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キイカブリダニバンカーの開発

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Academic year: 2021

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放飼,定着させた後にキイカブリダニを放飼した。オオ ムギバンカーでは 6 月下旬から出穂し,7 月中旬に枯死 したためキイカブリダニをバンカー上で 1 か月間しか発 生させることができなかった(図― 1,2)。しかし,オ オムギが枯死しはじめたころからキイカブリダニのパプ リカへの移動が確認された。一方,ハダカムギは出穂, 枯死せず,低密度ながら栽培終期までバンカー上でキイ カブリダニを維持することが可能であった(図― 1)。し かし,パプリカへのキイカブリダニの移動が確認できな かった。これらの結果からオオムギがバンカー植物とし て適すると考えられた。 2 バンカーの必要数,設置位置 オオムギバンカーから作物への移動を 2 圃場で調査し たところ,キイカブリダニは約 3 ∼ 4 週間で 8 ∼ 10 m 程度移動することが確認された。この移動範囲から判断 すると,バンカーの設置箇所数はハウスの形状によって も異なるが,10 a 当たり 10 ∼ 15 箇所必要と推察された。 なお,これまでの試験事例から判断すると,オオムギの 播種は定植と同時期に行い,播種量は 10 ∼ 20 ml で 2 m の長さで条播きとする。また,バンカーの設置場所 は作業上支障のないハウスサイド際などがよいと考えら れた。 II キイカブリダニバンカーを利用した害虫防除 1 試験区の設定 高知県農業技術センター山間試験室の雨よけパプリカ 2 圃場(定植:2009 年 4 月 24 日,面積:1 a)にキイカ ブリダニのバンカー区と薬剤防除区を設置した(図― 3)。 バンカー区にはオオムギバンカー(播種: 4 月 28 日, 播種量 20 ml/2 m の条播き)を 4 箇所に設置し,クサキ イロアザミウマを 5 月 21 日,6 月 4 日にそれぞれ 100 頭/バンカー,キイカブリダニを 6 月 23 日に 20 頭/バ ンカー放飼した。定植時の粒剤処理は行わず,それ以降 は害虫の発生に応じて天敵類に影響の少ない選択性殺虫 剤および天敵製剤を用いた。また,6 月 1 日より黄色蛍 光灯を点灯した。薬剤防除区では定植時にチアメトキサ ム粒剤を 1 g/株処理し,害虫の発生に応じて殺虫剤の 散布を行った。 は じ め に 高知県の中山間雨よけ栽培地域ではアザミウマ類の防 除対策としてタイリクヒメハナカメムシの利用が試みら れているが,平坦部の促成栽培地域と比べ防除効果が不 安定なことが指摘されている。一方,土着のカブリダニ 類などが圃場内でよく観察されることから,タイリクヒ メハナカメムシと併用できるこれら天敵類の有効活用が 求 め ら れ て い る 。 在 来 天 敵 で あ る キ イ カ ブ リ ダ ニ Gynaeseius liturivorus は既知のカブリダニ類のなかでア ザミウマ類に対する天敵としての能力が高いものの,花 粉のみを代替鎭として果菜類に長期間定着することが難 しいことが明らかにされている(古味,2009)。また, 本種はハダニ類に対する捕食性はないものの,コナジラ ミ類に対する捕食性が確認されており,アザミウマ類と の同時防除も期待されている。そこで,中山間部の雨よ け栽培地帯を対象としたキイカブリダニのバンカー利用 技術の開発および本バンカーを組合せた総合的な害虫防 除技術の有効性について検討した。 I バンカーの開発 1 バンカーに適した植物の検討 これまでに,キイカブリダニの代替鎭として,イネ科 植物に寄生する(梅谷ら,1988)がナス,ピーマン等果 菜類には無害であるクサキイロアザミウマ Anaphothrips obscurus を見いだしている。また,予備試験においてソ ルガム,陸稲,ハトムギ,コムギ,ハダカムギ,オオム ギにクサキイロアザミウマを放飼したところ,ハダカム ギ,オオムギでの定着性がよいことを確認している(古 味,私信)。そこで,雨よけピーマン圃場にハダカムギ, オオムギバンカーを設置し,クサキイロアザミウマ,キ イカブリダニを放飼した後のバンカー上での増殖,キイ カブリダニのピーマンへの移動性について検討した。 4 月下旬に定植した雨よけパプリカ圃場にオオムギ, ハダカムギバンカーを設置し,クサキイロアザミウマを

