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ウォーバートンの貨幣経済論と現代マネタリズム : "パイオニア・マネタリスト"としての評価(玉木興乗教授退官記念論文集)

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Academic year: 2021

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(1)

ウォーバートンの貨幣経済論と現代マネタリズム

*

―― “

パイオエア ・マネタリス ト

"と

しての評価 ――

我 々 は、特 に、 クラー ク ・ウォーバ ー トンに重 い 恩 恵 を蒙 って い る。 ……我々 に とって画期 的 であ り、 創造 的 であ る と思 われ た結論 に我々が到達 した時 に は、 いつ も我々の前に ウォーバ ー トンがい るの を見 い出すのであった。」料 I は じめ に 現 代 マ ネ タ リズ ム ( p r e s e n t _ d a y m o n e t a r i s m ) の ル ー ツ は, 1 8 世 紀 後 半 の 1 ) デ イヴ ィ ッ ド ・ヒュー ムの貨幣経済論 に求 め られ よ う。 この長 い伝 統 を持つ現 代 マ ネ タ リズムは,フ リー ドマ ンに よれば,1930年 代 か ら1940年代 の シカ ゴ学 派 (Chicagoans=Chicago school)の マ ネ タ リス ト達 に よって形成 され た と 2 ) 主 張 され るが, 既 に, そ れ以前 の1 9 2 0 年代 か らその後, 1 9 5 0 年 代 までに行 われ *本 小稿 を1997年度末に退官 され る玉木果乗先生に捧げ る。玉木先生には,龍 谷大学お よび 関西大学大学院 を通 じて,今 日までの長 い問,直 接的に, また問接的に ご指導戴 き,そ の 学恩 に対 し,心 か ら感謝 し,先 生 の益 々の ご活躍 とご健勝 を念 じます。 なお,本 小稿 は, 1991年度金融学会秋季大会 (1991年10月26、27日に滋賀大学経済学部 で開催 された)に お け る椙 山孝金教授 の研 究報告 〔1993〕とそれに対す る私の コメン ト 〔1993〕に基づ いた安 部 〔1994a,b,c〕,〔1995〕に主 として依 存 してい る。 **フ リー ドマ ン=シ ュワルツ 〔1963〕,xxiiペ ー ジ。 1)メ イヤー 〔1980〕,安 部 〔1989〕を参照の こと。 2)シ カ ゴ大学 は1930年か ら1940年代 を通 じて,貨 幣数量説が 回伝 え (oral tradition)の 中心的かつ不屈 な役割 を果 た し続けた数少 ない学術 的拠点 であ り,サ イモンズ, ミンツ, ナ イ トお よびヴ ァイナーが微細にかつ適切 に貨幣数量説 を教 え,展 開 した と,フ リー ドマ / 佳 大 立 ロ 安

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20 玉 木果乗教授退官記念論文集 (第311号)

た非 シカ ゴ学 派 (nOn‐Chicagoans‐non‐Chicago scho01)の 貨幣 経 済論 者達 の貨幣数 量説 に基づ く実証研 究 に現代 マネ タ リズムの先駆的 な貢献が ある と考 〕 え られ る。 そ こで本小稿 では,非 シカ ゴ学派 にあ って,フ リー ドマ ンに代 表 され る現代 マ ネ タ リズムの考 えの殆 どを既 に,先 ん じて研究 していた クラー ク ・ウォーバ ー トンの貨幣経済論 を取 り上 げ,そ のエ ッセンスをまとめ,現 代マネ タ リズム に どの よ うに貢献 して い るのか を考察 し,そ の評価 をま とめ たい。 本小稿 では, まず, IIで,ウ ォーバー トンの実証的な貨幣経済論 とその基礎 をなす貨幣数量説の定式化 について,次 に,IIIで,散 漫 な貨幣供給が景気変動 をもた らす とい う主 旨のウォーバー トンの景気変動論 について,さ らに,IVで , ウォーバー トンは どの ような点で現代マネタ リズムに貢献 しているのかについ て,考 察 し,最 後に, Vで , “パ イオニア ・マネタ リス ト" と してのウォーバ ー トンの評価 をまとめ,そ れをもってむすびにかえたい。 II 実 証 的費 幣経済論 と貨 幣数量説の定 式化 ウォーバー トンは,1934年 に発 足 した FDIC(連 邦預 金保 険公社 )に 入 り, 最 初 は大 不 況 の貨幣 的解釈 を貨幣 的不均衡 論 に基づ いて研 究 し,1934年 か ら19 53年の 間に実証研 究 に基づ いた貨幣経済論 に関す る約30本の論文 を書 き,そ の 内1945年か ら1953年までの精選 され た19本の論文 が 『不況,イ ンフ レー シ ョン お よび金 融政策』〔1966〕に ま とめ られて い る。 まず,本 書 で展開 され た実証 的 貨幣 経 済論 の フ レー ム ワー クを考察 す る。 ウォーバー トンは大不 況 の最 中に貨幣 と景気循環 の関係 につ いての研 究 を始 め た。銀行預 金 に対 す る保 険プ レ ミアム を決定 す るため に FDICで 行 った研究 ヽンは述べ てい る (フリー ドマ ン 〔1956a〕)。この フ リー ドマ ンの言説 につ いて,パ テ ィン キン, ジ ョンソンの批判がある (安部 〔1994a),67ペー ジ,脚 注 4)。 3)非 シカ ゴ学派の貨幣経済論者には主に,エ ンジェル,キ ャ ッチングス,カ リー,エ ディ ー,フ ォスター,マ ーゲ ッ ト,ス ナイダーお よびウォーバー トンがい る (安部 〔1994a〕, 67ペー ジ,脚 注 5)。 4)カ ー ギル 〔1979〕,pp.431-4,安 部 (1994b〕,23-5ペ ー ジ。

