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山村留学の効果(第3報) : 美利河小学校の教育環境による影響

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(1)Title. 山村留学の効果(第3報) : 美利河小学校の教育環境による影響. Author(s). 大森, 裕介; 相原, 正義; 徳永, 好治; 中森, 千佳子. Citation. 僻地教育研究, 53: 29-43. Issue Date. 1999-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1636. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである. Hokkaido University of Education.

(2) No.53. 1999.3. 山村留学の効果(第3報) 一美利河小学校の教育環境による影響− 大 森 裕 介. 相 原 正 義. 北海道教育大学大学院教育学研究科. 北海道教育大学函館校. 徳 永 好 治. 中 森 千佳子. 北海道教育大学函館校. 金城学院大学. TheE鮎ctofChildren’sExperienceCalledSanson一郎ugakuupon TheirGrowth:TheInfluencesoftheEducationalEnvironment atPirikaElementarySchoolinHokkaido −Sanson−Fyugakuisaneducationalandculturalsystem:aChildexperiences ruralschoo11ifeandhomestayforoneormoreyears− YusukeOHMORI,MasayoshiAIHARA,. Yoshiharu TOKUNAGA and Chikako NAKAMORI. そこで本稿では,留学生の変化が山村留学の教育環境. はじめに. の何によってなされるのかを明らかにすることを目的. 第1報1),第2報2)に続き,第3報は1997(平成9). に,調査を実施した。 本稿では留学生の変化を自己指導能力で測ることにし. 年度調査の結果から山村留学の効果を教育環境と留学生. の変化の関係からまとめたものを報告する。. た。自己指導能力とは,その時,その場で,どのような. 山村留学の教育効果は,留学生が自然体験を通してた. 行動が適切であるか,自分で考えて,実行する能力であ. くましくなった,里親や先生などに教わっていたことが. り,生徒指導はこの能力を育成することを最終目的とし. 自分の努力でできるようになった,自分の行動に責任が. ている6)。生徒指導とは,児童生徒が自らの努力により,. 持てるようになった,教師や友達と親密な人間関係が形. 自己の可能性を発達できるように,教師が児童生徒一人. 成できた,自主性が発達したなどの効果が報告されてい. 一人を援助する教育機能であり,人格形成のうち特に情. る。3)4)5). 意的側面に作用する機能である7)8)。山村留学の教育効. また,最近の動向では不登枚や人間関係に問題を持つ. 果は主に情意的側面があげられていることから生徒指導. 子どもなど,現代の教育間邁であるひずみを抱えた子ど. の目的である自己指導能力に関係しているのでほないか. もたちが留学を希望するケースが増加している。北海道. と考えた。. 瀬棚郡今金町立美利河小学校は学校存続を目的に平成2. 年度から山村留学制度を導入しており,過去に不登校な. 議 城. ど問題を抱えていると思われる子どもが留学してきた例. 機. 能. 目 的. 人格著書の. (各教科). もある。しかし,そのような留学生も実利河小学校では. 面の形成. 学校が楽しいと感じるようになり,うまく学校に適応し, 人格形成. 大きな変化がみられた留学生も少なくない。山村留学の 教育効果や問題を抱えた子どもが山村留学先の学校に適. 応しうる現象は山村留学の教育環境の何によって成果が 学校教官. あげられるのであろうか。もしそれが解明できれば現代. 教科指導. 学習絶藩=うち知的僧. 教科外指濡. 人格警兼の 生棚導;孟孟悪霊笠. (音別清三). の教育問題の1つの解決方法が見いだせるのではないだ. 図1学校教育の機能9). ろうか。. − 29 −.