Development of the Banker Plant System for Gynaeseius liturivorusin Japan. By Kazuhiro KOMI

(キーワード:キイカブリダニ,クサキイロアザミウマ,バンカ ー,雨よけ栽培,アザミウマ類)

キイカブリダニバンカーの開発

かず

ひろ 高知県農業振興部環境農業推進課 ミニ特集:バンカー法の研究開発の現状と将来展望

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3 結果 ( 1 ) バンカーにおけるキイカブリダニの増殖 キイカブリダニは放飼後すぐに密度が高まり,7 月上 旬にピークとなったがクサキイロアザミウマと同様その 後の密度は減少した。バンカー当たりのキイカブリダニ 総個体数は 7 月上旬に放飼した個体数の 100 倍,約 2,000 頭に達したが,7 月下旬にはオオムギが枯死した ためその後の発生は見られなくなった(図― 4)。 ( 2 ) アザミウマ類に対する防除効果 バンカー区の葉におけるアザミウマ類(ネギアザミウ マ主体)の密度は 7 月上旬から下旬に高まったが,バン カーにより導入されたキイカブリダニ(目視により確認) により低密度に抑えられた。8 月中旬以降は,調査終了 2 調査方法 オオムギバンカー 2 箇所について 10 葉/1 箇所に発生 するクサキイロアザミウマ成・幼虫数,キイカブリダニ 成・若・幼虫数を 6 月 2 日から 7 月 28 日までおおむね 10 日ごとに調査するとともに,単位面積当たりのオオ ムギ茎数,葉数を計数し,バンカー当たりのクサキイロ アザミウマ,キイカブリダニの総個体数を算出した。ま た,5 月 13 日から 11 月 17 日までおおむね 10 日間隔で, 各区任意の 20 株について株当たり 4 葉,2 花を選び, 害虫類とその天敵類の発生状況を調査した。なお,8 月 24 日,9 月 14 日,10 月 2 日,22 日,11 月 17 日の調査 時にはパプリカ葉からカブリダニ類を採集してプレパラ ート標本を作製し,種構成を調べた。 頭 数\ 葉 オオムギ ハダカムギ 12 10 8 6 4 2 0 12 10 8 6 4 2 0 クサキイロ成虫 クサキイロ幼虫 キイカブリダニ成若幼 5/31 6/7 6/14 6/21 6/28 7/5 7/12 5/31 6/14 6/28 7/12 7/26 8/9 8/23 9/6 9/20 10/4 10/18 11/1 図 −1 バンカーにおけるクサキイロアザミウマ,キイカブリダニの発生推移 (出穂 播種 68 日後;7 月 3 日) (枯死 播種 82 日後;7 月 17 日) 図 −2 オオムギバンカーの出穂状況

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( 3 ) タバココナジラミに対する防除効果 バンカー区におけるタバココナジラミの発生は 7 月中 旬から認められたが,バンカーにより導入されたキイカ ブリダニにより調査終了時まで 0.5 頭/葉以下と低密度 で推移した(図― 6)。 薬剤防除区におけるコナジラミ類の発生は 6 月下旬か 時までカブリダニ類が 0.3 ∼ 1.0 頭/葉の範囲で発生し たためアザミウマ類は低密度に抑えられた。カブリダニ 類の種構成を見ると,8 月 24 日の調査ではキイカブリ ダニが 82%であったが,その後は 33 ∼ 55%と放飼した ミヤコカブリダニや土着のニセラーゴカブリダニの割合 が高まった(表― 1)。バンカー区の花におけるアザミウ マ類の発生はほとんど見られなかった。なお,アカメガ シワクダアザミウマの発生が,7 月下旬,8 月下旬, 10 月  上旬に認められた(図― 5)。 薬剤防除区の葉におけるアザミウマ類(ネギアザミウ マ主体)の密度はバンカー区と同時期に高まったが,5 薬剤の散布により低密度に抑えられた。薬剤防除区の花 におけるアザミウマ類の発生は 10 月上旬まではほとん ど見られなかったが,10 月下旬にヒラズハナアザミウ マが発生し,密度が高まった(図― 5)。薬剤防除区では 土着天敵の発生はほとんど認められなかった。 換気扇 バ ン カ ー バ ン カ ー 黄 色 灯 黄 色 灯 出入口 側 窓   ネ ッ ト 1.8 m 換気扇 出入口 側 窓   ネ ッ ト 1.8 m 16.5 m 図 −3 試験区の配置 注)左:バンカー区,右:薬剤防除区,各区とも 1 a. クサキイロ成虫 クサキイロ幼虫 キイカブリダニ成若幼 虫 数\ バ ン カ ー ︵ 2 m ︶ 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 クサキイロ 放飼 5/21 クサキイロ 放飼 6/4 キイ放飼 6/23 図 −4 バンカーにおけるクサキイロアザミウマおよびキイカブリダニの推定総 個体数(2009) 表 −1 パプリカで採集したカブリダニの種構成(2009) 注)( )内は種構成割合%. 調査日 キイカブリ ダニ ミヤコカブリ ダニ ニセラーゴカブリ ダニ 8 月 24 日 9 月 14 日 10 月 2 日 10 月 22 日 11 月 17 日 14(82) 06(33) 08(50) 06(55) 03(38) 2(12) 6(33) 3(19) 1(9) 3(38) 1(6) 6(33) 5(31) 4(36) 2(25)