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ウォーバートンの貨幣経済論と現代マネタリズム 21 プ ロジェ ク トの結果 として,ウ ォーバー トンは大収縮 とその後の不況 につ いて のマ ネ タ リス ト的 な説明 を行 い始 め,後 にフ リー ドマ ン=シ ュワルツの 『合衆 国貨幣 史』〔1963〕の基礎 に な る要素 を形成 す るこ とに な った。 ウォーバー トン に よれば,大 不 況 のマ ネ タ リス ト的 な説明 を展 開 した帰納 的過程 は,次 の二つ の要 因に基づ いて い る。 (1)1930年 か ら1935年までの銀行 倒 産 と預 金 の減 少 の地域 的分 布 を詳細 に分析 D した結果 「全 国的 な規模 で何 か潜在 的 な力が働 いて い る」 こ とを確信 した。 預 金 の減 少 は全 国的 な現象 で あ った。 修)連 邦 準備 制 度 の操作 を詳 細 に研 究 して,大 収縮期 の預 金 の減 少,そ れ ゆ え, 貨幣供 給 の減 少 に連邦 準備 制 度 が 関 わ って い るこ とを確信 した。 これ らの要 因の研究 を動機 として,ウ ォーバー トンは次のような特徴 を持つ 実証的貨幣経済論 を展開 した。 (1)研 究は帰納的,あ るいは,実 証的アプ ローチに基づ いている。 ウォーバー トンの帰納的アプ ローチは,彼 の研究を通 じて明らかにされ,フ リー ドマン の 「実証的経済学の方法論」〔1953a〕におけ る方法 と類似 している。 (2)貨 幣需要 アプ ローチよりもフィッシャーの取引型の貨幣数量説に基づ いて 説明 しているが,フ ィッシャー との重要な相異は取引総量 よりも最終生産物 の支払額 を強調 していることである。 (3)貨 幣数量説に よる均衡 の説明 と経済 システムが貨幣供給の変化 に どの よう に調整 され るか とい う不均衡 の説明に明瞭な区別 を行 っている。 “)貨 幣供給の変化 を本質的に外生的であ り,経 済活動 において主要 な変化 を 引 き起す第一 の原因 とみな している。経済活動 において小 さな変化 を引 き起 す原因は貨幣供給の変化 を決定す るこ とをさらに困難に し,そ れは必ず しも 貨幣供給の変化 を表す ものにはならない。 (5)経 済活動 の過程 を改良す るための裁量的な安定化政策の効果について消極 的 な態度 を表 し,そ れに代 って積極 的な政策 をせ ずに,安 定的な貨幣供給の 5)ウ ォーバー トン 〔1966〕,p.2。

