Title
Electronic and Optical Properties in Amorphous Chalcogenide
Semiconductors( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
Meherun, Nessa
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第187号
Issue Date
2002-11-27
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1908
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位記号番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文農目 Meherun Nessa (バングラデシュ) 博 士(工学) 甲 第 187 号 平成14年11月27日 電子情報システム工学専攻 Electronic andOptic&1Propertiesin 血or由M仇81eogeni血Se扇eon血etors (アモルファスカルコケナイド系半導体の電子・光学的特性) 学位論文審査委員 (主査) 教 授 鴨 川 晃 一 (副査)教 授 岡 崎 清 雄 教 授 山 家 光 男 助教授 近 藤 明 弘
論文内容の要旨
アモルファス半導体はカルコゲナイド系とシリコン系に大別される。本論文は主とし て前者のカルコゲン系半導体の電子、光学的性質を取り扱うが、アモルファス・シリコン も比較のため議論されている。 アモルファス・カルコゲナイド半導体はランダムな層構造をとることが知られており、 それゆえ、フラクタル的構造をとることになろう。したがって、シリコンとその構造が大きく異なっ七いる。しかも、2配位の物質(Se,S)を含むため、構造の柔軟性が大き
い。これらが種々の物性に影響を及ぼすことが予想される。 そこで、まず光学的基礎吸収を取り上げた。すでにアモルファス半導体の分野では基礎吸収を扱う理論(モデル)が定着し、確立しているように思われていた。本研究では前
述したフラクタル構造のなかでの"状態密度''を定義し、基礎光学吸収に及ぼす影響を議 論した。従来の理論を拡張し、これまで不明であった標準モデルからのずれが、フラクタ ル的性質と密接に関係することを明かにした。なお、Seなど構造の次元性の低い物質が 特殊な光吸収特性を示すことも良く説明できるようになった。 一方、構造の柔軟性(次元性)は光誘起現象、とりわけ光劣イヒで象徴される、光によ るミクロな欠陥生成にも関係する。本研究はカルコゲナイド、シリコンの両方の材料系で 欠陥生成のダイナミックスを調べている。これまで欠陥生成中(光照射中)の``量子効率'' を議論することがなかったが、本研究では量子効率の時間(フォトン数)依存性を観察し た。予想に反して、サブギャップ光(エネルギーが小さい)でエネルギーの大きいバンド ギャップ光と変わらない量子効率をもつことが判明した。また、構造柔軟性の高いカルコ ゲンがシリコンより高い量子効率をもつことが明かとなった。 -12一これらのことより、"セルフトラップ'励起子が欠陥性生成と関係していることを推 論している。
論文審査結果の要旨
アモルファス半導体はカルコゲナイド系とシリコン系に大別される。本論文は主とし て前者のカルコゲン系半導体の電子、光学的性質を取り扱っている。比較のため、アモル ファス・シリコンも議論されている。 アモルファス・カルコゲナイド半導体はランダムな層構造をとることから、フラクタ ル的構造をとることが予想され、したがって、シリコンとその構造が大きく異なっている。 しかも、2配位の物質(Se,S)を含むため、構造の柔軟性が大きい。これらが種々の 物性に影響を及ぼすことを予想し、次の2点が本論文の主題となった。 1)まず光学的基礎吸収を取り上げている。すでにアモルファス半導体の分野では基 礎吸収を扱う理論(モデル)が定着し、確立しているように思われていた。本研究では前 述したフラクタル構造のなかでの"状態密度''を定義し、基礎光学吸収に及ぼす影響を議 論し、従来の理論を拡張し、これまで不明であった標準モデルからのずれが、フラクタル 的性質と密接に関係することを明かにした。なお、S eなど構造の次元性の低い物質が特 殊な光吸収特性を示すことも良く説明できるようにしている。 2)一方、構造の柔軟性(次元性)は光誘起現象、とりわけ光劣化で象徴される、光 によるミクロな欠陥生成にも関係する。本研究はカルコゲナイド、シリコンの両方の材料 系で欠陥生成のダイナミックスを調べている。これまで欠陥生成中(光照射中)の``量子 効率''を議論することがなかったが、本研究では量子効率の時間(フォトン数)依存性を 観察した。予想に反して、サブギャップ光(エネルギーが小さい)でエネルギーの大きい バンドギャップ光と変わらない量子効率をもつことが判明した。また、構造柔軟性の高い カルコゲンがシリコンより高い量子効率をもつことが明かにしている。 以上の主題の二つはアモルファス半導体、とりわけカルコゲナイド系半導体を理解す る上で、十分な知見を畏供したと考えられ、博士論文として合格とみなされる。最終試験結果の要旨
公聴会では以下の二つの主題を中心とした口頭発表を行った: 1)光学的基礎吸収の基本問題:発表では既存の基礎吸収を扱う理論(モデル)をわ かり易く解説し、次にこの理論が本研究でとりあげるようなフラクタル構造をも つものには適用できないことを示し、フラクタル構造のなかでの"状態密度''を 定義した。さらに、基礎光学吸収に及ぼす影響を議論し、カルコゲナイドガラス 半導体の構造(次元性)との関連を平易に説明した。 2)一方、構造の柔軟性(次元性)は光誘起現象、とりわけ光劣イヒで象徴される、光によるミクロな欠陥生成にも関係することを解説し、新しく欠陥生成中(光照射 中)の``量子効率"を態諭することの必要性を明かにした。
副査や公聴会参加者からの質問にも明快な応答があり、質問者も的確な答えに満足し たようである。ここに最終試験も合格と判断される。