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脊柱起立筋内圧と腹腔内圧に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

脊柱起立筋内圧と腹腔内圧に関する研究( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

飯沼, 宣樹

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1048号

Issue Date

1996-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15211

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 飯 沼 宣 樹(岐阜県) 博 士(医学) 乙第1048 号 平成 8 年 3 月 25 日 学位規則第4条第2項該当 脊柱起立筋内圧と腹腔内圧に関する研究 (主査)教授 (副査)教授 岩 田 弘 敏 教授 松 波 謙 論 文 内 容 の 要 旨 重量物挙上時の腹腔内圧(以 FIAP)に関しては様々な研究がなされているが,脊柱起立筋内圧(以下IMP) については芳脊柱筋のコンパートメント内圧上昇時の腰痛に関する報告が殆どである。脊柱起立筋は,胸腰筋膜, 腰椎,柿間靭帯に囲まれコンパートメントを形成し,胸腰筋膜は腹腔内圧上昇に深く関係すると言われている腹 斜筋群の筋膜と結合していることから脊柱起立筋内圧が腹腔内圧に影響を及ぼすことも考えられるが,両者の関 連について言及した報告はない○そこで脊柱起立筋内圧と腹腔内圧の関連性および体幹への負荷軽減を調べるた めに,安静時,体幹非負荷運動時・体幹等尺性運動時,等尺性挙上動作時においてIMP,IAPを同時に記録し検 討を加えた。 対 象 披検者は健常男性14名とし,いずれも日常生活に支障をきたすほどの腰痛の既往はなかった。 測定方法 IMPはmicro capillaryinfusion techniqueに準じ,カテーテルを第4腰椎柿突起外側約5。mの皮膚上から30 度内側へ向けて脊柱起立筋内の筋膜 Fまで刺人し,0.7ml/hrの速度で生食を注入するように設定されたインフュー ジョンポンプにつながるチューブと較正アダプターに固定した圧センサーを三方活栓を介して連結し測定した。 IAPは圧センサーを専用のバルーンにて披い,大気圧 FにてOmmHgとなるように調節し,月工門より約15cm山 陽内へ挿入し測定した。 運動方法 1)安静時および体幹非負荷運動では被験者に起立且坐軋背臥位,腹臥位にて通常の呼吸および深呼吸を行 わせた後に起立位で最大呼気時,最大吸気時と体幹を屈曲,伸展(ともに約30度),側屈(約20度),[可旋(約30 度)位とした時にValsalva手技を約2秒間行わせた。 2)体幹等尺性運動はLoredan社製のLIDOactivesystemをJljい,坐伯で,体幹30度後傾位,中間位,30度前 傾位において伸展t 屈曲動作を各5秒間ずっ行った。 3)等尺性挙上動作はLoredan社製のLID01iftsystemを月】い,armlift,1eglift,tOrSOliftの3種類を各5 秒間行った。 検討方法 1)安静時および体幹非負荷運動では各姿勢におけるIMPとIAPの変動の最大圧,最小圧を求め,起立位を基準 として検討を加えた。Valsalva手技施行時では,Valsalva手技施行前を初期圧,施行時に各波形が安定した時 期での最大仕を活動圧,その差を上昇圧として検討を行った。 2)体幹等尺性運軌等尺性挙上動作では,tOrque,forceは各波形が安定した時期での最大値を求め,IAPお よびIMPは通勤中の各波形が安定した時期での最大圧(以下活動圧)と運動前の初期圧の差を上昇圧とし検討を 加えた。さらに個体差と動作の違いを補正するために上昇圧をtorque,forceで除した値(以下,IMP/T,IAP /TおよびIMP/F,IAP/F)について検討を加えた○統計による検討はWilcoxonの符号順位検定(P<0.05), Spearmanの順位相関(P<0.05)を恥、た。 結 果 1)安静時坐位ではIAP・IMPは通常の呼吸,深呼吸時ともに最大圧,副\圧およびその差は安静時起立位に比 べ高かった。安静時仰臥位では安静時起立仙こ比べIAPは通常の呼吸,深呼吸時ともに低かったが,IMPはとも 177

