C A N C E R 9 (2000), p.13 13
白いアメリカザリガニのシャム双生個体
中 谷
勇
白 い ア メ リ カ ザ リ ガ ニ Proca柄 拘rus clarkii Girardの雄1個体が, 1995年9月10日に盛岡市 郊外でソト魚を捕るため水田の用水路に仕掛けた網 で捕獲され,それを入手した . この個体の皮膚に は,紅い色素やメラニン色素は無かったが,複 眼 内には正常な個体と同様にメラニン色素が存在し ていた . この個体と野生型の雌個体とを交配させ て Fl 個体を得た. Fl の雌雄の交配で得られた F 2 の表現形は,白と野生型とが
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の割合で分離 した (Nakatani,1999) . 第4代目の白い個体が, 1999年8 - 10月に産卵した . 抱卵 した個体は, 1 個体づっ飼育容器(310x
230 X 11 5mm)で飼育した . 毎日 1度水を換え,飼育容器を洗浄した. この世 話をしている時に,抱卵中 の雌個体のうちのl個 体から離れて飼育容器の底にいた2対のシャム双 生個体を発見した .2
対とも未熟な状態で卵膜か ら抜け出しており,卵膜片が歩脚の先端にからん でいた . ま だこの時は,複眼内のメラニン色素は 少なく ,解剖 顕微鏡下で複眼の輪郭がわかる程度 であ った. す ぐに,シャム双生個体を親個体とは 別の容器( 195 X 14 0 X 125mm) に移し,エアレー ションをして飼育した. これらのシャム双生個 体 は,いずれも頭胸甲の背側が融合したものであり , 上下を反転しでも形態は同様で、あ った. 対のそれ ぞれの腹側から見た形態は,同じ発生段階の正常 な個体と同様であ ったが,雌雄の判別はできなか った. この親から生まれた他の個体の形態は ,確 認した範囲では全 て正常であ った. シャム双生個体のうちの1対 は,親個体から離 した 翌 日に死亡した. 他の1対は 1週間後には メ ラ ニ ン 色 素 が つ く ら れ て 複 眼 は 明l療にな った (図1). それぞれの個体は , たがいに独立に歩脚Is a m u NAKATANI: A S iamese twins of white cray-fish. 図1 白いアメリ カザリガニの シャ ム双生個体 や腹部を動かしたが歩行は不可能であり,双生個 体は僅かに移動するのみであった. この双生個体 は,図l の写真撮影から 7 日目に,解化後第 1 回 目の脱皮ができなく死亡した シャム双生になった原因は不明である. また, アメリカザリガニのシャム双生個体が自然界でど の程度の頻度で生ずるのかも不明であるが,今回 のものと同様のものが生じたとしても脱皮ができ なく緋化後第l回目の脱皮時に死亡してしまい発 見されることはないであろう . 引用文献
Nakatani , 1., 1999. A n albino of the cray fish P叩cambarus
clar耐 (Decapoda: C am baridae) and its offspring Journal of Crustacean Biology, 19 (2): 380-383