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戦前における死因分類別心臓疾患死亡に関する研究

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(1)

(翻毬糠、翻御言)

戦前における死因分類別心臓疾患死亡に関する研究

1 緒 東京女子医科大学衛生学教室(主任吉岡博入教授) 言

安 樂 城

ア ラ キ 元 日ジメ

(受付昭和32年4月201日)

近年における予防および治療医学の急速なる進 歩により,かつてはわが国国民死因の主要死因を 占めていた急性ならびに慢性伝染性疾患による死 亡は急激に減少し,これに代って最近において は,脳卒中,癌,心臓病等いわゆる老人性疾患と して考えられるこれら諸疾患による死亡が,わが 国における死因の主因となってきた1)∼5)。 著者はこの点に注目し,近年国.民死因の上位を 占める心臓疾患死亡について,本邦心臓疾患死亡 率につき究明してきた6ト14)。 今回は戦前におけるわが国の心臓疾患死亡につ いて,これを死因分類別に死亡の状態,および年 次的推移について観察した。 H 資料および研究方法 資料:昭和8年∼昭和18年 人口動態統計 昭和10年,昭和15年 国勢調査i報告 研究方法:昭和8年より昭和18年にいたる間に適用 された,第四回国際死因分類会議によって決定され, 比較的疾病分類の詳細なる分類法に基いた。これによ れば全心臓疾患は「心嚢炎」,「急性心臓内膜炎」,「漫 性心臓内膜炎及心臓二二の障碍」,「心筋の疾患」,「冠 状動脈の疾患及狭心症」および「其の他の心臓の疾患」 の六型に分けられている。 これにしたがって,昭和8年より昭和18年までの各 年次における全国男子および女子の全心臓疾患,なら びに上記六型の各病型別死亡率,および男女それぞれ において各型死亡率が全心臓疾患死亡率申において占 める割合についての百分率を算出した。またこれに加 え,昭和8年より昭和15年までの各年次は全国男女別 年令別人口が得られるため,上記各年次における全心 臓疾患および各型別性別年令別死亡率,および各年令 階級における各回死亡率の全心臓疾患死亡率中におい て占める割合を百分率で算出した。さらに全心臓疾患 ならび各型死亡率の季節による変化をみるべく,上記 期間における全国総数の月別死亡率を算出し観察し た。

皿 研究結果

1.全国男女別死亡について 表一1に各年次男女別の全心臓疾患および一型 別死亡率,ならびに百分率をあらわした。また八 一1は全心臓疾患および各型別死亡率の年次的推 移をみるべく,半対数図表にしめしたものであ る。 (D 死亡率について エ) 男子について 表一1ならびに図一1にしめすごとく,まず全 心臓疾患死亡率の年次的推移はとくに著しい変化 はしめさないが,昭和13年,14年にやや高率をし めし,死亡曲線は昭和13年に峰をつくりつつ,全 体としての推移はやや低下する傾向をしめしてい る。 同じく表一1,図一1によって各回の死亡率に ついて観察してみる。 「心嚢炎」は,各年次死亡率は他の各型にくらべ 極めて低率で,死亡率は人口10万に対し1.0∼1.2 をしめすのみである。年次的推移は昭和13年に最: 高率をしめし一うの峰をつくるが,全体としては ほとんど変化なく推移している。・ 「急性心臓内膜炎」についてみると,本型死亡率 は各年次とも六型中最低死亡率をしめし,わずか に0.5∼1.0をしめすのみであり,年次的推移は低 率となる傾向をしめしている。 「慢性心臓内膜炎:及心臓辮膜の障碍」による死亡 Haji皿e ARA田(Dept. of Hygiene, Tokyo Women’s Med. Coll.):Studies o二}the deaths Qf heart

diseases by classification of causes of death before World War ll. (1933−s一・1943).

(2)

二一1 全心臓疾患死亡率及び各二二死亡率(人口10万対)昭和8年∼昭和18年(1933∼1943) 並に各型別死亡率が全心臓疾愚死亡率中において占める割合(%)

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は,各年次十型死亡率中最高死亡率をしめし,死 亡率は25∼30をしめしている。本型死亡率は年次 により多少の変化はあるが,全体的にみると年次 の推移とともに明らかに下降する傾向をしめし, 昭和18年は昭和8年より7.0(30.7(昭和8年)一 23.7(昭和18年))だけ低下している。 「心筋の疾患」は,各年次死亡率は4.0∼5.0をし めし,年次的推移は昭和13年,14年,15年の3力 年は死亡率はやや高く,なだらかな峰をつくる も,全体としては著しい変化をしめしていない。 「冠状動脈の疾患及狭心症」においては,各年次 死亡率は8.0∼10.0で,年次的推移は昭和13年, 14年にやや高率をしめし,一つの峰を形成しつつ 死亡曲線は上昇する傾向をあらわしている。昭和 18年は昭和8年より0.8(8.7(昭和18年)一7.9(昭 和8年))上昇している。 「其の他の心臓の疾患」の死亡率の年次的推移を みると,各年次13.0∼19.0をしめしつつ,年次と ともに高率となる。すなわち昭和18年は昭和8年 にくらべ,4.1(17, 6(昭和18年)一13.5(昭和8年)) だけ上昇している。 2)女予について ..一 S12 “一一

(3)

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X e to ” n 13 li; s5 i6 IT 18 it 耳 Pt 図一1 全心臓疾患及び各型別死亡率(人口10万対) 表一1,ee一 1により観察すると,まず全心臓 疾患死亡率の年次的推移は,昭和13年,14年にや や高率で,とくに昭和13年に最高死亡率をしめし 一つの峰を形成するも,全体としてやや低下する 傾向をしめしている。 各型別について死亡率の推移をみると,「心嚢 炎」辱各年次死亡率は人口10万に対し0・8∼1・0を しめし1他の一型死亡率に比し低率をしめしてい る。年次的推移はとくに著しい変化をしめさずに 推移している。 「急性心臓内膜炎」についてみると,各年次の本 型死亡率は「心嚢炎」と同様に他の各型にくらべ 極めて低く,0.6∼1.2をしめすのみで,しかも年 次とともに低下する傾向をしめしている。 「慢性心臓内膜炎及心臓鱒膜の障碍」について 昭和8年∼昭和18年(1933∼1943)』 は,各年次とも各回死亡率中最高率で,死亡率は 30∼40をしめレている。しかし本型死亡率は年次 とともに明らかに低下しつつあり,昭和18年は昭 和8年より6.2(38.1(昭和8年)一31.9(昭和18年)) だけ低下している。 「心筋の疾患」の死亡率をみると,各年次4.0∼ 4.5をしめしている。本型死亡率は年次とともに やや上昇する傾向をしめしているが,その程度は 著明ではない。 「冠状動脈の疾患及狭心症」は,各年次死亡率は 5.0∼6.5をしめし,年次的推移は昭和13年を最:高 とし,前後の2蚕齢を含む3三年はやや高率で, 一つの峰・を形成しつつやや上昇する傾向をしめし ている。 「其の他の心臓の疾患」においては,死亡率は魯 一313ア

