絶
縁
材
料
特
集
多層印刷回路用銅張積層板とプリプレグの特性・・…‥…
電子部品用モールド樹脂‥…‥…‥‥‥…
ポリアミドイミドフィルムの特性‥……=…‥
‥……・…・55
……‥…‥62
……・‥…・67
絶縁ワニスの耐熱寿命評価に及ぼす試験方法の影響‥………‥‥‥‥‥‥・71
速硬化性フェノール樹脂成形材料「CP-5528+‥‥‥‥‥‥・………・‥…‥78
環状脂肪族エポキシレジンの高電圧機器への応用t
・…・82
U.D.C.d21.3.049.75
多層印刷回路用銅張積層板とプリプレグの特性
Properties
ofMetal
Clad
Laminate
and
Pre-preg.for
Multi-layer
Printed
Circuit
Boards斎木
Satoru Saiki要
旨
多層印刷回路用銅張積層板とプリプレグほ,多層印刷回路板の主構成材料である。学*
近
藤
輝
武*
Terutake Kond∂ この回路板は,高信頼性 で長寿命の各種電子機器に使用されているので,その材料についても同様な要求がなされている。 本報告は,各種規格によるこれら構成材料の特性検討結果と長寿命推定に必要な各種強制劣化試験結果につ いてまとめたものである。 その結果,これらの材料ほ高度の各種規格を満足するほか, 計算機など各種枚器にじゅうぶん使用可能である。1.緒
口 多層印刷回路板は電子計算棟,電子交換機器額の小形化,高后煩 性要求に基づき昭和40年以来わが国でも強く製品化の叫ばれた回 路板である。 この多層印刷回路板は厚さ0.7mm以下のガラス布エポキシ印刷 回路板を内層に,ガラス布エポキシMCLを外層とし,エポキシ樹 脂含浸ガラス祁i(プリプレグ)を接着層とし交互に重ねあわせて加熱 加圧し,穴あけ,メッキ,エッチングなどの加工をして得られる。 回路板は回路が立体化しているため,ハンダ浸漬のさい,一般の 印刷回路板に比べて,ハンダ浴中に深く浸漬するので高度のハンダ 耐熱性を必要とするほか,高温にさらされても接着層のノ、ク離が全 くないことが要求される。また,狭い導体間隔にもかかわらず,高 度の絶縁性が要求されるほか,導体幅も狭いためより高い引きはが し強さが要求される(1〉∼(5)。 これらの特性は多層印刷回路板製造に用いる材料の特性に大きく 左右される。 そこでわれわれは現在生産している多層印刷回路用銅張積層板 (日立商品名MCL-E-601,以下多層用MCLと略称)およびプリプ レグ(日立商品名GEA-602N)について,その特性および加工工程 中の特性変化についてやや詳細に検討することとした。 すなわちJIS(6),NEMA(7)およびMIL規格(8)による一般性能と 電気的特性その他の各種強制劣化特性について検討を行なうととも に,耐エッチング液性,耐メッキ液性など加工工程中で材料の最も 影響されやすいと思われる項目についても検討した。また,プリプ レグについてはその特性の経目変化などを検討し,良好な結果を得 たのでこれらの性能の二,三を紹介し使用上の参考に供したい。2.多層印刷回路板につし、て
多層印刷回路板は図1に示したように,導体と絶縁体の層を交互 に接着し,所望の各層問をスルーホールメッキなどで接続させ,全 体を一体化した回路として使用される。これにより従来方式に比べ 配線時間の短縮,誤配線の除去,配線密度の向上,機器の小形化, 高能率化が可能となった(9)∼(12)。 2.1構 造 多層印刷回路板ほ前述の構成であるが,現在わが国では3∼8層 が一般に使用されている。暦数の増加は,機器の小形化,高能率化 などにはきわめて有効であるが,配線設計上の検討およびより高度 の加工技術を必要とする。現在でほ,これらの技術の確立に伴い次 第に層数が増加しつつある。 * 日立化成工業株式会社下館工場 高信板性で安定した特性を有しているので電子∠表
図1 エッチン7 ⊂〕 外lリ川+11CrJ ‥ Fij九ICL † 1 与!パ=川Cl一 丁・′J′/しノ 多層印刷回路板の模型図 シト抑り11Cl_一 l川ニイLパンナ ホ肘ツ\沈汀+-,拉稚 ]リッキ エ1ソナング (ii二)□:鰍ヂ己 L】ご川ノ 図2 多層印刷回路板の製造工程図 2.2 材 料 多層印刷回路板は,内層材料,外層材料およぴプリプレグの3種の 材料からなっている。現在では,電気的特性,居間接着性,寸法安定性などのすぐれているガラス布基材エポキシ樹脂が使われている。
