混合正規分布モデルを用いた経時観測蛍光画像からの細胞核の検出と追跡手法
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(2) . 混合正規分布モデルを用いた 経時観測蛍光画像からの細胞核の検出と追跡手法 瀬尾 茂人. . 間下 以大. 前田 栄. 竹中 要一. 石井 優. 松田 秀雄. . 概要:さまざまな分子や細胞を可視化するバイオイメージング技術の発展は目覚ましく,医学・生物学研 究を進めるうえでますます重要性を増している.またハイスループット化も進んでいるため,得られた画 像・動画を自動的・客観的に解析するための情報処理技術の開発が喫緊の課題となっている.本研究では, 蛍光タンパク質を用いて細胞周期の可視化を行ったイメージングデータから細胞核の自動検出と追跡を行 うために,混合正規分布モデルを用いた方法を提案し,その有効性を評価するとともに得られた結果の考 察を行う.. はじめに. 間的解析)と,時間経過前後で同一のオブジェクトを対応 付けるトラッキング(時間的解析)が必要になる.バイオ. バイオイメージングとは細胞・組織または個体レベルで. イメージングのデータは,一般に低コントラストでノイズ. タンパク質などの分布・局在を捉え,その動態を画像とし. の大きい画像・動画になることが多い.また,あいまいな. て解析する技術のことであり,高解像度の顕微鏡等の光学. 形状のオブジェクトが接触して多数存在することや,増殖. 技術や蛍光タンパクやゲノム組み換え等の遺伝子工学的. や融合,視野内への出入りによる密度の変化などが自動で. 技術の進展に伴い,医学・生物学研究を進めるうえで主要. の処理を困難にしている.様々な方法やツールが提案され. な要素技術となりつつある.細胞や粒子を観察するために. ているが,万能の方法は未だなく,良い精度を得るために. は,位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡,また蛍光標識を施し. は,観測対象や利用する装置に応じてそれぞれ専用に調整. たサンプルに対して共焦点レーザー顕微鏡などが利用され. された個別のアルゴリズムが必要であることが示唆されて. る.生体内の細胞やタンパク質を観測するライブイメージ. いる. . .. ングには多光子励起顕微鏡も利用される.さらにこれらの. バイオイメージングにおいては,さらに物体の形状以. 高機能な顕微鏡をコンピュータによって制御し,一定時間. 外のもの,細胞の状態や機能を観察するための技術も. ごとに撮影することで長時間の変化を観察するタイムラプ. 発展している.本研究の対象である. ス撮影や,それを複数の視野で並行して行うことが可能と.
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(5) . なっている.このようなバイオイメージングデータの高解. 期依存的に交互に生産・分解される. .
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(7) . は,細胞周. つのタンパク質の. 像度化・ハイスループット化が進む現在,画像処理技術に. 発現を利用した蛍光プローブであり,細胞核が 期で赤. よる細胞や粒子の自動検出・自動追跡の技術の開発は喫緊. (オレンジ) , 期では緑色の蛍光を発するようにす. の課題となっている. 経時観測データから細胞や粒子の追跡を自動で行うため には,細胞領域と背景を区別するセグメンテーション(空 大阪大学大学院情報科学研究科 . .
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(9) 大阪大学サイバーメディアセンター 大阪大学大学院医学系研究科
(10) 大阪大学免疫フロンティアセンター
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(12) !
(13) " ! #$ $ $%&. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. ることで,個々の細胞周期の進行を可視化することが出来 る.細胞周期は細胞の増殖や分化,がん細胞の挙動などに 密接に関わることが知られており. ,様々な実験条件下で. . 経時観察を行うとこで,薬剤の影響や細胞の特性の変化を 調べる事ができる. 細胞の追跡を手動で行うための ツールとしては して . !
(14) ". ,また,半手動で行うツールと. !
(15) " #. のプラグイン $
(16) !
(17) % &
(18) ' が実装されて. いる.しかしながら様々な条件下で撮影された大量の動画 から客観的・定量的に解析を行うためには,精度良く細胞 の自動追跡を行う方法が求められる. 本研究で提案する方法は,細胞核の検出(セグメンテー.
