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全文

(1)

柴田 智以

Associate Director, Tax

小山 寛巨

(2)
(3)

2015年に認可、あるいは奨励証書発行を受けたプロジェクトには、2014年に申請されたも

のが多数含まれている。

0

100

200

300

400

500

600

2014年

(1~8月)

2015年

(1~8月)

新規申請分の投資額

認可されたプロジェクトの投資額

(前年に申請されたものを含む)

奨励証書が発行されたプロジェク

トの投資額

(前年に申請されたものを含む)

単位:

Billion Baht

出典:BOI Official Website

1.投資動向 :

(4)

順位

2013年

2014年

2015年

(1~8月)

1

日本

(562件 / 283 Bil.Baht)

日本

(672件 / 293 Bil.Baht)

シンガポール

(51件 / 13 Bil.Baht)

2

中国

(45件 / 43 Bil.Baht)

アメリカ

(74件 / 131 Bil.Baht)

中国

(37件 / 11 Bil.Baht)

3

マレーシア

(35件 / 29 Bil.Baht)

ルクセンブルグ

(8件 / 61 Bil.Baht)

日本

(92件 / 10 Bil.Baht)

4

シンガポール

(93件 / 23 Bil.Baht)

シンガポール

(127件 / 44 Bil.Baht)

アメリカ

(13件 / 7 Bil.Baht)

5

香港

(39件 / 20 Bil.Baht)

オランダ

(47件 / 40 Bil.Baht)

香港

(19件 / 3 Bil.Baht)

2015年の日本からの投資予定件数は92件、投資予定額は99億バーツとなる見込みで、過去

40年で初めて他国に首位を明け渡すことになった。

 シンガポールと中国は重工業の投資プロジェクトが多かったため、件数と比較して投資額が多

くなっている。

 シンガポールからの投資には中国からの間接投資が多数含まれているため、実質的には中

国が

1位となるようである。

出典:

BOI Official Website

1.投資動向 : 過去3年間の国別投資額の推移

(5)

• 新投資奨励政策が施行

1

• BOIが10年以内の中古機械の使用を容認

• BOIが特別経済開発区における特別奨励対象事業13グループに対する最大恩典の付与を発表

4

• 財務省がIHQとITCの税務恩典に関する勅令を公布

5

• BOIが経済特区に投資する中小企業の最低投資額を50万バーツに引き下げ、1千万バーツ以下の中古機械の

使用を容認

7

• BOIが投資奨励法の改正案を作成中であることを発表(2016年施行予定)

8

• BOIが経済特区に投資する消費者製品製造者に対する恩典の復活を経済特区方針委員会に提案

• BOIがイノベーション事業及びハイテクノロジー事業などに対する法人税の免税期間の上限を8年から13年に

引き上げることを発表

• BOIが2017年末までに操業開始するプロジェクトに対する税務恩典の追加を発表

• クラスター型経済特別区の設置を閣議が承認

9

• 経済特区委員会(SEZ)が国境周辺の経済特区における優遇措置拡大を決定

• BOIが2017年末までに操業開始するプロジェクトに対して10年間の輸送費及び水道光熱費の二重の所得控除

を追加することを発表

10

1.投資動向 : 2015年中のタイ投資奨励政策の動き

(6)

2.注目の投資奨励策

2015年11月3日、向こう2年間の景気対策の一環として、民間企業による投資を促進する

ための以下の税制優遇措置が閣議で承認された。

(1) 歳入法に基づく税制優遇措置

BOIの投資奨励を受けていない会社の主たる事業について、2016年12月31日までに新規

投資として以下の要件を満たす固定資産の取得を行った場合、これらの

固定資産の減価

償却費について二重に所得控除

を認める。

• 対象固定資産は、新規の固定資産(中古は対象外)で、機械設備、スペアパーツ、器

具、工具、コンピュータープログラム、車両(乗用車及び定員10名未満のバスを除

く)を含む

• 既存の固定資産に対する資本的支出も対象(現状回復を目的とした修繕費は対象外)

