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診断テストまでに記憶を喚起しておかねばならない重要知識一覧表
2014.03.24 中川孝博
■テキスト(赤池一将=中川孝博『刑事法入門[第2 版]』)4~6 頁
◎「法学」の定義は何か。
◎法学をマスターするために設定した2 つの大目標は何か。
◎刑事訴訟法の領域で対立する2 つの正義観とそれぞれの定義を述べよ。
・2 つの正義観が両立すれば素晴らしいのだが、実際は両立しない場合がある。
それは、2 つの正義観の指向(ベクトル)が異なるからだ。どう違うか。「権限拡
大/縮小」「事後救済/事前予防」という言葉を使って説明せよ。
■テキスト6~11 頁
◎「法的三段論法」とは何か
◎問題は法的三段論法によって得られた結論が、自分が正義と考える結論と異なる場合に
どうするか、だ。
(1)法的意見表明の基本だが、「法律にはこう書いてあるが、間違っている!」という
主張は全く認められないことをしっかり確認しておこう。「間違っているとおっしゃ
ってもですなあ、法律にはこう書いてありますからなあ」と言われておしまいだ。
(2)したがって、自分が正しいと思う結論は、「現在の法律でもそのような結論が出る」
と言えなければならない。そのために、いわば、言葉の意味を変えてしまうのだ。こ
れを「法解釈」という。
◎ 9~11 頁の自習パートを熟読し、法学部学生の使命を再確認せよ。
■テキスト12~13 頁
◎法解釈の基本的技術を知り、自分でもこの技術を使えるようになろう。
(1)以下の言葉の定義を述べよ。
文理解釈/目的論的解釈
(2)目的論的解釈には4 つの技法がある。定義を述べよ。
拡大解釈/縮小解釈/反対解釈/類推解釈
■テキスト13~16 頁
◎法学を学ぶ際に、検討の対象となる3 つの領域を意識せよ。
・書かれた法/生きた法/あるべき法とは?
◎法的意見表明の基本型を確認せよ。本ファイル3 頁に記載されている答案例をみながら、
以下の事項を完璧に理解しておくこと。
(1) 問題提起 【答案例の1を参照】
・以下の点をもれなく簡潔に記す。
①何という法律の ②何条の ③何という文言(あるいは条文全体)が問題となるか
④それはなぜか? ←本件の事実から論点へと結びつける
(2)法解釈 【答案例の2を参照】
・重要な注意点
*ある論点につきあなたが選択する解釈は1 つのみ。あらゆる事例をその解釈 1 つで合理的
に解決。
*同じ論点につき事例ごとに異なる解釈をしてはならない。 ∵法的安定性
*したがって、どの解釈がよいかは、出された事例だけで判断してはならず、いろんな事例
を想定してみなければならない。出された事例だけを使って延々と論証するのは×。
また、表現としても、「この事例では~~という解釈がとられるべきである」などと書い
ては絶対にならない(「他の事例では異なる解釈をとるのか、あんた?」という疑惑を生
じさせないようにするため)。
・法解釈部分の基本的記述方法
*ここに紹介する記述方法は、法解釈を基本とするどの授業でもおそらく使える必殺技だ。
しっかり身につけよう。
次頁の表参照。
・基本型として、①~⑧の叙述順序に従って書いていく。生きた法である判例の紹介を、その判
例の性質や自分の説との関係から、最もふさわしい表現を選び、最もふさわしい場所(①の前
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か、①か、⑥)に挿入する。
・答案例は、①→②→④→⑤→⑥→判例紹介→⑦→⑧の順で基本にほぼ忠実に書いている。参考
にしよう。
(3)あてはめ・結論 【答案例の3を参照】
・あてはめと結論を明確に分けて記述。決して端折らない。
*あてはめは、自分が採用した解釈をそのままの形で使えばよい。
ex. 「傷害とは生理的機能に障害をもたらすという意味である」 という解釈を採用
→「髪を切ることは、生理的機能に障害をもたらしていない」 というあてはめ
→したがって刑法204 条にいう傷害に該当しない そしてこれが結論
表 法解釈部分の基本型
基本「型」 判例紹介・検討の織り込み
←判例がない場合
「この点に関し判例はなく、実務でも解釈が争われている」
←判例がよくわからない場合
「この点に関し一貫した判例はなく、解釈が争われている」
←判例はあるがその理論がよくわからない場合
「この点に関し~~という判例はあるが、結論を述べるだけ
であるため、この判例を正当化できるかが争われている」
①自分とは異なる学説の紹介
→「この点、~~という説がある」
←判例理論がこの学説に一致する場合
「この点、~~という説がある。判例もこのような考え方を
採っている」
②その学説のメリットを評価
→「確かにこの説に立つと、~~というメリットが
ある」
③その学説のメリットは必ずしも重要でないことを指
摘(できなければ省略)
→「しかし、そのような点は、必ずしも重要とは思
われない。なぜなら~~」
