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産後3・4か月の母親の母親役割獲得と妊娠中における産後の身体的変化へのイメージや産後の生活・育児に対する夫婦間調整との関連性

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*1愛知医科大学看護学部(Aichi Medical University College of Nursing)

*2三重中央医療センター附属三重中央看護学校(Mie Chuo School of Nursing, National Mie Chuo Hospital)

2011年11月19日受付 2012年8月2日採用

資  料

産後3・4か月の母親の母親役割獲得と妊娠中における

産後の身体的変化へのイメージや

産後の生活・育児に対する夫婦間調整との関連性

Acquisition of maternal roles by mothers three to four months after

childbirth, their antenatal assumptions regarding their postpartum

physical changes, and relationship between these factors and adjustment

with their husbands regarding postpartum life and child rearing

中 垣 明 美(Akemi NAKAGAKI)

*1

千 葉 朝 子(Asako CHIBA)

*2 抄  録 目 的  産後3∼4か月の母親の母親役割獲得の状況と妊娠中にイメージした産後の身体的変化と実際のギャ ップや,産後の生活や育児に関する妊娠中の夫婦間の調整の有無およびその他の要因との関連を検討し, 母親役割獲得に必要な妊娠中の支援策を探索することである。 方 法  母親役割の獲得が進み,産後の不安が減少するとされる産後3∼4か月の母親を対象とした。2市6施 設の3・4か月乳児健診に参加した母親348名に無記名自記式質問紙を配布した。調査内容は,基本属性 と「母親役割の受容に関する意識尺度(大日向,1996)」を用いた母親役割の獲得状況,産後の身体的イ メージと実際,妊娠中の夫婦間における産後の生活や育児の調整の有無,出産満足度などとした。郵送 により回収した113名(回収率32.5%)の回答から不備のあるものを除き107名を対象とした。 結 果  対象者の平均年齢は32.0歳(SD4.0),初産婦は77名(72.0%),経産婦は30名(28.0%)であった。初産 婦では産後の「傷の痛み」「乳房の痛み」はイメージしにくく,実際も「イメージより辛い」が多かった。「後 陣痛」がイメージより辛いことと母親役割の否定的受容(p=.049),「脱肛」がイメージより軽いことと肯 定的受容(p=.016)に有意な関連があった。育児の調整と「肯定的受容では,「児の世話」(p=.035),「児の 相手」(p=.036),「児のお風呂」(p=.010)が有意に高かった。家事の調整と否定的受容では「買い物」の調 整ありが有意に高かった(p=.026)。母親役割肯定的受容と「出産満足度」,否定的受容と「家事負担」,「育 児負担」にはそれぞれ正の相関があった。

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結 論  妊娠中における産後の身体的変化のイメージと実際とのギャップ,特にイメージより辛いことと母親 役割受容には関連があった。また妊娠中の育児に関する夫婦間調整と母親役割受容には有意な関連があ った。このことから身体的イメージのギャップを埋める生活や育児についての調整を促進するなど,妊 娠期からの支援策の必要性が示唆された。 キーワード:母親役割,出産準備教育,3・4か月健診,出産満足度,妊婦支援 Abstract Purpose

Based on a questionnaire survey to mothers three to four months after childbirth, we examined how mothers acquire maternal roles, perceive a gap between their antenatal assumptions regarding their postpartum life, physi-cal changes and child rearing and their actual postpartum conditions, and we identified other related factors, con-sidering the measures to be introduced during pregnancy to support acquisition of maternal roles.

Methods

The study was conducted on mothers three to four months after childbirth, timing when mothers are consid-ered increasingly eager to acquire maternal roles, and to gradually become relieved of the postpartum anxieties. A questionnaire sheet requesting anonymous, handwritten responses, was sent to 348 mothers, who had participated in checkups for infants aged three to four months, which were conducted at six health facilities in two cities. The responses were collected by post from 113 mothers (collection rate: 32.5%). After excluding invalid responses, the responses from 107 mothers were analyzed in this research.

Results

The mean age of enrolled respondents was 32.0 years (SD: 4.0), and those mothers comprised 77 primiparous women (72.0%) and 30 multiparous women (28.0%). The primiparous women had no clear assumptions about the postpartum wound pains and breast pains. Even if they had any assumptions, they perceived that the actual post-partum pains were greater than their antenatal assumptions. Positive correlations were found between afterpains greater than antenatal assumptions and negative acceptance of the maternal roles, between anal prolapse milder than antenatal assumptions and positive acceptance, and between severe fatigues and/or afterpains and heavy per-ceived loads of child rearing. Adjustment with husbands regarding child rearing positively correlated with positive acceptance. Adjustment in other aspects of life did not correlate with acquisition of maternal roles. Positive correla-tions were found between positive acceptance of maternal roles and satisfaction with childbirth, and between nega-tive acceptance and heavy loads of housework and child rearing.