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低密度で推移した。カブリダニ類の密度は 8 月下旬から 高まり,調査終了時まで 0.3 ∼ 1.0 頭/葉の範囲で推移 した(図― 7)。また,カブリダニの種構成を見ると,ミ ヤコカブリダニは 9 ∼ 38%の範囲で調査終了時まで圃 場内で確認された(表― 1)。なお,ハダニバエ,ハダニ アザミウマ等の土着天敵の発生はほとんど認められなか った。 ら見られはじめ,7 月下旬,8 月下旬,9 月下旬,10 月 下旬の密度上昇期に殺虫剤の散布を行ったものの,1.4 ∼ 11.8 頭/葉の範囲で増減を繰り返した(図― 6)。 ( 4 ) ハダニ類に対する防除効果 バンカー区では 6 月中旬からハダニ類の発生が見られ たため,7 月 7 日にミヤコカブリダニ剤(スパイカル EX)を放飼した。その後,調査終了時までハダニ類は アザミウマ類 ハナカメムシ類 アカメガシワクダアザミウマ カブリダニ類 ア ザ ミ ウ マ 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 天 敵 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 総合防除区(葉) 6/11 ① 7/7 ミヤコカ ブリダニ 7/17 ② 8/21 ② 10/13 ① アザミウマ類 ハナカメムシ類 アカメガシワクダアザミウマ カブリダニ類 ア ザ ミ ウ マ 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 花 ︶ 天 敵 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 花 ︶ 10 8 6 4 2 0 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 総合防除区(花) 6/11 ① 7/7 ミヤコカ ブリダニ 7/17 ② 8/21 ② 10/13 ① アザミウマ類 ハナカメムシ類 アカメガシワクダアザミウマ カブリダニ類 ア ザ ミ ウ マ 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 花 ︶ 天 敵 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 花 ︶ 10 8 6 4 2 0 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 薬剤防除区(花) アザミウマ類 ハナカメムシ類 アカメガシワクダアザミウマ カブリダニ類 ア ザ ミ ウ マ 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 天 敵 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 薬剤防除区(葉) 6/11 ① 6/5 ③ 7/17 ④ 7/30 ③⑤ 8/25 ⑥ 9/18 ⑤ 10/1 ⑦ 10/23 ⑥ 6/11 ① 6/5 ③ 7/17 ④ 7/30 ③⑤ 8/25 ⑥ 9/18 ⑤ 10/1 ⑦ 10/23 ⑥ 図 −5 アザミウマ類に対する防除効果(2009) 注 1)カブリダニ類には中気門ダニ類を含む. 2)▼はアザミウマ類に効果のある殺虫剤散布を,▽はその他の害虫に対する殺虫剤の散布を示す. ①:ピメトロジン水和剤,②:Bt 水和剤(ゼンターリ顆粒水和剤),③:アクリナトリン水和剤,④:フェンピロキシメート 水和剤,⑤:ジノテフラン水溶剤,⑥:ピリダベン水和剤,⑦:ニテンピラム水溶剤. 10/23 ⑥ コ ナ ジ ラ ミ 類 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 天 敵 類 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ コナジラミ類 マミー カブリダニ類 6/11 ① 7/7 ミヤコカブリ ダニ 7/17 ② 8/21 ② 10/13 ① 総合防除区(葉) ナ ジ ラ ミ 類 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 天 敵 類 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ コナジラミ類 マミー カブリダニ類 薬剤防除区(葉) 6/5 ③ 6/11 ① 7/17 ④ 7/30 ③⑤ 8/25 ⑥ 9/18 ⑤ 10/1 ⑦ 図 −6 コナジラミ類に対する防除効果(2009) 注 1)カブリダニ類には中気門ダニ類を含む. 2)▼はコナジラミ類に効果のある殺虫剤散布を,▽はその他の害虫に対する殺虫剤の散布を示す. ①:ピメトロジン水和剤,②:Bt 水和剤(ゼンターリ顆粒水和剤),③:アクリナトリン水和剤,④:フェンピロキシメート 水和剤,⑤:ジノテフラン水溶剤,⑥:ピリダベン水和剤,⑦:ニテンピラム水溶剤.