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年次12.0∼16.0をしめしている。:本型死亡率の年 次的推移は上昇する傾向をしめし,昭和18年は昭 和8年より3.0(15.0(昭和18年)一12.0(昭和8年)) だけ上昇している。 3)男女の比較について 表一1,図一1によって男女を比較すると,全 心心疾患死亡率においては,観察せる11力年のう ち昭和13年目中心とし,その前後の昭和12年より 14年までの3力年ならびに昭和16年の4力年をの ぞく他の各年次は,いずれも女子の死亡率が男子 の死亡率より高率となっている。なお男:女とも全 体としての死亡曲線の推移はやや低下する傾向に あることを共通に観察した7)。 各型別に男女の死亡率を比較観察すると,「心 嚢炎」についてみると,男女とも年次的推移にあ まり著しい変化をしめさないことは共通である。 各年次1と旧いて男女死亡率を比較すると,ほとん どすべての年次において男子が女子より高率とな っている。 「急性心臓内膜炎」についてみると,男女とも本 型死亡率は年次とともに低下する傾向をしめして いる。各年次について死亡率を比較すると,各年 次とも女子が男子より高率となっている。 「慢性心臓内膜炎及心臓辮膜の障碍」は,男女と も各型死亡率中最高であること,また年次ととも に低率となる傾向をしめすことを共通に観察し た。各年次男女死亡率を比較すると,各年次とも 女子の方が男子より明らかに死亡率が高率となっ ている。 「心筋の疾患」についてみると,本型死亡率の年 次的推移は,男子ではあまり変化をしめさず,女 子においてはやや上昇する傾向をしめしている。 各年次の男女死亡率を比較すると,昭和16年をの ぞく他の各年次はいずれも男子が女子より嵩率と なっている。 「冠状動脈の疾患及狭心症」は男女とも年次的推 移はやや上昇する傾向をしめしている。本型は各 年次とも男子の死亡率が女子より高率となってい る。 「其の他の心臓の疾患」は男女とも死亡率が年次 とともに上昇する傾向をしめしている。各年次の 男女死亡率を比較すると,いずれの年次とも男子 の方が女子より高率をしめしている。 図 百分率について 各品別死亡率が全心臓疾患死亡率中において占 める割合を,各年次について百分率で算出し,そ の年次による変化をみるべく図一Hに男子につい て,図一皿に女子について,それぞれの図表をも つてしめした。 1)男子について 図一H,ならびに前掲せる表一1により,各年 次の各型死亡率が全心臓疾患死亡率中に占める割 合を観察してみる。 (eq子) 記田1

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図一1]1各型別死亡率の全心臓疾患死亡 率中において占める割・含(%) 「心嚢炎」は各年次ともその占める割合について は,他の各型に比し極めで低率で1僅かに2%前 後を占めるにすぎない’Bこの率は年次においてあ まり動揺をしめさずに推移している。 「急性心臓内膜炎」についてみると,本型の占め る割合は各年次とも六型中最:低率で,1.0∼1・5% の僅少にすぎず,がつまた年次とともに減回しつ つある。 「慢性心臓内膜炎及心臓纏膜の障碍」は,各年次 とも全心臓疾患死亡率中に占める割合は山型中:最 高で,40∼50%を占めている。しかしこの率は年 次とともに減率する傾向をしめし,昭和8年には 全型死亡中の52。7%を占めていたが,昭和18年置 は42.4%となり約10%減少したQ vau 814 ny

(5)

「心筋の疾患」についてみると,各年次約7∼8 %をしめし,本型死亡の全型死亡中に占める割合 は年次とともに増加する傾向をしめしている。 「冠状動脈の疾患及狭心症」においては,13∼16 %をしめしている。年次のすすむにしたがい,本 型の占める割合は増加する傾向をしめしている。 「其の他の心臓の疾患」による死亡が,全心臓疾 患死亡中に占める割合は各年次20∼30%で,六型 中「慢性心臓内膜炎及心臓癬膜の障碍」についで 高率である。本型の占める害拾は年次とともに明 らかに増加する傾向をしめし,昭和8年は23.1% であったが,昭和18年には31.5%と増率してい る。 2) 女子について 表一1,ならびに図一皿によって,女子につい て・観察してみる。 teo多 百ge fi 10 率、。 (tr 一) 函、圏

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t・・竪 璽番 憲暴 謬θIQ旧皇13師,・IT 18 LLA 左‡ =k 図一・上清型別死亡率の全心臓疾患死亡 率中において占める割合(%) 「心嚢炎」による死亡が,全心臓疾患死亡中にお いて占める割合は低率で,各年次1.5%前後を占 めるにすぎない。この率は年度による変化が少 く,各年次とも大体上記の率をもつて推移してい る。 「急性心臓内膜炎:」についてみると,本型の占め る割合は「心嚢炎」と同様に他の各型に比し極め て低率で,、、各年次1.0∼2.0%を占めるにすぎな い。しかもまたこの率は年次とともに低下しつつ ある。 「慢性心臓内膜炎:及心臓辮膜の障碍」は全心臓疾 患死亡中に占める割合が最も高く,各年次55∼60 %をしめしている。しかしこの率は年次のすすむ にしたがい減率し,昭和8年は62.4%をしめして いたが,昭和18年には54.8%に低下している。、 「心筋の疾患」についてみると,本聖死亡の全心 臓疾患死亡中に占める割合は6.0∼7.O%で,この 割合は年次のすすむにつれて増加する傾向をしめ している。 「冠状動脈の疾患及狭心症」は各年次耳茸死亡中 の8∼10%を占め,年次による推移は多少の変化 はあるも,年次とともに増率する状態をしめして いる。 「其の他の心臓の疾患」による死亡が占める割合 についてみると,各年次20∼25%をしめし,本型 のこの占める割合は,「慢性心臓内膜炎及心臓癬 膜の障碍」についで高率をしめしている。なお本 型の占める率は年次とともに明らかに増率し,昭 和8年には19.5%であったが,昭和18年1こは25.7 %に増加している。 3)男女の比較について 表一1ならびに図一∬,図一皿によって,男女 それぞれの各型死亡率が全心臓疾患死亡率中に占 める割合を,各年次の各型それぞれについて比較 してみる。 「心嚢炎」について観察すると,本型死亡の全型 死亡中において占める割合は,男女とも極めて低 率で,かつ年次による変化が少いことは共通であ る。男女を比較すると各年次いずれも男予が女子 より高率となっている。 「急性心臓府膜炎」については,各年次男女とも 低率をしめし,また年次とともに減翻している。 本型の占める割合は各年次いずれも女子の方が男 子より高い。 P慢性心臓内膜炎及心臓丁零の障re」 .は,男女と も各年次いずれも本型の占める割合は最:高率をし めしているが,しかし年次と.ともに減率の傾向を しめしている。男女を比較す.ると各年次とも女子 の:方が男子より高率となっており,その差は各年 次とも約10%乃至それ以上の開きをしめしている ことを観察した。 一 3!5 一

