海岸近くの流れと陸起源漂着物
海岸近くの流れと陸起源漂着物
の移動メカニズム
西 隆一郎 (鹿児島大学・水産学部・環境情報科学講座) (鹿児島大学・水産学部・環境情報科学講座)砂浜はどのようにしてできる? 天然材料でできた海岸以 外に漂着物(ゴミ)でできた 海岸が出現するのでは? カリフォルニア州には廃棄 ガラスでできた海岸があ る! る!
海岸の砂浜の構成材料・・・ただし、その内にごみも加 わる可能性があり
目的;
・沿岸域の漂着・漂流物 の問題の中で、陸起源 漂着物について検討。 ・陸起源の漂着物(ゴミ) が、沿岸域でどのよう に移動・堆積するのか を ク スケ ルで把 をマクロスケ-ルで把 握するための手法を検 討する 討する。 ・山地・河川・沿岸(海 岸)域を連続した系とし 岸)域を連続した系とし て検討するための手法 は? は?個々の漂着物の移動を追跡するには・・・ 個々の漂着物の移動を追跡するには・・・ 運動方程式が必要。 ただし、集団的な移動(大量の漂着物の移 動・堆積)を総合的にかつ巨視的に捕らえ 動 堆積)を総合的にか 巨視的に捕らえ るには、基本的に連続式の概念を第一近 似として用いるべき? 似として用いるべき? 運動方程式は、後回しでも漂着物の管理 運動方程式は、後回しでも漂着物の管理 は可能ではないか!そして、精度向上に運 動方程式を用いる 動方程式を用いる。
ポイント; 1. 一個づつの移動・漂流・堆積の追跡 ・・・ 運動方程式が大事 2 大量の漂着物の移動 漂流 堆積量の追跡 連続方程式 2. 大量の漂着物の移動・漂流・堆積量の追跡 ・・・ 連続方程式 がBetter 3 局所的(個別の区間的)な視点ではなく、連続した水系(山地・ 3. 局所的(個別の区間的)な視点ではなく、連続した水系(山地 河川・河口・海岸)として総合的に時空間現象を取り扱う。 4. 漂着物(ゴミ)と言っても物質循環の話なので、できるだけ既往 の知見を組み合わせたモデルを開発する。また、モデルは時 間と空間の関数として、ごみ問題にかかわるNPO、NGOレベ ルでも使えるように 可能な範囲で簡易化モデルとする ルでも使えるように、可能な範囲で簡易化モデルとする。 5. モデルの開発に関しては、漂着物(ゴミ)に関連した経験的な 定数が組み込まれるが、定数の具体的な値は実用に供する 定数が組み込まれるが、定数の具体的な値は実用に供する 側のデータをフィ-ドバックしてもらい、定量化する。(今回の 基本はコンセプトの提示とする)。応用は、現場レベルに期待。
陸域水圏の総合漂着物(ゴミ)管理
陸域水圏の総合漂着物(ゴミ)管理
• 山地(砂防 森林) > • 山地(砂防・森林) -> • 河川 -> • 河口 -> • 海岸海岸 における収支・配分日本の海岸は、 上流(山地)から 上流(山地)から 河川を経由して 様々な物質が河 口部に運ばれ、部 それが、波と流 れにより周辺の れにより周辺の 海岸や、沖合の 海域に輸送され 海域に輸送され る物質循環系が ある ある。
降雨が陸起源の漂着物やゴミを押し 出す因子。
陸起源の漂着物やゴミが山地(減流 域)から移動を始める
陸起源の漂着物やゴミの一部はと祐 の砂防ダムに貯まる(移動終了)。ま た、回収されることもある。
陸起源の漂着物やゴミの一部は水利 ダム・堰に堆積、そして、回収されるこ ともある。
陸起源の漂着物やゴミは河川内を高 度が高い所から低い所(河口部)へ流 される。
陸起源の漂着物やゴミは最終的に河 口部(陸水圏)から海岸(海水圏)に供 給される そして まずは 波と海浜流 給される。そして、まずは、波と海浜流、 そして風の効果で移動・漂着する。