• 車両を除き、タイで使用される固定資産に限る

• 対象固定資産について、歳入法の他の条項に基づく特別償却の適用は不可

• 二重の所得控除の対象となるのは、税法耐用年数に基づき定額法により償却した場合

の減価償却費

• 2016年12月末までに取得し、事業に供すること

• その他、歳入局長が定める規則、方法ならびに条件に従うこと

(7)

2.注目の投資奨励策

(1) 歳入法に基づく税制優遇措置(つづき)

前頁(1)の税制優遇措置は、BOIの投資奨励事業で、投資奨励措置に基づき投資した固定

資産には適用されない。

ただし、BOIの投資奨励を受けた事業で、固定資産の投資を開始していない会社は、歳入

局長が定める規則、方法ならびに条件に従い、2016年12月31日までに歳入局へ届け出る

ことによって前頁(1)の税制優遇措置を受けることができる。この場合、固定資産の減価

償却費の二重の所得控除は、投資奨励に基づく法人税の免税期間終了後に適用が可能と

なる。

(2) 投資奨励法に基づく税制優遇措置

2015年1月1日から2016年6月30日までに申請されたBOIの投資奨励事業で、2017年12月

31日までに投資を完了し、事業を操業(売上を計上)したものについては、以下の税務

恩典を追加する。

• 特別経済開発区に所在する事業については、法人税の免税期間を

2年間

追加する(た

だし合計で8年間が上限)。すでに法人税の免税期間が8年間与えられている場合に

は、5年間の法人税の50%軽減措置を追加する。

• 特別経済開発区に所在しない事業については、法人税の免税期間を

1年間

追加する

(ただし合計で8年間が上限)。

(8)

3.IHQおよびITC

2015年10月末までのIHQおよびITCの投資奨励の認可件数(概算)

業種

BOIの認可件数

全体

うち日系企業

International Headquarters

(“IHQ”)

19

3

International Trading Center

(“ITC”)

72

30

出典:

BOI Official Website

BOIは2015年中のIHQ及びITCの合計申請件数を100社と見込んでいる。

(9)

3.IHQおよびITC : BOIへ申請

外資企業の場合、以下の業務は外資規制法により原則として認められないが、BOI

の投資奨励を受けた場合、外資規制法の例外として外資企業でも以下の業務を行う

ことが認められる

 IHQ : 関係会社に対するサービス業務

 ITC : 販売(卸売)業務

投資奨励事業のために使用する機械装置、及び輸出用製品の原材料の輸入税(関

税およびVAT)の免除

土地所有許可 (IHQおよびITCの場合、原則として5ライが限度)

ワークパーミット・ビザの優遇 (外国人1名につきタイ人雇用4名及び資本金2百万

バーツが要求されない)

外貨による海外送金許可

(10)

3.IHQおよびITC : 投資奨励恩典を受けるための要件

要件

International

Headquarters (“IHQ“)

International

Trading Center (“ITC”)

サービス提

供先要件

タイを除く1ヶ国以上の関係会社 (*)

N/A

資本金要件

THB 10百万以上

事業要件

関係会社(*)に対する以下のいずれかの業務

1. 一般管理、事業計画立案、ビジネスコーディネーション

2. 原材料及び部品の調達・販売

3. 製品の研究開発

4. 技術サポート

5. マーケティング及び販売促進

6. 人事管理、トレーニング

7. 財務管理、マーケティング、会計システム等のビジネス

アドバイザリー

8. 経済・投資分析、調査

9. 与信管理

10. トレジャリーセンター業務(国内関係会社へのバーツ建

て貸付等)

11. その他委員会で承認されたサービス

(出処:投資委員会布告第2/2014号(非公式和訳))

1. 商品、原材料及び部品の調達・販売

2. 商品等の出荷までの保管

3. 商品等の梱包

4. 商品等の輸送

5. 商品等の保険

6. 商品等に関するアドバイス、技術サービス、トレーニン

グの提供

7. 歳入局長が定めるその他のサービス

投資要件

(BOIの一

般要件)

