ausedby
thedifference
in
hysteresis.
between
the two responses,'and
thisdifference
was suspected tohave
.occurred
by
part
by
thediffelrence
intheloading
rate.・
・
:'