陸起源の漂着物やゴミは河川の流れ 陸起源の漂着物や ミは河川の流れ による移動から、河口部で、波と海浜 流そして風の効果で移動・漂着する。
陸起源漂着物の移動経路コンセプト
陸起源漂着物の移動経路コンセプト
陸起源ゴミが沿岸域に輸送・集積される簡易プロセス 陸起源ゴミが沿岸域に輸送 集積される簡易プロセス 1)山地の源流域を出発点として流域のゴミが自然の降 雨や人的要因で河川に取り込まれる 雨や人的要因で河川に取り込まれる )ゴ 部は河 中を流 中 植生や堰 ダム 2)ゴミの一部は河川の中を流下中に植生や堰・ダムに より補足されながら河口部まで到達する 3)河口部に供給されたごみは波と流れにより隣接する 3)河口部に供給されたごみは波と流れにより隣接する 沿岸域に移流・拡散して最終的に海岸に堆積する漂着物の経路1; 山地から河口部まで 1.陸起源漂着物(ゴミ)を解析するための空間領域 を、例えば、山地(源流)域、砂防ダム域、中流域、 水利ダム域、河口域のようなコンパートメントに簡単 化する 化する。 2.時間・空間軸上でのゴミの循環を数式モデリン グすることにする 陸起源の漂着ゴミの数式モデリ グすることにする。陸起源の漂着ゴミの数式モデリ ングでは、幾つかの仮定(あるコンパートメントから の流出量は流入量と平衡量に比例するなど)を設け の流出量は流入量と平衡量に比例するなど)を設け、 それぞれの領域で物質(漂流物、ゴミ)収支を定量 化する 化する ※ 個々の領域(コンパートメント)での物質量の時 間変動 間変動
総合的な漂着物(ゴミ)管理ツールに 利用可能? 利用可能 今後、数値プログラミング、各(経験的 定数)項の定量化が必要 定数)項の定量化が必要
河口部から供給されたゴミの拡がり 河 部から供給された ミの拡がり 特に、梅雨、台風、雪解けによる洪水時の 河口部からのゴミの拡がりは、河口を点源と 河 部 ら 拡 り 、河 を点源 し沿岸域で移流拡散しながら、海岸に堆積す ると仮定 第一次近似の定常解としては 海 ると仮定。第 次近似の定常解としては、海 域での浚渫砂の濁り評価に用いられる式の 適用(改良)も可能と 見思われる 適用(改良)も可能と一見思われる。
浚渫土砂の拡散などに適用可能(旧運輸省モデル) × ⎪⎭ ⎪ ⎬ ⎫ ⎪⎩ ⎪ ⎨ ⎧ − = 22 2 exp ) ( 2 ) , , ( y U Q z y x C σ σ σ π ⎥ ⎤ ⎢ ⎡ ⎬ ⎫ ⎨ ⎧ + ⎬ ⎫ ⎨ ⎧ − ⎪⎭ ⎪⎩ 2 2 ) ( ) ( 2 ) ( 2 y z y z H z H U σ σ σ π ⎥ ⎥ ⎦ ⎢ ⎢ ⎣ ⎩⎨ ⎭⎬ + − + ⎭ ⎬ ⎩ ⎨− 2 2 2 ) ( exp 2 ) ( exp z z z H z H σ σ ここで, U x K U x K y y / 2 / 2 = = σ σ U x K z z = 2 / σ σy, σz :拡散幅(m) : 濃度( /l) C :SS濃度(mg/l) H :発生源の高さ(m) Q :単位時間あたりの負荷量(g/sec) Ky,Kz :乱流拡散係数(m2/s) U :x軸方向の流速(m/s)
ここで, • σy σz :拡散幅(m) • σy, σz :拡散幅(m) • C :SS濃度(mg/l) • H :発生源の高さ(m) Q 単位時間あたりの負荷量(g/sec) • Q :単位時間あたりの負荷量(g/sec) • Ky,Kzy :乱流拡散係数(m2/s) • U :x軸方向の流速(m/s)