THB 1百万以上の新規の固定資産の取得

(契約期間3年以上のオフィス等のリース契約を含み、車両等は除く)

THB 1百万以上の新規の固定資産の取得

(契約期間3年以上のオフィス等のリース契約を含み、車両等は除く)

(*) 直接又は間接的に25%以上の資本関係を有する会社をいう(基本的に日本の親会社の連結財務諸表上の連結子会社はこれに該当する

と考えられる)

(出処:勅令No.586(非公式和訳))

1.の商品、原材料及び部品の調達・販売は、外国人事業法

上の卸売取引のみが該当し、販売先がその販売品の最終

消費者となる小売取引や取引仲介による口銭(コミッション)

取引は該当しない点に留意が必要

(11)

3.IHQおよびITC : 税務恩典(歳入局へ申請)

優遇税制措置の対象

優遇税制

適用期間

法人所得税 海外の関係会社から受ける所得 管理・技術支援、金融サービス ※

免税

優遇税制措

置を付与され

た事業年度

から15事業

年度(*1)

ロイヤルティー ※

免税

配当金

免税

タイ国内の関係会社から受ける

所得(※の金額を限度)

管理・技術支援、金融サービス

10%

ロイヤルティー

10%

海外の関係会社の株式の譲渡益

免税

タイ国外での商品売買(いわゆるOut-Outの三国間貿易)

免税

海外の法人に対する国際貿易関連サービス(商品の調達・保管等)

免税

源泉税

海外の法人が受ける所得

IHQからの配当金(上記のIHQの免

税所得から支払われたもの)

免税

-IHQからの一定の受取利息

免税

-IHQ / ITCの外国人社員(常勤)の個人所得税 (*2)

15%

上記の(*1)の

期間が限度

関係会社への貸付利息にかかる特定事業税

免税

-(*2) ITCについては、Out-Outの三国間貿易がない場合は個人所得税の優遇税制措置は受けることができない。また、優遇税制措置を受

けるためには、IHQ業務、ITC業務、その他の業務について損益区分が必要となる点に留意が必要である。

ITCの税務恩典

(*2)

(12)

3.IHQおよびITC : 税務恩典を受けるための要件

(*) 上記の要件を一つでも満たさなかった場合には、その年度は優遇税制措置が受けられないが、過年度及び将来の優遇

税制措置の適用に影響を及ぼさない。

要件

International

Headquarters (“IHQ“)

International

Trading Center (“ITC”)

サービス提供

先要件

タイを除く1ヶ国以上の関係会社へサービス提供

N/A

販売取引要件

N/A

タイ国外での商品売買(いわゆるOut-Outの三国間貿易)取引

資本金要件

THB 10百万以上

経費要件

タイ国内にて年間THB 15百万以上の販売費および一般管理費の支出

① 税務恩典全般

IHQ / ITCの会社の正社員(出向者を含む)であること

フォームSor.Yor.Khor.1のリスト(減税申請の対象となる外国人のリスト)に掲載されていること

暦年を通じて180日以上タイ国内に滞在していること

IHQ / ITCの会社からワークパーミット・ビザの支給を受けていること

IHQ / ITCの会社から課税所得ベースで年間THB 2.4百万以上の給与(タイ滞在期間が1年未満の場

合は月THB 200千)を受けていること

② 個人所得税の減免対象者

(13)
(14)

 あらゆる関連者間取引を「独立企業間価格」で行うことを定める税制

モノ (有形資産取引)

ロイヤリティ

(無形資産取引)

サービス

(役務提供取引)

金利

(金融取引) 等

 所得の海外移転を防ぐ趣旨

 資本関係が50%以上、又は実質的支配が

ある国外の会社との取引(いわゆる「国外関連者間取引」)に対して適用 (ただしタイの場合には国内の関

連者間取引についても適用される。)

タイ

日本

貴社現法

70

65

(例)

非関連者

親会社

50

80

80

移転価格税制とは?