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に安静時起立位と同様の値を示した。安静時腹臥位では安静時起立位に比べIAPは通常の呼吸,深呼吸ともに低 く,IMPは,通常の呼吸時は,ほぼ同じであったが深呼吸日寺の呼吸による変動は低かった。非負荷運動時では直 立位と比較した場合,IMPは屈曲時,側屈時で高く,IAPは伸展時,側屈時,回旋時に高かった。また,IAPは 屈曲位,伸展位,側屈位,回旋位のなかで屈曲位が最も低く,伸展位が最高であった。IMPは屈曲位と伸展位に 有意な差はなく,側屈位では刺人側側屈時は反対側への側屈時に比べ高かったが,回旋位では刺人胤 反対側の 「制こ特に差はみられなかった。 2)Valsalva手技施行時は起立位のIAP,IMPはともに,初期圧は呼気時の方が,上昇圧,活動圧は吸気時の方 が高かった。直立位に比べ,起立屈曲位ではIAPの上昇圧は高く,IMPの上昇圧は低かった。また,伸展時では IAP,IMPともに直立位とはぼ同様の値であった。直立位に比べ回旋位のIAPは上昇圧は高く,IMPは刺人側回 旋時に活動圧,上昇圧が低かった。屈曲位と伸展位で比較すると上昇圧はIAPでは屈曲時にIMPは伸展時に高く, 側屈時はIAPには左右差は見られなかったがIMPは初期圧,活動圧,上井圧ともに刺人側側屈時に高かった。 3)体幹等尺性運動ではtorqueは屈曲動作時より伸展動作時に高く,屈曲動作時では体幹伸展,中間,屈曲の順 に増加し,逆に伸展動作時では屈E乱 中F乱 伸展の叩かこ増加した。什一姿勢時での活動圧と上糾王を屈曲動作と 仲尾動作で比較するとIAPは屈曲動作時に高く.IMPは伸展動作時に高かった。屈曲動作時のIMP/T,IAP/T はともに伸展位,中間位,屈曲位の川副こ高くなり,逆に伸展動作時は屈曲佗,巾「甘位,伸展位の順に高くなった。 IMP/rr,IAP/T問には,伸展位からの屈曲動作時0.797,中間位からの屈曲動作時0.758,屈曲泣からの屈曲動 作時0.728,伸展位からの伸展動作時0.732,中間泣からの伸展動作時0.562,屈曲位からの伸展動作時に0.641の 相関を認めた。 4)等尺性挙上動作のforceはarmlift.torsolift,1egliftの川和こ高かったが,上昇圧はIAP,IMPともにarm lift,1eglift,tOrSOliftの順に高くなった。IAP//F,IMP/F間にはarmliftで0.669,tOrSOliftで0.468,1eg liftで0.594の相関を認め,IAP/F,IMP/Fともに1eglifいこ比べarrnlift,tOrSOliftで高かった。 考 察 1)坐泣通常の呼吸時で起立位に比べIMP,IAPが高かったことは坐位では起立位よりも体幹周囲の圧力が大き く.起立位に比べ坐位の方が脊柱起立筋,腹筋などの肘幹に加わる負荷が大きいといえる。非負荷運動時の伸展 時にIAPの上昇を認めたこと,およびIMPに屈曲,伸展時の有意な差かみられなかったことから伸展方向運動時 の体斡負荷が大きいと考えられる。Valsalva手技施行時では,吸気後に上昇圧,活動圧が高いことから吸気時 に筋が伸張され,腹腔,脊柱起立筋の容積が増したため効率よく圧力が増加したことを示しており,吸気後の方 が効率よく体幹にかかる負荷に抵抗できるといえる。 2)体幹等尺性運動時のIMP/T,IAP/Tの間に相関がみられたことから体幹に負荷が加わるときIAPと同様に Ⅰ九4Pも体幹の安定保持に作用していることを支持するものと考えられ,体幹負荷を圧縮力と努断力に分けた場合, 腹側,背側で脊椎への勢断力を軽減させるパラメ∼クーが各々,IAP,IMPと考えられる。 3)等尺性挙上動作において1eglift,tOrSOliftの相関かarmlift(こ比べ低かったが,これは1ifting動作時の 1igament supportの影響も含まれるためであり,IAP,IMPがtorsoliftでは高いことはt この挙上棟式では他 に比べ体幹勢断力が大きく作用していると言える。IAP/Fは1eglift,tOrSOlift.armliftの順に高くなり, IMP/Fは1eglift,armlift,tOrSOliftの順に高くなったことは3つの挙上様式中,1egliftが脊椎への負荷が 最も低く,同じ重量物を挙上する場合,armliftのような高所への挙⊥二動作が体幹および脊柱へ及ぼす負荷が大 きいことを示している。 論文審査の結果の要旨 申請者飯沼宣樹は安静時,休幹非負荷運動晩 体幹等尺粧運動時,等尺惟挙上動作時における脊柱起立筋「メは と腹腔内圧を同時に測定し,それぞれの運動時における体幹への負荷の変化を明らかにした。この知見は動作学 ならびに腰痛発生機序の解明に寄与するところ大であると認める。 [主論文公表詰] 脊柱起立筋内圧と腹腔内圧に関する研究 平成8年1月発行 岐阜大医紀 44(1):801∼810 178

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