④その学説のデメリットを指摘
→「また、この説を採用すると、~~という問題が
生じる」
⑤その学説が採用できないことを指摘
→「以上の理由から、この説を採用することは妥当
でない。
⑥自説の紹介
→「そこで、~~という説を採用すべきである」
←判例理論がこの学説に一致する場合
「そこで、~~という説を採用すべきである。判例もこのよ
うな考え方を採っている」
⑦自説のメリットを指摘(特に、上述した反対学説の
デメリットを回避できること)
⑧自説のデメリットとして反対派が挙げてくる点を紹
介し、反論(内容的には③とかぶる可能性大。その場
合は、要領よくコンパクトに)
◎答案例
【設問】
Bさんの髪を丸刈りにしたことで有名な國學院大學法学部 1 年のA君は、結局執行猶予となり、刑務所に収容されることな
く大学に復帰した。
A君自身は、この恋愛絡みの事件に疲れきってしまい、当分恋愛からは遠ざかろうと考えていた。しかし、なんと、Bさん
のほうは、A君を捨てて付き合った男とも早々に別れ、もう一度A君と付き合いたいと思っていたのだ。確かに自分の髪を切
ったことは酷い行為だが、それだけ自分を激しく愛していたということでもあるとBさんは考え、ある種の感動をおぼえてい
たのだ・・・
久しぶりにキャンパスでA君と出会ったBさんは、A君ともう一度付き合いたいと告白した。Bさんとは二度と付き合いた
くないと思っているA君は、「どうせまたすぐ飽きて浮気するんだろ? オレを本当に愛しているという証拠を見せてくれよ。
そうだ、一緒に死のう。本当にオレを愛しているんだったら、一緒に死ねるよな?」と言ってみた。こういうふうに言えばB
さんは引くと思ったのだ。しかし、予想に反してBさんは「うん、あなたも一緒に死ぬんだったら、私も死ねるよ」と返事し
た。これ以上自分の人生にBさんが関わってくるのを回避したいと考えたA君は、どうせならそのまま死んでもらおうと考え、
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「じゃあ、若木タワー18 階から飛び降りて。君が飛び降りたらすぐ僕も後を追うから」と嘘をついた。BさんはA君も後を追
うと誤信したまま、本当に飛び降りて、墜落死した。
さて、A君がBさんをそそのかして死に至らせた行為は、人を教唆して「自殺」させたもの(刑法202 条)と考えるべきか?
それとも「人を殺した」(刑法199 条)と考えるべきか?
【答案例】
【問題提起部分】1.①②刑法199 条は、「人を殺した者は死刑又は無期若しくは 5 年以上(20 年以下)の懲
役に処する」とされている。①②刑法202 条は、「人を教唆して自殺させた者は 6 月以上 7 年以下の懲役又は禁
錮に処する」とされている。④本件では、一方で、Bが自らの死を積極的に選択しているという意味で、自殺し
たとも評価できるかもしれないが、他方で、Bの選択はAがBを騙した結果であるから、AがBを殺したと評価
できるかもしれない。AがBをそそのかして死に至らせた行為は、人を教唆し、「自殺」させたものか、「人を殺
した」と考えるべきか。③ここでは「自殺」の意味が問題となる。
【法解釈部分】2.①「自殺」とは「死ぬという意思決定を被害者がしたうえで自らが死ぬこと」と解釈する
説がある。②この説をとれば、被害者の意思のみで自ら死ぬことは全て自殺という行為になり、被害者が他人に
よって殺されたのか、自ら自分の命を絶ったのかが明確に分かる。④だが、この説では、他人の力が直接被害者
の身体に及ばないならば全て自殺ということになる。これでは、人質などをとられた被害者が自ら命を絶った場
合、被害者が保護されないのは不合理であり、⑤この説をとるべきではない。
⑥そこで、「自殺」とは「重要情報について行為者が欺いていない状態のもとで死ぬという意思決定を被害者が
したうえで自ら死ぬこと」という意味で解釈を採用すべきである。【判例紹介】判例もこの説にたっている。⑦こ
の説をとれば、他人から精神をコントロールされ、被害者が命をたったことが重い罪だと判断し、殺人だと評価
でき、被害者を保護できる。⑧だがこの説では、他人により殺されたのろか、自ら命を絶ったのかを明らかにす
るのが難しく、詳細な調査などが必要となる。だが、刑法199 条の趣旨は、人を殺すことは重大な罪であり、そ
れをした者は厳重に処罰されるべきで、被害者が保護されるべきだということなので、この説をとるべきである。
【あてはめ・結論部分】3.【あてはめ】Aは、「あなたと一緒に死んでもいい」というBに対し、「君が死んだ
らすぐに後を追う」という嘘をつき、Bの精神をコントロールしている。つまり、重要情報についてAが欺いた
状態でBが死んでいる。【結論】よってこれは自殺にあたらず、刑法199 条により処罰されるべきである。
以上
■テキスト25~30 頁
◎捜査という段階では実にさまざまなことを警察官や検察官が行うが、大きくは2 種類に
分けられる。
①証拠の収集 →何のために行う?