(6)

「心筋の疾患」による死亡の占める割合は男女と も年次のすすむにつれて増加している。男女を比 較すると,各年次つねに男子が女子より高率とな っている。 「冠状動脈の疾患及狭心症」についてみると,男 女とも年次のすすむにつれて本型の占める割合が 増加していることは同様な現・象であるが,各年次 いずれも男子が女子より高率で,その差はつねに 5∼6%の開きを有している。 「其の他の心臓の疾患」については,男女ともそ の占める割合は年次とともに増率している。男女 を比較すると各年次いずれも男子が女子より高い 率をしめしている。 以上を通じてみると,各型死亡の全心臓疾患死 亡中において占める割合の,年次による変化にお いて注目されることは,男女とも「心嚢炎」,「急 性心臓内膜炎」および「慢性心臓内膜炎及心臓辮 膜の障碍」等の炎症性変化を主とする病型による 8凶 ruo

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究亡の全心臓疾恵死亡中において占める割合は, 年次とともに減少する傾向をしめし,これに反 し,心筋の変性,動脈の硬化三主として老入性変 化にともなって惹起すると考えられる「心筋の疾 患」,および「冠状動脈の疾患及狭心症」等の八 病型の占める割合は年次とともに増加しているこ とである。 2.性別年令別死亡について Cl)死亡率について 全心臓疾患ならびに各病型別の性別年令別によ る死亡率の変化,および年次的推移をみるべく, 観察せる昭和8年より昭和15年までの各年次を代 表して,初期の昭和8年および末期の昭和15年の 2力年の性別年令別死亡率を,pa=一一Wに全心臓疾 患について,また図一V,図一VI,図一、肱図一 ㍉皿,図一1Xおよび三一Xには各病型別にそれぞれ に図示した。 1)全心臓疾患死亡率について 図一IVによつで観察すると,各年次の男女とも 心臓疾患が老人性疾患としての特徴をしめし,死 亡曲線は年令の増’加とともに急激に上昇してい る。なわ注目されることは若年層においては女子 が男子より,高年層においては男子が女子より高 率で,男女の死亡曲線は40∼50才で交叉している ことで,これは他の各年代各年次と共通な現象で ある。6)、9)。 年次による推移をみると,図一IVにしめすごと く50才前後を境とし,それ以上の高年層において は明らかに年次の進むにしたがい死亡率は上昇 し,以下の若年層においては低下する傾向をしめ していることを男女とも共通に観察した。 2)冬型別死亡率について (A)「心嚢炎」による死亡率について 図一Vに「心嚢炎」による性別年令別死亡率を しめした。 (a)男子について

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図一Vによって観察すると,本型死亡率は:0.5 ∼6.0の間1こあり,各年次各年令とも外の病型に くらべかなり低率となっている。 各年次とも死亡率は年令とともに上昇し,50才 頃までは死亡率は1.0前後で推移し,以後高年に なると上昇をしめし,80才以上になると,昭和8 年は4。2,.昭和15年には5.8をしめしている。なお 本型死亡率は多数の年令階級において年次ととも に上昇する傾向をしめし,とぐに高年層にわいて 著明である。 (b)女子について 同じく図一Vによって,女子について観察する と,女子においても本型死亡率は男予と同様に低 率をしめしている。 各年次とも年令のすすむにつれて死亡率はやや 上昇するも,その程度は著明ではない。死亡曲線 の推移は65∼69才を最高とし,以後の三脚者にお いてはやや低下する傾向をしめしている。死亡率 は年令および年次により多少の変化はあるも大体 0.5∼3。0をしめしている。なお一般に死亡率の低 い若年層において15∼19才の階級でやや高率をし めしているのが注目される。 年次的推移をみると50才以上の高年層において は死亡率は年次とともに上昇し,以下の若年層に おいては低下する傾向をしめしている。 (C)男女の比較について 男女年令別死亡率を比較すると,図一Vにしめ したごとく,男子においては年令とともに死亡率 が上昇する傾向をしめすが,女子においては70才 以上の高恩者においてはやや低下している。各年 次ともほとんどの年令階級において男子が女子よ り高率で,この両者死亡率の差は高年になるほど 大となる傾向「をしめしている。なお男子にわいて は多くの年令階級において,年次とともに死亡率 は上昇する傾向をしめすが,女子においては50才 以上の高年層のみ上昇をみせ,以下の若年層にお いては逆に低下する傾向をしめしている。 (B)「急性心臓内膜炎」による死亡率について 図一VIに「急性心臓内膜炎」による性別年令別 死亡率を図にしめしだ。 「 (a)男子について 図一VIによって,男予の死亡率について観察す ると,各年次各年令とも本型死亡率は他の病型に 比し低率をしめしている。年令別死亡率の死亡曲 G ぎ

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耳 令 図一VI年令別「急性心臓内膜炎」 による死亡率(人口10万対) 線の推移をみると,各年次とも大体同様な状態を しめし,0∼4才においてやや高率で,以後50才前 後まではあまり年令による変化はなく,それ以後 の高年層になると年令とともに上昇する。すなわ ち死亡率は50才位までは0.5∼1.0をしめし,以後 は次第に高率となり,80才以上になると昭和8年 には5.9,昭和15年置は3.3をしめしている。年 次による変化は,極めて若い年令,および高年令 においては低下する傾向をしめすが,若年ならび に壮年層においては上昇する様子をみせている。 (b)女子について 図一Wによって観察すると,男子と同様に各年 次とも本型死亡率は低率をしめしている。年令に よる死亡曲線の推移は,0∼4才にてやや高率を しめし,5∼14才において最:も低率となる。15∼ 44才の壮年層では若干高率となil )再び50才前後 において一度低率となるが,以後年令の増加とと もに上昇している。 年次的推移をみると,図にしめしたごとく昭和 8年においては70∼79才を最高とし80才以上にな ると下降をレめすが,昭和15年においては年令と ともに著明に上昇している。なお0∼4才の極め’ て若い年令,および高年層にわいては年次ととも に上昇する傾向をしめすが,壮年層においては逆 に低下する状態をしめしている。 (C)男女の比較について 各年次とも70才以上の高令者においては男子が 一 318 一