移転価格税制3つのポイント

1. 海外親会社/子会社との取引は第三者と同様の価格・条件等(独立企業間価格)で行われている

か?

2. 移転価格税制において、価格の計算方法について様々な捉え方があり得るため、その議論の前提

となる会社としての考え方・ポリシーの有無が重要

3. 国家間での税金配分の側面があり、一方の所得が増えれば、一方が減る関係となるため、二国間

において相反する利害のバランスを取ることが重要

1. 移転価格税制の概要 1/2

(15)

日本税務当局

タイ税務当局

タイ税務当局の視点】

 子会社の製造や販売機能に応じた一定の利益が安定

的に

計上されているか?

 事業リスクを負わないと考えられる製造/販売子会社

において赤字を計上するような状況となっていないか?

 日本本社へ支払うロイヤリティ、各サービスの対価につ

いて、そもそも支払う根拠があるか?

 製品を製造し、日本へ販売する製品の対価について、

マージンが低く設定されていないか?

【日本税務当局の視点】

 グループ内での一連の取引において発生した(日本本

社が保有する無形資産に基づくと考えられる )超過収益

が適切に回収されているか?

 取引価格を通じて販売会社や製造会社に過大な利益が

配分され、高い利益率が計上されてないか?

 日本本社が果たすグループ全体の研究開発機能や各

サービス機能について、適切な対価を設定して、アジア

各国子会社からの回収を行っているか?

日本当局の視点 :

海外の拠点には一定の利益を残して、超過収益を日本本社が回収すべき

タイ当局の視点 : 子会社は一定の利益を確保すべき(赤字を負担すべきでない)

タイ当局/日本当局の視点

1.移転価格税制の概要 2/2

(16)

2.移転価格リスクへの対応 1/7

移転価格調査の対象になりやすい会社

 利益率が低い又は赤字の会社

 過去に赤字の事業年度がある

 BOI の投資奨励による法人税の免税期間終了後に利益率が悪化した

 BOIの投資奨励によって免税となる事業は黒字だが、非免税事業は赤字である

 前事業年度まで黒字だったが、赤字に転落した

 各事業年度の業績に著しい波がある

 原価割れで販売している特定の製品群がある

 販管費に占める親会社等への支払いの割合が高い

 同業他社と比較して利益率が低い

 グループ会社間取引

 商品・製品の多くを親会社あるいはグループ会社に販売している

 原材料等の多くを親会社あるいはグループ会社より購入している

 多額の技術支援料、ロイヤリティ、その他配賦費用等を親会社等に支払っている

 支払い根拠が不明な費用を親会社等に支払っている

 タックスヘイブンに設立されているグループ会社との取引がある

 取引価格の比較可能性

 家電製品など最終消費材を製造する法人

 同種製品をグループ会社と第三者の双方に売却する法人

移転価格リスク

(17)

移転価格税制に配慮したグループ内取引価格の設定

ルールの確立と文書化、過去取引へのロジック形成

リスクマネジメントと業務効率の向上

税務当局対応としての過去の取引の妥当性を示す文書

の整備・保存(定期的に更新)

文書化による納税者主導の移転価格調査対応

※日本並びに海外の各拠点において必要に応じて作成

グループ内取引価格の設定ルールについて税務当

局の“お墨付き”を得る

移転価格調査・課税の回避

事前

確認

各国規定に対応

する移転価格

文書作成

過去取引へのリスク対応と

将来取引への

移転価格ポリシー

数あるグループ内取引の把握と整理

関連当事者間の機能・リスク分析

関連当事者間の所得配分(主として営業利益)の検証

重要な移転価格上の問題点の把握

移転価格リスク分析

各国の規定に対応した、適切な移転価格文書を作成することが、

移転価格リスクへの対応という観点から重要

STEP 1

STEP 2

STEP 3

STEP 4

Step 1: 課税リスクの規模と所在の明確化

Step 2: それに対応する最適な移転価格ポリシーと商流・事業再編のプランニング

Step 3: 本社主導による文書化等、コンプライアンスへの対応

Step 4: 戦略的APAの有効活用

2.移転価格リスクへの対応 2/7

(18)

