2006年11月6日 【新 製 品】 パナソニック エレクトロニックデバイス株式会社 業界初(※1) 4ダイバーシティ受信対応で地上デジタルテレビ放送を高感度受信 セットの小型化・高性能化・省電力化に貢献 パナソニック エレクトロニックデバイス株式会社[社長:北代 耿士]は、業界初の4ダ イバーシティ受信[1] 対応で、小形・高感度受信・低消費電力の「車載用4ダイバーシティ 地上デジタルフロントエンド[2] (TTM8J タイプと ET-08DHR タイプ)」を製品化しました。 製品名 車載用4ダイバーシティ地上デジタルフロントエンド タイプ名(品番) TTM8J(品番:ENA94D**C3F)/ET-08DHR(品番:ENV84Q**D8F) サンプル価格 50,000[※]円/セット [※]TTM8J と ET-08DHR を 1 セットとした場合の数字 量産対応時期 2007 年 4 月 月産数量 30,000[※]セット/月 [※]TTM8J と ET-08DHR を 1 セットとした場合の数字 車載テレビ・カーナビゲーションシステムは、従来の地上アナログ放送受信にかわり、地上 デジタル放送受信が可能なフロントエンドの搭載が増えています。現在、2ダイバーシティ 受信システムが主流ですが、さらなる高感度受信の為に、4ダイバーシティ受信が要望され ています。今回当社では、チューナユニット2個とダイバーシティ復調ユニット1個を業界 で初めて1パッケージ化した「TTM8J タイプ」と、デュアルチューナ構成の「ET-08DHR タイ プ」を製品化しました。これらを組み合わせることで業界初の4ダイバーシティ受信システ ムを簡単に構成することが可能です。また、2ダイバーシティをご要望の場合は「TTM8J タ イプ」単体をお使い頂くことでさらなる小形、高感度受信が実現できます。 【特長】 1. 業界初(※1) 4ダイバーシティを小型・薄型で実現、セットの小型化に貢献 4 ダイバー対応: 実装面積 44cm2 (TTM8J と ET-08DHR) 2 ダイバー対応: 26cm2 (TTM8J) 当社従来(※2)比:半減 2. 高速走行受信性能向上とワイドダイナミックレンジ化により受信エリア拡大に貢献 4 ダイバー対応:高速走行感度 200km/h(※3)(@ch28)(TTM8J と ET-08DHR) 2 ダイバー対応: 130km/h(※3)(@ch28)(TTM8J)当社従来(※2)比:70%向上 3. 低消費電力化でセットの省電力、低発熱による信頼性向上に貢献 4 ダイバー対応:消費電力 2.8W(TTM8J と ET-08DHR) 2 ダイバー対応: 1.6W(TTM8J) 当社従来(※2)比:約半減 (※1)2006 年 11 月 6 日現在「地上デジタル放送受信用ユニット(デジタル復調回路内蔵)」として(当社調べ) (※2)当社「車載用2ダイバー地上デジタル放送受信用ユニット(TTM6J)」 (※3)値は実験室での TU-6 シミュレーション値 【用途】車載用 地上デジタルチューナ、カーナビ、リア・エンタテインメント・システム 【お問合せ先】パナソニック エレクトロニックデバイス(株)モジュールビジネスユニット プロダクツマーケティング総括部 マーケティングチーム 山内 徹也 電話:0585-36-2317 (直通) FAX:0585-36-2304 URL:http://www.panasonic.co.jp/ped/
「車載用4ダイバーシティ地上デジタルフロントエンド」を製品化
【特長の詳細説明】 1. 業界初 4ダイバーシティを小型・薄型で実現、セットの小型化に貢献 当社では、「車載用2ダイバーシティ地上デジタルフロントエンド(TTM6J)」を製品化してい ますが、構成部品が多くセットの基板占有面積が大きいという課題がありました。今回、車 載専用の新「ISDB-T[3] 復調 LSI」を採用、高密度実装技術を駆使することで、業界で初め て、2ダイバーシティ受信機能を1パッケージ化(チューナユニット2個とダイバーシティ 復調ユニット1個を一体化)した「TTM8J タイプ」の製品化(当社従来比:実装面積 半減)に 成功しました。新「ISDB-T 復調 LSI」は、4ダイバーシティまで対応でき、今回同時開発し た「デュアルチューナ(ET-08DHR)」と組み合わせることにより、業界初となる4ダイバーシ ティ受信システムを実現できます。また2ダイバーシティ受信のご要望には「TTM8J タイプ」 単体を提供してまいります。本製品の採用により、4ダイバーシティ受信に対応するととも にセットの小型化、薄型化が実現できます。 2. 高速走行受信性能向上とワイドダイナミックレンジ化により受信エリア拡大に貢献 受信エリアの拡大を図るためには、高性能なフロントエンドが要求されます。しかしながら 自動車で高速走行しながら地上デジタル放送を受信すると、ドップラーシフト[4]やマルチ パス・フェージング[5]の影響で、受信性能の劣化をおこすという課題がありました。