(3) 大森 裕介・相原 正義・徳永 好治・中森千佳子. 表2 調査項目. I1997(平成9)年度. 表2 調査項月 山. 123. 北海道瀬棚郡今金町立美利河小学校山村留学の教育環. 背. 教. 1.調査の目的. 教︶︶︶. 1. 教育環境に関する調査の目的と方法. 宮 村 学校経営の方針. 4,留学生の自己掴濱能力の変化 1)自分で判断する力. 4)美利河ふるさと学習. 境が留学生の変化に及ぼす影響とその要因を明らかにす. 3)自己を生かす力 4)自己を律する力 5)自己を詔縫する力. 2.複式教育 1)学級♯戌 2)少人数教育 3)異年齢集団 4)集合据導. る。. 3.教育活動 1)1日の学校生括 2)教師の指導書 こi)教師の瀬導方法 4)人間関係. 2.調査の対象者(表1) 対象者は北海道瀬棚郡今金町立実利河小学校の平成9. 年度山村留学1年目の児童6名のうち3名,及び美利河 小学校の校長と対象とした留学生の担任教師である。ま た,対象とした留学生は大きな変化が見られた留学生を. Ⅰ 調査結果. 対象とすることで山村留学の効果を分析しやすくなると. 考え,担任教師と相談し,3名を選定した。なお,対象. 1.美利河小学校の教育制度. 者の属性は表1の通りである。. 1)教育目標. 学枚経営要綱「平成9年度清流」10)によると,実利 表1対象者の属性 児童 性別 学年 出 身 地. 河小学校は「自らすすんで,心身を鍛え,知性をみがき, 力強く実践する子ども」(豊かな美利河の子)という教. 里 親. 育目標を設定していた。具体的には,「すすんで勉強し,. Nさん. 児童A 女子 5 兵庫県出身. 深く考える子ども」,「みんなと仲良くし,思いやりのあ. 酪農家. る子ども」,「目あてに向かって,たくましくやり通す子. 50代半ば. ども」,「礼儀正しく,節度のある子ども」,「じょうぶな. 0さん. 児童B 男子 6 香川県出身. 身体をつくる子ども」の5つの目標があり,平成9年度. 酪農家. は「すすんで勉強し,深く考える子ども」と「目あてに 60代後半. 向かって,たくましくやり通す子ども」の2つを重点目. Mさん. 児童C 女子 5 沖縄県出身. 標にしていた。 無職. 2)山村留学制度の意義づけ. 60代後半. 学校経営要綱「平成9年度清流」11)によると,美利 河小学枚では山村留学制度を「『21世紀に心豊かにたく. ましく生きる児童』の育成を目指し,意まれた地域環境. 3.調査方法 平成9年11月4日,7日,10日,11日,16日,20日,. や小規模校としての特色を積極的に教育活動に生かすこ. 28日,29日,12月19日,20日,計10回,実利河小学校を. とを山村留学制度といった視点から進めることに導入の. 訪問し,面接法による聞き取り調査,及び観察法による. 意義がある」と押さえていた。この意義は言い換えれば,. 調査を実施した。また,対象者の担任教師に留学生の変. 地域の教育力を生かして,地域の自然的,社会的,歴史. 化を評価してもらうため聞き取り調査を実施している。. 的環境を生の教材として積極的に教育活動に取り入れる. 4.臍査甥旧(表2・表3) 調査項目は表2の通りである。また,本稿における自. 習状況に応じた教育を行うことなどに山村留学制度の意. こと,少人数教育の特色を生かして,児童一人一人の学 義があるとの考えとうかがえる。. 己指導能力の定義と調査内容は表3の通りであるが,本. 3)学校経営の方針. 稿では留学生の変化を特に自分で判断する力,実行する. 学校経営の方針は,「平成9年度今金町教育研究集会. 校内研究 学習指導指導案」12)に詳しい。美利河小学. 意欲,自己を律する力を中心にまとめた。. 校は,重点目標である「すすんで勉強し,深く考える子 ども」と「目あてに向かって,たくましくやり通す子ど. も」,山村留学制度を通して「21世紀に心豊かにたくま. しく生きる児童」の育成を目指すために,「子どもと教 師の個性を生かした教育活動」と「地域と子どもの特性. ー 30 −.

(4) No.53. 山村留学の効果(第3報). 表3 自己指導能力の定義と調査内容. − 31−. 1999.3.