法人税申告のベースとなった関連者との取引実績について、移転価格税制上の観点から検証を行い、

その結果を文書として取りまとめておくこと

移転価格税制へのコンプライアンス対応を目的とする

- 各国独自の移転価格文書化に関する規定、ガイドラインに基づく対応が必要となる

移転価格文書の構成としては、一般的に以下の内容等が含まれる

①分析の要旨、②関連者の事業概要、③関連者間取引の詳細、④産業分析、⑤機能・リスク・資産分

析、⑥移転価格算定方法の選定、⑦経済分析、⑧検証結果

最も基本的かつ重要な移転価格リスクへの対応手段となる

移転価格文書化

移転価格文書作成・

提示によるメリット

 推定課税(シークレットコンパラブルに基づく課税)の回避

 移転価格調査の入り口段階における抑止力

 移転価格調査時における議論の主導権確保

 次年度以降における事業計画への反映・織り込み(将来リスクの低減)

 事前確認(APA)へのスピーディーな移行ならびに申請時における負担軽減

移転価格分析

報告書

2010年3月期

移転価格分析

報告書

2010年3月期

移転価格分析

報告書

2014年3月期

2.移転価格リスクへの対応 3/7

(19)

2.移転価格リスクへの対応 4/7

会社・グループ概要

資本関係

事業概要

決算概況

取引関係図

主要製品セグメント

セグメント別売上損益

主要顧客

主要仕入先

その他

グループ内取引の概

グループ各社の担当

する機能

製造活動

研究開発活動

販売・マーケティング

活動

グループ各社が負担

するリスクの分析

その他

販売市場に関する動

向分析

マーケットシェア

競合他社の状況

政府規制の有無

製品ライフサイクル

販売流通チャネル

その他

比較対象会社の概要・

損益分析

自社の製品別原価・利

グループ全体のセグメ

ント利益

製品別の合算利益及

び利益配分の状況

無形資産の価値分析

その他

移転価格設定方針に関する説明資料

事実分析

産業分析

機能分析

経済分析

独立企業間価格算定

方法選定の根拠

他の算定方法を適用

検討結果

その他

適用にあたっての前

適用方法

その他

独立企業間価格算定に関する説明資料

算定方法の選定

算定方法の適用

結論

貴社移転価格の正当

性を導く結論

その他

付録

比較対象候補企業一

覧と除外理由

比較対象企業の財務

情報

その他

移転価格文書の構造

(20)

移転価格算定方法

概要

基本三法

独立価格比準法

Comparable Uncontrolled

Price (CUP) Method

 関連者間取引の価格を、第三者のそれと比較する方法

 価格を直接比較する方法となるため、非常に高い比較可能性が求められる

再販売価格基準法

Resale Price Method (RPM)

 製品を関連者から購入し、第三者へ再販売する取引に適用される方法

 関連者間取引に係る売上総利益率を検証する方法

 通常、販売会社が製品に大きな価値を付加しないで再販売するケースに最

適な方法となる

原価基準法

Cost Plus Method (CPM)

 関連者に対して製品やサービスを提供するサプライヤーのコストに対するグ

ロスマークアップを検証する方法

 この方法は、製品の製造、組立、その他の生産を行い、関連者に販売する取

引、関連者に対してサービスを提供する取引に対して有効である

その他の方法

利益分割法

Profit Split Method (PSM)

 一連の関連者間取引の連結利益の分割状況を検証する方法

 取引が相互に強く関連しており、個別に検証を行うことが出来ない場合、ユ

ニークな無形資産が関連する場合等において、第三者間での比較対象取引

が無い場合に有効となる方法

 残余利益分割アプローチと、貢献度利益分割アプローチが規定されている

取引単位営業利益法

Transactional Net Margin

Method (TNMM)

 関連者間取引に係る

営業利益の水準

を検証する方法

 RP法やCP法と同様に取引関連当事者の一方の利益率を検証する方法であ

るが、売上総利益ではなく営業利益を検証する点が大きな相違点となる

2.移転価格リスクへの対応 5/7

移転価格の検証方法

タイにおける移転価格の実務上、一般的な製造会社・販売会社等の移転価格

分析の大半のケースにおいてTNMMが用いられている。

(21)

比較対象企業

営業利益率

3年加重平均値

FY 2014

FY 2013

FY 2012

A Co., Ltd.