内層材料および外層材料は,板厚_0.1∼0.6mm程度のガラス布エ ポキシ樹脂MCLである。内層材料はスルーホールメッキの信板性を高くするため一般に70/J以上の銅ハクが用いられており,導体幅
が非常に狭い場合や精度を極端に要求する場合には35J`銅ハクを
ー55-D:恒温の水中で浸漬処理を行なう。 例 C-90/20/65+D-2/100: 20℃,65%RHの恒温恒湿の空気中で90時間の処理を行ない, 次に100℃の煮沸水中に2時間浸漬十ることを示す。 表3 MIL規格による多層用MCLの試験結果 試 験 項 目 引きほがlノ強さ 誘電正接(1)1MI†z 寸 法 安 定 性 MIL墳格 GE 多層用加ICL れICL-E-6t)1
】エッチンプなし
妄賀
性 +7 引きはがし強さ 〃ハ 偶佃一体郁 表面抗抗 エッチング…フラックス什あり等差こツタス
キ液浸病後 高 温 中(125℃1 ̄∃
縦 杭 Lbパn M工トcI】l 九tn kヽr (1加【Hz† ・:、1九tHz■、 Kpsl260℃±誌ハンダ浸漬
260℃±諾ハンダ浸潰
260℃±岩茎ハンダ浸漬
260℃±岩モハンダ20秒
注(1∴ E-1′`125 拝・こ21 E-1′■125 A C96′/35/′90 E--24./125 A C---96/35ノ90 E-24′′`125 D-48./′50 D-24′/23 D∬24./23 D【48′/50 20以上 20以上 20以上 8以卜 8以上 8以上 7以上 5以1L 106 以上 103 以上 101以上 103 以上 30以上 30以上 30以上 9.0、11.0 8.5、9.5 9.0、1〔).0 7.5、9.() 6.0、8.0 5xlO7、川8 107、5×川7 5×103、10S lO6∼5×106 105、106 5×103、104 301⊥上 一 弓 4.5一-5.0 5.4以下14.5、5.0 1 _∃ ̄㌫妄言
0.030以下 50以上 40以上 601よ上 適用せず 0.025∼0.028 55、65 50-、60 100-、150 注(1)(E一%/1三5+妬/25十1盲ノー65+∼i′′251×5一斗イクル 触二+≡ ∴、3晦J 長ホ盲∴: ̄一_・甘セJ 執 ̄弘溝 950c,5ニノナ 80〕∼100-c.2廿 簸て:旨拭い 65-c,301ナ 80〇∼100■⊃c.z分 熱i諺洗\ 550c.30勺・ 乾 燥 郎∼100-c.2分 95■'c,60分 ACDE 注 :受理のままの状態であil処理を行なわない。 :恒温,恒湿の空気中で処理を行なう。 Lb/in Mn-Cm Mr王 max平均 処理条件 D-24/23 D-24′/23 NEMA規格 G-10-UT 6 106 104 5.4 0.035 多層用MCL MCL-E-601 9.0∼11.0 11.0一-12.5 107一-5×107 105∼106 4.5∼5.0 b.025、0.028 (江)J【(1)施インチ板厚。 (2)試験方法開発中。 A:受理のままの状態であり処理を行なわない。 C:恒温恒湿の空気中で処理を行なう= D:恒温の水中で浸漬処理を行なう。 例 D-24/23: 23℃の水中に24時間浸漬することを示すこ 蓑4 多層用MCLの公称厚さおよび厚さ許容差 公 称 厚 さ お よ び 厚 さ 許 容 差 基材厚さ (mm) 35/上 納 ハ 片 面 枚 0.14±0.03 0.24±0.03 0.34±0.04 0.44±0.05 0.54±0.05 0.64±仇07 両 面 板 0.17±0.04 0.27±0.04 0.37±0.05 0.47±0.06 0.57±0.06 0.67±0.08 0.17±0.04 0.27±0.04 0.37±0.05 0.47±仇06 0.57±0.06 0.67±0.08 0.24±0.06 0.34±仇06 0.44±0.07 0.54±0.08 0.64±仇08 0.74±0.10 使用するこ、外層材料にほ主とLて35一"鏑ハクが用いられて いる。 プリプレグは薄いガラス布にエポキシ樹脂を含浸させ,半 硬化のB一状態にしたもので通常厚さ約0.1mmのものが使用 され,内層の銅ハク厚さにより使用枚数が異なる。, 2.3 製 造 工 程 多層印刷回路板は,一般に図2に示す工程で製造される。 従来の印刷回路板製造法に比べ工程が長く高度の技術を必要 とするから各工程におけるゆき届いた品質管理が必要であ る。3.多層用仙CLの一般特性