(19) Vol.2013-MPS-92 No.5 2013/2/27. 情報処理学会研究報告
(20) . ション)と,前の画像から次の画像間で同一細胞を対応付. 1. . ける(トラッキング)という問題を,混合正規分布モデル. . . のパラメータ推定の問題として帰着させる方法である.本 研究の対象となるデータでは,円形・楕円形の細胞核 つ . つが,位置平面 ( と蛍光強度 ) の空間上の 次元正規. 分布に近似できるため,細胞核の数と大きさを求める問題 を,画像から混合正規分布の数とパラメータを推定する問 題と同じとみなすことが出来る.さらにトラッキングにつ いても,前のフレームと次のフレームで同一の細胞核を対 応付ける問題は,* アルゴリズムによってパラメータを 推定する問題とみなせる.本研究の対象のデータでは,細 胞核の輪郭があいまいで,さらに時間経過と細胞の状態に 依存して蛍光強度の強さが大きく変化するため従来の方法 ではセグメンテーションが難しく,その結果トラッキング の精度も悪化する.それに比較して提案手法ではセグメン テーションとトラッキングを相互依存的に行うため高い精. 混合正規分布モデルと アルゴリズム. . 式 は有限混合分布モデルであり, ! は仮定する確率分 布の数, は第 & 成分の確率密度関数, はその密 度関数のパラメータである. は第 & 成分分布の混合比 率であり,各分布の重みとなる(. . . . ). は全. 1 . て正規分布の密度関数を用いる. 事前情報がない場合,推定の必要なパラメータは, ,. ,. となるが,成分数 を推定することは. 1 . を推定することとは性質が異なるので,まずは, を固 定して を推定する方法について述べる. 混合正規分布のパラメータの推定には * アルゴリズム を用いるのが一般的である. 2. .* 法による混合分布モ. デルのパラメータ推定は,* ステップとして欠測値の期待 値推定, ステップとして対数尤度の最大化という手続き 損値とは各データが各成分に所属する確率(事後確率)で あり,これを * ステップで計算し, ステップでは事後確 率が与えられた下でのパラメータの推定値の更新を行う.. 混合分布モデルと画像処理 混合分布モデルは,複数の確率分布の加重和の形で表さ れるモデルである.データ構造が未知な場合における密度 推定や統計的分類法(クラスタリング)のための手法とし .クラスタリングは似ているもの. +. を集め,似ていないものを分けることであるが,画像処理 の分野でもセグメンテーション等に用いられてきた.クラ スタリングによるセグメンテーションは,画像平面におけ る各画素の特徴量を特徴空間(例えば色空間)へ写像し,特 徴空間上で分類を行ったのち,画像平面へ逆写像を行って 領域を分割する.その結果として,前景と背景を分離した り,複数の対象を区別したりすることができる.&. . を,収束条件を満たすまで反復することで達成される.欠. 度を実現することができる.. て広く利用されている. .
(21) . 観測データを .
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(24) とする時,対数尤度関. 1 . 数は . 3 1 . . . . . . . . . 1
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(30) と し , は混合比率以外のパラメータとする) .. で 与 え ら れ る(3. 1. . 第 回目の * ステップでは欠測値の事後確率( の第 & 成分への所属確率)を. . 1. 3. . . . . 法を用いたクラスタリングによるセグメンテーションは,. で推定する.そして ステップで第 & 成分分布の混合比. 混合正規分布モデルを用いる方法とよく似た方法である.. 率,平均,分散を更新する.. セグメンテーション以外においても,顕微鏡の点像分布関 数(, . ンダリングの方法として画像を正規分布の重ね合わせで表 現する. 0. パラメータを推定した後のデータの分類は,事後確率. ) / としての利用や,圧縮やレ. -
(31) . . . 1. 4. 等,画像処理の分野でも混合分布モデルの応用. は枚挙に暇がない.. . . . 4 . #. 4 3. が最大の成分分布 に割り当てる. 成分数の推定( をいくつに設定するかという問題)の代. . 混合正規分布モデルと アルゴリズム 本節では,提案手法においても利用する一般的な混合正. 表的な方法としては,統計的仮説検定と情報量基準が挙げら れるが,本研究では情報量基準 55
(32) .. . 規分布モデルとそのパラメータを求めるための * アルゴ.