これ を解決するため、対速度受信性能を大幅に向上した新「ISDB-T 復調 LSI」により、優れた高 速走行受信性能を実現しました。また、4ダイバーシティ受信システムによって、都市部の ビル影などの遮蔽や反射などの複雑な電波環境における受信性能が格段に向上し、6dB のダ イバーシティゲイン[6]により郊外の弱電界での受信感度の向上も実現しました。また、当 社独自の高周波回路設計技術を駆使し、送信タワー直下の強電界(+10dBm)から微弱なワンセ グの電波(-100dBm@5.57MHzBW)まで受信できるワイドダイナミックレンジ化を実現しました。 これらにより、セットの受信エリアの大幅な拡大に貢献することができます。 3.低消費電力化でセットの省電力、低発熱による信頼性向上に貢献 従来品は構成部品が多く、駆動電圧や消費電力が高いという課題がありました。今回、当社 独自の高密度高周波設計技術により、低消費電力 MOPIC の採用をはじめとし、各周辺回路の 最適化により、低消費電力化を実現しました。これによりセットの省電力化、低発熱による 信頼性向上に貢献することができます。
【基本仕様】 新製品(4 ダイバー/2 ダイバー対応) 従来品(2 ダイバー対応のみ) [4 ダイバー対応] TTM8J :縦 36.7×横 69.9×高さ 8.3mm ET-08DHR:縦 36.7×横 48.9×高さ 8.3mm ― 1.形状 [2 ダイバー対応] TTM8J :縦 36.7×横 69.9×高さ 8.3mm [2 ダイバー対応]TTM6J:以下で構成 -DTM6J(1 個):縦 35.2×横 65.0×高さ 12.0mm -ET-06D(2 個):縦 28.0×横 53.2×高さ 12.7mm [4 ダイバー対応] 2.8W ― 2.消費電力 [2 ダイバー対応] 1.6W [2 ダイバー対応] 3.6W [4 ダイバー対応] 52 本(TTM8J)+20 本(ET-08DHR) 計 72 本 ― 3.端子数 [2 ダイバー対応] 52 本(TTM8J) [2 ダイバー対応] 36(DTM6J)+19(ET-06D)x2 計 74 本 【構造図】 新 製 品 車載用4ダイバーシティ地上デジタルフロントエンド(TTM8J + ET-08DHR) 従 来 品 車載用2ダイバーシティ地上デジタルフロントエンド(TTM6J) 復調ユニット 地 上 デ ジ タ ル 放送 地 上 デ ジ タ ル 放送 地 上 デ ジ タ ル 放送 チューナユニット ISDB-T 復調LSI チューナユニット SDRAM 地 上 デ ジ タ ル 放送 地 上 デ ジ タ ル 放送 地 上 デ ジ タ ル 放送 ET-08DHR ISDB-T 復調LSI チューナ部 チューナ部 チューナ部 チューナ部 4ダイバーシティ ISDB-T 復調LSI データ信号 (トランスポートストリーム信号) TTM8 データ信号 (トランスポートストリーム信号)
【用語説明】 [1] ダイバーシティ受信 主に移動体受信の受信感度を向上するために、複数本のアンテナを用いて多方面からの 電波を受信する方法。「2ダイバーシティ」とはアンテナが2本、「4ダイバーシティ」 とはアンテナを4本用いて受信する方式。 [2] フロントエンド
デジタル放送受信機の RF(Radio Frequency:高周波)信号の入力から TS(Transport Stream:多重信号形式の 1 つ)出力までの信号処理部のこと。TS 処理部から映像・音声 信号出力まではバックエンドと呼ぶ。
[3] ISDB-T (Integrated Services Digital Broadcast for Terrestrial)
統合地上デジタル放送サービスの英文の頭文字をとったもので、日本の地上デジタルテ レ ビ 放送 のこ と 。 移動 体 向 け サー ビ ス の 受 信 に 有 利な BST- OFDM(Band Segment Transmission – Orthogonal Frequency Division Multiplex:セグメントに分割伝送可 能な直交周波数分割多重)を伝送方式としている。 [4]ドップラーシフト 送信機に対して受信機が移動している場合には、ドップラー効果(音源や観測者が移動 している場合、振動数が変化し、音が高くなったり低く聞こえたりする現象のこと)の 影響を受け、周波数が移動速度に比例した量だけ遷移して観測される。この現象を「ド ップラーシフト」と呼び、これが受信性能劣化の原因となる。 [5]マルチパス・フェージング 市街地等では、受信地点ごとに異なるマルチパス環境(到来波数、遅延量等が場所ごと に異なる)となる。この環境の中を移動しながら受信すると、フェージング(受信電界 強度の時間的な変動のこと)が発生し、これが受信性能劣化の原因となる。 [6]ダイバーシティゲイン
シングル受信に対してダイバーシティ受信では所要 CN 値(Carrier to Noise ratio:搬 送波と雑音の比)が小さくなり、受信感度が向上できる。このことを「ダイバーシティ ゲイン」といい、この値が高いほうが受信感度が高い。