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昭和51年度の技術の展望

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Academic year: 2021

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昭和51年度の技術の展望

昭和50年は日本の経済が非常に困難な状態に逢着し,GNP実質伸びも49年 度のマイナス成長に引き続きほとんど横ばいといって差し支えない状況で推移 致しました。今後の見通しについても,もう過去の高成長時代を期待すること は困難で,いわゆる低成長経済というのがこれから我が国の常態の姿になると 見られます。 この大きな曲り角である昭和51年を迎えて,研究開発のこれからのあり方と

いうのが大変責任の貴くなる重要な課題になってきました。日本の技術水準は

過去は欧米の追随であり導入技術が大変多かったと申して過言ではあI)ません。 しかし近年に至り日本の技術水準は急速に向上し,また山場も世界を川手とす るような時代となったことから,その進歩は目覚ましく,その格差は著しくつ まって,肩を並べる研究開発が数多く見られるようになりました。 今後の低成長経済において量から質への経営の転換ということがよく言われ

てし、ます。質への転換に最も考慮されねばならないのが技術の開発であり,研

究の成果を実用することの優劣が大きな分かれ目になると巧・えられます。 現在持っている技術というものは,それで終わったというものは決してない わけで,いかなる歴史の長い製品でも更に研究開発の余地があり,前進向上す るのが常識であります。そしてまた,:次の新しい研究の成果が想像もしなかっ たような高度の発展をもたらすのが技術の世界であります。 また,日本のような資源エネルギーの非常に少ない国では附加価値の高い, しかもその内容のよい彗払品が繁栄していくとも言われています。これがすなわ ち,技術開発に直結すると考えられており,日本の将来の大きな方向の一つと

して研究開発の重要さが倍加して考慮される時代になl)ました。

当面私どもが直面している人きな問題としては,日本の将来のエネルギー問 題の解決,非常に急速に発達している素子を含めた情報産業の問題,量産設備 の高度な合理化対策などがあl),また環境整備の問題とか,牛山二家庭用機器に 対する信頼件の向上など,研究技術への大きな期待が持たれています。 日本としては国として,また各企業一体となっての解決を必要とされる範囲 もあり,また各研究所,各企業ごとにその責任を完遂しなければならない面も たくさんあると考えられます。 また,研究あるいは技術開発の国際交流ということも大切な面であって,国 内だけにとどまらず,広く外国との対等の交流,あるいは共同研究というよう な姿が更に増えていくことを期待する次第であります。日本の技術水準も,も うここまで米ていると見て差し支えないわけで,過去一 ̄方通行にかたよりすぎ ていた日本の技術をぜひここで更にもう-一歩前進させることを期待してやみま せん。 これからの日本の研究,技術開発に携わる方々は,これまでと追って一歩進 んだ観点のもとに,研摂を積まれ,国民の大きな期待に沿うよう努力される皐 を衷心より期待して,昭和51年の御挨拶と致します。 佃醸 日立製作所取締役社長

象山巧一色

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