多層印刷回路板に使用されるMCLほ0.7mm以下であり このような薄いMCLについてほ1967年NEMA規格にほじ めて規格化された。したがってその試験項目もまだ少ない。 そこで,本文では一般に使用されているJIS,MIL規格に ついて検討するとともに,新たに制定されたNEMA規格に ついても検討することにした。表l∼3はこれらの試験結果 を示したものであるが.多層用MCLほいずれの規格もじ.ゎ うぷん満足していることがわかった。 現在一般に使用されている多層用MCLは,基材厚さが0.1 mmの整数倍のものが標準で,これiこ各種の銅ハクがはり合 わされている。表4は最も一般に使周されている品種の厚さ および許容差を示したものである。4.多層用仙CLの諸特性
多層印刷回路板ほ前述のように複雑な加工工程を経て製造多層印刷回路用
銅張積層板
と プリ プ レグの特性
表5 多層用MCLの試験条件 試験項目 試験片形一状(mm) 通用規桔 試験項口 こJt験上川ラ兆(mlれ)適用規棺 杷紹杭杭 ノb¢ンて1年1′三やl毒
ト40--+ JIS-C6481 +  ̄す法左)と性  ̄r宗 +_ ーー50-人血紙抗 惟附jt托す; ト100・宗㊥卓球
●幸与謝
「-50 d.:試削 ̄レ')静滝谷蔓書け 糾00pFになるように 柑≠によってカ】える。 JIS--C6481i JTS一 C6481 熱膨弓Ii収縮 5¢色_65争陸
トーー75----+ r山女.i7】作 耐エッチング 減作l桓
r----50-L ..与′li⊥ヤ .;′考`-じ止接 佃リッキ姫門三 (未if畑已杭) 1l]1331・71誌
■5・1稚帖:〔).6355・1 袖矧二戸東:1.27 ハンダ血r熱性 l ⊥ 「25 J】S一 C6481 1 l 、‖.-rhし 一【/ 石-上〉 (hU 〓J .d一 3 ▲リ】 茄→十「ピ望漕咄ぺ陛咋【 l=】:こ・11.2nlm 11+Jしさ ししImm lt=芦▲ゝ二:二什61¶m ワ 3 4 サでフル放 =‖= 回3 煮沸乾燥のく・)逗Lサイクル数と沿層絶縁抵抗の関係 10 己】上〕 朝巾}へ㌧峠{望漕心付陛止■け l.し‖J■r■二さ0.2mm J】=.い′】二ここぐHmn1 1=卜いノ:さn.6mm 10 15 2r) 処プlけ=ま乞(■ia)′) 25 30 琵i4 7J(浸口数と沿層絶稼抵抗の関係 また製造された多層印刷回路板ほ,電子計算機などの電子磯器に使 用さjt長期にわたる信頼性が必要となる。そこで表5に示した試験 項目および試験条件により長期寿命を推起するための種々の検討を 行なった.っ 4.1電気白勺特性 多層用MCLはこれまでの試験でみられたように高度の電気絶縁 性を有している。この性能が長期にわたって安定していることは, 機器の特性を左右する重要な因子である。MCLの電気特性などの 低下は,これまでの種々の報告(13) ̄(17)から,吸湿(水)による影響が 大きいので,われわれがしばしば行なってきた各種条件によりその 性能の変化を求めた。 加ICLの電気的性質ほ,試験けの作成条件により著しく変動する のでJISC6481に準拠して作成L試験に供した。 (1)絶 縁 重宝 抗 常態の沿屑絶縁抵抗を測荏後2時間煮沸Lたのち30分間淀水 占ワニ 怒ご■`ゴ生l巨揃〓小
ぐ).1mmり.コmm り.6mm 】r) 15 】寸】!ご′{.ノdal▼) :jO 1121 国5 湿度処理(40こC,90タgRH)と表面抵抗(接着面)の関係 l 爪U (≡し∴■〓■ 小叫 ⊥r ∵十¥こナ 1 〔しヱn川l ‡二千ト+【∫ り.jI¶n) I_tい-【いうnll¶ 】り 15 ! rh\・ コ() 25 Lメ16 渥「空処理(40℃,90%RH)と体析抵抗率の関係 鞍 騨 幣忘 即+r】ノ・ニ(〕.2mm J川■∫し与P.4mm J.≡こj、イきr■二 ̄■コ0.6mm 10 iう 20 25 ニir) ′・旦珊jけと:〔Iay) 円7 7‡てi三口数(50℃-)と誘電率の関係・こ1九′lHz) 30() 200 せ ト当 船田 照100 -→- 【.ヨこそl (〕.2mll】 :二 0,4mm さ 口.6mm 1 コ 10 15 20 2:〉 30 _`笠.町i吾上・【la\\〉 図8 水要目数(50℃)と誘電正接の関係 も1九■IHz) 中に浸漬する。その後これをとりだし乾布でぬぐって沿層絶縁抵 抗を測定する.。この操作を1サイクルとLて,数サイクルの変化 を諌めてこれを図3に示Lた。このような測止条件は機器が吸 湿,睨i昆,加熱,冷却を続けることを推定しで行なったものであ る.。図に示すように性能の低下は約5サイク′しでほぼ一定になり それ以上はほとんど変化Lない。またこの値はJIS規格の1サイ クル後の値にまさっでおり多層用MCLほすぐれた絶縁性を有しー57-1122 昭和43年12月 許諾竺 3()0