Conclusion

We clarified that the difficulties in acceptance of maternal roles correlated with a gap between the antenatal assumptions of the mothers regarding their postpartum physical changes and their actual postpartum conditions, particularly when the actual pains and loads were greater than their antenatal assumptions. A positive correlation was found between adjustment with husbands during pregnancy regarding child rearing and acceptance of mater-nal roles. These findings suggested the necessity for introducing supporting measures during pregnancy, such as filling the gaps in the mothers' assumptions.

Key words: Maternal roles, antenatal education, checkups for infants aged three to four months, satisfaction with child-birth, support to pregnant women

Ⅰ.緒   言

 子どもの親になる,あるいは子どもが増えるといっ た変化に対応するためには親役割の獲得が重要である。 親役割は発達的な過程を通して獲得されるものであ り,妊娠期はその準備段階と位置づけられる(Rubin, 1984/1997, p.46-61)。親になるための準備教育として, 母親(両親)学級などの集団指導や,助産師外来など の個別指導がある。しかし妊娠から分娩までの時期 「無事に出産を終えること」をゴールとして生活して いる妊婦も多く,出産後の育児のイメージを描いては いるものの,現実とはやや離れた楽しい育児生活ばか りを描いてしまうといわれている(木村・刀根・鈴木 他,2003)。George (2005)は,女性は妊娠や出産につ いてはよく準備しているが,産後の疲労や痛み,授乳 に対しては準備が不足していると報告している。また

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調整の有無,およびその他の要因と母親役割獲得との 関連について検討し,母親役割獲得に必要な妊娠期の 支援の探索を目的とする。

Ⅱ.研 究 方 法

1.調査対象  2市6施設における3・4か月乳児健診に参加した母 親348名に質問紙を配布した。回答を得た113名(回収 率32.5%)のうち,不備のある回答を除き107名を対 象とした。なお6施設は住宅地,都心部,工業地に位 置している。 2.研究方法,研究期間  調査は,自作の無記名自記式質問紙を用いた。配布 は研究者が行い,回収は郵送法とした。配布時期は, 平成22年1月から平成22年3月である。 3.用語の定義  本論文では以下の定義を用いる  「母親役割獲得」:「母親役割」は,子どもに対して 適切な養育行動がとれることとし(Mercer, 1985),「獲 得」とは,個人役割との対立や葛藤なく受け入れられ ることとした。  「産後の身体的変化についてのイメージ」:産後の身 体的な変化について知識を得たり,想像したり,考え ることとする。  「家事・育児についての調整」は産後の家事や育児 について,夫婦間で相談したり,準備したりすること とする。 4.調査項目 1 ) 対象者の属性  年齢,初経産の別,家族構成,分娩準備教育受講の 有無,妊娠経過,現在の仕事の状況とした。 2 ) 母親役割の獲得状況  母親役割の獲得状況を知るため,大日向(1996)の 「母親役割の受容に関する意識尺度(以下「役割受容」 とする)」を用いた。この尺度は積極的・肯定的な意 識6項目(以下「肯定的受容」とする),消極的・否定 的な意識6項目(以下「否定的受容」とする)の12項目 で構成され,「その通りである」から「違う」の4段階評 定である。積極的・肯定的意識の項目は得点が高いほ ど積極的・肯定的であり,消極的・否定的な意識の項 親役割と個人役割の対立・葛藤が,育児不安の一要因 であるといわれている(柏木,2003)。これらのことか ら,母親役割獲得の支援は育児不安を軽減させる面か らも重要である。  母親役割獲得は産後4ヶ月頃達成するといわれる (Mercer, 1985)。 こ の 母 親 役 割 獲 得(maternal role