(33) . リズムについて述べる.. に対してペナルティを課すもので,成分分布の個数が必要. 混合分布モデルは,観測されたデータが複数の母集団分. を用いる.5 はモデルが多くの項を持つこと. 以上になることを避ける意図がある. 67. 最適な ! の推定. 布からの値であるという仮定の下で,異なる複数の確率分. を行う場合は,任意の幅の ! を与え,それぞれの ! の下で. 布(混合正規分布の場合は正規分布)の混合として記述す. *. るモデルである.. る.そして 5 を用いて,尤度が最も高く自由度は出来る. アルゴリズムを実行しパラメータ 34 と尤度を計算す. だけ低いような ! の下でのモデルを最適なモデルとする. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. .
(34) Vol.2013-MPS-92 No.5 2013/2/27. 情報処理学会研究報告
(35) . 提案手法 本章では,混合正規分布モデルを用いた経時観測蛍光画 像からの細胞核の検出と追跡手法を述べる.. の時 # つの分布から一点ずつサンプリングされることを期 待する.これを,時刻 の混合正規分布モデルに対して, 式 # のように事後確率を求める.次にサンプリングされた データが時刻 でどの成分分布に由来していたかを割り 当てるが,ここでは単に最大の成分分布に割り当てるので. 概要. はなく,ハンガリー法. . を用いて全体として最適になる. 本研究では,経時観測蛍光画像からの細胞核の検出と追. ように割当を行う.当然同一の分布から複数個のデータが. 跡という問題を,混合正規分布モデルのパラメータ推定と. サンプリングされることも起こるが, # 個を セットとし. して定式化を行う.図 のように,本研究の対象となる. たサンプリングと割り当てを何度も行うことで,時刻 の. データでは,円形・楕円形の細胞核の蛍光強度を観測した. それぞれの細胞核を示す分布からサンプリングされたデー. 画像が,位置平面 ( と蛍光強度 ) の空間上において, 次. タは,時刻 においてそれぞれが所属していた成分分布. 元混合正規分布の密度関数に近似できる.よって細胞核の. へと割り当てられる割合が高くなる.図
(36) は,# 個をサ. 数と大きさを求める問題が,画像から混合正規分布の数と. ンプリング・割当を '6 回繰り返した結果である.多少の. パラメータを推定する問題と同じとみなすことができ,さ. ばらつきはあるが,細胞核の移動前後で対応するように割. らにトラッキングについても,前のフレームと次のフレー. り当てられていることが分かる.%*,77 では,%*,77. ムで同一の細胞核を対応付ける問題は,* アルゴリズム. でサンプリングされたデータとその割り当てを初期値とし. によってパラメータをフィッティングする問題とみなせる.. て,* アルゴリズムによる混合正規分布のパラメータ推. ただしトラッキングの際には前後のフレームにおける細胞. 定を行う.図
(37) の時点では多少ばらついていた割り当て. 核の位置の移動,蛍光の強度の変化に対応する必要がある.. が,* アルゴリズムを反復するうちに逐次割り当て直さ. このためにブートストラップ法と最適割り当てのためのハ. れ,* アルゴリズムが収束した時には, 時点の成分分. ンガリー法を導入する.画像の座標と蛍光強度を標本集団. 布から 時点の成分分布へとパラメータの更新も完了して. と密度(蛍光が強い位置ほど標本が密集している)とみな. いる 図 . .これにより,各成分分布の標準偏差内を細. し,細胞核候補の座標をランダムサンプリングしつつ各成. 胞核領域と近似すると,細胞核の検出と追跡が同時に行わ. 分分布のパラメータ推定の初期値として割り振る.割り当. れたことになる.. てを行う際にはスコアの合計が最大となるようハンガリー 法を用いて割り当てを行う.この手順をブートストラップ 法で繰り返し行うことにより,セグメンテーションとト. アルゴリズムの詳細 ブートストラップサンプリングと最適割当て. ラッキングを行う際の妥当な初期値を得ることができる. 提案手法の主となるアイデアは,以下の,. ブートストラップサンプリングと最適割当てについて, アルゴリズムを示す.ここでの入力は,時刻 における混. ブートストラップサンプリングと最適割当て 混合正規分布のパラメータ推定. 合正規分布モデルのパラメータ 3. を繰り返すことにあるので,本節ではその概要を示す.実. の各要素 は該当するピクセルにおける蛍光強度を示す.. 際のデータとしては赤・緑の 色の蛍光画像を対象とする. ただし確率密度と近似するために. が,ここでは簡単のため蛍光は 種類であるとして説明を. ように正規化を行う.出力は,サンプリングされたデータ. 行う.. 図 を用いて提案手法の概要を示す.図 を時刻 . と成分分布数 ,時. 刻 における画像 である.ここで は行列であり,行列.
