第1学年2組 道徳学習指導案 指導者 1 主題名 「親子の絆」 内容項目 4-(6) 家族愛 資料 「ガラスの小びん」 阿久 悠 光村図書 より 2 指導観 (1)両親は共働き、子どもは学校から帰ると習い事や塾などがあり、家族が揃って食事をとったり、話を したりと、お互いが共に過ごす時間が少なくなり、親と子どもとの絆が希薄になったといわれている。 それが原因と思われる諸問題も最近社会的によく取り上げられている。言い換えれば、家族それぞれが 独自の世界を持ち、独自の時間に占める割合が多くなり、家族そのものの意味合いが急速に変化したと 言える。 中学生の時期は、自分の成長を感じることのできる機会(学校、家庭、地域)に恵まれているが、それ を素直に受け入れにくい年頃でもある。このような状況にある子どもたちに、本資料の父親の行動を通 して、子どもに対する親の深い思いに気づかせたい。 (2)本学級の生徒は、比較的素直で、教師や大人に反発したり、反抗したりということはほとんど見られ ない。しかし、その一方、人間の本当の優しさ、思いやりの深さに気づくところまでは至っておらず、 子 どもたちの日々の人間関係の中にもそれが表れている。そうした子どもたちに父親への反発から父 親が最も大切にしている甲子園の土を捨ててしまうという青年期にありがちな反抗的な行為を提示し、 その自然性に共感させながら、その行為を許し、わが子の成長を喜ぶ父親の思いの深さに気づかせるこ とは意義深いと考える。 (3)本資料「ガラスの小びん」は、父親への反発から、父が大切にしていた甲子園の土を捨ててしまった 少年と、その時の父親の言動を通して、親子の絆について考えさせるとともに、父親のとった行動から 親の子どもを思う気持ちを取り上げている。 この資料は、多感な思春期の少年の心情の変化がよく現 れており、生徒が作品自体に共感して入り込める。また、中学生を持つ親が、わが子の成長に伴う変容 に戸惑いを感じると共に、喜びを見いだす部分がよく表されている。本資料を通して生徒は、主人公に 自分を置き換えて考えることができるであろうし、資料中の父親に自分の親を重ね合わせたりしながら、 親の思いに気づくことができると考え、本主題を設定した。 3 本時の指導上の工夫 資料が生きる発問の工夫 板書・プリントの工夫 導 入 A:自分との関わりを意識化させる発問 甲子園の土の入った瓶を提示することによって、作品を身近 に感じさせるとともに、甲子園に出場した選手にとってどの ような価値があるのかを考えさせ、資料へとつないでいく。 展 開 B:人としての道徳性を認識させる発問 ・資料1では甲子園に出場することのむずかしさや父親が自 慢する気持ちも押さえる。 ・資料2では、こんな父親に反発し、土を捨ててしまう少年 の気持ちに共感させ、人間の自然性を確認する。 ・資料3では、大切な土を捨てられても怒らず、子どもの成 長を喜ぶ親の気持ちに気付かせる。(中心発問) ③少年の行動を許し、少年の成長を喜 ぶ親の愛情の深さに気付かせるように 板書を構成する。 終 末 C:自己の道徳性の成長を実感させる発問 ・自分自身が親の期待や願いに気づけるのはいつだろうか と考え、親子のきずなに思いをいたらせる。 ・授業を通して考えたことを記述させ、本時の思考を振り返 らせる。 ④プリントに感想を書き、自分自身を 振り返る。 4 ねらい 父親への反発から、父が大切にしていた甲子園の土を捨ててしまった少年と、その時の父親の言動を通し て、親子のきずなについて考えさせる。
学習活動と主な発問 予想される生徒の反応 指導上の工夫と留意点 導 入 五 分 1、ガラスの小びんに入っ た甲子園の土を見る。 ○これは何でしょう。 ・思いついたことを自由に発言さ せ、正解を示した後で、「甲子園 に出場した選手にとってどんな 価値があるのだろう。」と投げか け、資料へとつなぐ。 展 開 三 十 五 分 2、資料を読んで、少年や父 親の言動や気持ちを考える。 ・資料1(甲子園に出場したこ とを自慢する父親)を読む。 ○こんな父親をどう思います か。 ・資料2(父親の大切な甲子園 の土を捨ててしまった少年) を読む。 ○父親が大切にしているとわ かっているのに土を捨ててし まう少年の気持ちは理解でき ますか。 ○ あ な た が こ の 少 年 だ っ た ら、この後、父にどんな行動 をとってもらいたいですか。 ・資料3(大切なものを捨てら れても怒らなかった父親) を読む。 ○大切な甲子園の土を 息子に捨てられたのに、 父の顔がなぜか明るか った。こんな父親をどの ように思いますか。(主 発問) ・過去の栄光にこだわりす ぎている。 ・恥ずかしい。 誇らしい面もあるが、ほど ほどにしてほしい。 ・よくわかる。自分でもそ うするかもしれない。 ・気持ちは分かるがそこま でしなくてよい。 ・いくら叱られても捨てて しまうのはよくない。 ・厳しく叱ってもらいたい ・しつこく叱らないでもら いたい。 ・自分の気持ちも分かって もらいたい。 ・怒るのではなく、諭して ほしい。 子どもからみた父を尊敬 する意見が理由として出 る、その中に父の子を思 う愛情に気づくものがあ るはず。 ○批判的な意見が多いと思われ るので、甲子園に出場することは 並大抵のことではないことを強 調し、父親が自慢する気持ちも押 さえておく。 ○親の期待や願いを負担に感じ ることは誰にでもあるのではな いかとつぶやき、人間の自然性を 確認する。 ○なるべく多くの生徒に発言さ せることで、みんなが「たとえ怒 られても、自分の成長のためにな ることを望んでいる」という気持 ちを確認する。 ○親の愛情の表わし方にもいろ いろあるという認識を広め、その 一例として結末を提示する。 ○どうしてか理由を問う。 ○子供の成長を喜ぶという意見 が出ない場合は「親には自分の大 切にしているものを捨ててまで、 子どものことを思う気持ちがあ る」ということを話す。 終 末 十 分 ○こういう親の期待や思いが わかるようになるのはいつだ ろう。 ○数名に発表をさせ、「正解はない が、自分が成長した時がそうかも しれないね。」とつぶやいて終わ る。