attainment)は,より大きく生涯にわたる概念であ る「Becoming a Mother」の最初の変化とされている (Mercer, 2004)。産後から育児期の母親を対象とした 母親役割獲得に関する研究では,母子相互作用の促 進の重要性が明らかになっている(前原,2005a, b; 前原2006)。妊娠期の母親役割獲得過程の心理的変化 の概念では,「ポジティブ維持」「ポジティブ」「アンビ バレント」「ネガティブ」があり(小松・片桐・三澤他, 2002),その影響要因として「胎動を初覚する」「育児 の場面を見る」など13要因が明らかにされている(三 澤・片桐・小松他,2004a)。妊娠中の支援では,育児 技術の実施や子どもをもつ母親との接触の有効性(三 澤・小松・片桐他,2004b),さらに妊娠期に母親とな る過程で生ずる否定的および両価的感情の表出を促す など「その人なりの自己像を確立すること」を目指し たケアが母親役割獲得を円滑にすると報告されている (大平,2000)。母親役割獲得を促す支援では,「情報や 知識を獲得する過程に働きかける援助」「母親になる 気持ちと胎児愛着に関して働きかける援助」「母親役 割獲得準備行動に働きかける援助」の3つの側面があ ると報告されている(大月・森・中村他,2006)。また 出産の満足度が高いことは,母親の児に対する愛着を 良好にするとし,満足度に関連する妊娠中のケアとし て「医療者の説明による心身の理解」「医療者が悩みや 疑問に答え健診後安心できる」などが報告されている (有本,2010)。また退院後の母親の心理的変化や成長 発達への影響では「夫および家族によるソーシャルサ ポートの提供」がある(望月,2007)。  これらのことから,親役割の獲得のためには,妊娠 中から出産後の生活や育児をイメージし準備できるこ とや,出産に満足できること,周囲のサポート等が必 要と考える。しかしこれまで,妊娠中における,産後 の身体的変化のイメージと実際の違いや,夫婦間で産 後の生活・育児の調整の状況などと,母親役割獲得の 関連について検討した研究はほとんどない。  そこで本研究は,産後3∼4か月の母親を対象に, 妊娠中にイメージしていた産後の身体的変化と実際の 差異や,産後の生活や育児の妊娠中の夫婦間における

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目は得点が高いほど消極的・否定的であることを意味 する。この尺度を用いて,植村ら(2005)は,産後1∼ 4か月の母親を対象に,山口ら(2005),遠藤ら(2003), 大橋ら(2010)は乳幼児の母親を対象とした調査から 信頼性が確認されている。 3 ) 産後の身体的変化のイメージと家事・育児の調整 の状況  妊娠中の産後の身体的変化にのうち,特に苦痛に ついては出現率を調査した研究は少ないため,江守 (2001)を参考に,疲労,後陣痛,傷の痛み,脱肛,腰痛, 乳房の痛みついてのイメージの有無について尋ねた。 イメージありの場合,実際は「なかった」「イメージよ り軽かった」「イメージどおり」「イメージより辛かっ た」で回答を求めた。また検討は,イメージしなかっ た「イメージなし」群とイメージしたが実際には「なか った」「イメージより軽かった」「イメージどおり」の3 段階を「あり(以下)」群,「イメージより辛い」の「あり (辛い)」群とし,3群間で比較した。  産後の家事や育児に関する妊娠中の夫婦間での調整 の有無は,先行研究(唐田,2008;塩澤・石田・萩原, 2007)を参考に,食事の準備,食事の片づけ,買い物, 掃除,洗濯,児の世話(更衣,おむつ交換),児の相 手(抱っこ,あやす),児のお風呂,金銭計画につい て尋ねた。 4 ) 役割獲得の関連要因について  役割獲得の関連要因として,出産の満足度を「全く 満足でない」0から「非常に満足」10まで11段階で回答 を求めた。現在の家事への負担感(以下「家事負担」) および育児への負担感(以下「育児負担」)について, 「全くなし」0から「とても負担」10までを11段階で回 答を求めた。これらは意識や態度を数量的に示す等現 間隔測定法(石井・田尾,2003)を用いた。  妊娠中の相談者と現在の相談者は先行研究(重田・ 濱中,2003;山岡,2001)を参考に14項目から,現在 の心配事は玉城ら(2003)を参考に13項目から選択し てもらった。授乳と育児不安とは関連があるとの報告 から(平井・香川,2005),児の栄養状態は母乳,混合, 人工乳から選択してもらった。  なお,質問紙の内容については母性心理の専門家の 助言を受けた。 5.分析方法

 統計解析ソフトSPSS Statistics ver.20 for Windows (IBM東京)を用い,基本統計量,初経産別の分娩前 教育の受講割合,相談者や心配ごとの比較,産後の身 体的イメージの有無はFisherの直接確率検定,イメー ジの実際と役割受容・関連要因はKruskal Wallisの検 定とその後の多重比較,家事・育児調整の有無と役割 受容はt検定,役割受容と関連要因の検討はSpearman の相関分析を用いた。有意水準は5%とし,p値は( ) 内に記載した。 6.倫理的配慮  研究施設責任者に,研究目的,研究方法,倫理的配 慮等を文書で説明し,承諾書により了解を得た。対象 者には研究目的,研究方法,倫理的配慮,結果は統計 的に処理するためプライバシーは保護されること,結 果の公表,自由意志での研究参加で,不参加により不 利益がない等を文書を用い説明し,質問紙の返送をも ち同意の確認とした。なお,本研究は愛知医科大学看 護学部倫理委員会の承認(№186号)を受けて実施した。