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10/23 ⑥ ハ ダ ニ 類 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 0 2 4 6 8 10 12 14 16 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 天 敵 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ ハダニ類 カブリダニ類 ハダニバエ 6/11 ① 7/7 ミヤコカブ リダニ 7/17 ② 8/21 ② 10/13 ① 総合防除区(葉) ハ ダ ニ 類 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 0 2 4 6 8 10 12 14 16 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 天 敵 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ ハダニ類 カブリダニ類 ハダニバエ 薬剤防除区(葉) 6/5 ③ 6/11 ① 7/17 ④ 7/30 ③⑤ 8/25 ⑥ 9/18 ⑤ 10/1 ⑦ 図 −7 各区におけるハダニ類および天敵類の発生推移(2009) 注)▼はハダニ類に効果のある殺虫剤散布を,▽はその他の害虫に対する殺虫剤の散布を示す. ①:ピメトロジン水和剤,②:Bt 水和剤(ゼンターリ顆粒水和剤),③:アクリナトリン水和剤,④:フェンピロキシメート 水和剤,⑤:ジノテフラン水溶剤,⑥:ピリダベン水和剤,⑦:ニテンピラム水溶剤. アブラムシ類 マミー テントウムシ類 ショクガタマバエ 30 25 20 15 10 5 0 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 ア ブ ラ ム シ 類 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 天 敵 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 総合防除区(葉) 6/11 ① 7/17 ② 7/7 ミヤコカブ リダニ 8/21 ② 10/13 ① アブラムシ類 マミー テントウムシ類 ショクガタマバエ 30 25 20 15 10 5 0 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 ア ブ ラ ム シ 類 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 天 敵 類 成 幼 虫 密 度 ︵ 頭\ 葉 ︶ 薬剤防除区(葉) 6/5 ③ 6/11 ① 7/17 ④ 7/30 ③⑤ 8/25 ⑥ 9/18 ⑤ 10/1 ⑦ 10/23 ⑥ 図 −8 各区におけるアブラムシ類および天敵類の発生推移 注)▼はアブラムシ類に効果のある殺虫剤散布を,▽はその他の害虫に対する殺虫剤の散布 を示す. ①:ピメトロジン水和剤,②:Bt 水和剤(ゼンターリ顆粒水和剤),③:アクリナトリン水和 剤,④:フェンピロキシメート水和剤,⑤:ジノテフラン水溶剤,⑥:ピリダベン水和剤, ⑦:ニテンピラム水溶剤.

