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避雷器の適用とその動向

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特集

送変電新技術

避雷器の適用とその動向

TrendsoftheApplicationofLightningArresters

電力エネルギーは,架空送電線や送変電機器など電力流通設備により輸送さ

れている。しかし,落雷などによる異常電圧の影響で,地絡故障などが発生し,

送電不能に陥る場合がある。送変電機器などを健全に運転するためには,この

異常電圧を機器の耐電圧レベル以下に抑える必要がある。このため,日立製作

所では,時代のニーズに対応した避雷器(避雷装置)を開発してきた。

避雷器の通用範囲は,従来発変電所や配電線が主であったが,最近では送電

線にも適用されるようになってきた。また,避雷器の高性能化により,送変電

機器(被保護機器)の絶縁レベルを低減することが可能となり,送変電機器の小

形・軽量化に役立っている。

n

避雷器は,発送変電機器の進歩と送電電圧の変遷に大きく 依存しつつ発展してきた。これは,他の機器の試験電圧が避 雷器の特性を基準にして選定させているからであー),送電電 圧の昇圧とともに ̄大きな変遷を遂げてきた。電力機器の絶縁 協調の考え方は,図1に示すように異常電庄の抑制を図る一 方,設備の重要度,使用形態に牌らして設備の事故確率があ 雷 雷サージ 遮断器の開閉 開閉サージ 系統構成 耐雪設計 開閉サージ の抑制 避雷器定格 電圧の選定 避雷器による絶縁設計 機器の試験電圧 機器固有の絶縁設計 GISなどの集積化 系統電圧に 対する耐力 注:略語説明 GIS(ガス絶縁開閉装置) 図l電力機器の絶縁協調の考え方 発生過電圧の種類と避雷器に よる絶縁設計の関係を示す。 ∪.D.C.る21.31占.933.4 白ノー】晋吾*

伊藤守夫**

飯村紀夫**

小沢 淳*** 5んオ〃g-〃SんJ7甘ん〟乙イ′・〟 ル才(ノrわ′/げ 八†〃イ(ノブす〃7∼〃てJ ノJイ7J()z〟以′〟 る許容水準値以内となるように,機器の絶縁強さや配置を決 定することにある。異常電圧の抑制は,まず第一に遮断器や 保護装置によって極力発生しないようにし,さらに避雷器の 保護性能を十分に柄用することが基本である。この号え方か ら,従来,避雷器の用途は避雷器自身のハード上の課題もあ って,絶縁協調を図る対象として発変電所用変圧器の富サー ジ保護を主としていた。近年,酸化亜鉛形避雷器は線路引込

「1用遮断器の極間絶縁保護,GIS(ガス絶縁開閉装置)の雷サ

ージ過電圧保護,配電線の配電用変圧器や開閉器の雷サージ

保護,これに加えて送電線への送電用避雷装置(避雷器)設置

による送電線支持がいし連のフラソシオーバの防止に適用さ れるようになり,富害による事故の防止に一役を担うように

なった。また,酸化亜鉛形避雷器の低減絶縁形高性能避雷器

の開発をディジタル解析技術の進歩によりこの避雷器を積極 的に活用した絶縁の合理化設計が可能となF),従来の絶縁レ ベルを低減した高性能変電機器が出現する時代背景を醸成し, 避雷器は機器の小形・軽量化にも役立つ時代となってきた。

8

避雷器の変遷

避雷器の機能は,過電圧侵入時のインパルス電圧に対する

応答特性,応答後のインパルス電流通流時の制限電圧特性や

続流遮断特性に代表される。この機能を満足させるために,

種々の避富器が開発,実用化されてきた。図2は日立製作所 で,1920年から1990年代の約70年間にわた-)開発してきた代 * 日立製作所巨】分1二場 ̄11学博士 **[-+立製作所凹分二l二場 *** R二た製作所【t在所究所二l二学博士

(2)

0 0 7 0 0 6 0 0 0 0 0 0 5 4 3 (>三世 脚 繋 伴 野 撃 200 100 避 雷 器 の 推 避雷器の構成原理 アルミニウム 避雷器 ドライバルフ 避雷器 磁気吹消形避雷器 酸化亜鉛形避雷器 ギャップなし ギャップ付き

t訂ッブ

アルミ ニウム セル (電解液)