芋200
挙 ニ⇒ 七ご100 180 ■け二 ≡斗享へ八′、 一一〇- ノ.〔=J■ノさ0,2mm ・・・・・・・・・-Jい付さ0.4mm ・・・・・・・一- ノ1し‖Jゾ与q.6mm 1 10 100 l,0()0 川,000 J】けと紋(k‖z) 図9 周波数と誘電率の関係 --′- jl[壬j,j ̄いJ:与0.2mm 一一一-・+.しけlゾさ0.4mm 一一一ゝ一 仏=rソニさ0.6mm 10 100 .け七批(■kHz) 1,00() 10.000 図10 周波数と誘電正接の関係〓巾
ノ=川二さ0.2mmJ.し‖ ̄りき0.4mm J.し‖ ̄卜一‡き0.6mnl JIS l ㊥NEれ■lA=剋仰山 八IlT_一 31ナ1ソ、【 立評
26r) 28() 300 ′\/ ti■.;.,1..1空・■、 ̄C) 320 34() 国11 ハンダ温度とハソダ耐熱性の関係 ているといえる。 図4は,機器が過湿状態で連続的に使用されることを推定して 行なった実験である。図に示すように多層用MCLはこの程度の 処理条件では性能の低 ̄Fがみられなかった。 (2)表面抵抗と体積抵抗率 MCLの基板表面の絶縁抵抗と基板の貫層絶縁抵抗を分離して 測定する方法に表面抵抗と体積抵抗率があり沿層絶 縁抵抗と同様長期にわたり低下の少ないことが望ま れる。そこで高湿処理(40℃,90%RH)による性能 の変化を測定し図5,dに示した。図に示すように性 能の低下が少なく安定していることがわかった。 (3)誘電率と誘電正接 一般に誘電特性は,高周波回路や特性インピーダ ンスが問題となるような回路および高密度配線回路 に使用される場合に,特に重要視される。誘電率と 誘電正接ほそれぞれ小さいこと,外的条件および周 波数などによってあまり変動しないことが要求され る。そこでまず50℃の水浸処理による誘電率と誘 電正接の経日変化を求め国7,8に示した。 ご 受理状態 0.05 0 -0.05 -0.10論
第50巻 第12号 蓑6志盲\竺攣l
水浸(23℃)日数と/、ソダ耐熱性の関係 (260℃ノ、ソダ浸蔭) 0.2mm O.4mm 0.6mm ◎ ◎】◎
(江)◎:3分以上 1 1 2 ◎、◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 3 ◎ ◎ ◎ ◎ l ◎ また,いろいろな周波数の誘電率と誘電正接を広帯域誘電体損 測定器(1kIiz∼1MHzガード付)とQメータ(1MHz∼10MHz ガードなし)により求め,これを図9,10に示した。 図に示すように多層用MCLは水浸処理で比較的変化が小さい。 また,周波数を高くすると誘電率は小さく,誘電正接は大きくな る。 多層用MCLの誘電矧生は基板が薄いため,その測定にいろい ろと問題がある。特に板厚さ,電極面積は計算上誘電率に直接影 雫を与える(18)ので測定を誤らないようにする必要がある。 4.2 ハンダ耐熱性 多層印刷回路板ほ,長い加工工程後はじめてハンダ浸清または ハンダ付けが行なわれるのでその構成材料には,ハンダ耐熱性のす ぐれていることが要求される。ハンダ耐熱性を左右する要因として ほ,ハンダ温度と多層印刷回路板製造工程中の吸水あるいは材料保 管時の吸湿などが考えられるのでこれらについて検討を加えた。 図11にハンダ温度とハンダ耐熱性の関係を示した。また機器が 過湿状態で連続使用されることを推定して表dの実験を行なった。 図に示したように,多層用MCLは良好な耐熱性を有していること がわかったが,ハンダ耐熱性は吸湿の影響を受けやすく特に板厚 の薄いものほど保管および加工工程中の取り扱いに留意する必要 がある。 4.3 寸法安定性 多層用MCLの寸法安定性(5)は,多層化接着に当たって非常にた いせつなことであるから,二,三の方法により検討を行なった。