Ⅲ.結   果

1.対象者の属性(表1)  平均年齢は32.0歳(SD4.0)であり,初産婦は77名 (72.0%)で 平 均 年 齢31.3歳(SD4.0), 経 産 婦 は30名 (28.0%)で平均年齢33.9歳(SD3.4)であった。家族 構成は核家族が98名(89.7%)であった。今回の妊 娠時の分娩前教育の受講の初経別では初産婦71名 (92.2%),経産婦18名(60.0%)であり,初産婦の受講 割合が有意に多かった(p=.001)。妊娠中の経過は問題 表1 対象の属性 項    目 人数 初経産割合 初産婦経産婦 7730 72.028.0 家族構成 核家族(夫と子ども)複合家族 その他(夫単身赴任) 96 9 2 89.7 8.4 1.9 分娩前教育の受講 初産婦(n=77)経産婦(n=30) 7118 92.260.0 妊娠経過 問題なし外来治療を受けた 入院治療を受けた 87 13 7 81.3 12.2 6.5 現在の仕事の状況 主婦(妊娠前から) 主婦(妊娠・出産を機に退職) 育児休業中 復職 自営・その他 26 36 35 3 7 24.3 33.7 32.7 2.8 6.5 注)Fisherの直接確率検定による *:p<.05(p値は表中に記載) * p=.001

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なしが87名(81.3%)であった。現在の仕事の状況は, 妊娠または出産を機に退職し主婦となったものは36 名(33.7%)名,妊娠前より主婦は26名(24.3%)であ った。有職者は育児休業中35名(32.7%)と自営等を 含めると42名(39.2%)であった。 2.役割獲得の状況  役割受容尺度のCronbachのα信頼性係数は「肯定 的受容」.80,「否定的受容」.68で一応の内部一貫性あ りと判断した。初経別得点は「肯定的受容」が初産婦 19.3(SD3.2),経産婦20.0(SD2.5),「否定的受容」が初 産婦11.4(SD2.9),経産婦11.7(SD3.0)で初経別によ る有意差はなかった。 3.産後の身体的変化のイメージの有無と実際(表2)  産後の身体的変化は経産婦では前回の経験の影響を 考え,初経別で比較した。初産婦において有意に少な い項目は,「身体の疲れ」(p=.006)「傷の痛み」(p=.03) 「乳房の痛み」(p=.007)であった。産後の実際では,「イ メージより辛かった」の回答は,「傷の痛み」は初産婦 57.1%,経産婦7.7%,と「乳房の痛み」初産婦51.4%, 経産婦9.1%と初産婦では半数以上であった。 4.関連要因の状況  関連要因も初経別に検討した。出産満足度は,初 産婦8.1(2.6),経産婦8.8(SD2.0)で有意差はなかった。 家事負担は初産婦4.0(SD3.0),経産婦4.7(SD2.9),育 児負担は初産婦3.5(SD2.8),経産婦4.2(SD2.4)でい ずれも経産婦の負担感が大きいが,有意差はなかった。  妊娠中の初経別の相談者を図1に示す。初産婦に 有意に多い項目は,「自分の母親」(p=.002)「兄弟」 (p=.001)「インターネット」(p=.001)「雑誌」(p= .001) で あ り, 経 産 婦 に 有 意 の 多 い 項 目 は「夫 の 両 親 」 (p=.044)「医師」(p=.024)「助産師」(p=.034)であった。  現在の初経別の相談者を図2に示す。初産婦に有意 に多い項目は「自分の母親」(p=.005)「兄弟」(p=.019) 「インターネット」(p=.033)「雑誌」(p=.038)であった。 初産婦では妊娠中,現在とも「雑誌」などのメディア が多いのが特徴であった。   現 在 の 栄 養 方 法 は,「母 乳 の み 」が 初 産 婦50名 (64.9%),経産婦19名(63.3%),「混合」が初産婦18名 (23.4%),経産婦7名(23.3%),「ミルクのみ」が初産 婦9名(11.7%),経産婦4名(12.1%)であり,初経別 で割合に有意差はなかった。  児の心配ごとの初経別の結果を図3に示す。項目数 は初産婦2.0(SD1.5)経産婦1.2(SD1.2)で有意に初産 婦が多く(p=.009),内容では「母乳・ミルクの量」に おいて初産婦が有意に多かった(p=.045)。 5.産後の身体的イメージと役割受容および関連要因  (表3)  産後の身体的変化のイメージと役割受容については, 「肯定的受容」では「脱肛」で「イメージなし」群が「あ り(以下)」群より有意に低かった(p=.048)。「否定的受 表2 初経別の産後の身体的変化のイメージの有無と実際 イメージの有無 イメージした場合の実際の状況 イメージ しなかった イメージした 検定1) なかった実際は イメージより軽い イメージと同じ イメージより辛い 人数 人数 人数 人数 人数 人数 産後の疲労 初産経産 201 27.33.4 5428 73.096.6 p=.011* 10 1.90.0 1813 34.046.4 12 8 22.628.6 22 7 41.525.0 後陣痛 初産経産 298 40.827.6 4221 59.272.4 n.s. 71 16.74.8 155 35.723.8 5 8 11.938.1 14 7 33.333.3 傷の痛み 初産経産 202 28.67.1 5026 71.492.9 p=.03342 15.44.1 1210 24.538.5 710 14.338.5 28 2 57.17.7 脱肛 初産経産 4617 66.760.7 2311 33.339.3 n.s. 92 39.118.2 34 13.036.4 1 2 18.24.3 9 3 39.127.3 腰痛 初産経産 3812 52.842.9 3416 47.257.1 n.s. 61 17.66.3 86 23.537.5 9 8 26.550.0 11 1 32.46.3 乳房の痛み 初産経産 386 51.421.4 3622 48.678.6 p=.017* 42 11.49.1 98 25.736.4 410 11.445.5 18 2 51.49.1 1)検定はFisherの直接法による  n.s.: not significant

