凌雲の会と公明党議員団では、平成 29 年5月 22 日(月)から平成 29 年5 月 24 日(水)まで、徳島県美波町、香川県高松市、岡山県総社市に下記の調査 のため行政視察を行いましたのでその概要について報告いたします。 平成29年6月30日 出張命令者:焼津市議会議長 齋藤寛之 様 視察参加者 (凌雲の会) 松本修藏 石田善秋 齋藤寛之 小栁津健二郎 小野田吉晃 渋谷英彦 池谷和正 鈴木功治 村松幸昌 松島和久 石田江利子 (公明党議員団) 鈴木浩己 川島要 調査事項 5月 22 日(月) 徳島県美波町 ・美波ふるさと創造戦略について 5月 23 日(火) 香川県高松市 ・高齢者居場所づくり事業について 5月 24 日(水) 岡山県総社市 ・新生活交通「雪舟くん」について
徳島県 美波町 「美波ふるさと創造戦略について」 ○美波町の概要 ・平成 18 年3月 2町(由岐町、日和佐町)合併により出来た町 ・人口:7,298 人(平成 28 年) 面積:140.85km2 ・高齢化率:44.3%(平成 28 年) 海、山、川、空の自然の豊かさがある。大浜海岸はアカウミガメが上陸し産 卵する。 空海が創設した四国霊場 88 か所の 23 番札所「薬王寺」には年間 80 万人の 人々が訪れる、おもてなし、お接待の文化が息づくまち。毎年7月にトライア スロンを開催している。 ○行政視察対応者 美波町総務企画課 課長 礒野晴幸氏ほか ○所感 美波町の人口は平成 22 年に 7,765 人であったが平成 40 年には 3,592 人ま で減少することが想定されている。 人口減少の克服と地域活性化による地方創生のため、まち・ひと・しごと創 生法が施行されたことにより、美波町でも「美波町総合戦略策定委員会」を設 置し、平成 27 年度に美波町の総合戦略「美波ふるさと創造戦略~共創による まちづくり~」を策定した。 策定に当たっては「仕事・雇用」「結婚・出産・子育て」といった若年層が 直面する課題が大きいことから、20 歳から 49 歳までの住民に対してアンケー トを行った。 創造戦略では4つの基本目標を定め、計画的、総合的に取り組んでいる。 ①みなみへの人の流れづくり ・定住・交流の場として選ばれる町をめざす ・サテライトオフィスの更なる進化 ・大学等との連携による多様な地域づくり ②みなみの資源を活かした仕事づくり ・美波の特性に応じた地域産業の育成・強化 ・訪れる人を増やし、仕事を生み出す ・美波の活力ある産業を支える人、組織づくり ③みなみの子育て環境づくり ・ライフステージに応じた切れ目の無い支援の強化
・若い世代の正規雇用の更なる拡大 ・仕事と子育てが両立する働き方の実現 ④みなみの人がつくる、個性ある住みよい地域づくり ・地域の課題解決に向けた多様な活動の推進 ・多様な人材が輝く地域づくりの加速 ・美波の個性を活かしたまちづくり ・安心して暮らせる地域づくり この様な基本目標にはサテライトオフィス誘地数、来訪者数、出生数、地域 づくり支援数など、それぞれ数値目標を決めて取り組んでいる。 ○今後の参考となる事項 創造戦略の策定に当たり 20 歳から 49 歳までの若い人たちからアンケート を実施したことは、若年層の課題を優先していくことであり参考にすべきであ る。 町内の伊座利地区の全員参加の地域おこしは、人口わずか 7,000 人の町の人 口減少に対する危機感の中でも特に高く、イザリモデル(地域が主体となって みんなが取り組む姿)とされる取り組みで、簡単に真似のできることではない が、懸命に取り組む姿勢は手本としたい。 数値目標をあげ、それぞれPDCAサイクルの中で様々な提言、アイデア等 を受け付け、計画の更新を図っている事は参考にすべきである。