(38)
(39)
(40) . 1 . . .
(41)
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(44)
(45)
(46) . ½. 1 . を満たす. ½ . と,その. 割り当てを示すベクトル である.ただし はブートスト. の蛍光画像とする.画像には 89599: の # つの細胞核が. ラップの回数を示す.. 観測されている.時刻 になると細胞核 8959 はそれぞれ 右上へ移動している.このような例において細胞核の検出. 回サンプリングして得られたデー タを
(47)
(48)
(49) ½ , 1
(50)
(51)
(52) を 時点の. と追跡の問題を考える.また図 は時刻 の画像を位置. 各成分分布の番号とすると,それぞれのデータの 時点. 空間 ( と蛍光強度の 次元に表示したものである.. の各成分分布への所属確率は,. %*,77. から,まずは . ではまず,図 が標本集団の確率密度を示し. . ているとみなしてランダムサンプリングを行う.蛍光の強. 1. . . . . 3. . '. . さを頻度に近似するため,蛍光強度の大きな位置の座標が. となる.この確率は & 行 列 . サンプリングされる確率が高い.ここで,時刻 における 細胞核の数は推定対象であり判明していないので,仮に時. ここで,サンプリングしたデータ と成分分布 が 対 に対応するように割り当てを行う.この時ハンガリー. 刻 の際の細胞核の数とする.すなわち時刻 において. 法. も # つの細胞核があると仮定し, # 回復元抽出を行う.こ. 最大となるように選択し,各 に対応する割り当て を. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. . 1. の正方行列となる.. を用いて,割り当てられた組み合わせの確率の積が. .
(53) Vol.2013-MPS-92 No.5 2013/2/27. 情報処理学会研究報告
(54) . 図. ½. 提案手法の概要. 得る.単に最大確率へと割り当てを行うと,図 のよう. その他の処理. に細胞核がかつて別の細胞核があった位置へ移動した場合. 前節に提案手法の主となる部分について説明を行った.. に上手く割り当てられないためである.一般のトラッキン. ここでは対象とするデータに固有な処理等,実際のデータ. グの際にも全体が最適になるように割り振る方法は
(55)
(56) . に適用するための比較的細かい処理についての記述を行う..
(57) !;. この . を用いるよりロバストであるとされる. .. . 初期値について. 個のサンプリングと割り当てをセットとして,. 提案手法は,時刻 の混合正規分布のパラメータを用. 回ブートストラッピングを行うことで,ノイズに対して. いて時刻 のパラメータ推定を行うものであり,時刻 の. もロバストで,また 時点での成分分布数が不明なまま割. 画像については例外的な処理を行う必要がある.本研究で. り当てを行うことが出来る. は と同じ長さのベクトル. は &. であり, のデータそれぞれが 時点のどの成分分布由. により初期値を得る.すなわち. 来であるかの仮の割り当てを示す. 時点と 時点で細. 正規分布モデルの成分分布数 と同値とみなし,&. 胞核の数が異なるときは追加の処理が必要となるが,その. 法の結果のクラスタを * アルゴリズムの初期割り当てと. 際の手順は後述する.. して解く方法である.手順としては,細胞数の上限 . . を与え, 1 を から まで逐次増加させながら,. 混合正規分布のパラメータ推定. 混合正規分布のパラメータ推定についてアルゴリズム. &.
(58) .
(59) . 法と混合正規分布モデルを組み合わせた方法 &.
(60) . 法の を,混合
(61) . 法,そして * アルゴリズムによる混合正規分布. を示す.ここでの入力は,%*,77 の出力であるサンプ. のパラメータと尤度の推定を行い,最も良い 5 になる . リングされたデータ と,その割り当て であり,出力. の時のパラメータを時刻 の解とする.. は時刻 における混合正規分布のパラメータ 34 である.. .