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玉木果乗教授退官記念論文集 (第311号 ) 成長が維持 され ることを考 えた。 これ らの特徴 の中で も,実 証的貨幣経済論の重要 な支柱 をなすのはフィッシ ャーの取引型数量説である。 ウォーバー トンは貨幣供給,物 イ面水準,生 産量 と 流通速度の間の長期均衡 を表すのに交換方程式による均衡式,〃 y=げ を用 いた (但し,〃 :%走 定義 され る貨幣供給, 7:流 通速度,9:販 売 され た 最終生産物の量,Picに 入 ってい る財,サ ー ビスの価格 を表す一般物価水準 とす る)。貨幣供給が うま く恒常的な率 で成長す る限 り,市 場経済 システムにお いて生産量の水準が長期的に均衡に達 し,完 全雇用に近づ くと仮定 した。 この 恒常的 な成長に応 じた貨幣供給の変化 は経済活動の変動,つ まり,景 気変動 を 生ず るであろ う。 1923年か ら1928年までの期間は正常 な期間にかな りうまく近づ いてお り,〃 , 7お よび Cの 均衡成長 を決定す ることができた。 ウォーバー トンによる正常 な生産量の概念は一般的に使 われ る潜在的な生産量に密接に関係 している。 こ れ らの成長率 は1923年か ら1928年までの一連の平均成長率 を計算 し,こ の成長 率 を将来 に当てはめ るこ とに よ り決定 され る。〃 ,7お ょび 9に 対 して決 定 され た成長率 の均衡 トレン ド率 はほぼ, 5,1.4お よび 3.6に な り,Pは 0に なったのである。 ウォーバー トンのフレームワー クは,交 換方程式によって表 され,そ れは貨 幣供給の恒常的成長が うま く行 くように期待 された長期均衡 を示 している。〃 が最終生産物の成長 と流通速度の長期 トレン ドの変動に近い率 で成長す る限 り, 物イ面水準は時間が経過 して も,か な り安定 したままである。 このことはウォー バー トンのフレームワー クの均衡的局面 を表 しているが,一 方,不 均衡の局面 は貨幣供給が完全雇用お よび物価安定 と一致す る長期 トレン ドとかな り違 った 率 で成長す る場合 に関係 してい る。 ト レン ドか らの貨幣成長 の乖離 は 7,9 お よび Pの 成長の乖離 を生 じるのである。 少 し立 ち入 って貨幣数量説の定式化 について考察 しよデ。 ウォ_バ _ト ンは 6)ハ ンフ リー 〔1971〕,pp.15-7,安 部 〔1994b),25-7ペ ー ジ。

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ウォーバートンの貨幣経済論と現代マネタリズム 23 フィッシャーの交換方程式,つ まり,取 引型の貨幣数量説 (旧貨幣数量説)と フ リー ドマ ンの貨幣需要 アプ ロー チに よる所得 型の貨幣数量説 (新貨幣数量 説)へ の橋渡 しの役割 を担 った。 ウォーバー トンは具体的に次の ような指数形 の 式 の交換 方程 式 モデ ル を構 成 して い る。

%=PtQ/R

( 1 ) (但し,%:基 準年次 と す年次の貨幣数 量 Лらの比率,Pt:同 ,物 価水準 の比 率,Q:同 ,最 終生産物 の生産量の比率,島 :同,貨 幣使用率 の比率 とし,基 準年次の値 を 1 , または, 1 0 0 と す る。) Q = ( 1 + ガ ) t t t F f 。 (2) ( 但し, ガ : 技 術 進 歩 に よ る% 表 示 の 1 人 当 りの生産 量 の成 長率 , 丸 : 基 準年 次 に対 す る 方年 次 の 人 口規模 の指 数, r f 。: 基 準 年 次 の 1 人 当 りの生産 量指 数 とす る。)

鳥=1/(1+ブ)ta

(3) (但 し,R:基 準 年 次 に対 す る サ年 次 の貨幣使 用率 ,ブ :平 均 現 金 残 高 と最 終 生 産物へ の支 出 の比率 の%表 示 の成 長率 ,G:そ の比率 の基 準年 次 の指 数 と す る。) 物価 が安 定 して い る (Pt=P。)と 仮 定 し,修 L(〕 を(1)に代 入す る と,次 式 を得 る。 %=[(1+グ )(1+の]t PνⅥrf。6 PO,Ff。,aを 1とすると,(4)は, %=[(1+か (1+ダ)]t斑 となる。 もし,人 口が年率 拷%で 成長すれば,

Л

4 = [ ( 1 + グ) ( 1 + ブ

) ( 1 + 拷

) ] t ' 路

( 6 )

と表せる。% 0 = 胤 = 1 と すれば,

4=[(1+グ)(1+ブ)(1+力)]tソ

1ム

(7)