(9)

女子より死亡率が高く,この階級をのぞく他の大 部分の年令階級・においては女子が男子より高率と なっており,とくに15∼44才の階級における死亡 率の差が最も著明となっている。 年次的推移についてみると,男子においては極 めて若い年令,および高直者においては低下し, 若年,壮年層においては上昇している。これに反 し女子においてはこの現象とは逆に幼年,高年層 においては上昇する傾向をしめし,15∼50才位の 若年,壮年層においては低下している。 (C)「慢性心臓内膜=炎及心臓辮膜の障碍」によ る死亡率について 図一VIIdc臼曼性心臓内膜炎及心臓辮膜の障碍」 による性別年令別死亡:率をあらわした。 (a)男子について pa−VIIによって観察すると,各年次各年令とも 本型死亡率は他の各型死亡率中で最高死亡率をし めしている。各年次とも同様な死亡曲線をしめ し,年令の増加とともに急激に上昇しており,こ の描く死亡曲線は全心臓疾患年令別死亡率の曲線 如

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「4 今 図一皿年令別「慢1生心臓内膜炎及心臓辮膜の障碍」 による蕉亡率(人口10万対) に酷似している。 年次的推移はほとんどすべての年令階級におい て年次とともに低下する傾向をしめしている。 (b)女子について 男子と同じく他の病型にくらべ高率をしめし, またそのえがく死亡曲線も男子とほとんど同様 で,年令の増加とともに死亡率が急激に上昇しで いる。 年次的推移は,70才以上の高亡者にわいては死 亡率が高率となっているが,以下のほとんどすべ ての年令階級にわいては年次とともに低下しつつ ある。 (C):男女の比較について 図一VIIにより男女年令別死亡率を比較すると, 各年次大体同様な状態をしめしている。すなわち 50才前後迄の若年層においては女子の死亡率が男 子より高率で,以後の高年層においては逆に男子 が女子より高率となり,男女の死亡曲線は50才前 後において交叉している。このことは全心臓疾患 の性別年令別死亡曲線と全く同様な現象である。 (D)「心筋の疾患」による死亡率について 面一V皿に「心筋の疾患」による性別年令別死亡 率を図示した。 (a)男子について 面一田によって観察すると,本型も前癌の「慢 性心臓内膜炎及心臓辮膜の障碍」による死亡の場 合と同じく,各年次とも老人層において極めて高 い死亡率をしめす疾患となっている。すなわち40 才位まではあまり変化なく推移し,以後年令の増 加とともに死亡曲線は急激に上昇している。 図一VIII Icよって,本型年令別死亡率の年次的推 移をみると,50才以下の若年層においては年次と ともにやや低率となり,50才以上の高年層になる と高率となりつつあり,とくに70才以上の高盛者 においては著しく上昇をしめしている。 (b)女子について 図一皿によって女子について観察すると,男子 と同様に各年次とも老人層において高い死亡率を しめしている。すなわち40才以上の高年層になる と,死亡曲線は急激に上昇している。 年次的推移をみると,若年層においてほとんど 変化がないか,またはやや低率となる傾向をしめ すが,50才以上の高年層になると明らかに上昇を しめしている。 一819一

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ranyto nrm3eMMrmA6一 ore ’ 6v io eo go teo 翼 ・ 令 図一皿年令別「心筋の疾患」による死亡率(人口10万対) (c)男女の比較について ,男女年令別死亡率を比較すると,各年次とも大 体同様な状態をしめし,50才以下の若年層におい ては女子が男子より高率で,以上の高年層におい ては男子が女子より高率となり,年令の増加とと もに男女死亡率の差が著しくなってい獄,この男 女の死亡曲線が50才前後にて交叉することは,前 型と同じく全心臓疾患による性別年令別死亡率の えがく死亡曲線と同様な現象である。 (E)「冠状動脈の疾患及狭心症」による死亡率 について 図一IXは「冠状動脈の疾患及狭心症」による性 別年令別死亡率を図にしめしたものである。 (a)「:男子について 一820一

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図一IX 年令別「冠状動脈の疾患及狭心症」による死亡率(入口10万対) 三一D(によって観察すると,各年次とも死亡曲 線は年令の増加とともに上昇している。すなわち 30才頃までは死亡率は緩徐に上昇し,30才を過ぎ ると年令とともに急激に上昇している15)∼22)。 年令別死亡率の年次的推移を図一D(についてみ ると,ほとんどの年令階級において年次とともに 上昇する傾向をしめし,とくに50才以上の高年層 における上昇が著明となっている。注目されるこ とは,図のごとく昭和8年においては70∼79才の 死亡率を最高とし,80才以上になると再び低下し ているが,15年においては侭下することなく年令 の増加とともに著明に上昇している。 (b)女子について 図一工Xにより女子について観察すると,年令別 死亡曲線は男子とほとんど同様な曲線をしめして いる。すなわち30才以後になると,年令の増すと 一 82,1 一

(12)

ともに死亡曲線は急激に上昇している。 年次的推移をみると多数の年令階級において年 次とともに死亡率は上昇する傾向をしめし,とく に高年層における上昇が著明となっている15)∼22♪。 図のごとく,昭和8年においては70∼79才を最:高 とし,80才以上になると死亡率は若干低率となる が,15年においては低下することなく高令になる にしたがい上昇する。これは男子と同様な現象で 注目される点である。 ⑥ 男女の比較について 男女死亡曲線を比較観察すると,各年次とも若 年層における一部の年令階級をのぞき,他めすべ ての年令階級はいずれも男子が女子より高率とな っている。とくに男女死亡率の差は,年令の増加 とともに大となる傾向をしめしている。 (F)「其の他の心臓の疾患」による死亡率にっ 冥 の 他 の 心 臓 の 疾 患 L fi に よ る 死 亡 率 天 旦

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(13)