:\責苦雷撃

:特性要素

/(S■C)

分圧素子 (分絡多重直列 抵抗体)∫ギャッフ 磁気吹 ⊥r一消L コイル 特性要素 (SトC) \ 酔化 亜鉛 素子 (発変電所用)

一訂ップ

酸化 亜鉛 素子 (送電線用) 500kV (+EC-203-1978) V k 5 3 7 払、幣 、於、 、し、ニ◆ル ”一ご妄 き マ 、j

葡晋

,、、→ゝ∼、、 230kV 「一 ̄一 ̄ ̄ l

160kV

;lアノ表音ム

蔓延』

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kV

亀葛骨頸環

監竪』

井蛙抗形避雷器(+EC-130) (ドライバルプ避雷器)

至巳比+

;!(+EC-131-1954)

消形避雷器 (制弧避雷器) (+EC-156-1963) 酸化亜鉛形避雷器 (+EC-217-1984)

線路引込口用避雷器 (500kVGIS用) 187kV

+…:こf

77kV 66kV 晦ノ 藻琴頂頂ぜ滞頂懸濁 送電用避雷装置 (送電線用避雷器)

ヨ11

1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 年 度 図2 避雷器の推移 大正,昭和の時代から平成に至るまでの70年間にわたる避雷器の変遷と適用状況を示す。 表的な避雷器を示す。大正時代の60kV級避雷器は,単一ギャ ップとタンク内にアルミニウムセル電解液を封入した特性要 素で構成されていた。この避雷器は充電作業の煩わしさがあ り,電解液の入手難もあって,昭和10年代には非直線抵抗体 (炭化ケイ素系)を用いた乾式(ドライバルブ)避雷器,すなわ ち,弁抵抗形避雷器へと移行していった。弁抵抗形避雷器は 戦後の275kV超高圧変電所まで使用された。この避雷器はギ ャップ部を懸垂形にして使用しており,避雷器の設置場所を

多く必要としていた。設置条件から自立形避雷器へのニーズ

と開閉サージ動作責務に対する続流遮断性能向上の観点から,

ギャッ7笥iのアークを駆動する磁気吹消形避雷器(制弧避雷器)

へと進展し,昭和40年代後半に建設された500kV変電所用避 雷器に適用された。この長那皆までの避雷器はギャップの放電 現象と続流遮断現象を応用していたが,昭和50年代の初頭に 非直線電圧一電流特性の優れた酸化亜鉛素子が出現し,酸化亜 鉛形避雷器の時代を迎えた。酸化亜鉛形避雷器は従来のギャ 1990 がないことから,富サージ動作責務を容易に処理できる利点 を持っている。さらに,酸化亜鉛形避雷器の特長として,課 電寿命特性,制限電圧特性が向上した結果1)・2),低減絶縁レベ ルの採用が可能となり,絶縁設計の合理化3)がなされて小形・ 高性能変電機器の時代を迎えている。絶縁レベルは500kV GISでLIWL(雷インパルス耐電圧レベル)1,550kVから1,425 kVに低減の時代を迎えている。これらの技術を展開し,275 kV GISではLIWLl,050kVから950kVへの低減も実現してい る。日立製作所は海外で,すでに735kV系統用酸化亜鉛形避 雷器の稼動実績を有している1)。

絶縁協調解析技術

解析技術として,通常の電力系統では雷サージ,開閉サー ジや短時間過電圧が解析の対象となる。ここでは主として雷 サージ解析の動向について述べる。雷サージは,雷撃によっ て発生する比較的急しゅんな過電圧で送電線の停電事故を引

(3)

避雷器の適用とその動向 逆フラッシオーバ 雷サージ侵入 プッシング。

◎♯1母線 ̄ ̄季プ

♯2母線__軋_

LA 搭H 鉄

‥{・12。奉自・小♪+

十◎←牽

一 ■

(a)解析回路

T訝

11十自T⊥Y与

十◎卜史

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注:略語説明 PT(変成器),CB(遮断器) 図3 雷サージ解析モデルと解析波形 形を示す。 0 0 0 0 0 0 5 (ゞ三世脚へー車椒 、\930kV 10卜S (i)CB開放端電圧波形 10トS (ii)避雷器放電電流波形 (b)解析波形 0 0 2 (才三嘆押印# 高性能避雷器を適用した275kV三相一括形GtSでの雷サージ解析モデルと解析波 る主要因である。 絶縁協調解析を行うための解析入力モデルは,雷撃源として 電流源と400rユの雷道インピーダンスで与えられる。電流波形は 1×7叫sのRamp披とし,波高値は電圧階級ごとに想定され ている。想定雷撃電流値は66∼77kVで30kA,110∼154kV で60kA,187∼220kVで80kA,275kVで100kA,500kV で150kA4)と考えられてきた。鉄塔はサージインピーダンスが