②身体■■ →何のために行う?
*世間の印象とは異なり、取調べや再犯防止のためではないので注意
→刑訴法■条■項と刑訴規則■条をチェック。
◎捜査にあたっては必ず守らねばならない大原則が4 つある。理解して記憶しよう。
①捜査比例の原則 →定義を説明し、根拠条文を挙げよ。
②強制処分法定主義 →定義を説明し、根拠条文を挙げよ趣旨も説明せよ。
③令状主義 →定義を説明し、根拠条文を挙げよ。趣旨も説明せよ。
④物証中心主義 →定義を説明し、根拠条文を挙げよ。趣旨も説明せよ。
*関連して、「物から人へ」の意味を説明せよ。
◎令状主義と緊急逮捕
・刑訴法が定める3 つの逮捕類型を、「令状が必要か否か、令状発付はいつ行われるの
か?」という観点から確認
・3 つの逮捕類型のうち、「緊急逮捕」は憲法33 条「令状によらなければ逮捕されない」
に反するか?
*判例は合憲と述べたか? 違憲と述べたか?
*判例は「令状によらなければ逮捕されない」の解釈をはっきり述べているか?
*この解釈について2 つの学説を紹介した。
①2 つの学説は、それぞれ、「令状による」をどのように解釈するか?
②それぞれの学説の論拠を説明せよ。
◎物証中心主義と代用刑事施設
・前提知識を押さえておこう。
ex. 逮捕留置は最大何時間許されるか?
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その後の勾留は原則何日間か?
勾留延長は何日間許されるか?
・代用刑事施設が法律上認められることを説明せよ。多数の条文を援用する必要がある
ので注意。
・代用刑事施設を認める条文は、自由権規約9 条 3 項裁判官のもとに「速やかに連れて
いかれる」に反するか?
*この問題について論じた判例はあるか?
*「裁判官のもとに速やかに連れて行かれ」の解釈について学説を2 つ紹介した。
①2 学説は、それぞれ、「速やかに連れて行かれ」をどう解釈するか。
②それぞれの学説の論拠を説明せよ。
■テキスト43~46 頁
◎証拠収集に関する令状主義の基本知識が説明されている。以下の諸点を確認せよ。
①「正当な理由」の意味
②「第三十三条の場合を除いては」の意味
③解釈上争いのないところ
④解釈上争いのあるところ
■テキスト47~55 頁
◎自由心証主義について。以下の諸点を確認せよ。
①自由心証主義の定義
②対立する概念である「法定証拠主義」の意義
③刑訴法318 条「自由」の解釈 2 つ。それぞれの論拠も。
◎取調べの可視化について。
(1)テキストでは、自由心証主義の後に「取調べの可視化」と「証拠開示」を取り上げ
ている。この2 テーマを取り上げる理由は何か。
(2)被疑者の取調べに問題があったか否かが問題になったとき、現状では、どのような
証拠を出して争っているか。
(3)「書かれた法」の世界で、取調べの可視化に踏み出したのは犯罪捜査規範182 の 2
である。
・この内容は?