いて 「其の他の心臓の疾患」による性別年令別死亡率 を三二Xに図示した。 (a)男子について 三一Xによって観察すると,各年次とも年令の 増’加とともに死亡率は上昇する傾向をしめす。す なわち一般に低率である若年層において0∼4才 にやや高率をしめすも,40才位までは死亡率の上 昇はきわめて緩徐である。しかし40才をすぎると 死亡率は年令とともに高率となり,死亡曲線は急 激に上昇している。 年次による推移をみると,50才前後までの若年 層においては年次とともに低下する傾向をしめ し,それ以上の高年層においては上昇し,とくに 高令になるにしたがい上昇の程度が著しい。 (b)女子について 三一Xによって女子についてみると,各年次の 死亡曲線は男子とほとんど同様な状態をしめして いる。すなわち0∼4才にやや高率で,以後一度 低率となるも再び年令の増加とともに上昇し,高 令者になるととくに上昇の程度が著しい。 年次による推移をみると,25才前後を境とし, 以下の若年令階級においては年次とともに低下す る傾向をしめし,以上の年令においては上昇する 傾向をしめし,男子同様に高令者になるにつれ上 昇の程度が著しい。 (C)男女の比較について 本型による男女の年令別死亡率を比較観察する と,各年次とも同様な現象をしめしている。すな わち0∼4才をのぞく40才以下の若年層における 各年令とも女子が男子より高率で,以後の高年令 においては男子が女子より高率で,男女の死亡曲 線は5∼9才および40∼50才で交叉している。な お男女死亡率の差は高年になるほど著しくなって いる。 〔2)百分率について 男女別に各年令階級における各墨型死亡率が, その年令階級における全心臓疾患死亡率中におい て占める割合を百分率で算出し,各年次を代表し て昭和8年および昭和15年のその百分率数値を三 一■にしめした。 また三一XI,図一XIIは男子について,図一X皿, 図一XIVは女子について,表一Hに掲示せるそれ ぞれの数値を図にしめし,各年次における各年令 の詩病型死亡率の占める割合の年令による変化, 年次による推移をあらわした。これによって,つ 表一H 年令別立型死亡率の全心臓疾患死亡率中において占める割合(%)昭和8年,昭和15年

疾患名1 心

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急性心臓内膜炎

慢性心臓内膜炎:及 心臓辮膜の障碍

性別男

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(14)

性別男 副女 馴男 司女 副陣 醜女 子

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ぎにその観察の結果をしるす。 (A)「心嚢炎」による死亡について (a)男子について 表一π,図一XL、図TXII・ecよって男子について 観察すると,各年次の各年令とも本型による死亡 の占める割合は,他の病型に比べ低率となってい る。各年令についてその推移をみると,30才位ま での若年層においては,その占める割合は他の年 令にくらべやや高率で5∼10%をしめすが,以後 年令の長ずるにしたがい低率となb,60才以上の 高令になると各年次ともいずれも1%以下を占め るのみである。 年次による推移をみると,5∼29才における本 型死亡の占める割合は高率となっているが,その 他の各年令階級はその占める割合はあまり著しい 変化をしめしていない。 (b)女子について 表一■ならびに図一XHI,三一XIVによって観 察すると,各年令とも男子と同様に比較的低率で ある。年令による変化をみると,各年次とも年令 の増加とともに低率となる。すなわち30才位まで は2∼7%をしめすが,以後年令の増『加とともに 減率し,55才以上の高下になるといずれの年令階 級も1%以下の低率をしめすのみとなる。 望 事 IOe%.’ 肺 田和も犀 男茎・ おぺ

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図一X工年令別各型死亡率の全心臓疾患死 亡守口において占める割合(%)

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難薫 年次による推移は,15∼29才の青年層において やや増率をしめすが,他の各年令階級にわいては 変化をみとめないか,またはやや減回する傾向を しめしている。 (C)男女の比較について 一一@oqQ4 一一

(15)

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l t t t l t , l t l t e t i t l 49141う2曝2S 54了)4449549)6469乃 鯵 壮 図一)皿年令別二型死亡率の全心臓疾患死 亡率中において占める割合(%) 男女を比較してみると,各年次ともほとんどす べての年令階級において,男子の:方が女子より高 率で,とくに若年層においてその差が著しく,こ れに反し高年層においては僅少である。 (B)「急性心臓内膜炎:」による死亡について (a)男子について 表一一Hおよび図一XI,図一XHによって観察して 幕 岡:和 6暑マ…卜 4も,z 耳 iも歯あ歯ゴう掘う門守由÷・1 命

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図一X皿年令別各型死亡率の全心臓疾患 死亡率中において占める割合(%) みると,本型による死亡の占める割合は,各年次 とも前型の「心嚢炎」と同様に他の病型にくらべ 低率となっている。/とくに14才以下をのぞぐ,他 の各年令階級における本型死亡の占める割合は六 民謡中畑低率をしめしている。そして年令を増す とともに低率となり25),45才以上になるといずれ も1%以下を占めるのみとなっている。年次によ る推移は,昭和15年は8年より10∼19才,30∼44 才においてはやや高率となり,他の年令階級にお いては,ほぼ同率かあるいは低率となっている。 lefi ! 陥和15耳怠手

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舅 命 図一XIV年令別蝋型死亡率の全心臓疾患死 亡総轄において占める割合(%) (b)女子について 一一Hならびに一一X皿,図一XIVについてみ ると,各年次とも本型.死亡の全型死亡中に占める 割合は低率で,とくに年令の増加とともに低くな り25、,多数の年令階級において六病型中低率をし めしている。すなわち20才以下においては3∼8 %をしめしているが,50才以上の雨着になると1 %以下のごく僅かを占めるのみとなっている。年 次による変化をみると,表一■にしめすごとく, 14才以下の低い年令,および80才以上の極めて高 い年令においては占める割合が増尽し,他の各年 令階級においてはあまり変化をしめさないか,あ るいはやや低率となっている。 (C)男女の比較について 各年次ともほとんどすべての年令階級において その占める割合は女子が男子より高率をしめし, ’um c?. 25 ’un ’

(16)