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(67) . 3 1 . . であり,混合比 は細胞核の蛍. 細胞数の変化について. 細胞を追跡する問題において細胞数の変化は一般的な問. 光強度, 1 の は細胞核の中心座標, は細. 題である.細胞分裂による増殖や細胞死による減少の他,. 胞核の面積と同義となる.初期値からパラメータ推定を行. 視野内への出入りも頻繁に起こりうる.本研究の対象であ. う手順はごく一般的であり, 章で述べた通りである.. る の観測データにおいて特徴的な現象は,図 に. . 示すように細胞分裂時には,赤・緑のどちらの蛍光も消失. ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. .
(68) Vol.2013-MPS-92 No.5 2013/2/27. 情報処理学会研究報告
(69) . するということである.蛍光が消失している間は背景と区. と
(70)
(71)
(72) . ! <;. 別がつかず,細胞分裂に成功すると何もないところから再. %
(73)
(74). のパラメータを,高い値と低い値に設定した . 法. び蛍光を発し始める(細胞分裂に失敗すると消失したまま. 種類を比較対象とする.. . を使用しており,ここでは =
(75). である) .このような細胞の出現と消滅に対応するために, %*,7. . と %*,7 の手続きを導入する.. 割り当てされた際の信頼度が高いものと低い. 検出精度の評価を行うために,人手で細胞核の検出を 行った結果を正解とし,以下のような基準で自動検出の. ものを区別する %*,7. 細胞核の検出精度. の出力である と について,式 ' の確率が閾. 結果を分類した.真の細胞核領域と検出した細胞核領域. 値以上のデータ と割り当て ,閾値以下のデータ . が相互に十分重なっている時,これを. と割り当て に分離する. は前時点の細胞核から極端. , ?
(76). に遠い場所にあるデータであり,割り当てが間違っている. らない時,真の領域を =(偽陰性>
(77). とみなす.信頼出来るデータ と割り当て を用いて. て検出した領域を ,(偽陽性>
(78). %*,7. を実行し,仮の混合正規分布のパラメータを得る.. 成分分布の追加と削除を行う. ) ,誤っ. =
(79) !?
(80). )とする.ま. , ?
(81). た つの真の領域に対して複数の検出した領域が対応した 時,これも = と , とみなす.%, と = の数の和は,真. と割り当て を用いて得られた成分分布において,
(82) . 法・* アルゴリズムによる混合正規分布の最尤推定を行. の領域の数と常に等しい. 視野 と視野 のそれぞれ '6 フレームずつの画像に対 して提案手法(*)と従来手法,$
(83) !
(84) % &
(85) ($%)を 適用し,上述の基準により分類した結果を表 に示す.. い,最も良い 5 となるモデルを計算し,その結果を成分. (適合率)と @
(86) (再現率)は,. ,
(87) . 分布として追加する.. 1. 以上の手続きを追加することで,細胞核の出現・消滅に 対応することが出来る.. . (真陽性>%
(88). )とする.真の領域に検出した領域が十分に重な. 所属するデータが極端に少ない分布を削除する.またデー タ に対して,初期値を求めるの際と同様に,&. %,. . 1 A A . +. で与えられる評価基準であり,それぞれ検出したもののう. 色の蛍光画像による検出と追跡について. ちの正解の割合と,真の正解のうち検出できたものの割合. 本研究の対象であるデータは赤色蛍光と緑色蛍光の 色. を示す. 値はこれらの調和平均であり,総合的な精度の. になっている.これらを考慮する方法としては,合成した. 指標とする.提案手法は,従来手法のどちらの閾値設定と. 画像をグレースケールとして扱う方法もあるが,今回は各. 比較しても良い精度を得られている.一般に適合率と再現. 色で個別に検出・追跡を行ったのちに結果を統合する方法. 率はトレードオフの関係になるが,今回は真の領域が複数. を用いた.緑色で検出された細胞核の中心が赤色で検出さ. に分割して検出された場合には , と = として計上する. れた細胞核の標準偏差領域内にあること,またその逆の両. ため,単純なトレードオフとはならない.$
(89) !