100-150n程度,伝搬速度は210mルs程度の単一分布定数で

模擬されていたが,最近は鉄塔各相のアームの位置で分割す る4段モデルで模擬され始めた。送電線も従来は架空地線と 電力線間に電気的結合がない単相回路で模擬されていたが, 最近は多相回路で模擬するようになった。また,従来,逆フ ラッシオーバは,単純なスイッチあるいは雷撃と同時にアー クホーンを短絡することで模擬していたが,リーダによる前 駆電流現象を考慮して,インダクタンス値をスイッチによっ て時間的に変化させることで模擬されるようになった5)。

富サージ解析例として,最近の解析条件を考慮した275kV

三相一括形GISの日立製作所での解析例を図3に示す。雷サー ジ解析条件としては,変電所の近接鉄塔で逆フラッシオーバ

が発生するケースとして鉄塔雷撃電流130kA(第三鉄塔)とし,

アークホーン間隔2.02m,交流電圧245kVp(=300√訂/ノす)

で逆極性の富サージが侵入したものとした。避雷器は高性能 酸化亜鉛形避雷器とし,公称放電電流10kAでの制限電圧を 1,400 1,300 0 ∩) 0 0 0 0 0 0 0 0 2 .1 0 9 8 (貫三世脚へ一本郎 700 600 注:略語説明 通常の避雷器 (+EC-217ベース) を適用した場合

7孝

一-′---

′///

0 / ′ ′ ′ ム CB開放端電圧

∩ノ

八蓋

性能避雷器を 用した場合 ---+lWJl.050kV ---LIWL950 kV 10 20 30 遮断器(CBト避雷器(LA)間の距離いm) し1Wし(雷インパルス耐電圧レベル) 図4 雷サージ解析結果 避雷器の設置位置と遮断器極間にかかる 雷サージ電圧との関係を示す。適切な距離を選択することで,GISとして 低減絶縁レベルを採用できる。 600kVとした。雷サージ解析条件としては,最も厳しい条件 として,線路引込口側遮断器が開放時の雷サージ過電圧を遮 断器∼避雷器問の距離いm)をパラメータとして解析した。解 析結果ほ図4に示すように,従来の275kVの標準のLIWL

(4)

1,050kVに対して避雷器を適切な位置に配置することにより, LIWL950kVが実現できる。代表的な富サージ解析波形を先 の図3(b)に示す。なお,避雷器の適用方法として,基本的に は一つの避雷器で雷サージ過電圧をLIWL値以下とするように 絶縁設計しているが,AC TOV(交流短時間過電圧)が厳しい 場合,避雷器の制限電圧特性を低減しか-で,開放端部の近 接に避雷器を分散配置してLIWLを低減することも,酸化亜鉛 形避雷器の有効な適用方法の一つである。

b

避雷器の適用状況

最近の酸化亜鉛形避雷器は発変電所用,配電用,送電f削こ 使用されている6)。ここでは代表的な避雷器の適用例と動向に ついて述べる。 4.1発変電所用避雷器 発変電所用避雷器としては,GIS用避雷器と気中絶緑変電 所用のがいし形避雷器がある。JEC-217-1984規定の避雷器仕

様とGIS用高性能避雷器の仕様を含めて表1に示す。代表例と

して,最近の275kV

GIS用タンク形高性能避雷器とがいし形

避雷器の動向について述べる。

(1)タンク形高性能三相一括形避雷器

この避雷器は現行JEC-217-1984の公称放電電流10kAでの 制限電圧の規格値851kVに対し,600kVと約30%低減して LIWL950kVを可能にした高性能避雷器である。図5は266 kV避雷器の制限電圧一電流特性を,通常の避雷器と高性能避