規 格化された方法がないので独自の方法によった。すなわち加工工程 を図12のように推定し,各工程における寸法変化を求めた。図13 はその結果を示したものである。測定には,投影式寸法測定機(精 度1/1,000mm)を用い,試験片には,50×50×0.6mmに加工した ものを使用した。固から明らかなように乾燥処理によりやや収縮 するがその値は0.03%程度できわめて少ない。また,銅ハクの付 いたままの試験片を用いると0.02%以下になる。さらに多層化接着 工程などでいろいろ加熱されることを推定して,100,140,180℃の 各温度で2時間の気中加熱処理を行ないその寸法変化を測定した。 図14ほその結果である。測定には治具ポーラ(精度1/100mm)を B C D E 208c水枕 60分 105□C乾煉 30分 エ・ソナング十水・た (1201〉=ハク牡潅 2分 120ウC乾壮 10分 図12 多層用MCLの寸法変化率測定用加工工程 ェ∵ナンデ_ ̄「f【.≡--+ トーーー 他州‖放(〔la)・ト 1600c乾蝶処理 (肘='法 E処理のもの) 0 5 10 15 A li  ̄ ̄≒ 『 1) E した。 160ウC・;む耽処珊 縦 ×緋 図13 多層用MCLのエッチングエ程および乾燥処理による寸法変化率特性多層印刷回路用銅張積層板と
プリ プレグの特性
表7 多層用MCLの耐薬品性 1123 0.05 車 0 こ㌻ エ+ 遍 ̄0・05 中 一0.10 l).1-1・ n.12 __ q.1U ∈ 与0.08 こ三 苺メ0・06 斗1 二D.04 0.02 100 僅(OC) 140 180 縦 俳 図14 多層用MCLの気中加熱温度と寸法変化率/
脚+ノー糾叫川
縦ケル+ 温度40℃における試験 強制劣 化試験 薬 品 名 ト イ ソ プ ロ ビ ル 、′ ル コ メ チ ル エ ケ ト ー ノレ ニケ /し グ ム ラ シ ン ナ ー #4750 NPR シ ソ ナ リ ク レ (蒸 気) 0転 E 〕 2.() 孝 入一■ 善1.0 `てミ杢
0 40 60 80 100 i.■ふ性(dc.) 120 140 160 図15 多層用MCLの熱膨張収縮特性 0.2ml□ 0.5mm l.Omm lO.Omm †川三 j】川「三/・′みfモ ・1十1‡ノ 図16 多層用MCLのメッキ液処理と引きほがし強さの関係 叫こ(‥■ 去こ■、〕■ご二■壬り「 +J【〔= ̄1■ノーさ().2mm ----J【川・rソ∴与n.4mm --一心 り;f・1り ̄さ0.(うⅠⅥ口1 ■+了た 】】一■⊥, 】川モノノキ拉 ′「・L-1へ: 、・ソ 図17 多層用MCI一のメッキ液処理と表面抵抗の関係 用い,試験汁には250×250×0.6mmに加工したものを使用し,こ れに約200mm間隔のケガキ線を入れ,この距離の変化を測定した。 図に示すように160℃の気中加熱でほ約0.03%収縮があり,これほ 図13の結果とほぼ一致し良好な結果を示している。また銅ハクの ついた試験片を用いればさらに小さな寸法変化を示す。これは基材 層の収縮が銅ハクによりおさえられているためと考えられる。 図15は多層用MCLの熱膨張収縮特性を示したものである。測 定には熱膨張収縮試験機を用い,表5に示す試験片を用いた。[覚は、 ら20∼80℃の熱膨張係数は縦方向で1.38×10■ソ℃,杭方向で1.61 ×10 ̄ソ℃である。この数値は一般のガラス布エポキシMCL,紙フ ェノールMCLに比べてかなり小さい。 4.4 化学的特性 多層用MCLに要求される化学的特性としては,耐薬品性,電気 化学的性質(たとえば電食,腐食性など),耐エッチング液性および 耐メッキ液性などがある。ここでは耐薬品性,耐エッチング液性お よび耐メッキ液性について検討結果をあげて参考に供する。 (1)耐 薬 品 性 多層印刷回路板製造時にしばしば使用されている12種の薬品 を選び,温度40℃での浸漬および強制劣化試験を行ないその結 トリクレソ:ストリッパーC 3:1荘ヱ 液 ス ト リ ッ パ ー C ト ク オ 、 ゾ ー ル 離 液 ク ロ ロ )ヒ ソ (蒸 気) 性 ソ ー ダ 10% 絃 ・ヒ ト ー/ 処理条件 5分 30分 5分 60分 5分 60分 5分 60分 5分 30分 3分 10分 5分 30分 5分 30分 5分 30分 5分 30分 30分 (托)◎:ほとんど変わらず C):ごくわずかガラス浮出L,または変色 結 果 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ C〉 ◎ ○ ◎ ◎ (⊃ △ ◎一△川◎′ ×一◎一X一◎一◎ ◎ 処理条件 90℃ 沸騰 沸陪 沸瞭 沸騰 沸騰 沸取 棚一肌一棚 沸暁 5分 20分 5分 20分 5分 20分 5分 20分 5分 20分 5分 20分 3分 6分 1分柑+讃1∃舶