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防除効果の低下(下八川・山下,2007)がないショクガ タマバエなど捕食性天敵の利用が必要と考えられた。な お,アブラムシ類やその他の害虫が発生した場合には表 ― 2 に示した薬剤が使用可能である。ただし,ネオニコ チノイド系薬剤は中山間地域で発生が見られるアカメガ シワクダアザミウマや土着のハナカメムシ類に対する影 響が大きいので使用する場合には注意が必要である。 お わ り に キイカブリダニのバンカーを利用することで,アザミ ウマ類,コナジラミ類に対する密度抑制効果を確認する ことができた。その他,アブラムシ類,ハダニ類に対す る選択性殺虫剤の使用,生物的防除,ヨトウムシ類に対 する黄色蛍光灯の設置を組合せることにより総合的な害 虫管理が可能であった。今後は,早期のキイカブリダニ の登録,販売を目指すとともに,本プロジェクトで取り 組んだ他のバンカー法を含めバンカー利用技術のさらな る向上を図っていく必要がある。最後に,現地試験では 中央東農業振興センター嶺北農業改良普及所,JA 土佐 れいほく並びに JA 土佐れいほく管内の農家の方々には 大変お世話になった。ここに感謝の意を表す。 引 用 文 献 1)古味一洋(2009): 高知農技セ特別研報 9 : 1 ∼ 43. 2)下八川裕司・山下 泉(2007): 高知農技セ研報 16 : 21 ∼ 29. 3)梅谷献二ら編(1988): 農作物のアザミウマ,全国農村教育協 会,東京,p. 295. 薬剤防除区では 6 月上旬からハダニ類の発生が見られ 始め,7 月中旬には 5.1 頭/葉と密度が高まったため, 7 月  17 日,30 日に殺虫剤の散布を行った。しかし,ハ ダニ類の密度はあまり低下せず,8 月下旬には 11.4 頭/ 葉と密度がかなり高まったため,タバココナジラミに対 する防除も兼ねてピリダベン水和剤を散布したところ, 密度は急激に減少した。10 月上旬から再び発生が見ら れ,10 月下旬に 4.6 頭/葉と密度が高まったため,殺虫 剤の散布を行った(図― 7)。 ( 5 ) アブラムシに対する防除効果 バンカー区では 6 月上旬にアブラムシ類の発生がわず かに見られたため,6 月 11 日にピメトロジン水和剤を 散布した。その後は低密度で推移したが,9 月下旬から 発生し始め,土着のアブラバチの発生も見られたものの, 10 月上旬に 14.8 頭/葉に達した。このため,10 月 13 日 にピメトロジン水和剤を散布した。その後は調査終了時 までアブラムシ類の発生は認められなかった(図― 8)。 また,テントウムシ類,ヒラタアブ類,クサカゲロウ類 等の天敵類の発生はほとんど認められなかった。 薬剤防除区ではアザミウマ類,コナジラミ類を対象と した殺虫剤散布が行われたためアブラムシ類の発生はほ とんど認められなかった(図― 8)。 4 問題点 中山間地域の雨よけ栽培地域ではアザミウマ類の発生 は 6 月下旬∼ 7 月中旬ごろに見られることが多い。一方, オオムギを 4 月下旬に播種すると 7 月上中旬に枯死す る。この時期にアザミウマ類,コナジラミ類の発生が全 くない場合にはバンカーで発生したキイカブリダニが作 物上に定着できない可能性が高い。このため,4 月下旬 に播種したバンカーの近くに新たにバンカーを設置する ことを検討したが,クサキイロアザミウマの発生量が不 十分な時期にキイカブリダニが新しいバンカーに侵入す ることが多く,バンカーの更新ができなかった。このプ ロジェクトの検討期間ではアザミウマ類の発生はキイカ ブリダニのバンカー利用が可能な時期であったが,この 点を改善する必要がある。また,突発的に多発生するア ブラムシ類に対しては,土着天敵の保護のみでの防除は 不十分と考えられた。アブラムシ類を安定的に抑えるた めには,コレマンアブラバチのように二次寄生蜂による 表 −2 キイカブリダニと併用可能な薬剤 対象害虫 薬剤名 アザミウマ類 ピリダリル水和剤,イミダクロプリド水和剤, ジノテフラン水溶剤,ピリプロキシフェン乳 剤等 コナジラミ類 ジノテフラン水溶剤,ピメトロジン水和剤等 ハダニ類 ビフェナゼート水和剤,ヘキシチアゾクス水 和剤,シエノピラフェン水和剤等 チャノホコリダニ シエノピラフェン水和剤,アセキノシル水和 剤等 ハスモンヨトウ フルベンジアミド水和剤,Bt 剤等 工業)11/10/26 エトフェンプロックス: 5.0%,チオファネートメチル: 20.0% 稲:いもち病,紋枯病,カメムシ類,ツマグロヨコバイ,コ ブノメイガ:収穫 14 日前まで(散布) (24 ページに続く) (新しく登録された農薬 11 ページからの続き) 稲:いもち病,紋枯病,もみ枯細菌病,ウンカ類,ツマグロ ヨコバイ,カメムシ類:穂揃期まで 蘆エトフェンプロックス・チオファネートメチル水和剤 ※ 新混合剤 22990:ホクコートップジントレボンフロアブル(北興化学

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