(5) 大森 裕介・相原 正義・徳永 好治・中森千佳子. は先生が勉強がわかるまで教えてくれるので,つまずい. を生かした教育活動」を学校経営の方針としていた。 「子どもと教師の個性を生かした教育活動」とは,少. てもあきらめずに努力できるようになったという留学生. 人数教育を生かし,児童理解を充実させることを目的に していた。そして,児童一人一人の実態を正確にとらえ,. の詣であった。また,留学生は人数が少ないため授業中. 児童に合った課題を設定し,認め・励ます支援を充実さ. きるなど学習に対して積極性がでてきている。. に発表する機会が多くなり,自分から手を挙げて発表で. せることによって,一人一人が自分の良さ・持ち味に気. 授業以外では,教師は児童一人一人に学級の仕事や園. づき,それをお互いに認め合いながら,自分らしさを発. 芸,飼育など役割を与えたり,児童の個性を発揮する場 を用意するなどの工夫をしている。そのため留学生は自. 揮した自主的学習を展開することを目指していた。 「地域と子どもの特性を生かした教育活動」は,しい. 分に与えられた仕事や役割を最後まで果たすことができ. たけの栽培,魚釣り,ダムハイキングなど身近な地域素. た。留学生は学校での存在感,充実感を感じることがで. 材を生かした多様な学習の場を設定することを目的にし. きたなど学校を構成する一貞であるという自覚を強く感. ていた。そして,多様な学習の場を設定して,児童の主 体的活動を重視することによって,児童が自ら考えたり,. じていた。また,人数が少ないために学校行事の際は低 学年から順番に司会の役割を与えられるため,留学生は. 試したりすることの楽しさや充実感を感じ取りながら,. 指導を受けながらみんなの前で堂々と発表できるように. 課題を持って,最後までやり抜く意思・態度が育つとと. なり,自信を深めていた。. 人間関係については,留学生は教師や友達と接する機. もに,学習意欲が高まっていくことを目指していた。. 会が多く,親密な人間関係を形成していた。そのために. そして,これらの学習経営の方針は次に述べる「実利. 教師の指導に素直に従うようになる,教師が信頼できる ようになる,因っている友達を助けるようになるという. 河ふるさと学習」を中心に展開されている。 4)美利河ふるさと学習(表4). 「美利河ふるさと学習」とは校内研修で立案された学. 留学生の話であった。. 校行事であり,身近な地域素材や地域人材を積極的に活 用して,横断的な指導を行っている。指導内容は,児童. 美利河小学校は同一学年以外の全校で活動する機会が. と教師,児童どうし,児童と地域住民などの心の触れ合. 多い。上級生は休み時間などサッカーやバスケットボー. いを深める体験,自然体験,勤労体験など,様々な体験 学習を多く取り入れている。なお,「平成9年度実利河. 学習発表会のポスター書きで下級生の作業が遅れていた. ふるさと学習」の詳しい指導内容は表4の通りである。. 時に手伝ったりする。上級生は下級生の面倒をみること. 3)異年齢集団. ルなどスポーツを通して下級生の遊び相手になったり,. で人間関係の深まりとともに学習も再認識できる. 2.複式教育. 下級生は上級生に面倒をみてもらうなど上級生に世話に. なる機会が多いことから,学習発表会の演奏の練習など. 1)学級編成. 実利河小学校の学級編成は複式編成であるが,平成9. で上級生の指示に素直に従っていた。このように美利河. 年度の学級編成は,低学年2名,中学年3名,高学年9. 小学校では異年齢集団を通して,上下関係の親密な人間. 名の3学級で編成されていた。全校14名のうち留学生は. 関係を形成していた。. 中学年1名,高学年9名,計10名であった。また,教職. 4)集合指導(四つ葉学校). 学校経営要綱「平成9年度清流」14)によると,集合. 貞は,校長,教頭,教諭2名,養護教諭,用務員の計6 名であり,そのうち低学年の担任は教頭,その他の学級. 指導とは今金町内の学校との合同活動を通して,少人数. は2名の教諭が担当していた。. 児童による単調な人間関係の場を広げることによって健. 授業形態は,音楽,体育,図工,特別活動は全学年の. 全な社会性の育成や集団学習による思考の広がりを目的. 合同授業でT・T方式(ティーム・ティーチング方式). とする。児童は集団の行動を通して1つのことを達成す. で行われており,その他の教科は各学級ごとに行われて. る喜びや充実感を味わうことになる。 平成9年度は実利河小学校をはじめ,町内の中里小学. いた。. 美利河小学校は小規模校のため教師は児童一人一人の. 校,花石小学校,豊田小学校の4校で四つ葉学校と称し て,集合指導を計10回実施している。. 学習状況に対応するゆとりがあり,まさに個に応じた指. 四つ葉学校は約1カ月に1回の割合で行われており,. 2)少人数教育. 導を実施していた。. T・T方式で体育,音楽,特別活動の指導を行っている。 運営は各学校ごとに体育部,音楽部,特別活動部の担当. 学習指導は,児童の学習状況に応じた個別指導を徹底 していた。そのため留学生は前校では勉強でつまずいた. を決めて,集合指導を行う前に全体研修,部門研修を行. らそこであきらめ放棄することが多かったが,美利河で. っている。. − 32 −. 。一方,.