5分 結 果 ⊂) △ ◎ ◎ ○ × ○ × ○ (⊃ ○ × × ■一△一×一◎一◎ ⊂) 20別 △ △:若干ガラス浮出し,またほ変色 ×:明らかなガラス浮出し,または変色 表8 多層用MCLの耐エッチング液性(35〃銅ハク) エ ッ チ ン グ条件 エッチング液時(min)間l温(℃)度
塩化第二鉄 (400Be) 過硫酸アンモソ (20%液) クロム酸泥液 5 10 7 15 9 18 25∼30 25∼30 42′-45 42ノ\45 52∼55 52、55 引きはがし強さ (kg/cm) 1.6∼1.9 1.6∼1.9 1.6∼1.9 1.6∼1.9 1.6へノ1.9 1.6∼1.9 外 観…宍一…㌦…一…
果を表7に示した。判定は目視により外観判定で行なわれた。 表7からわかるように40℃,約5分でほ各薬品とも影響を与え ないが30分の浸漬でほストリッパーC,フォトゾールなどのハク 離液が基板に影響を与えた。強制劣化試験ではイソプロピルアル コール,クロロセソを除いてはかはすべて基板に影響を与えた。 特にトリクレソとストリッパーCの混合液,ストリッパーC,フォ トゾールなどのハク離液に影響されやすいのでこれらの液を使用 するときはきびしい管理が必要である。 (2)耐エッチング液性 代表的なエッチング液3種を選び検討した。引きはがし強さを 判定規準とし結果を表8に示した。表より各エッチング液ともは とんど影響のないことが明らかとなった。なお一般のMCLと同 様にエッチング後水洗不じゅうぶんのときは表面に導伝性イオン が残存し極端な絶縁劣化を生ずるのでじゅうぶん留意する必要が ある。 (3)耐メ ッキ液性 いろいろなメッキ工程が行なわれているが,各工程ごとに多層-59-1124 昭和43年12月 立
評
用MCLがどんな影響を受けるかを検討するため 測定項目として,引きほがL強さおよび表面抵抗 を選んだ。引きはがL強さは実用の回路幅を考慮 して0.2,1,10mm幅について測定した.。その結 果を図Idに示した。またメッキ工程に従って表 面抵抗を測定しその結果を図17に示した。メッ キ液処理による性能の変動が常態の値の約10% 程斐であって安定した性能であるといえよう。 ただ,メッキ液は引きほがし強さを低下させる 薬品を含んでいるので,工程管理を徹底的に行な う必要がある。5.プリプレグの特性
7Cリプレグはガラス布にエポキシ樹脂を含浸,乾 燥しB一状態としたものであり,多層印刷回路板の構 成材料である。その年割生ほ多層印刷回路板の性能に論
第50巻 第12号 表9 プリ プ レ ブ の 試験方 法 試験項目l 試 験 片 l 試 験 方 法 計 算 式 樹脂付着量 ㌻、R.Cリ%) 揮 発 分 (Ⅴ.C.,タg二) 樹脂流九畳 JR.Fリア;) 硬化時間 くG.T.,S) 100mmxlOOmm 約10gを3組準備する Bias Cut.〔■ ̄lyl) プリプレナの端ユ;)2枚 プリプン.ケ中央エリ1枚 100mmxlOOmm に切断 〔怖′1) 100mmxlOOmm 約20gを3組準備する Bias Cut.・.′lyl) 50mmx50mm 約15gを3組準備する 「 540℃±60℃の′ンツポで30分焼却 室温まで冷却後榔定(Iγ2) 精 度±0.01g 160℃±3℃,15分気中加熱 室温まで冷却後測定 rly2) 精 度±0.001g プレス条件 治具使用 プレス後 精 度 170℃±3℃ 14±2kg/cm2 10分 スチール製 100mmxlOOmmに切断 ±0.01g 〔ly2) 170℃±3℃,401【g/cm2で約10秒保つ 勲盤を開放しガラス布をとり除く 樹脂を1個所に集め,酎ヒ時間をはかる 樹脂の移動範囲30mm とする 大き`て影響するため,多層用MCLと同様の特性を 有Lていることのほか,樹脂付着量,樹脂流れ量,揮発分,硬化時 間などの特性が要求される。