雷器とを対比して示す。図6には実際にタンク形高性能三相

一括形避雷器を適用した275kV三相一括形GISを示す。タン ク形避雷器はGISの重要な主要素の一部を担っている。 次に,避雷器を高性能化したときの課題は,(a)課電寿命特

性,(b)開閉サージ動作責務特性,(c)安定性評価試験,(d)電

位分軌(e)動作開始電圧試験,(f)漏れ電流試験などがある。 特にタンク形避雷器では,酸化亜鉛素子とタンク間の漂遊容 量によって素子問の電位分担について考慮する必要がある。 電位分布を均一にするために,同心上分割形金属シールドが 配置してある。電位分布測定回路と測定供試品の外観を図7

に示す。避雷器本体は三相とも実器と同一品を使用し,才ン

クについては実器と同一径のタンクモデルを使用した。測定 には交流電圧を三相に印加し,光センサを介してディジタル 000900800700600 500 400 300 (昔三世紆竪蚕 200 通常の避雷器 (+EC-217ベース) / ′ ′ 339kV

__1

一一一一 +EC-217-1984規格値 851kV atlO kA /

凸富者

600kV atlO kA 高性能避雷器

デ彗畠照許驚習苧誤)

287・5、・・■う/、・巧=235kVp 常規対地電圧 10 ̄510 ̄110 ̄310 ̄210 ̄110D lOl 102103 104 105流(Ap) 図5 266kV避雷器の制限電圧一電流特性 通常の避雷器と高性能 避雷器の制限電圧特性を対比して示す0高性能避雷器では規格値に対し, 約30%低減している。 表l発変電所用避雷器の特性 通常の避雷器(+EC-2=規定)と低絶縁形高性能避雷器の特性を示す。 系統電圧 定格電圧 絶縁強度(LIWL) 動作開始電圧(V mA) 制隈市庄(kV) ⊥、士  ̄■■ (kVrms) (kVrms) (kV。)N (下限値)(kV。) X司邑 急峻(しゅん)インパルス p 雪インパルス:10kA 父)ノlし短時間過電圧耐夏 (ACTOV) 3.3 4.2 45 7.1 19 17 3.2puX川s 6.6 8.4 60 14.3 36 33 ll 14 90 19.8 52 47 2.34puX5s 22 28 150 39.6 103 94 33 42 200 59.4 154 140 66 84 350 l19 296 269 77 98 400 139 345 314 l川ハ54(中性点) l12 450 158 394 358 l10 140 550 198 493 448 154 196 750 277 690 627 187 182 750 Z32 640 582 l.69pux2s 220 210 900 267 739 672 275 266 950 339 660 600* l′050 339 936 851 500 420 1′425 535 957 870* l.5puxO2s l′550 535 l′340 l′220 l.5puXZs 20kA:1350 注:* 高性能避雷器(GIS用) 動作開始電圧試験時の抵抗分電流25岬用避雷器の場合=仙(N=り二VlmA,5叫F用避雷器の場合2mA(N=2)‥V2mA,

(5)

避雷器の適用とその動向

∫∫識ぶ′溢遠戚逮 ′怒ご≒、J㌻ "‡∼:、て、 印加電圧 1.78pu相当 0-00 5・00s

、′.㌔

266kV / 高性能三相一括形 タンク形避雷器 図6 266kV高性能避雷器を適用した三相一括形275kV GIS 線路 引込ロに三相一括形266kV高性能避雷器(形式=ZLA一∪50Fc)を配置する ことにより,275kV GISのコンパクト化が実現されている。 ンク 三相一括 形避雷器 AClOOV Tr

ディジタルボルトメータ光 0/E変換器 「..′-輸血血.--_二 ′顔 センサ 同心扶分割形 金環シールド (実器と同一晶) タンクモデル 注:略語説明 0/E変換器(光一電気変換器) 図7 Z66kV高性能三相一括形タンク形避雷器の電位分布測定状況 実規模タンクモデルを使用した酸化亜鉛素子間の電位分布測定状況を 示す。 ボルトメータで電位分担を測定した。電位分担は1.1以下であ った7)。酸化亜鉛素子の課電率は0,75程度であり,酸化亜鉛素