を得る。ウォーバー トンは, ″= 2 % , ブ = 1 . 5 % および力= 1 . 5 % とすれば, 完

(4) 7)ウ ォーバー トン 〔1966〕,pp.10卜 12,pp.163-7。

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24 玉 木興乗教授退官記念論文集 (第311号) 全 雇用生産 と物価水 準 の安 定 を得 るには,貨 幣供 給 の成長率 をほぼ, 5%に す 8 ) ればよい と考 えた。 ウォーバー トンは流通速度の下落は,10年 か ら15年後にな り,貨 幣供給は生産量の成長率 と流通速度の下落率 の両方 を相殺す るのに十分 な率 で成長せ ねばならない と考 えている。成長経済では,交 換方程式は, ( [ ( 1 + グ) ( 1 + ブ) ] t 効何t)([1/(1+ブ) t ] 貿/ t ) = P ′t [ ( 1 + ″) t O ′t ] ( 8 ) ( 但し,ガ:生産量の トレン ドの成長率,ブ:流通速度の トレン ドの下落率,〃 ′し R ′け P′し お よび c′ti交 換方程式の各項 目の指数 とそれ らの値 に比率 であ る)と 表 され, トレン ドを除去 (グ= ブ= 0 ) す れば,所 得速度型の交換方程式, %鳥 =Pta=互 (9) を得 る。 ウォーバー トンは,こ の ような貨幣数量式の定式化 に基づ いて実証研究 を進 め,次 の ような結論 に達 した。 (1)散 漫 な貨幣供給は経済活動の下落の主要 な要 因,つ ま り,そ の トレン ド の成長率か らの貨幣供給のかな りの乖離が経済活動の続いて起 る下落の主 要 な要 因であ る。 さらに,正 常 な成長率の トレン ドか らの貨幣ス トックの 乖離が大 きければ,そ れだけ不況の長 さと厳 しさが大 きくなる。 (2)流 通速度の下落は景気の下落 を激 しくす る第二の要 因であるが,景 気の 下落 を生 じる要 因ではない。流通速度は外生変数 であ り,そ の動 きは貨幣 ス トックの先行的変化 に依存す る。 O)貨 幣ス トックは銀行 の顧客 の行動によってではな く,銀 行準備のアヴェ イラビ リティーによって決定 され る。準備量 と預金量の関係 は強い。貨幣 数量は銀行準備 に影響 を及ぼす中央銀行 の政策によって支配 され る。結局, 連邦準備制度の行動が貨幣供給の変化の主な原因である。 I H 貨 幣供給 と景気変動 ゴー ドンは 「最近 のア メ リカの論者の中で, クラー ク ・ウォーバー トンは, 8)ウ ォーバー トン 〔1966〕,p.154。

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ウォーバー トンの貨幣経済論と現代マネタリズム 25 の 厳密 に貨幣的景気変動論 を最 も断固に保持 した人である」 と述べ ているが,こ の ように評 され るウォーバー トンの貨幣 と景気変動の関係についての研究 を考 祭 して行 く。 ウォーバー トンは実証的にデー タを分析 し,「 散漫 な貨幣供給が景気後退 島 生 じる主な原因であるが,厳 しい不況時に,単 に不況 を激化す る力ではない」 こ とを強調 した。 ウォーバー トンはこの見解 によって,伝 統的な貨幣的不均衡 論 に留意 しないケインジアンを批判 し続けた。伝統的な経済学者は貨幣的携乱 の重要性,特 に景気変動の主な原因 として,銀 行部 門に生 じる貨幣的攪乱の重 要性 を理解 していた。 しか し,20世 紀の第 2四 半期 (1925-1950年)に は貨幣 数量 と流通速度の変化,銀 行準備 お よび金融政策の役割は無視 されていた。 ウ ォーバー トンはこの ように無視 されていた事柄 を挽 回す る努力 を行 った。 ウォーバー トンは1918年か ら1947年の四半期デー タの トレン ドか らのHTL離を 使 って,銀 行準備 と貨幣数量の トレン ドか らの負のHTL離は,最 終生産物の販売 量の転換″点に先行 し,最 初 に販売量,次 に物価,最 後に貨幣の流通速度に先行 す るこ とを見つけ,20年 後 に近似的に,1965年 まで時系列 を延長 した。有効需 要 の二つの尺度 (最終生産物への総支 出 と国民総生産)と貨幣の二つの尺度 (払 と%2)を 使 って,貨 幣の トレン ドか らのHfL離は一般的に景気の転換点に先行 し,一 方,流 通速度の トレン ドか らの乖離は一般的にその後 を追 うことを見つ けた。 ウォーバー トンの研究の特徴 は総支 出の変化が分解 されて物価の変化 と生産 量の変化 になるとい うタイ ミングの説明にある。総支 出の減少 (増加)の 最初 の影響が生産量に及ぶ。 ウォーバー トンはその理由 を次の ように述べ ている。 「一般的に市場価格は販売者によって決め られると仮定できよう。それゆえ, 支 出の減少は, まず初めに当該価格 で購入 され る財 の量に影響 を及ぼす もの と 9)ゴ ー ドン [1952),p.318。 10)ボ ル ドー=シ ユワル ツ 〔1979〕,pp.44-7,小 村 〔1962〕,20-4ペ ー ジ,桜 井 〔1954〕, 69 70ペ ージ,安 部 〔1994b〕,27-30ペ ージ。 11)ウ ォーバー トン 〔1966〕,p.9。