これら特性の測定法は,アメリカでほ SPI(プラスチック工業協会),IPC(プリント回路協会)で標準化さ れているが国内ではまだ規格化されていない。そこでこれらの方法 に準拠した試験方法を確立し実札二伏しているのでこのカ法を表9 に示した。 5.1プリプレグの一般特性 表10はプリプレグの性能を示したものであるれ これほ適正な 使用条件で使用されることが必要である.∵ そこでプリプレグを通常 の積層板製造方式により積層プレスしたときの性能を表】1に示し た。この性能はJISのガラス布基材エポキシ皆川旨積層板rGE4)の 規格をじゅうぷん満足している、一J 5.2 プリプレグの諸特性 (1)プリプレグの経時変化 プリプレグはB-状態のエポキシ樹脂であるため,時間とともに 各性能が少Lずつ変化L硬化状態に至るものと考えられる。そこ で相対湿度30,50,90%の各一娃湿度下で保存した場合の吸湿量 の変化を調べその結果を図18に示した。この結果から相対湿度 90一%でほかなりの湿度の影響を受けることがわかった。プリプレ グに吸着した水分は,多層印刷回路板の性能を低下させるおそれ がある。そこで相対湿度30,50%の場合に温度を23±2℃に決め 約60日間にわたり硬化時間および樹脂流れの変化を検討した(, その結果,図19に示すようにこの条件では約10%程度の変化で かなり安定L・ていることが認められるち今後引き続いて保存条件 の検討を行なう予定であるカ\その保存条件はエポキシ樹脂の性 質からしても低温(たとえば23±2℃)で相対湿度50%未満におさ えることが必要である。 ヱjO 互180 堅 芸120 蒜 引) 0 だ・川行;弓己ノ 「--ゝ-23くC三2-c5()わこRH 23-C二2`C30レ。RH 23ぐC±2【c50レ・ゎRH 23Fc=2Cc30?uRH 10 2り 30 ハ:†1こぎ_J的'(】a)り 5(I 60 囲19 保存日数と硬化時間,樹脂流れ量の関係 60 50 40 30 20 10 0月・C=腎×100
3組の平均値をとるⅤ・C=腎×100
3枚の平均値をとる J∼・ダ= Ⅳl-1γ2 lyl ×100 3紐_の平均値をとる 3組の平均値をとる 蓑10 プリプレグの一般性能 項 ヨ 品 名 GEA-602N 樹 脂 分 r二%) 55±5 樹脂流jl量!揮発分 ・■%) (%) 37±5 0.6以下 硬化時間 (s) 240±60 表11 プリプレグの積層板の性能 析層後の厚さ (mm) 0.09±仇02 試験項 日 !単 位 堆 夜 空こ 杢皇 14亡】 表 面 抵 抗 九Ⅰ王l 洋箭重宝抗率:九in-CIn 誘 電 三三 (1MHz) 誘 電 正 接 (、1MHz) 処 理 条 件 C-90/20/65 C-90′/20/65+D-2/100 C-90/20/65 C-90/20/65+C-96/40/90 C【90/20/′65 C-90/20/65+C【96/40ノ90 C-90/20/65 C-90/20/65十D-48/50 特 性 値 3×106∼8×107 4×104∼105 5×106∼8×106 2×105ヘノ4×106 5×107∼108 5×107∼9×107 4.3∼4.8 4.5∼4.8 C【90/20/65 1 0.028∼0.031 C-90/20/65+D【48/50 1 0.030∼0.032  ̄y ̄ 23dC±2eC,9qヲ;Rト1 ・・・・・・・・・・・tゝ- 23⊂C±2bc,509占RH -一小 23tC±28c、30%RH (。+ ム巧ぎ (芭 瞞亡媒空{把 0.さ ().ら 〔′+ 仇 40 メー・一-ズーX一---一九 20 40 一チエ貰トj故・da\\1 図18 プリプレグ放置日数と吸湿率の関係 横屑ゑ作:温度1700c !lこプJ14kgノさm2 時間45分 60 100Z 2002 3002 材t弓サイで 一「mm2) 4002 図20 積層サイズと樹脂流れ量の関係 5002多層印
刷回路
用 銅 張 仲宿層
板
と ブ リ プ レ グ の特性