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* * * * その他 雑誌 インターネット 看護職 助産師 医師 同僚 友人 自分の祖父母 兄弟 夫の両親 自分の父親 自分の母親 夫 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 ■初産 ■経産 % 図2 初経別における現在の相談者の回答割合の比較(複数回答) 注:相談者および情報の入手先も含む(Fisherの直接確率検定 *:p<.05) * * * * * * * そ の 他 雑誌 イ ン タ ー ネ ッ ト 看護職 助産師 医師 同僚 友人 自分 の 祖父母 兄弟 夫 の 両親 自分 の 父親 自分 の 母親 夫 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 % ■初産 ■経産 図1 初経別における妊娠中の相談者の回答割合の比較(複数回答) 注:相談者および情報の入手先も含む(Fisherの直接確率検定 *:p<.05) * 初経産別% 母乳・ミルクの量 母乳・ミルクの嘔吐 おへその状態 体重の増え方 おむつかぶれ 湿疹 下痢や便秘 泣く(夜泣き・理由不明) 鼻水・鼻づまり 発熱 首のすわり 予防接種 その他 ■初産 ■経産 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0% 28.6 10.0 10.0 10.0 6.5 6.5 0.0 0.0 18.2 9.1 40.3 36.7 6.5 6.7 13.3 18.2 18.2 10.0 1.3 0.0 0.0 9.1 6.7 24.7 15.6 16.7 図3 初経別の乳児の心配ごとの回答割合の比較(複数回答) (Fisherの直接確率検定 *:p<.05)

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容」では「後陣痛」で「あり(辛い)」群が「イメージなし」 群より有意に高かった(p=.016)。その他の項目は有意 ではないが,「疲労」の「イメージなし」群は肯定的受 容が高く,「あり(辛い)」群は否定的受容が高い。また 「後陣痛」の「あり(以下)」群の肯定的受容,「脱肛」の 「あり(辛い)」群,「腰痛」の「あり(以下)」群の否定的 受容が高い傾向があった 6.妊娠中の家事・育児の調整と役割受容および関連 要因(表4)  初経別での妊娠中の家事・育児の調整の有無の割 合はどの項目も有意差はなかった。家事・育児の調整 の有無と役割受容では,「肯定的受容」において「調整 あり」群が有意に高いのは,「児の世話」(t(102)=2.126, p=.035)「児の相手(t(102)=2.126, p=.036)「児のお風呂(t (102)=2.633, p=.010)の3項目であった。否定的受容で は「買い物」の「調整あり」群が有意に高かった(t(102)= 2.222, p=0.28)。 7.役割受容と出産満足度,家事・育児の負担感,心 配ごと等の相関  役割受容と関連要因との相関を表5に示す。「出産満 足度」と「肯定的受容」には正の相関(r=0.501),「否定 的受容」とは負の相関があった(r=-0.357)。「否定的受 容」は「家事負担」と正の相関(r=0.425),「育児負担」と 正の相関があった(r=0.487)。「家事負担」と「育児負担」 には正の相関(r=0.774),「妊娠期の相談者数」と「現在 の相談者数」には正の相関があった(r=0.668)。  その他の関連要因の検討では,生活の調整と出産満 足度では「調整あり」群が有意に低かったのは,「買い 物」(p=.011)「掃除」(p=.008)「洗濯」(p=.032)の3項目 であり,他項目は有意な差は認めなかった。生活の調 整と家事負担では「掃除」の「調整なし」群が有意に高 かった(p=.033)。生活の調整と育児負担では「金銭計 画」の「調整なし」群が有意に高かった(p=.026)。