7.22%

-2.49%

11.00%

5.17%

B Co., Ltd.

4.19%

3.60%

3.61%

3.80%

C Co., Ltd.

3.34%

3.45%

5.65%

3.86%

D Co., Ltd.

1.37%

1.46%

1.60%

1.46%

E Co., Ltd.

1.91%

2.03%

1.96%

1.97%

F Co., Ltd.

1.57%

1.71%

0.55%

1.38%

G Co., Ltd.

9.79%

8.95%

14.17%

10.81%

貴社

XX%

YY%

ZZ%

WW%

最小値(Minimum)

1.55%

-2.49%

1.05%

1.75%

四分位下限値(25

th

Quartile)

1.88%

2.02%

2.49%

2.20%

中央値(Median)

3.34%

3.45%

3.61%

3.80%

四分位上限値(75

th

Quartile)

5.07%

4.61%

5.59%

4.76%

最大値(Maximum)

9.79%

8.95%

14.17%

10.81%

2.移転価格リスクへの対応 6/7

 比較対象企業はBOL (Business

Online) に登録されている約100万

社弱の中からTSIC (Thailand

Standard Industrial Classification)

コードによる分類に基づいて選定

される。

 比較対象企業はタイ人株主が資

本の50%以上を保有するタイ法人

のみ

 比較対象3期中、2期以上で当期

純損失を計上している企業は除外

 その他様々な分析を行なった上で

最終的に約10社弱の比較対象企

業が選定される。

※ したがって、自社が実務上の競合

とみなしている企業が必ずしもベ

ンチマーク分析における比較対象

企業として選定されるとは限らな

い。

タイにおける

ベンチマーク分析の特徴

四分位レンジ

( Inter-Quartile Range)

移転価格税制の根拠規定をベースに(中央値等の一点をもって更正)レンジの中にあっても課税を

ベンチマーク分析の例

(22)

相互協議 (両国税務当局による協議)

合意 (事前確認の取得)

事前相談

日本

正式申請

国内審査

事前相談

タイ

正式申請

国内審査

【二国間APA手続きの流れ】

移転価格分析の実施

A

P

A

A

P

A

 関連者間取引に係る移転価格分析の内容について

、納税者が当局に申請し事前に確認を受ける制度

 タイに関しては、取引相手国も含めた二国間事前確

認(Bilateral APA)のみが申請可能

 APAの対象とする関連者間取引を特定し、当該取引

について、移転価格算定方法の検討、比較対象会

社の選定等の分析を実施する

 タイにおいては、2010年に税務当局より公表された

APAに関するガイドラインに記載される手続きに則っ

た申請が必要となる

 APAの正式申請後は、税務当局による申請内容の審

査、及び二国間APAについてはその後の二国間での

相互協議による交渉が行われる

事前確認制度の概要

(Advance Pricing Agreement)

APAの手続き

(23)

 2015年11月現在、政府より公表されている情報は上記法案の骨子のみ

 本法案は国会での承認を経て法令化されるが、施行時期は未定

(2016年前半の施行が見込まれる)

3.移転価格をとりまくタイおよび世界の動き 1/4

1.

税務当局は、独立企業間価格とは異なる価格で関連会社(直接または間接的に持株関係、実質

支配関係を有する会社)との取引を行っている会社に対し、その取引価格の修正を行う権限を有

する。

2.