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26 玉 木果乗教授退官記念論文集 (第311号) 予想 され る。 つ ま り,財 が提供 され,販 売 され る時″点での物イ面の下 落が,在 庫 の蓄積 と新 しい注文 の受 け取 りの遅 れの結果,生 じるこ とに な る」か らであ る。 また,ウ ォーバー トンは,ケ インジア ンの景気変動 につ いての考 え を批判 し て い る。 ケ インジア ンは景気変動 を引 き起 す基本 的 な要 因 として,貯 蓄―投資 関係 の不 調整 を強調 した こ とを取 り上 げ,近 年 の経 済 の不安 定 のか な り有 力 な 要 因 として,貨 幣数 量 の散漫 な変化 を無視 して きた こ とを批判 してい る。 ウォ ーバー トンは,ケ インジア ンの心理 的要 因 (流動性選好,消 費性 向お よび資本 の限界効率 )と 貨幣数 量 の循環 的行動 を1919年か ら1945年にわたって比較 した。 流動性選 好 にか わ る もの は,個 人 と企業 が保 有 す る現金残 高 と最終 生産物へ の 支 出の比率 (ケンブ リッジの 力)で あ った。 その トレン ドか らの ケ ンブ リッジ の 力の乖離 は,貨 幣数 量 の乖離 の逆 に動 き,こ の動 きに従 う傾 向が あ る とい う実証研究に よって,次 の ような結論 に達 した。 (1)流 動性選好は,本 質的に正常 な拡張率か らの貨幣数量の乖離の関数 であ り,そ れゆえ,ケ インジアン ・タイプの分析 で使用 され る方程式体系で独 立変数 よ りも独立 していない変数 とみなされ るべ きである。 (2)流 動性選好の変化 は,不 況 を引 き起 こす要 因よ りもむ しろ,強 め る要 因 としてみなされ るべ きであ る。 続 いて,ウ ォーバー トンは 「消費性向の変動の大 きさは,貨 幣数量の変動の 大 きさに比べ て小 さいように思 う」いと述べ,そ の変動は景気調整的であ り,重 要 な景気循環の要 因 とはな らなか った。資本の限界効率 のかわ りに生産的用途 に使 われ る企業の証券発行額 を調べてみ ると,そ れは貨幣数量の動 きに遅れ る 傾 向にあった。 そ して 「新資本の予想収益率 (限界効率)に ついての企業の予 想は,す ぐ前の経験に よって支配 され,そ れは景気変動 を引 き起す よ りも強め る要 因 とみなすべ きである」 と結んでいる。 12)ウ ォーバー トン 13)ウ ォーバー トン 14)ウ ォーバー トン 15)ウ ォーバー トン 16)ウ ォーバー トン 〔1966〕, p.188。 〔1966), p.73。 〔1966〕, pp.79--80。 〔1966〕, p.80。 〔1966),p.81(但し,括 孤内の補遺は安部による)。

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ウォーバートンの貨幣経済論と現代マネタリズム 27 さ らに,ウ ォーバー トンは,19世 紀 の第 3四 半期 (1851-1875年)か ら1914 年 の連 邦準備制度 設立 まで,貨 幣 的攪 乱 は外部 的 な力 (国際通貨基準 の 回守) に よって生 じ,循 環 的変動 の責任 を担 う銀行制度 に よ り激化 され た こ とを論証 した。 また,1914年 以降,景 気調整 的 な金 融政策 は景気変動 を悪化 させ る傾 向 にあ り,1929年 か ら1933年までの大収縮 お よび1937年か ら1938年までの景 気後 退 を引 き起 した政策 の誤 りを主 な例 として引用 し,論 じたの であ る。 ウォーバー トンの景気変動論の特徴 は次の ように要約 で きるであろう。 (1)ケ インズ理論 に対 し,フ ィッシャーの交換方程式 を指数型式に修正 したウ ォーバー トン独 自の所得方程式 に統計デー タを当てはめ,伝 統的な貨幣 を中 軸 に した景気変動論 (いわゆる,貨 幣的景気変動論)を 復活す る意図 を持 っ ている。 (2)散 漫 な貨幣供給 (貨幣的不安定性)が 景気変動 を生 じる原因 となる。 (鋤 景 気変動 の原因は,銀 行準備 によって貨幣供給が適正水準か ら乖離 し,流 通速度の変化 は,景 気変動 を促進す る要 因 となる。 に)適 正 な貨幣供給 とは,人 ロー人当 りの生産性の増加 と貨幣使用率 (流通速 度)の 下落に釣 り合 って不断に増加す る貨幣供給である。 (5)貨 幣供給の不安定 な変化が有効需要,生 産量,物 価水準お よび利子率 に対 し,支 配的に影響 し,そ れゆえ,経 済活動水準の変動 (景気変動)の 主な原 因であ る。 IV 現 代マネタ リズムヘの貢献 ウォーバー トンの現代マネタ リズムヘの貢献は,ほ ぼ,次 のようにまとめ る こ とがで きるだろ う。 (1)競 争理論 において実証的検証 の重要性 を強調 したこと。 ウォーバー トンの方法論は,極 めて帰納的であ り,彼 のマネタ リス ト的な 17)小 村 (1962〕,20-4ペ ー ジ,桜 井 〔1954〕, 1 8 ) カー ギル 〔1 9 7 9 〕, p p . 4 3 4 - 4 3 , カー ギル 67′ミーーSノ。 〔1981), pp.91--2, 老子音B〔1994c〕, 1--7ペ