Ⅳ.考   察

 産後3∼4か月の母親役割の「肯定的受容」と「否 定的受容」では,初経別で有意差はなかった。稲田 ら(2010)は母乳育児をする母親の母親役割について, 経産婦では「母親役割の再構築」がおこると述べてい る。このことから経産婦であっても2人またはそれ以 上の子の親になる体験は初めてであり,獲得する母親 役割の質が転換すると考えられた。  産後の身体的変化へのイメージと実際との差異に 表3 産後の身体的変化のイメージと役割受容の関連 身体的変化 (実際の状況イメージの有無a 役割受容 肯定的受容 否定的受容 平均 SD 検定 平均 SD 検定 疲労 イメージなしあり(以下) 1951 20.219.7 2.63.2 n.s. 5220 10.911.2 2.32.9 n.s. あり(辛い) 34 18.8 2.8 33 12.4 3.1 後陣痛 イメージなしあり(以下) 3243 19.020.2 3.02.8 n.s. 3245 10.711.3 2.72.7 p=.016* あり(辛い) 29 19.0 3.1 28 12.8 3.3 傷の痛み イメージなしあり(以下) 2545 19.219.6 3.52.8 n.s. 4725 11.411.5 3.23.0 n.s. あり(辛い) 34 19.5 3.0 33 11.7 2.7 脱肛 イメージなしあり(以下) 5534 19.120.6 3.12.9 p=.049* 3456 11.211.3 2.92.9 n.s. あり(辛い) 15 18.5 2.1 15 13.1 3.0 腰痛 イメージなしあり(以下) 4345 19.619.2 3.03.1 n.s. 4445 11.012.0 3.12.9 n.s. あり(辛い) 16 19.9 3.1 16 11.4 2.7 乳房の痛み イメージなし 43 19.6 3.0 n.s. 44 11.0 3.1 n.s. あり(以下) 45 19.2 3.1 45 12.0 2.9 あり(辛い) 16 19.9 3.1 16 11.4 2.7 注:a:イメージの有無の「イメージなし」は「イメージしなかった」,実際の状況の「以下」は「イメージより軽かった」と「イメー ジどおり」を含む。「辛い」は「イメージより辛かった」を意味する。   検定はKruskal-Wallisの検定とその後の多重比較による。n.s.:not significant SD:標準偏差