とくに40才以上の各年令階級においてはその差が 著明となっている。 なお注目されることは,男女それぞれの年次的 推移において,男子においては9才以下の極めて 若い年令,80才以上の高富において年次とともに 減率しているが,女子においては14才以下の若い 年令,および80才以上の高曇にわいて男子とは逆 に年次の推移により増率していることである。 (C)「慢性心臓内膜炎及心臓辮膜の障碍」によ る死亡について (a)男子について 面一Hならびに図一X正,図一X旺によって観察す ると,本型の占める割合は,各年次ともほとんど すべての年令階級において各病型中で最高率をし めし,その百分率数値は年令により若干の相異は あるも約40∼70%の高率をしめしている。 年令による変化をみると,各年次とも大体同様 な状態をしめし,0∼4才の極めて若い年令階級は やや低率で35∼40%をしめしているが,年令が増 すにつれ増威し,10∼14才において70%以上を占 めるようになり,本年令階級が最高率をしめして いる。以後24才頃までは60%台であるが,再び年 令の増加とともに低率となり 2s)24),50才以上にな ると50%前後あるいはそれ以下に減率している。 年次による推移をみると,表一Hにしめしたご とく,0∼4才の階級のみ年次とともに増率をし めすも,他の各年令階級においては,いずれも本 型の占める割合は減心し,どくに50才以上におい ては著明に減話している。 (b)女子について、 四一H,図一X皿,図一XIVにより女子につい て観察すると,各年次各年令とも高率をしめし, 男子と同様にほとんどすべての年令において,本 型死亡の占める割含は各病型中最高率をしめして いる。 年令による変化をみると,0∼4才はやや低く 40%前後であるが,以後年令とともに増率し, 10∼19才において70%以上で最高率をしめしてい る25)24)。以後再び年令とともに減率し,50才前後 までは60%台をしめすが,「60才以上になると50% 台に減話している。. 年次的推移をみると,表し‘■【にしめしたごと く,昭和15年は昭和8年より0∼19才の階級にお いては増率し,その他の各年令階級はいずれも低「 率となり,とくに男子と同様に高令層における低 下が著しくなっている。 (C)男女の比較について 各年次ともほとんどすべての年令階級において 女子の方が男子より高率となっている25)。すなわ ち60%以上をしめす年令階級をみると,女子では 5才より50才前後におよぶ多数の年令階級にみら れるのにくらべ,男子においては5∼29才の階級 のみにて,あとはいずれも60%以下となってい る。 (D)「心筋の.疾患」による死亡について (a)男子について 表一H,図一XI,図一X旺によって本型死亡の占 める割合を,各年次各年令について観察してみ る。 年令の変化による状態をみると,各年次とも4 才以下の極めて若い年令階級,ならびに80才以上 の高三層において高率で,雨者とも10%前後をし めしているQ1その他のほとんどの年令階級におい ては5∼7%で,とくに青年層において最:も低く なっている。 年次による推移は,昭和15年は昭和8年にくら べ35才以上における多数の年令階級においては高 率となる傾向をしめすも,以下の若年層において は多くの年令階級で減画している。 (b)女子について 表一Hならびに図一XIH,図一XIVによって女 子について観察してみる。 表ならびに図にしめしたごとく,各年次におけ る本型死亡の占める割合の年令による変化は,男 子とほとんど同様な傾向をしめしている。すなわ ち9才以下・および80才以上は他の午令階級にく らべやや高率で10%前後をしめしている。他の各 年令階級は5%前後をしめし,青年層における占 める割合が最も低くなっている。 年次による推移をみると,男子と同様に30才以 上においてはほとんどすべての年令階級で増話 し,以下においてはあまり著しい変化をしめさな いか,あるいはやや低率となる傾向をしめしてい る。 (C)男女の比較について 各年次いずれも,・50才以下の若年層においては 多数の年令階級で女子が男子よりその割合が高率 となっているが,50才以上の高年令においては各 一826一

(17)

年令階級とも逆に男子の方が女子よりその割合が 高率となっている。 (E)「冠状動脈の疾患及狭心症ゴによる死亡に ついて ‘ (a)男子について’ 前掲せる表rr.Hならびに図一)q,図一)皿によっ て,各年次各年令階級における本型死亡の占める 割合について,年令による変化および年次的推移 をみると,まず年令による変化は各年次とも年令 の増加にともなって増率し,45∼49才前後におい て最高率をしめし,以後の高年層になると再びや や低率となる傾向をしめしている。すなわち20才 頃までは5%以下を占めるのみであるがs’以後増 高し,40∼50才においては各年次いずれも20%以 上をしめしている。高令になると再び減率し,70 才以上になると10%前後となっている。 年次による推移をみると,0∼4才の極めて若 い年令階級,および40才以上の多数の年令階縁に おいて増率をしめしている。 (b)女子について

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(18)

表一五,図一XHI,図一XIVによって女子につ いて観察してみる。 各年次各年令における本型の占める割合は,男 子とほぼ同様な状態をしめしている。すなわち20 才までは5%以下であるが,年令とともに増率 し,50∼70才において最:高率をしめし12%前後を 占めている6しかし70才以上の高令層になるとや や減回している。 年次による推移をみると,ほとんどすべての年 令階級において年次とともに増率し,とくに40∼

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59才における増率が他に比しやや著明となってい る。 (C)男女の比較について 各年次とも,ほぼ全年令階級において男子の方 が女子より高率となっている。とくに30才以上60 才前後にいたる壮年層においてその差が著しくな っている。 (F)「其の他の心臓の疾患」による死亡につい て (a)男子について 8よ eo クs 全 港ユ ?o S ss 薄

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(19)

表te llならびに図一XI,図一.XIIについて観察し てみる。 年令的変化をみると,各年次とも大体同様な傾 向をしめし,0∼4才に全年令階級を通じて最高 率をしめし30∼40%を占めている。以後低率とな り10∼14才において最低率で10%前後をしめして いる。その後年令の増加とともに再び高率とな り,60才以上になると30%前後をしめすようにな る。 年次による推移をみると,25才前後を境としそ 肥.和12年 れ以上の各年令階級はすべて高率となり,とくに 50才以上の高年層においてその増率が著明となっ ている。これに反し25才以下の若年層のほとんど すべての年令階級においては減率する傾向をしめ している。 (b)女子について 表一■,図一X皿,図一XIVによって女子につ いて観察すると,各年次とも年令による変化は男 子とほぼ同様な状態をしめし,0∼4才は30∼40 %で最高率である。10∼19才において最低とな

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り,以後年令の増加とともに高率となる。60才以 上になると,すべての年令階級において20%以上 をしめしている。 年次による推移をみると,男子.と全く同様で, 25才以上の各年令階級はすべて高率となり,とく に50才以上で著明である。25才以下は減率する傾 向をしめしている。 (C)男女の比較について 各年次とも,全年令階級中で若年層における極 く一・部の年令階級のみをのぞき,大部分の年令階