子の課電寿命特性を考慮して支障のない偵である。一方,避

雷器の高性能化に伴う課題として交流短時間過電圧特件があ るが,規格値の1-69×2秒まで耐えることができる。図8は

1.78倍(287.5kV/√すべース)相当での交流短時間過電圧耐量

電流 ワットロス 注:略語説明

州州洲州

破壊前電流60Ap 0.00 5・00s 2.62s Y3 注入エネルギー 55k+ 0.00 S:0,00 巨:2.62 5.00s S:開始,E:終了 図8 交流短時間過電圧(AV TOV)耐量試験時のオシログラム 高性能酸化亜鉛素子を使用し,AC TOVl.78puXZ.62秒通電時の電 圧,電流,ワットロスの測定例を示す。 試験時のオンログラムを示す。電流は最大60Apで,注入エネ

ルギーは55kJ/素子1枚の例を示す。このほか,雷サージ動作

責務試験,開閉サージ動作責務試験を実施し,性能を確認し

た。 (2)がいし形避雷器 気中絶緑変電所ではがいし形避雷器が使用されている。現 在,すでに先の表1に示すJEC-217-1984規格値標準の酸化亜

鉛形避雷器が,塩分汚損を考慮して国内で普及しているのが

実態である。 (3)従来形直列ギャップ付き避雷器 一方,従来の直列ギャップ付き制弧避雷器ではギャップ間 の電圧分担を均一にするため,分路抵抗体が使用されている。

この抵抗体はカーボン,ケイ石と有機質のケイ素樹脂との接

合で数メガオームの抵抗値を持つ抵抗体であるため,経年劣化 が発生するものも散見された8)。制弧避雷器は開発年代も昭和 30年代のものであること,すでに酸化亜鉛形避雷器に切り換 えられて少なくとも課電後12年以上は経過していることもあ り,更新が進められている。このリプレース作業によr),避 雷器の信頼性は従来形ギャップ付き避雷器の時代に比べて格

段に向上してきている。図9は,従来形ギャップ付き制弧避

雷器の経過年と漏れ電流変化率の関係を示すもので,避雷器 の寿命を評価する意味で役立つ。 4.2 配電用避雷器 配電用避雷器は酸化亜鉛素子の優れた雷サージ応答特性を 活用し,真空遮断器開閉時の裁断波サージの抑制に適したギ ャップなし配電用酸化亜鉛形避雷器が受変電盤内に,がい管 内に単一のギャップを内蔵したギャップ付き配電用酸化亜鉛

(6)

直列ギャップ 直列ギャップ部の内部構造 (分路抵抗体) +80 + + + -■ (訳)件ぎ糾堀歯七喋 ■U O 丘U OO 一 ■ ODB-200P形 項目 稼動晶 撤去品 ○ 266kV ⑳ 196kV △ ◎

音/

聖◎冨

ー鉱毒訂--

X ◎ 5 10 15 20 25 30年 経過年 注:略語説明 ODB(0utdoorB10WOUt:屋外磁気吹消形) 図9 従来形直列ギャップ付き避雷器(制弧避雷器)の経過年と漏れ 電流の関係 据え付け後12∼25年間にわたる漏れ電流変化率を示す。 形避雷器が配電線の電柱上で適用されている。配電用酸化亜 鉛形避雷器の内部構造を表2に,配電線に適用されている配 電用酸化亜鉛形避雷器の外観を図10に示す。また,柱上変圧

器保護用避雷器(耐富素子)が,柱上変圧器の油中に内蔵され

て使用されている。 4.3

送電用避雷装置(避雷器)

架空送電線の事故の大半は雷に起因していることから,雷 撃による送電線支持がいし装置のフラソシオーバの防止を目 的として,送電用避雷装置9),10)が誕生し,通用されている。配 電線では,配電用避雷器の設置により誘導雷による雷害防止 三、滋 ′′ご一ご藻琴蚕、;′′ ミまご∴ ≡′ご訂′;ご:∴こプ′′ゾ ニこ、法 ′:凄 ゝ′、㌻、′ ′三、′小、 ′姜ゝ′ご′、き薫 告ぎ′、′ミ方 てご′ごモ‥ご ′′、′ミぷ、二 ′′く巌∴三≡、が、、三享、、、′≡