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ついて,初経別では,経産婦の「産後の疲労」「傷の痛 み」「乳房の痛み」のイメージした割合が高かった。初 産婦の「イメージあり」では,「傷の痛み」「乳房の痛み」 では「イメージより辛い」が半数以上を占めた。Rubin (1984/1997, p.142-144)は「産褥の回復期としての,身 体̶自己のイメージを作り上げるような,妊娠中の夢 や空想はない」と述べており,George(2005)は,妊 娠中の女性の産後の痛み,疲労,授乳などへの準備不 足を指摘しているが,本結果からも産後の身体的イ メージは初産婦では特に持ちにくいと考えられた。  身体的イメージと母親役割との関連では,「脱肛」の 「イメージなし」は肯定的受容が低く,「後陣痛」の「イ メージあり(辛い)」は否定的受容が高かった。「脱肛」 については,他の項目より「イメージなし」の人数が 多いことからイメージしにくいため,肯定的受容の低 さに関連したと考える。妊娠中の支援としては,食事 や適度な運動などによる排便コントロールなどで,脱 肛の予防することが重要になると考えられる。「後陣 痛」については,イメージより辛いものは否定的受容 が高いが,妊婦は分娩時の陣痛から児の出生まではイ メージしていても,その後のイメージできていなかっ たと考えられる。Rubin(1984/1997, p.112)は「緩和さ れない痛みは,主観的には自己の社会的拒絶として体 験され,1人の人として拒絶されることで,生命や子 表4 妊娠中の家事・育児の調整の有無と役割受容の関連 生活育児項目 調整の有無 役割受容 肯定的受容 否定的受容 平均 SD 検定 平均 SD 検定 食事の準備 ありなし 48 19.8 2.7 n.s. 49 11.8 2.5 n.s. 56 19.3 3.3 56 11.2 3.3 食事の片づけ ありなし 56 19.9 2.8 n.s. 56 11.5 2.9 n.s. 48 19.0 3.2 49 11.4 3.0 買い物 ありなし 60 19.5 3.1 n.s. 60 12.0 3.0 p=.028* 44 19.5 2.9 45 10.8 2.7 掃除 ありなし 49 19.8 3.1 n.s. 50 11.7 3.0 n.s. 55 19.3 2.9 55 11.4 2.9 洗濯 ありなし 5054 19.919.1 2.93.1 n.s. 5451 11.311.6 2.83.1 n.s. 児の世話 (更衣,おむつ交換) ありなし 4955 20.118.9 2.73.1 p=.035* 5649 11.411.6 2.83.1 n.s. 児の相手 (抱っこ,あやす) ありなし 4955 20.118.9 2.93.0 p=.036* 5748 11.211.8 2.73.1 n.s. 児のお風呂 ありなし 5747 20.218.7 2.73.2 p=.0104956 11.211.8 2.93.0 n.s. 金銭計画 ありなし 4955 20.119.0 3.03.0 n.s. 5649 11.012.0 2.73.1 n.s. 注:検定はt検定による SD:標準偏差 n.s.:not significant 表5 役割受容とその他の要因との関連性 肯定的受容 否的的受容 出産満足度 家事負担 育児負担 児の心配数 妊娠期の相談者数 相談者数現在の 肯定的受容合計得点 ̶ ­.459** .501** ­.258** ­.233* ­.158 ­.214* .006 否定的受容合計得点 ̶ ­.357** .425** .486** .269** .212* .110 出産満足度 ̶ ­.142 ­.126 ­.287** ­.079 ­.058 家事負担 ̶ .774** .162 ­.009 ­.004 育児負担 ̶ .167 .024. .055 児の心配の数 ̶ .280** .274** 妊娠期の相談者数 ̶ .668** 現在の相談者数 ̶ 注)Spearmanの相関分析 **p<.01 *p<.05