(90) % &
(91) . 方を同時に満たす時のみそれらを同一の細胞核とした.. の. 実験. 細胞核領域が大量に検出されるが,そのほとんどは真の領. データについて. しても %, が増えない理由である.. =
(92) %
(93)
(94). のパラメータをを低く設定した場合,. 域が複数に分割されて検出されており,これが , を増や. 肝臓癌の細胞に ベクターを導入し,6 分間隔で約 . 日(計 '6 フレーム)タイムラプス撮影を行ったデータ. 追跡の精度. に対して本手法を適用した.このうちコントロールである. さらに追跡精度の評価を行うために,人手で細胞核の追. 視野 と,ある種の薬剤を投与した視野 の 視野分を個. 跡を行った結果と自動追跡の結果を比較した.人手による. 別のデータセットとして用いた.人手で細胞核の検出と追. 追跡と自動追跡の結果が,前のフレームと後のフレームの. 跡を行った結果を正解とした時,視野 では + 個の細胞 が 日後には /0 個に,視野 では ' 個の細胞が / 個に. 表. .
(95). . 値. . . . . . . . . . . . . に,人手で検出と追跡 を行った結果と比較した.また比較. . . . . . . 対象として, のようなデータを追跡することを目的. 視野 . . . .
(96). . 値. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 29++6. 個,視野 では 696 個であった.. 以降では細胞核の検出と追跡の精度とを評価するため. とした方法であり,. !
(97) ". のプラグインとして実装され. ている $
(98) !
(99) % &
(100) ' のソフトウェアを用いた.この ソフトウェアはセグメンテーションに ⓒ 2013 Information Processing Society of Japan. (. . . 検出精度. . 視野. . ½. . なる.'6 フレーム中の細胞核の延べの数は,視野 では. . . .
(101) Vol.2013-MPS-92 No.5 2013/2/27. 情報処理学会研究報告
(102) . 表 ¾ 追跡精度 正解 不正解. ' ( ./01 ./.1 視野 , ( ./01 ./.1 視野. )*+, +',* 4),,. '),2343 2*+-. 正解. 不正解. *',) )',* +4*). '*5+ ,*53 232+. 参考文献 正解率. ! ". -$*, -$+3 -$+-. !". 正解率. -$*' -$)' -$++. !". 両方において同一の領域を指している時のみを正解とし. 異なる領域を指す場合や対応する領域が検出されていない 場合等は全て不正解とする.自動追跡において,前後のフ レーム間が共に誤検出した領域どうしである場合はどちら にも計上しない.表. にその結果を示す.. !" ! ". 追跡の結果についても提案手法の方が良い精度が得られ た.従来手法では,特に密集した状態でセグメンテーショ ンの精度が下がるため,そのような場合に追跡も失敗する. !". ことが多かった.提案手法では密集状態でも細胞核の移動 については比較的正確に追跡することが出来ていたが,密. ! !" # # $ ! 1 33 : . 集状況下で細胞核の出現と消滅が起こるときにうまく追跡 が出来なくなる頻度が高かった.. おわりに. !". 本研究では,多色蛍光イメージングによる経時観測デー タのために,混合正規分布モデルと * アルゴリズムを用. !". いて細胞核の検出と追跡を同時に行う方法を提案した.ま たその際にブートストラップ法によるサンプリングを繰り 返し行うこと,またハンガリー法による最適割り当てを行. !". うことで,ノイズの影響を軽減し,また,細胞核が大きく 移動した時や密集した状況下での検出・追跡においての精 度の低下を防ぐことが出来た.対象の形状だけではなく,. ! ". 状態や機能までも可視化するイメージング技術はこれから さらに発展し,かつハイスループット化されることが予想. ! ". される.現在細胞核という,正規分布で近似出来る対象に 限定されるとはいえ,自動検出と追跡を精度良く行う本研 究の手法は有用であると考える.. ! ". 本論文では蛍光画像からの細胞核の検出と追跡という問 題を,混合正規分布のパラメータ推定の問題として定式化 を行い,その妥当性と潜在的な有効性を示すことを主眼と. ! ". した.より実用的に高い精度を目指すためには,例えば, 各色蛍光での検出・追跡結果を統合する際に,全体が最適 となるように対応付ける. . ことで,さらなる精度の向. 上が期待できる.また前後のフレームにおける細胞核の数 の変化に関して,本論文では & たが,5 よりも (*(
(103) . ..
(104) . ! ". 法と 5 を利用し. (一般化情報量基準. . )や. #. *. )を応用することで,現.
(105) '. 実の問題の解と数理モデルの最適値とを,より一致させる. #
(106) $ %&'()*'+ , -. /
(107) 0 1
(108) 234 3
(109) 5 67 +
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