沿岸域のゴミの漂着に対する海浜流系理論と 漂砂理論の応用 漂砂理論の応用 沿岸域では海浜流系が砂の移動(漂砂)に代 表されるような物質循環に大きく寄与している。 表されるような物質循環に大きく寄与している。 そこで、波浪が原因で生じる海浜流系を構成す る沿岸流と離岸流を考慮しないと 海岸に漂着 る沿岸流と離岸流を考慮しないと、海岸に漂着 し、そして、ボランティアの手で回収される海岸 のゴミの時空間的な分布を評価しきれない のゴミの時空間的な分布を評価しきれない。
なお、海洋物理学と海岸工学では沿岸流の 意味・定義が異なるが ここでは水深が数m 意味 定義が異なるが、ここでは水深が数m 程度と浅い領域で、波浪により生じる海岸に 沿う方向の流れをさす また 東京都 鹿児 沿う方向の流れをさす。また、東京都、鹿児 島県、沖縄県にはサンゴ礁海域があり、ここ でのゴミの漂着にはリ フカレントと呼ばれる でのゴミの漂着にはリ-フカレントと呼ばれる 潮汐と波浪が複合的に起因した流れが寄与 するので この流れについても知る必要があ するので、この流れについても知る必要があ る。なお、参考のために以下に沿岸域の代表 的な流れの可視化されたものを示す 的な流れの可視化されたものを示す。
海浜流による陸起源漂着物の移動 海浜流による陸起源漂着物の移動 ・沿岸域での、陸起源土砂の移動・堆積過程(漂砂現 象)に関しては、巨視的な予測手法が確立されている。 ・ゴミは、漂砂現象で扱う砂(底質)に比べて表面に漂い やすく、波浪や流れ以外に風の効果を受けやすいが、 沿岸域のゴミの定量的な取り扱いの第一段階として、 沿岸域の土砂移動の知見が応用できると仮定する。 ・沿岸域の土砂移動・堆積を広い領域でかつ長い時間 スケ-ルで予測するには、沿岸漂砂量式に基づいた1 スケ ルで予測するには、沿岸漂砂量式に基づいた1 -ラインモデルが適用される
H
a
a
C
H
Q
=
(
2 g)
b(
sin
2
θ
bs−
cos
2
θ
bs∂
)
bx
a
a
C
H
Q
(
)
(
1sin
2
2cos
2
)
∂
θ
θ
=
ここで、 H=波高、C =線形波理論より与えられ H=波高、Cg=線形波理論より与えられ る群速度 b=砕波条件を表す添え字、θ =局所汀 b=砕波条件を表す添え字、θbs=局所汀 線に対する砕波角である0
)
(
1
∂
=
+
∂
q
Q
y
0
)
(
)
(
∂
−
=
+
∂
t
G
Cx
q
ここで、 ここで、 ∂yは位置xでのゴミ堆積幅(厚さ)の単位時間変動 量、 Q( x )は沿岸を漂うゴミ(物質)の量、 Q( x )は沿岸を漂うゴミ(物質)の量、 q(x)は沿岸域における何がしかのゴミの付加量、 Gcはゴミの堆積状況に関連した定数(係数)結論;
1.漂着物(ゴミ)と言えども、水圏での物質循環 の知見が適用できる。 の知見が適用できる。 2.漂着物の移動・堆積量予測のモデルを現場 レベル+研究者レベルでフィードバックを掛け レ ル+研究者レ ルでフィ ドバックを掛け 合い、開発・実用化する時期に来ている(?)。 3. 陸から海を見る土木工学的な視点と海から見 陸を見る海洋学の視点を融合する必要がある。まとめ
まとめ
ここでは、沿岸域(海岸)に堆積し回収され るべきゴミ(漂着物)の量を、定量的に予測・ 評価するための(数値)解析手法の提案だけ 評価するための(数値)解析手法の提案だけ を行なった。 提案された手法の有効性を現地デ タに基 提案された手法の有効性を現地デ-タに基 づき検証してはいないが、本手法の有効性の 確認は、海岸の漂着ゴミを長年調査している 方々に是非お願いしたいと考えている。 方々に是非お願いしたいと考えている。C Channel width We D(t) De Equilibrium level Z Ze