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28 玉 木果乗教授退官記念論文集 (第311号) 説 明 は銀行 準備 ,流 通速度,利 子率 お よび経済活動 の変化 に関す るデー タの 詳細 な分 析 に基づ いて行 われ て い る。 ウォーバー トンは実証的検証 によって マ ネ タ リス ト的 な説明 を行 ったが,1920年 代 は じめ 頃は経済活動 の大 きな変 化 は非貨幣 的要 因に よる もの と考 えて いた。彼 がマネ タ リス ト的 な説明 を行 ったの は,FDICで の一部 の研 究 として,貨 幣,銀 行 倒産 と景 気循 環 の関係 につ いて級 密 な研 究 を行 い始め た後 であ る。彼 は 多 くの論文 で,そ れ らの仮 説 を検 証 可能 な形態 に加工 し,考 祭 が よ り現実 に近 くな るよ うにす るため に, 綿密 に,か つ詳細 に実証研 究 を行 うこ とに挑戦 し続け たのであ る。彼 には, 貨幣供 給 の変化 と経済活動 の関係 につ いて検 証 が あ るのに も拘 らず,な ぜ 非 貨幣 的 な説 明が行 われ るのか,理 解 で きなか った。 修)経 済活動 にお いて大 きな変動 を生ぜ しめ る必要 かつ 十分 条件 として貨幣供 給 の変動 を取 り上 げ た こ と。 フ リー ドマ ン=シ ュ ワル ツは貨幣供 給 (フ%2)の 変化 は,経 済 活動 の大 き な変化 は経済活動 の大 きな変化 を生 じる必要 かつ十分 な条件 であ る と考 えい る。貨幣 的 な力が恐 ら く何 らか の役害Jを演 じるが,経 済活動 におけ る小 さな 変化 の原 因は明 らか では ない。 経 済活動 の小 さな問題 を解 決 す るの には十分 詳細 にデー タが本U用 されね ば な らなか った。 同 じ結論 が殆 ど同 じタイプの検 証 に基づ いて ウォーバ ー トンに よって得 られ た。 彼 の統 計 的検 証 は貨幣供 給 と流 通 速 度 の トレ ン ドか らの 乖 離 と NBER(全 米 経 済 研 究 所 )の 基 準 点 (reference point)に よって測定 され た一般的 な景気の変化 とを比較 して得 られ た。 また,因 果関係 を推論 す るのに使 用 で きる時期 的関係 を正確 にす る ため 1年 以内の期 間でデー タを試す必要があることを強調 した。1918年か ら 1950年までの四半期 デー タをまとめた大規模 な実証研究 を基礎 に,有 効銀行 準備,国 内の貨幣供給お よび流通速度のそれぞれの トレン ドか らの乖離の十 分 かつ,時 期的な関係 と景気循環の転換点 を比較 し,銀 行準備 と貨幣供給の 頂上 (peak)と 底 (trOugh)は景気循環 の頂上 と底 に先行 し,貨 幣 の回転 1 9 ) 「加盟銀行準備金 を法定 ( 必要) 準 備率で調整 した有効銀行準備金」 と簡潔に定義でき るであろう」( 桜井 〔1 9 5 4 〕, 6 8 ペ ージ) 。

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ウォーバートンの貨幣経済論と現代マネタリズム 29 (流通)速 度 は遅行す るこ とを検証 した。 この ように貨幣供給の変化 の程度 と経済活動の変化の程度には密接 な関係があることを強調 した。 (3)ク ラウデ ィング ・アウ ト仮説 を主張 したこと。 ケインジアンとマネタ リス トの論争で両者 を区別す る要素 は,貨 幣供給の 変化 に対応 しない財政政策の有効性 の相異についてである。若子の クラウデ ィング ・アウ ト効果はケインジアンによって も認め られ るが,マ ネタ リス ト は純粋 な財政政策の クラウデ ィング ・アウ ト効果は完全 なもの と認めている。 ウォーバー トンは貨幣供給の変化が伴 わないならば財政政策は経済 を刺激す るのに有効 ではないことを強調 した。 “)大 不況におけ る貨幣の役割 と連邦準備制度の金融政策について批判 を行 っ たこ と。 ウォーバー トンは因果関係 を推論す るために,統 計分析 を使用す る際に付 随す る問題″点を知 っていた。実際,彼 は貨幣供給の変化 を生ぜ しめ る力 を確 定す るためには歴史的見地か ら経済活動 の大 きな変化 を綿密にみ る必要があ るこ とを強調 した。 ウォーバー トンは長期 にわたる経済活動の大 きな変化 に つ いてこの ような研究 を行 い,貨 幣供給のかな りの変化はそれ 自身が既存の 景況 を容易 に説明で きないような外生的な事柄 に常 に跡づ け られると論 じて いる。連邦準備制度設立後,貨 幣供給の変化の主な原因はかな り容易に見分 け られ るようになった。 そのかな りの変化 は連邦準備制度の政策によるもの であった。 大不況時の貨幣 と金融政策の役割につ いてのウォーバー トンの説明は次の ようになっている。 ① 統 計データは,貨 幣が大収縮の説明から省かれないことを物語っている。 1920年代後半の好況から大収縮 までの期間を見れば,経 済活動が下方転換 する数四半期前に,銀 行準備 と貨幣が長期の トレン ドから下落 している。 ② 連 邦準備制度は投機的な株式市場への過剰な対応 として引き締め政策を 行い,大 不況の際に銀行準備 と貨幣供給の下落を逆転させ るために十分な 力を持っていた。 しか し,対 応が不十分で貨幣供給のかなりの減少 と経済