≠′こ‥妻′妻璃、毒

≡ゝ-∴:、、 ̄…∨′≡′′′′・∧:藍≡磁 滋 丁 ?W′′

寿穣ぎ琴三亨;三

萎腰電車妨蒸着

}′;曳

≠乙≡ごも

如ゝ ′ブ∴ 図10 配電用避雷器の適用状況 8.4kV 配電用避雷器は電柱上に設置され,配電用変 圧器保護に適用されている。 表2 配電用避雷器の構造 配電用避雷器の内部構造を示す。用途によって2種類が適用されている。 項 目 ギヤップなし 配電用避雷器 ギャップイ寸き 配電用避卜雷器 用 受変電盤用 VCBサージ抑制用 配電線用 直列ギャップ L 形式:ZLA-5S 線路側端子 形式:ZLA-2.5SG 構 i宣 絶縁カバー ′ M5×10V

パッキン 142 00 ソ /(ッキン 則端子 接地 00 勺 ̄ N 1142 ¢75

● ● 線路側端子 絶縁カバー パッキン 直列ギャッフ 酸化亜鉛素子 ブラケット パッキン 接地側端子

(7)

に効果があがっており,これと同様に送電線でも,送電用避

雷装置が鉄塔雷撃による雷害防止に効果を発揮すると期待さ れる。 送電用避雷装置の課題と要部を図‖にホすように絶縁協調, 続流遮断,特に素子内径側の空間活用に基づく内圧上昇抑制 による防爆性能向上を考慮してドーナツ形の酸化聴鉛素子を 使用している。さらに,鉄J答上設置につき,従来の磁器がい 管に代わって汚損耐電圧特性の優れたポリマー絶縁容器を開 発することにより,′ト形・軽量化および非磁器化による防爆 性能の向上を実現した9)。また保護対象がアークホーンである ことから,単一の気巾ギャップと酸化唖鉛素子を内蔵してい

る避雷要素部(避雷器)で構成している。送電用避雷装置の装

柱構造(懸垂がいし連用)を図12に示すように,鉄塔アームか

ら取付金具を配置して避雷要素部をつり下げ,電線の振動な ど不要な振動が加算されないようにしている。動作表示には 富インパルス電流で動作する動作表示器を,万一の故障表示

には地給電流で動作する故障表示器を設けている。避雷要素

部が故障した場合,避雷装置は直列ギャップ部で耐電圧させ

継続運転ができるように設定してある。 一方,避雷装置はギャップ部の漂遊容量と避雷要素部の静 電容量によって分圧されているので,避雷要素部の静電容量 とアークホーン間隔の関係を求めて適用する必要がある11)。ア ークホーン間隔が同じでも避雷装置の静電容量の大きいほう が放電電圧は低く,絶縁協調の裕度は大きくなり保護効率は 課 題 ●絶縁協調 ●続流遮断 ●防 爆 ●小形・軽量 要 部 酸化亜鉛素子 (ドーナツ形素子) 絶縁容器 (ポリマー絶縁容器) 直列ギャップ (電極構造) A》 図Il送電用避雷装置の課題と要部 送電用避雷装置の課題と要部 の関係を示す。 避雷器の適用とその動向

高くなる。なお,酸化亜鉛素子の素子径が大きくなると静電

容量も比例して大きくなr),放電耐量も増加する。アークホ

ーンと110kV送電用避雷装置との絶縁協調特性(Ⅴ-t特性)を

図13にホす。避雷装置のギャップ長590mm,アークホーン間 隔834mmのとき,同時放電が発生する場合がある11)。実際の 避雷装置のアークホーン間隔は1,204mmとした。

図14には避雷装置を既存の送電線(懸垂鉄塔)に装柱し,稼

動中の送電用避雷装置の適用状況12)を示す。

避雷器の特性評価

避雷器の特性評価として,最近の測定技術の進歩によ-), 故障表示器 動作表示器 鉄塔 \ヽ アークホーン 取付金具 避雷要素部 直列ギヤップ 電極 電力線 懸垂がいし連 図12 送電用避雷装置の装柱構造(懸垂がいし連用) 送電用避雷 装置は鉄塔アームから取付金具を出して,避雷要素部を絶縁ベースで固 定し,垂直につり下げている。 1,200 1,000 0 0 0 0 0 0 虫U 6 4 (>三世樹齢讃 200