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級において男子が女子より高率となっており,と くに50才以上において男女の差が著明となってい る。 なお注目されることは,本型死亡の全心臓疾患 死亡中において占める割合が,男女とも0∼4才 の極めて若い年令,および60才以上の高令層にお いて高率をしめしていることである。これはこの 分類中に包含きれる,心臓の機能的疾患および詳 細不明の心疾患,先天性の幼児固有の心疾患等が 幼若者死亡の本疾患中に占める割合を高め,また ors 80 ク5’

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同じく心臓の機能的減弱,および老年性変化に伴 う心臓の衰弱等が高武者における死亡の本疾患中 に占める割合を大ならしめているものと考えられ る。 3. 月別死亡率について 全心臓疾患ならびに各病型別死亡の季節による 変化を観察するために,昭和8年,昭和10年,昭 和12年号よび昭和15年について,それぞれの年次 の全国総数の全心臓疾患,ならびに各病型の月別

死亡率を図一XV,図一XVI,面一xwnならびに

図一xwnに図示した。 各誌にしめすごとく,各年次とも,各面型死亡 率の季節による変化,ならびに各誌型の各月にお ける死亡率の高低の程度はほとんど同様な状態を しめしている。 全心臓疾患をはじめとし,「心嚢:炎」,「急性心 臓内膜炎」をのぞく他の眼病型,とくに口曼性心 臓内膜炎及心臓蟹膜の障碍」,「其の他の心臓の疾 患」においては季節による変化が著明で,12月∼ 4月の冬季において死亡率が高く,7月∼9月の 夏季においては死亡率が低率となっている26)。 各年次各月において各説死亡率を比較すると, 各年次とも同様な状態で,各月とも「慢性心臓内 膜炎及心臓辮膜の障碍」が各歯型死亡口中で最高 死亡率をしめし,かつまた最も馬身による変化が 著明で,そのえがく死亡曲線はほとんど全心心疾 患の死亡曲線と同じ状態をしめしている。「共の 他の心臓の疾患」がこれにつぎ,「冠状動脈の疾患 及狭心症」,「心筋の疾患」の順に低率をしめし, 「心嚢炎」,「急性心臓内膜炎」の二型はほぼ同様な 死亡率で最低率をしめし,かっこの二型は季節に よる変化が最:も少くなっている。これを総括する と次のごとくである。 IV 総 括 以上死因分類の詳細に判明せる昭和8年より昭 和18年までについて,戦前におけるわが国の死因 分類別心臓疾患死亡の状態を観察した。これを総 括すると次のごとくである。 1.全国男女別死亡について Cl)死亡率について 1) :男子について 全心臓疾患死亡率の年次的推移は昭和13年に峰 をつくりつつ,全体として死亡曲線はやや低下す る傾向をしめす。 「心嚢炎:」は各年次低率で,死亡率は入口10万に 対し1..O∼1.2をしめすのみである。年次的推移は ほとんど変化をしめさない。 「急性心臓内膜炎」は各年次とも各型中気:低率を しめし,0・5∼1.0の低率である。年次的推移は低 下する傾向をしめす。 「慢性心臓病膜炎及心臓癬膜の障碍」は各年次各 回中最高死亡率をしめし,死亡率は25∼30をしめ す。本型死亡率は年次の推移とともに下降する傾 向をしめす。 「心筋の疾患」による死亡率は各年次4.0∼5.0 で,年次的推移は全体とし亡は著しい変化をしめ していない。 「冠状動脈の疾患及狭必症」においては死亡率は 8. 0∼10. 0で,年次的推移は全体として上昇する 傾向をしめす。 「共の他の心臓の疾患」は死亡率は13.0∼19. 0を しめし,年次とともに高率となりっつある。 2)女子について 全心臓疾患死亡率の年次的推移は,昭和13年に 最高死亡率をしめすが,全体としてやや低下して いる。 「心嚢炎」についてみると,各年次死亡率は0。8 ∼1.0で低く,年次的推移は著しい変化をしめさ ない。 「急性心臓内膜炎」も死亡率は低く0.6∼1,2をし めすのみにて,かつ年次とともに低下しつつある。 「慢性心臓内膜炎及心臓癬膜の障碍」は各年次と も各型死亡率中最:高で30∼40をしめす。年次的推 移は低下する傾向をしめす。 「心筋の疾患」は各年次死亡率は4.0∼4.5で,年 次とともにやや上昇する傾向をしめしている。 「冠状動脈の疾患及狭心症」は各年次5. 0∼6.5の 死亡率で,年次による推移は全体としてやや上昇 している。 「共の他の心臓の高論は各年次死亡率は12.0∼ 16。0をしめし,年次とともに上昇する傾向をしめ す。 3)男女の比較について 全心南面患死亡率は,観察せる11ケ年のうち4 ヶ年をのぞく他の各年次いずれも,女子が男子よ り高率である。 「心嚢炎:」は男女とも年次的推移に著明な変化は ない。各年次とも本型死亡率は男子が女子より高 一 331 一