香川県 高松市 「高齢者の居場所づくり事業について」 ○高松市の概要 ・都市形態:商業観光都市 ・人口:418,756 人(平成 29 年4月現在) 面積:375.44km2 四国の経済の中心地で中核都市に指定されている。 ○行政視察対応者 高松市健康福祉局長寿福祉部長寿福祉課 課長補佐 高尾昌伸氏ほか ○所感 高齢者が心身機能の衰えに伴い閉じこもりがちとなり、社会との接点をな くして孤立することなどを防ぐため、気軽に集える居場所の開設を進める。 この事業により、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを継続できる 地域包括ケアの実現をめざす。 居場所とは、おおむね 65 歳以上の高齢者が気軽に集う事ができる建物等 のスペ-スで、介護予防や健康増進、地域のボランティア活動、世代間交流 など、様々な地域活動の場となるもの。おおむね徒歩圏内(半径 500m)に 1か所を目安として、市内に 300 か所を目標とし、現在 240 か所の開設と なった。 財源として長寿祝い金の支給を一部見直しすることで 4,000 万円を活用 している。助成条件として、同一場所で3年以上の活動、一回に 10 名以上 の参加者、2時間以上の活動、体操など介護予防のメニューを入れるなどが あり、助成金額も開設時の 20 万円と年2万円から 7 万円となっている。 実施主体として自治会、老人クラブ、カラオケなどの趣味の会、事業所N PO、ボランテア団体などがある。 高松市の 65 歳以上の高齢者は 112,412 人で居場所利用者は 4,591 人、男 性3割、女性7割と全体から見れば利用者は少ないが、主観的健康感の維持 改善者率は 91.5%と高く、今後は利用者の拡大推進や居場所事業そのもの に関心を示さない高齢者に対する対策をも必要と感じる。 ○今後の参考となる事項 高齢者福祉事業としての居場所づくり事業は、利用者の満足度が高く、実 施主体として多くの種類のグループがある事は、好きなグループを選べる事 であり、利用者側に立った事業として参考にしたい。徒歩圏内に1か所の開 設も利用者側に立ったものであり参考にしたい。また、長寿祝い金を見直し
岡山県 総社市 「新生活交通「雪舟くん」について」 ○総社市の概要 ・人口:68,237 人(平成 29 年3月) 面積:212km2 ・高齢化率:27.4% 平成 17 年3月に総社市、山手村、清音村が合併し新たに新総社市として発 足した 古くは門前町として発達し、近年では自動車部品の製造を始めとして内陸工 業都市、住宅都市として発展してきた。 ○行政視察対応者 総社市市民生活部交通生活課 課長補佐 安信邦彦氏ほか ○所感 路線バスの利用者が年々減り続けることに対する路線バス継続の取組 ・平成 17 年 総社市路線バス等対策協議会の設置 ・平成 18 年 バス利用促進啓発活動の実施 ・平成 19 年 循環バスのルート変更、停留所の移設、高齢者バス・タクシ ー料金助成事業を実施 ・平成 21 年 コミュニテイバス「こまわりくん」を導入 (高齢化率の特に高い2地区4路線) ・平成 22 年 新交通システム調査特別委員会を議会が設置し、市長がデマ ンド交通導入を表明 ・平成 23 年 新生活交通「雪舟くん」本格運行開始。 交通体系の見直し方針として、公共交通空白地帯の解消、高齢者の移動手段 の確保、行政経費の見直しをあげ、65 歳以上の人からの市民アンケートから 「便数が多い」「家の前まで来てほしい」「料金が安い」「目的の場所で降りる」 の4つの要望を満たす交通手段として、新生活交通「雪舟くん」を導入し、登 録すれば誰でも使え、タクシーの便利さとバス並みの安い運賃で市民の生活 の足となっている。 導入後も運行についての意見、要望を毎年受け、利用者が更に使い易いよう 見直しを図っている。今までの見直し内容は、タクシー料金助成券の配布、運 転免許証自主返納者への「雪舟くん」利用券の配布、電話予約お願いカードの 作成がある。 乗り得サービスは、賛同店となった商店などの協力により乗降場所となる 店舗での買い物の割引が受けられ、利用者にとっても商店にとっても得とな
る制度である。 ○今後の参考となる事項 公共交通の利用者の減少からくる交通システムの縮小は、移動手段を手放 してしまった高齢者にとって大きな課題であり、「雪舟くん」の運行システム は、一回 300 円、予約すれば市内ならどこからでも乗れ、どこでも行ける利 用方法は参考にすべきである。 利用者が利用しやすい公共交通システムを実現したものであり、利用者が 不便に感じていることへの見直しを常に行っている姿勢は参考とすべきであ る。