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「 30 玉 木果乗教授退官記念論文集 (第311号) 活 動 の確 実 な低 下 に は連 邦 準 備 制 度 当局 に責 任 が あ る。 ③ 1934年 以降,銀 行 に保有 された大量の超過準備 は法的な意味でのみ,超 過 してお り,1934年 か ら1940年の期 間は銀行が準備ベー ス と調和す るよう に預金 を拡張 しなか った数少ない期間 を表 していた。 ④ 貨 幣供給の極端 に急速 な減少 と経済活動の低下 を証明す る1937年の収縮 は 6ヵ 月にわたつて必要準備 を二倍 に した連邦準備制度の行動の直接的な 結果 であつた。連邦準備制度は超過準備 の原因につ いての解釈 を誤 り,か な り高い必要準備 に見合 うようにニュー ヨー クの大 きな銀行の現金残高が 引 き出されていったのであるが,こ の ような必要準備 の変化がいかに地域 的に影響 を及ぼすかにつ いて誤算 したのである。 (5)経 済におけ る力が長期 にわたつて経済の実態 を満足 した水準にす ることを 確信 してい るこ と。 マネタ リス トとケインジアンの主な見解 の相異は,政 府が積極的に安定化 政策 を行 わな くて も経済が完全雇用の生産量水準に近 くなるように作用す る 市場志 向の システムの能力に関す るものである。 自然失業率仮説や それに似 た考 えは現代 のマネタ リス トの思想に重要 な役 割 を演 じ,ウ ォーバー トンの貨幣経済論のフレームワー クの重要な部分 で も あ る。彼 は,経 済 システム を本質的には安定的であ り,長 期的には完全雇用 または,そ れに近 い経済活動水準 を生 じるもの と見ている。潜在的な完全雇 用水準にそって恒常的に成長す る実際の生産量に対 して必要 なことは,時 の 経過 とともに実質所得が拡張す るにつれて経済の成長す る程度 に見合 うよう に, また,貨 幣需要 (流通速度)の 長期的変化 に見合 うように適切 に貨幣供 給の成長 を行 わせ るこ とである。貨幣成長の大 きな離反や トレン ドか らの乖 離 は実質生産量や物イ面水準の変化 を生ず るのである。 に)貨 幣供給の変化 と経済活動 の間の トランス ミッシ ョン・プロセスを取 り上 げたこ と。 ケインジアン とマネタ リス トの主要 な技術的相異は貨幣供給の変化が経済 活動 に影響す る経路 (channel)に関す るものであ る。ケインジアンはまず,

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ウォーバートンの貨幣経済論と現代マネタリズム 31 貨幣が金融 システム を通 じて利子率 と信用のアヴェイラビ リティーに働 くプ ロセスを強調 した。 これ らが総支 出の種々な構成要素への影響 を通 じて経済 活動全体 に影響 を及ぼす。マネタ リス トは,問 接的なメカニズム と違 って貨 幣供給の変化が安定的な貨幣需要関数 に基づ いて経済全体 に直接的効果が及 ぶ こ とを強調す る。 ウォーバー トンはこの相異 を認め,貨 幣供給の直接的効 果 を強調 した。 ウォーバー トンは,フ ィッシャーのメカニズムを本質的に取 り入れ,経 済 が長期 トレン ドか らの貨幣供給の大 きな乖離 をどのように調整す るか とい う 不均衡過程 を説明 した。 この過程 は短期 におけ る硬 直的な価格,特 に,貨 幣 賃金率お よび長期 におけ る伸縮的な価格 と貨幣賃金率の仮定に依存 している。 貨幣供給の適切 な長期 的 トレン ドか らの乖離が支 出の変化 を引 き起 し,企 業 と消費者の貨幣保有の不均衡 を生ぜ しめ る。支 出の変化 は価格の変化 を引 き 起す。賃金の遅れの考 えに基づ いて企業利潤がそれによって影響 され,企 業 の投資の変化 と総支 出の変化 を生ぜ しめ ると考 えている。 (7)金 融政策の指標 に利子率 をとるこ とを批判 したこ と。 ウォーバー トンは金融政策の指標 として,連 邦準備制度が利子率 を強調す るこ とにつ いて批判 した。 この批判には,次 の ような二つの理 由がある。 ① 利 子率 は経済におけ る最 も生産的な要素 に貯蓄 を配分す ることに よって 市場 システムに重要 な役割 を演 じている。伸縮的な利子率 に干渉 しようと す るこ とは,貯 蓄,投 資お よび資本蓄積 に干渉す ることになるだろ う。 ② 貨 幣供給は経済活動 を決定す る際に重要 な役割 を演 じること, また,利 子率 目標 を達成 しようとす る試みは必然的に貨幣供給 をます ます不安定に させ るこ と, を実証的に示 して きたのである。貨幣供給が不安定になれば, 経済活動 も不安定 になるだろう。 ウォーバー トンによれば,連 邦準備制度 とケインジアンが利子率 を強調 す るこ とは,金 融政策の現実的な本質について混乱 を引 き起 して きたので あ る。 18)経 済成長 におけ る金融政策 として貨幣成長 ルールを主張 したこと。