1125 180 160 140 レ120 100 80 60 40 20 1SO 150 くJ ㌔ノ120 去ヾ ≒ 90 三≡ 一1こ 60 30 0 \、 5 t) 7 1ロ 1112 13 14 図21積層時の昇温速度変化による予熱時間と 樹脂流れ量の関係 r ■_'15、2眺望 とnl⊥ 、 ..し一-と1川二:デ〔\ l \ ヽ \ \ \ \ \ 口 川 21) 3り ・1い ll lnlin 囲22 (2)積層サイズと樹脂 流れ量 樹脂流れ量は,プリプ レグを使用して多層印刷 回路板を造る場合その作 業の度合をみるめやすに なる。流れ量が多すぎて も,少なすぎても良好な 性能が得られない。図20 は,単位面積当たり同一 の圧力で積層サイズを変 多層化積層条件 51 ̄I dけ 二っし 哨亡桔㌫三叫付 1:i 、し-川ぎ ーこご 由 旺正 ○ 、-国23 スルーホールメッキ断面 えた場合の樹脂流れ量を 示したものである。積層サイズが大きくなるに従い樹脂流れ量ほ 少なくなるので設計時に圧力決定を検討せわばならない。 (3)多層化接着時の昇温速度の違いによる予熱時間と樹脂流れ 畳 多層化接着時に使用するプレスの熱容量により製品に伝わる 熱の速度が異なる。そこでいろいろな昇温速度における予熱時間 と樹脂流れ量の関係を測定し,その結果を図2】に示した。[乳から 昇温速度の速いものほ,短い予熱時間で急激に樹脂流れ量の低下 することがわかる。したがって多層化接着条件を決める場合にほ これらの点にじゅうぶん留意すべきである。. 以上多層用MCLおよびプリプレグの諸特性について種々報告L-たが,実際の多層化接着でほ次の条件によることが好ましい。すな わち,あらかじめ積層用プレスの熱盤を170℃に加熱しておき治具 で固定した材料をこの間にそう入する。熱盤をただちiことじ低圧 (0.8∼1.8kg/cm2)をかけそのまま保持する。さらに一定時間後駐 力を上昇させ加熱を続ける方法である。低圧保持時間′(通常2一∼10 分)は治具と材料の熱容量およぴプリプレグの硬化時間,樹脂流れ 量などの前述の特性によって決定するものであって,図22ほ加熱 加圧条件の一例を示したものである。 0.6 nUnU (uE+ ま亡三-「-七1\くべ (C∈)望だ要一「-千-一+ベ01詣
ーイーLi■l+■卜,サイ丁■ル(れ1=.-Sr「r卜2り2し㌧1〔llう▲l) 一小-;・ミ・午ぎ1∫j†㌢でイ/■ノり几′l【トSTD-2〔12し㌧1〔け几) 1t1 3〔〉 5し1 7し) りし1 11〔l ユニ礼1 15しl サイ′'I (坂厚1.6mm,穴窪0.81nmJ∼=100・ 図24 耐湿,熱衝撃サイクル数とスルー十一ル抵抗値 ー・・・】ムー姓名1しrl.一Jif㍊/J川!(工、1工F+-Sl'い2叱い1r〉さA,1ご「て:) 一-{トー辿青柳・i水性冊ニコり℃) 10 30 50 7() 90 11(1 13() 150 (坂厚1.6mm,穴径0.8mmJ王=100.、・ 図25 連続高温,吸水処理日数とス′レーホール抵抗値 このような多層化接着方式によって積層した一例を図23に示し た。.写真のようなスルーホー′しメッキの信頼性は,図24,25他に示 Lた方法によって検討を行ブ山、長期寿命を推定している。占.結
□ 多層用MCL(MCL-E-601=£,JIS,NEMAおよぴMILなど諸 規格に規定されているガラス布エポキシ樹脂MCLの要求矧生をじ しわうぷん満足するほか,いろいろな強制射ヒ試験および実用試験で も安定した性能を有している〔・プリプレグ(GEA-602N')も,経時変 化が少なく良好な特性を有L・ているので,多層印刷回路板用材料と していずれも今後その使用カこじ【ぅうぷんに期待される。 終わりに,実験にあたF)いろいろご指導を賜わった日立製作所神 奈川工場岡田課長,佐々木課長ほか関係各位,およぴ日立化環工業 株式会社下館工場横倉元信君に深謝する1∵ 参 芳 文 献(1)Multilayer Printed Circuit Boards,TechnicalManual・
(2) (3) (4) (5) (6) (7) 8910111213141516171819
-61-(TheInstitute ofPrinted Circuits,Inc.)(March,1966) Acceptability of Prin亡ed Circuit Boards・(TheInstitute
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Electric Des垣n4.肝ebruary,15,1967)
日本工業規格(JISC6484)(1966.)
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