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きららむし(七) : 江戸時代の金銀銭

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Academic year: 2021

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きららむし(七)

江戸時代の金銀銭

歴史の史料を読む場合に限らず、さまざまな時代の資料を分析するさいには、基本的に修得しておく べき知識があります。その代表的なものの一つは度量衡でしょう。現在の私たちは、メートル、リットル、 グラム、平方メートルなどの単位で理解していますが、江戸時代以前にはこのような単位はなく、その 時代においても、相違があります。間・尺・寸、升・合・勺、貫匁、町・反・畝・歩の単位が、江戸時代には 実施されていました。したがって、これらの単位で表記される度量衡が、現在の単位に直すとどれくら いのものなのかを理解していかないと、史料から歴史像を復元することは難しくなります。 経済学部においては、これら以外にも幣制についての知識が必要となります。経済・経営の歴史を正 確にとらえるためにも、せめて三貨(金・銀・銭)の比価ぐらいは知識として持っていなければ、江戸時 代の経済・経営の実態を理解することは困難でしょう。 江戸時代にも毎日相場が立ちましたから、日々交換価額は異なりましたが、元禄一三年(1700)に 江戸幕府は公定の比価を定めています。これによれば、金1両は銀60匁、銭4貫文とされました。 金1両は金4分(ブ)、金1分は金4朱という4進法で換算されました。金貨には表面に壱分なり弐朱な りの数字が書かれていましたから、これを表記貨幣とも言います。これに対して銀貨は重さで通用しま すから、秤で計って用いる秤量貨幣でした。銭は一般的には「寛永通宝」が用いられましたが、1枚1文 でした。 金貨は表記された価額で金2両3分1朱のように記されますが、銀貨は重さで換算します。銀1000 匁は一貫匁ということですが、それ以下の単位は1匁が10分(フン)、1分が10厘、1厘が10毛となり ます。したがって、銀3貫234匁3分2厘1毛というように記されます。また、銭1000文は1貫文であり、 以下の単位は分(ブ)厘毛と記され、銭5貫678文9分8厘7毛のように書かれます。しかし、銭は「寛 永通宝」が1枚1文ですから、文厘毛の数値があるのはおかしいと思われるかもしれませんが、分以下 の数値は交換比価として現されています。 貨幣額の表現としてこれ以外にも、「永234文5分6厘7毛」・「銀一両」という表記や、「疋」といった単 位も見られますが、いずれにしても当時の物価と併せて理解することが大切です。 (企業経営学科 宇佐美英機)

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