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率である。 「急性心臓内膜炎」は男女とも年次とともに低下 する傾向をしめす。各年次とも女子が男子より死 亡率が高い。 「慢性心臓内膜炎:及心臓辮膜の障碍」は男女とも 宮詣死亡率中最高で,また年次とともに低率とな る。本型死亡率は各年次とも女子が男子より高い。 「心筋の疾患」は年次的推移において,男子はあ まり変化をしめさないが,女子ではやや上昇する 傾向をしめす。各年次男女を比較すると,概ね男 子が女子より高率である。 「冠状動脈の疾患及狭心症」は男女とも年次とと もにやや上昇する傾向をしめす。各年次とも死亡 率は男子が女子より高い。 「其の他の心臓の疾患」は男女とも年次とともに 上昇する。各年次とも男子が女子より死亡率が高 い。 (2)百分率について 1)男子について 「心嚢炎」による死亡は,各年次とも全型死亡の 2%前後にすぎない。この占める割合は年次によ って動揺をしめさない。 「急性心臓内膜:炎」は各年次とも最:低率で1.0∼ 1.5%である。この率は年次とともに減率しつつ ある。 「慢性心臓内膜炎及心臓無膜の障碍」は各年次各 型中最高率を占め,40∼50%をしめす。しかし年 次とともに減率する傾向をしめしている。 「心筋の疾患」においては,各年次7∼8%をし めす。年次的推移は増率する傾向をしめしてい る。 「冠状動脈の疾患及狭心症」は蝋型死亡中の13∼ 16丁目,年次のすすむにつれて増加する傾向をし めす。 「其の他の心臓の疾患」は各年次20∼30%で,「慢 性心臓内膜炎及心臓郷膜の障碍」についで高率で ある。なお本型の占める率は年次とともに増加す る傾向をしめす。 2) 女子について 「心嚢炎」の占める割合は各年次とも低く1.5% 前後であるQなおこの率は年次による変化が少い。 「急性心臓内膜炎」は極めて低く,各年次1.0∼2 .0%である。また年次どともに減率する傾向にあ る。 「慢性心臓内膜炎:及心臓辮膜の障碍」の全型死亡 中に占める割合は最高率で,55∼60%をしめす。 しかし年次のすすむにつれ減率している。 「心筋の疾患」は各年次6.0∼7.0%で,この割合 は年次のすすむとともに増加しつつある。 「冠状動脈の疾患及狭心症」は各年次全熟死亡中 の8∼10%で,年次的推移は増幽する状態をしめ す。 「其の他の心臓の疾患」は各年次20∼25%をしめ す。本型は男子同様「慢性心臓内膜炎及心臓辮膜 の障碍」についで高率である。なお年次とともに 明らかに増直している。 3) 男女の比較について 「心嚢炎」は男女とも極めて低率で,かつ年次に よる変化が少い。各年次いずれも男子が女子より 高率である。 「急性心臓内膜炎」は男女とも低率,かつ年次と ともに減面する。各年次とも女子の方が男子より 高率である。 「慢性心臓内膜炎及心臓鱒膜の障碍」についてみ ると,男女とも最高率をしめす。また男女とも年 次とともに減率の傾向をしめす。なお各年次とも 女子が男子より高率で,その差は約10%乃至それ 以上をしめす。 「心筋の疾患」は男女とも年次のすすむにつれて 占める割合は増率する。各年次つねに男子が女子 より高率である。 「冠状動脈の疾患及狭心症」は男女とも年次のす すむにつれて,その占める割合が増加している。 各年次いずれも男子が女子より高率で,その差は つねに5∼6%をしめす。 「其の他の心臓の疾患」は男女とも年次とともに 増嘉する。各年次いずれも男子が女子より高率で ある。 なお注目されることは,男女とも「心嚢炎」,「急 性心臓内膜炎」,「慢性心臓内膜炎及心臓癬膜の障 碍」等炎症性疾患の占める割合は年次とともに減 少し,これに反し「心筋の疾患」,「冠状動脈の疾 患及狭心症」等の老化現象を主とするものが増率 していることである。 2.性別年令別死亡について ① 死亡率について 1)全心臓疾患死亡率は男女とも年令の増加と ともに急激に上昇する。注目されることは三年次 一 382 一

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とも若年層では女子が男子よりt’高年層では男子 が女子より高率で,男女の死亡曲線が40∼50才で 交叉していることである。 2)各型別死亡率について (A)「心嚢炎」による死亡率について (a)男子について 死亡率は各年次各年令とも低率で0.5∼6.0をし めす。各年次とも高年になるにつれ死亡率は上昇 する。年次的推移は多数の年令階級で上昇し,と くに高年層で著明である。 (b)女子について 男子同様に低率である。年令のすすむにつれや や上昇するも著明ではなく,65∼69才を最高とし 以後はやや低下する。なお低率をしめす若年層で 15∼19才がやや高率である。年次的推移は50才以 上の高年層では上昇し,それ以下では低下してい る。 (c)男女の比較について 男子では年令とともに上昇するも,女tCでは70 才以上の高這では低下する。各年次ほとんどの年 令階級で男子が女子より高率で,高年になるほど 差が大となる。なお男子では多くの年令階級で年 次とともに上昇し,女子では50才以上は上昇し, 以下は低下する。 (B)「急性心臓内膜炎」による死亡率について (a)男子について 各年次各年令とも各病型中で死亡率はかなり低 い。年令別死亡曲線は0∼4才にやや高く,以後 50才前後まで変化少く,50才以上の高年層になる と年令とともに上昇する。年次による変化は,極 めて若い年令,および高年令においては低下し, 他の年令層は上昇をしめす。 (b)女子について 各年次各年令とも低率である。年令別死亡曲線 は0∼4才にやや高く,5∼14才で最低で,以後 15∼44才の階級は若干高く,再び50才前後で一度 低率となるが,その後年令とともに上昇する。死 亡曲線の年次変化をみると,昭和8年では80才以 上は下降をしめすが,15年では年令とともに上昇 する。なお極めて若い年令および高年層は年次と ともに上昇し,壮年層において1ヰ低下する。 (C)男女の比較について 各年次とも70才以上は男子が女子より,以下は 大部分の年令階級で女子が男子より高率で,とく に15∼44才で差が最:も著明である。年次的推移は 極めて若い年令,高三者で男子では低下し,女子 では逆に上昇する。したがって壮年層では男子が 上昇し,女子が下降する。 (C)「慢性心臓内膜炎及心臓辮膜の障碍」によ る死亡率について (a)男子について 各年次各年令とも最:高死亡率をしめす。本型の 死亡曲線は年令とともに上昇している。年次的推 移は大部分の年令階級で低下をしめす。 (b)女難・について 男子同様に各病型中最高死亡率で,年令別死亡 曲線は年令の増’加とともに上昇する。年次的推移 は,ほとんどすべの年令で低下している。 (C) 男女の比較について 各年次とも若年層では女子が男子より,高年層 では男子が女子より高率で,男女の死亡曲線は50 才前後で交叉する。 (D)「心筋の疾患」による死亡率について (a)男子について 老人層において高率をしめしている。年次的推 移は若年層ではやや低下し,高年層では高率とな り,とくに70才以上で著しい。 (b)女子について 男子同様老人層で高い死亡率をしめす。年次的 推移は若年層では変化なしか,やや低下し,高年 層においては上昇する。 (C)男女の比較について 各年次とも若年層では女子が男子より,高年層 では男子が女子より高率で,50才前後で男女の死 亡曲線が交叉する。なお男女死亡率の差は年令の 増加とともに大となる。 (E)「冠状動脈の疾患及狭心症」による死亡率 について (a)男子について 各年次とも死亡曲線は年令とともに上昇し,と くに30才以上になると著しい。年次的推移は,ほ とんどすべての年令階級で上昇し,とくに高年層 で著しい。注目されることは,昭和8年は80才以 上で再び低下するも,15年では低下することなく 著明に上昇している。 (b)女子について 各年次男子と同様な死亡曲線をえがき,年令の 増加とともに上昇し,とくに30才以上になると著 一338一

参照

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