アークホーン間隔(10佃連) 高絶縁側1,204mm

/

、-ムー■___ さ■---△___ ■■「■■■■▼-■_.ここ 、 --○・-・・-0

耳ヒ去二重

ノ 【 二/ ′+ヽ ヽ\ アークホーン間隔(1,056mm) 避雷装置ギャップ長(590mm) 注:---負極性 一正極性 8 10 12 14 放電までの時間(トS) 図13 送電用避雷装置の∨-t特性 I10kV送電用避雷装置のV-t特性 とアークホーンの∨一t特性を併記して示す。

(8)

叫㌦、Y

蓋冨星置適用

叫〕

㌦-.\

㌦ 避雷要素部

書 一と一′ ∼淋←¶ \、\ \ 図川 送電用避雷装置の適用状況 実際にI10k〉送電 用避雷装置(形式:ZLA-Ll10G)を適用した送電線鉄塔を示 す。

フィールドでの避雷器の動作特性(制限電圧一電流)が芙波

形13),14)で測定できるようになってきた。今後,データが蓄積 され,避雷器の動作が評価されていくものと考えられる。 また,最近の運転支援システムの構築により,避雷器の運

転状況(漏れ電流の推移)を画面で直接判定できるようになっ

てきている。これを500kV高性能避雷器1)を例にして,避雷器

の漏れ電流の経時特性を図15に示す。なお通常の避雷器では, 避雷器の接地線から可搬形避雷器漏れ電流測定器5)により,漏 れ電流は測定できる。

l司

言 避雷器の電力系統での富害防止機器としての役割と適用状 況について述べた。今後とも,酸化亜鉛形避雷器は電力系統 の雷害防止機器として,ますます広く適用され,電力の安定 供給に寄与するものと考えられる。 参考文献 1)白川,外:避雷器の技術動向と応用技術,日立評論,70,9, 855∼862(昭63-8) 2)白川,外:酸化物材料,OHM,第76巻,第10号,第964号, 36∼41(1989) 7) 電気協同研究会:絶縁設計の合理化,第44巻,第3号(1988) 耐雷設計基準委員会:発変電所耐雷設計ガイドブック(昭51-3) ′ト沢ニサージ解析,電気評論,第290号,71∼80(199(卜6) 白川:避雷器の技術動向,動力誌,第39巻,第193号,18∼ 24(平1-7) 花村,外:266kV高性能三相一括型タンク形避雷器の電位分 C2 E/0 0/E ディジタル 変 換 CRT GIS 電圧測定部 高性能避雷器 電流測定部 E/0 0/E ディジタル 変 換 高速メモリ (10[Sサンプリング) (機器監視システム) 漏れ電流 測定 0 【hJ (<∈)照伊よ喋 ハードコピー ハードディスク キーボード MPU 波形記頚部 わ管理備 ゎ実測値 血管理値 血実測値 1110 9 8 7 6 5 4 3 210 (月前) 漏れ電流データ(1年分) 注:略語説明 E/0(電気一光変換器) 図15 500kV高性能避雷器の漏れ電流推移 運転支援機能付きGIS からアウトプットした経過年と漏れ電流値の関係を示す。 8)1_lJ形,外:直列ギャップ付制弧避雷器の経年劣化,jl三成2年 電気学会全国大会,No.1230(1990) 9)白川,外:送電用避雷装置,日立評論,72,9,947-954 (平2-9) 10)酸化亜鉛素子の線路保護への適用調査専門委員会:送電用避 雷装置の開発状況と適用効果,電気学会技術報告(Ⅱ部)第367 号(1991) 11)白川,外:送電用避雷装置の静電容量とアークホーン間隔との 関係,平成3年電気学会全国大会,No.1208(1991) 12)藤原,外:110kV送電用避雷装置の不平衡絶縁線路への適 用,平成3年電気学会全国大会,No.1207(1991) 13)花村,外:500kV高性能避雷器動作特性の自動観軋 平成2 年電気学会全国大会,No.1243(1990) 14)吉村,外:変電所侵入雷サージの観測結果,平成3年電気学 会全回大会,No.1334(1991) 15)S・Shirakawa,etal∴MaintenanceofSurgeArresterby

参照

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