・残念ながら、182 の 2 には問題が多数あるとされている。どんな問題か。
(4)2009 年に「取調べ適正化のための監督に関する規則」が制定された。この規則の
目玉が2 つある。何と何か。
(5)取調べの録音・録画が現在一部で行われている。
・取調べの録音・録画を命じる「書かれた法」はあるか?
・現在行われている録音・録画は、取調べ全過程を録音・録画したものか?
*どの時期、どの場面を録音・録画しているのか?
*それでは十分でないと主張する者は、どのような理由を挙げているか?
・取調べを全部録音・録画したとして、どのような問題が生じるか?
・取調べの可視化には、録音・録画以外にどのような手段があるか?
◎次は証拠開示について。
(1)2004 年法改正まで
・刑訴法299 条はどのような証拠について相手方に開示するよう求めているか。
・2004 年に刑訴法が改正されるまで、299 条が求めている範囲を超えた証拠開示に
ついて、「生きた法」はどのように動いていたか?
①検察官の態度
②裁判所の態度(判例3 つある)
・「請求権がない」とは、どのような意味か。
・「訴訟指揮権」とは何か。
(2)2004 年に刑訴法が改正され、証拠開示に関する法律の規定は増えた。
・この改正は主として何のために行われたか。
・この改正によっても開示されない証拠とは何か。
・この法律が改正された後の検察官の行動(「生きた法」)で現在最も問題になってい
るものは何か。
■テキスト60~63 頁
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◎以下の諸点を確認せよ。
・「自白法則」の意義(定義と趣旨)、条文
・「挙証責任」の意義
・現在の実務における自白の任意性立証の方法
■テキスト64~68 頁
◎刑事公判における諸問題
(1)刑事公判の大原則として「当事者主義」があるのだが、2 つの意味がある。それぞ
れを説明せよ。
(2)当事者主義から導かれる原則として「不告不理の原則」があるのだが、この原則の
定義は何か?(テキストの定義に加えてもう1 つ注意すべき点も挙げよ)
(3)訴因(そいん)という言葉が出てくるのは刑事訴訟法何条か。
訴因の定義を説明せよ。
(4)訴因を特定しなければならない理由として、2 つ挙げられる。
①裁判官にとっては何か。
②被告人にとっては何か。
(5)ところで、憲法31 条は大雑把で抽象的なことしか書かれていないが、明文規定が
ないけど憲法上の権利として認めたいものがあるときに活用される(ちなみに、憲
法13 条もそう)。このような条項をなに条項と呼ぶか。
(6)訴因の特定につき、刑訴法の条文は「できる限り」やれと規定している。
・検察官に有利に解釈したい人はこの規定を反対解釈する。具体的に説明せよ。
・その反対解釈に対してはどのような批判がなされているか。
・反対解釈では正義に反すると考える人は、どのように解釈(縮小解釈)するか。
・この解釈問題につき、最高裁は一般論を展開せず、当該事件の結論だけを述べてい
る。このような判例をなに判例と呼ぶか。
(7)次に伝聞法則について。
・刑訴法320 条 1 項が挙げる伝聞証拠を正確にイメージできるか。
・伝聞法則の定義と趣旨を説明せよ。
・刑訴法320 条 1 項 2 号が問題にしている書面は、誰が作成したものか。
・刑訴法320 条 1 項 2 号後段は、何を要件として伝聞法則に例外を認めているか。
(8)最後に、黙秘権について。
・黙秘権は2 つの要請を国家機関にしている。説明せよ。
・刑訴法311 条 2 項の解釈として、対立する 2 つを紹介した。説明せよ。
・城丸君事件において、札幌高裁はどのようなアプローチをとったか?
■テキスト84~88 頁
◎以下の諸点を確認せよ。
・「証拠能力」の意義
・「違法収集証拠排除法則」の意義
*判例が定立した排除基準
*この基準の「あてはめ」の特徴
■テキスト89 頁
◎少年法の基本について、以下の諸点を確認せよ。
・少年審判の特徴である、職権主義、非公開、非公表、非方式性の意義(定義と趣旨)
■テキスト96~98 頁
◎以下の諸点を確認せよ。
・「一事不再理効」の意義(定義、趣旨、根拠条文)
*趣旨については、「二重の危険」という概念を正確に理解
・無罪判決に対する検察官上訴につき、判例はどのように結論し、どのような理由を挙
げたか?
*この理由づけを批判する人の見解は?