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どもや自己に対しての拒絶,嫌悪を生じがちとなる」 と述べている。後陣痛に対して,妊娠中からの予防は 難しいが,後陣痛や後陣痛に対する対応方法の知識を 妊娠中に提供しておくことで,産後の後陣痛の痛みに よる嫌悪や戸惑いの軽減につながると考える。その他 の身体的イメージと役割受容には有意な差は認められ なかったが,特に初産婦では身体的な変化や,その対 応について知識提供することは,母親役割獲得に関連 すると考えられる。  産後の育児の調整と母親役割の関連について,「児 の世話」「児の相手」「児のお風呂」について調整したも のは,肯定的受容が高いことが分かった。育児負担と 否定的受容には相関が認められるが,児に関する調整 の有無と育児負担には有意な差は認められなかった。 児に関する調整の有無で育児負担は変わらないが,妊 娠中に児との生活をイメージし調整しておくことが母 親役割獲得につながると考えられた。三澤ら(2004b) が述べているように,妊娠中に児との生活がイメージ できるような育児技術の指導も効果的であると考えた。  産後の家事の調整については,「買い物」の調整あり では否定的受容が高かったが,他の項目については有 意な差は認められなかった。妊娠中の家事の調整と母 親役割獲得との関連について,真鍋ら(2006)は妊娠 中のセルフケア行動を実践している妊婦は母親役割達 成感が高いと述べており,食事の準備や日常の家事に ついてはこれらのセルフケア行動に該当すると考える。 しかしながら本研究結果の「調整なし」は,調整の必 要がないために調整がされていない可能性もあり結論 づけることはできなかった。また鈴木(2009)によると, 産後4か月の母親が自信を得る最後のプロセスは,「育 児優先の生活に家事を組み込み生活を新たに構える」 ことと述べているが,妊娠中の家事の調整と母親役割 獲得との関連については更なる検証が必要である。  その他の要因との関連について,出産満足度は「肯 定的受容」と正の相関「否定的受容」とは負の相関があ ることから,妊娠中の支援では,バースプランなどに よる出産のイメージ化の促進や,分娩に対する不安を 軽減させる指導により,リラックスして分娩の臨める ような支援が,出産満足度を高め母親役割獲得に関連 すると考えられた。  母親役割と有意な関連は認めなかったが,初産婦で は「乳房痛」のイメージが有意に少なかった。母乳育 児は母親役割獲得のために重要な育児行動とされてい ることから(稲田・北川,2010),妊娠中の乳房ケアは, 間接的に母親役割獲得支援につながる可能性があると 考えられた。  育児負担や家事負担と否定的受容には正の相関がっ た。これらはサポート体制との関連が推測され,母親 役割獲得に関連すると考えられる。サポート体制とし て,相談者は,経産婦では,夫の両親や医師,助産師 など多様なのに対し,初産婦は自分の家族以外にはイ ンターネット雑誌等のメディアが中心となる特徴があ り,情緒的サポートは困難と考えられた。また児の心 配ごとで初産婦に有意に高い「母乳・ミルクの量」へ の支援は,個別的対応が必要であり,一方通行の「イ ンターネット」や「雑誌」では難かしい。山岡(2001) は情報化社会の中で出産や育児について多様な情報が 入手できるが,役に立つ情報がある中で,不安感を高 める情報も存在すると報告していることから,初産に おいてはメディア以外のサポート体制の充実が必要と 考えられた。  以上のことから,身体的イメージや,家事・育児に 対する妊娠中の調整,その他の要因として出産満足度 やサポート体制になどに関する,妊娠中の支援を方向 性が何点か明らかになった。これらの支援を実施する 場として分娩準備教育があるが,初産婦の受講は71 名(92.2%)と多いため,支援の機会として活かせると 考えられた。分娩準備教育における支援では,身体 的変化に対する情報提供や身体的苦痛を予防できる妊 娠中のケアを充実させることが重要と考える。また初 産婦が育児中の母親と交流することの効果の報告(木 村・刀根・鈴木,2003)もあるため,母親の体験を聞 く機会を作り,育児や家事のイメージ作りを促進する ことが必要である。さらに父親の非手段的サポートは, 育児不安を低下させるとされるため(唐田,2008),夫 婦での生活や育児への調整を促進するような働きかけ も重要と考える。助産師などの医療者と相談関係を築 く場としていくことも必要である。また分娩準備教育 という集団教育の場だけでなく,個別指導においても, バースプランの作成支援や,心理面への個別的な対応 につなげることも重要と考えられた。  本研究から,妊娠中に産後の身体的変化をイメージ することは母親役割獲得とは関連があるため,妊娠中 の身体面のイメージ作りや産後の苦痛の軽減につなが るケアが必要と考えられた。また妊娠期の育児に関す る調整は母親役割獲得につながると考えられたが家事 に関する調整と母親役割獲得の関連は結論づけられな かった。

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本研究の限界と今後の課題  本研究対象は,2市6施設の母親であり,地域性など 偏りが考えられ,一般化には限界がある。また産後の 身体的変化のイメージや生活・育児の調整の具体的内 容や,調整なしの理由を明らかにしていない。また初 経別や家族形態別での検討が不十分であるなどの限界 がある。今後の課題はこれらの具体的な内容を明らか にし,支援内容をより具体的に探究することである。

Ⅴ.結   論

 産後の身体的変化のイメージでは,「後陣痛」ではイ メージより辛かったものは「否定的受容」が高く,「脱 肛」はイメージより軽かったもの「肯定的受容」が高い など母親役割獲得に関連があった。身体的変化の痛 みは,初産婦では「傷の痛み」「乳房の痛み」がイメー ジしにくく,実際も「イメージより辛い」が高かった。 妊娠中の育児に関する調整は,肯定的受容を高めると 考えられた。母親役割獲得と家事の調整については, 結論づけられなかった。またその他の要因として,出 産満足度や,家事負担・育児負担も母親役割獲得に関 連していた。これらのことから母親役割獲得支援の妊 娠中のケアに対する示唆を得た。 謝 辞  ご協力いただいた研究施設の方々やお母様方に深謝 いたします。ご助言いただいた医療法人純和会矢作川 病院産業精神保健研究所所長小瀬木尚美先生にお礼申 し上げます。本研究は愛知医科大学看護学部平成21 年度共同研究費の助成を受けた一部である。 文 献 有本梨花,島田三恵子(2010).出産の満足度と母親の児 に対する愛着との関連.小児保健研究,69(6),749-755. 江守陽子(2001).産褥早期の疼痛と褥婦の心身の状態と の関連.心身医学,41(6),447-455. 遠藤恵子,佐藤幸子,三澤寿美,小松良子,片岡千鶴 (2003),山形県に住む母親の母親役割の受容と性役割 感に対する意識.山形保健医療研究,6,17-24. George. L (2005). Lack of Preparedness —Experience of

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参照

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