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32 玉 木果乗教授退官記念論文集 (第311号) ウォーバー トンは裁 量的 な金 融政策 は貨幣成長 ルー ルに とってか え られ る べ きであ る と論 じてい る。 この見解 は次 の要 因に基づ いてい る。

① 市 場システムの長期成長経路は完全雇用かそれに近いものである。

② 長 期の均衡経路からの生産量の大きな乖離を示した実証は貨幣供給の大

きなJTL離に よるものであった。 ③ 長 期 トレン ドか らの貨幣供給の大 きな乖離 は種々な形の外生的な力,つ ま り,常 に政策の結果に跡づ け られ る。連邦準備制度設立以来,貨 幣供給 の散漫 な行動 は連邦準備制度の政策 を見れば明 らかである。 ウォーバー ト ンは,過 去の実質生産量の成長 と流通速度の長期下落 を基に 4-5%の 貨 幣成長ルールが長期 の完全雇用におけ る安定的な物価水準 を維持す るのに 適切 であると論 じている。 (9)運 邦準備制度 を批判 したこ と。 ウォーバー トンの研究では連邦準備制度は,特 に,1920年 代後半お よび19 30年代初期 に金融政策に立案 と実施の際に重大な誤 りを犯 した と論 じている。 注 目すべ き多 くの批判があるが,主 な批判は次の ようになるだろ う。 ① 金 融政策が どの ように操作 され るか とい う首尾一貫 した理論的見解 を展 開す るのに連邦準備制度は失敗 している。 また,連 邦準備制度 は金融政策 が どの ように経済活動に影響す るか とい う考 えを支持す るために,貨 幣 と 経済活動 の関係 につ いて大規模 な統計的分析 を行 っていない。 ② 連 邦準備法 では,曖 味 な言葉で,で た らめな方法 で金融政策の 目標 を設 定 してい る。 ③ 連 邦準備制度 は物価安定 と完全雇用 に両立す る成長経路か らの貨幣供給 の大 きな揺れ幅に対 して責任 を負 うべ きである。貨幣供給の不安定性 は一 部 には利子率 を操 るような金融政策に よるものであ り, また,金 融政策が 実際に どの ように機能す るか を決定す るための詳細な統計的研究 を行 うの に失敗 している。 以上の ようにウォーバー トンは九つの事柄 に よって現代マネ タ リズムヘ の貢 献 を行 ってい る。

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ウォーバートンの貨幣経済論と現代マネタリズム V “ パイオニア ・マネタリス ト" と しての評価 一 むすびにかえて一 ゥォーバー トンの主な貢献は,貨 幣的需要 に関す る研究が殆 ど瀕死の状態で あった時期 に貨幣数量説に基づ いて貨幣経済論 に新 しい生命 を蘇 らせ たことで ある。 ウォーバー トンの貨幣経済論に対す る評価は,少 な くとも次の事柄にま とめ られ るであろ う。 (1)貨 幣的不均衡論 を復活 させ たこ と。 修)現 代 のマネ タ リス トに先ん じて,貨 幣数量説 を再述 したこ と。 ●)赤 字支 出の理論 を主張す るケインジアンに挑戦 したこ と。 “)合 衆国貨幣史において金融政策が有益 な役割 を果 た したこ とを示 したこと。 (動 裁 量的政策の欠点 を説明す るために,貨 幣の定常的成長率,貨 幣的ルール を早 くか ら強 く主張 していたこ と。 以上 の事柄 か ら「`貨幣 は重要 である' とい う事例 を早 くか ら究 して きたウ ォーバー トンに “パ イオニア ・マネタリス ト"の 名称 を与 える」 ことがで きる であろう。 参 照 文 献

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