(6) No.53. 山村留学の効果(第3報). 1999.3. 表4 平成9年度実利河ふるさと学習13) 活 動 名. 月. 活 動 の ね ら い. 柑掛. 5 動物との対面式 ・綿羊・うさぎ、チャボの歓迎会を行うことにより、動物を思いやる心を持つ。 理科 ・歓迎会を通して、動物を飼育する意欲を持つ。 6 椎茸・なめこ栽培. 道徳. 理科. 生活 学校農園. ハイキング. ・工夫しながら、協力して、作業を進める態度を持つ。. 理科. ∵最後までねばり強く、やり遂げる態度を持つ。. 生活. ・美利河の地域を歩き、体力の向上を図る。. 体育. ・児童間の交流を図る。 運動会. ・自分の役割に責任を持ち、みんなと協力して活動する。. 魚釣り集会. ・川べりの原則を知り、山村留学の思い出の一つとする。. 特括. ・北海道の川に住む魚の種類を知る。. 理科. ・自然に親しみ、おおいに楽しい−一日にする。. 体育. 体育. 生活. 7 海浜遠足. ・勝手な行動を破らず、みんなで協力して楽しい思い出とする。 キャンプ. ・児童全員が協力して、連帯感を持っ。. 家慶. ・里親にも参加してもらい、交流を図り、楽しい思い出とする。. 特括. 8 自由研究発表会 ・休み中、研究したことについて、みんなの前で、発表できる。. 特活. ・友達の発表を静かに開く。 9 炊事遠足. ・収穫した野菜を材料にして、収穫の喜びを深める。. 家庭. ・学校の仲間と協力し、準備することで、成功した喜びを持つ。. 特活 理科. 野草観察. ・学校周辺の植物の種類を知る。. 美利河祭典. 遺徳. 理科 生活. ・r見るj祭りから、自分たちの手で、計画・準備・参加をし、地域の人達と交流. を深め、思い出の一つとする。 10 収穫祭. ・収穫する喜び、ありがたさを知り、楽しんで収穫祭をする。. (もちつき大会) ・里親、地域の人からお蕎を開いて活動し、身近な自然に興味を持ち、親しむ。. 特括 家庭. ・自分の役割に費任を持ち、斑ごとに協力して、活動する。. 理科. ・地域の人から、もちつきの要領を学び、楽しいときを過ごす。. 生活. ・地域と協力することによって、地域を見直す態度を持つ。 田 学習発表会. ・多くの人の前で、積極的に発言する。. 教科. ・自分の役割に責任を持ち、みんなで協力して活動する。. 遺徳. お店屋さん集会 ・児童、里親、親、地域の人達との交流を図る。. 特活. ・自分の役割を知り、楽しい行事に参加する。. 12 動物とのお別れ会 ・綿羊などとお別れ会を行うことにより、動物を思いやる心を持つ。 2 まめまき集会 雪中運動会. 家庭. 理科. ・友達と協力する心を持づ。. 遺徳. ・まめまきの意味がわかり、楽しく活動する。. 特活. ・厳寒を体験し、自然に親しむ態度を持つ。. 体育. ・お互いに協力し合って取り組む態度を持つ。 美利河探検 (歩くスキー). ・厳寒を体験し、自然の偉大さを知る。. 体育. ・最後までねばり強くやり通す態度を持つ。. 3 お別れお泊まり余 ・一年間、苦労を共にした友達と語り合い、思い出の校舎に泊まり、美利河での最 家庭 後の交流を図る。. 道徳. ・里親を招待し、自分たちで作った料理等を御馳走したり、最後の交流を図る。 特活. − 33 −.