税務調査を受けている会社に過払税金または源泉徴収税過納額がある場合、その会社は還付

請求を行う権利を有し、その請求期限は、税務調査の通知された日から60日以内、あるいは対

象事業年度の法人税確定申告書提出期限から3年以内である。

3.

当移転価格税制が適用される会社は、関連会社取引について以下の内容を記載した文書を事業

年度末日から150日以内に歳入局に提出しなければならない。

(期限内の提出怠った場合、

40万バーツ以下

の罰金)

関連会社の直接的または間接的な持株関係、支配関係に関する情報

関連会社取引価格における収益と費用の算定方法

現在首相府より公表されている新法案の骨子

(24)

移転価格を取り巻くタイ国内の動き

3.移転価格をとりまくタイおよび世界の動き 2/4

 The Large Business Tax Administration Office (“LTO”) が移転価格専門チームを積極的に地

方税務署に派遣して移転価格調査のノウハウを指導しており、今後は所轄税務署の一般税

務調査チームによる移転価格調査が活発になると見られる。

 移転価格税務調査において、親会社等へ支払う各種役務提供費用(マネジメントフィーや

サービスフィーの支払い)の損金性について当局が指摘する傾向

 BOI事業と非BOI事業、あるいは国内売上と輸出売上等の切出し損益の情報を当局から要

求される傾向

税務当局の動き

 移転価格税制の法令化に備え、本社主導または現法ベースで移転価格文書の整備、ベンチ

マーク分析の実施に着手する企業が増加

企業の動き

(25)

3.移転価格をとりまくタイおよび世界の動き 3/4

BEPSプロジェクトとは

 「税源侵食と利益移転(Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクト」

 一部の欧米多国籍企業による意図的な利益移転が英国議会などで政治問題に発展したことに端を発し、

OECD(経済協力開発機構)が同プロジェクトを発足

 各国の協調と制度調和により、税制の抜け穴を利用した租税回避行為を防止することが目的

 同プロジェクトにより策定された「BEPS行動計画」において問題提起された15項目の中に「移転価格関連

の文書化の再検討」が含まれている。(「行動

13」)

行動13とは

BEPSプロジェクトにより策定された「BEPS行動計画」において問題提起された15項目の内、13番目の項目

「移転価格関連の文書化の再検討」のこと

 企業の全体像を示すマスターファイル、海外子会社の納税状況や財務状況を示す国別レポート、海外子会

社の現地における取引の詳細を示すローカルファイルから構成される

3層構造の移転価格文書作成を要求

ローカルファイル

【親会社・子会社が各々作成】

 組織図

 経営戦略

 主要な競合他社

 主要な関連者間取引と取引背景

 移転価格算定根拠

 財務諸表

マスターファイル

【親会社が作成】

 グループの組織図

 事業概要

 保有する無形資産の情報

 グループ内金融活動に関する情報

 グループ全体の財務状況と納税状況

国別報告書

【親会社が作成】

 親会社・子会社所属国ごとの多国籍企業

グループの下記情報

 収入・利益・税額・資本金等の財務

情報

 従業員数

 有形資産額

 子会社等の名称および主要事業等

移転価格文書の記載内容とほぼ同じ

(26)

3.移転価格をとりまくタイおよび世界の動き 4/4

過去の税務調査の状況等により現時点での日系企業の対応状況は様々であるが、

移転価格法案の内容が明らかにされていない現時点においては以下のような対応が考えられる。

移転価格文書を

すでに作成済み

移転価格文書

未作成

(高利益率)

移転価格文書

未作成

(赤字or低利益率)

適宜アップデートが必要であるが、現時点では特になし

 本社における移転価格文書有無の確認

 利益率が一定のレンジ内に収まっているかの確認

(ベンチマーク分析の実施)

 本社における移転価格文書有無の確認

 利益率が一定のレンジ内に収まっているかの確認

(ベンチマーク分析の実施)

 上記ベンチマークスタディーの結果、レンジから外

れた場合には、法施行のタイミングに関係なく常に

税務調査リスクがあるため、早急に移転価格文書

作成を開始

参照

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