(7) 大森 裕介・相原 正義・徳永 好治・中森千佳子. 感を味わえるように努力することが指導の基本である。. 3.美利河小学校の教育活動 1)1日の学校生括. そのためには児童が自己判断するように指導したり,目 標を持たせるようにしたり,児童の良さを発揮できる場. 1年間の学校生活の概要については第1報で報告して. いるため,ここでは特に1日の学枚生活の概要について. を作るように工夫することなどが大切であると考えてい. 報告する。 児童は午前8時までに登校することになっているが,. る。. 早い児童では午前7時20分頃に登校して,体育館でボー. 学習過程を重視する。例えば,教師は6年生なのに掛け 算九九ができないと評価するのではなく,掛け算九九で. 学習指導では,性急に答えを求めるなど結果ではなく. ル遊びや音楽室で楽器を演奏するなどして進んでいる。 8時10分になると花や学校農園の水やり,綿羊やチャボ, ウサギの飼育などの作業をすることになっているが,遊. 2の段ができるようになったら,そこでよくできたと評 価するようにしている。. 生徒指導では,児童と教師が信頼できる人間関係を形. びに夢中になっていた児童もチャイムと同時に仕事に取. りかかっていた。また,これらの作業は3グループに分 かれて行われているが,グループ分けは児童が中心にな. 成することを基本に,児童の話をよく聞くこと,児童ど. って月に1度の割合で決めている。. することなどを中心に考えている。. うしを比較しないこと,児童と教師の触れ合いを大切に. 午前の授業は4時間目まである。授業は45分間であり,. 3)教師の指導方法. 4月に留学生が来た時,まず教師は実利河小学校は楽. 1時間の授業の間に5分間の休み時間がある。1時間目 は8時30分から始まり,2時間目と3時間目の間に20分 間の中休みが入り,12時に4時間目の授業が終わる。. しい学校であることを留学生に徹底的に理解させるため. に,4月から5月にかけて,動物の対面式,登山,しい たけ栽培など学校行事を多く設定していた。留学生は家. 休み時間になると児童は体育館でボールで遊んだり, ピアノ,木琴などの楽器を演奏するなど個々の児童がや. 族と離れたさびしさを抱えながら今までやったことのな. りたいことをして過ごしているが,全員で鬼ごっこやド. い体験を通して学校が楽しいと感じるようになり,2カ. ッチボールなどをして過ごすこともある。また,学校の. 月ほどで学校に適応できるようになる。また,教師は児. 決まりではないが児童はチャイムが鳴ると同時に遊びを. 童の話を真剣に聞くように接しているため,中には教師. やめて,教室に戻っており,チャイムが鳴った後に進ん. に対する不信感が強かった児童も教師に対して徐々に心. を開くようになり,表情も明るくなってくる。そのため. でいる児童はまずいない。. に授業でわからない問題があった時に質問するなど,教. 給食の時間は食堂で児童と教師が全貞で給食を食べて. いる。給食の準備は各曜日ごとに割り当てが決まってお. 師を頼りにする場面が多くなってくるという話である。. り,養護教諭と係の児童が中心に準備をしている。また, 月に1度の割合で席順を変えているため,給食の時間に. 教科指導は,勉強が得意な児童には問題を多く用意し て学習させたり,勉強が苦手な児童には学習内容が理解. 児童は全校の児童や教師全員と触れ合う機会が設けられ. できるまで指導するなど児童の学習状況に応じた指導を. ている。. 行っている。学習内容は,特に文章の読み書き,計算な. 昼休みほ12時30分から午後1時までであるが,休み時. ど基本的な学習に力を入れていた。また,理科の授業の. 間と同様な過ごし方をしている。昼休みが終わると20分. 時に近くの川に行って水中の生き物を観察したり,図エ. 間の清掃が始まるが,その時も児童はチャイムと同時に 遊びをやめて,清掃に取りかかっている。清掃は各学級. の授業で綿羊や近くの牧場や牛舎で牛を写生するなど身 近な地域環境を積極的に利用するように心掛けていると. で役割を決めているが,人数が少ないために児童一人一. いう話であった。. 人に役割を与えらており,児童は自分に与えられた仕事. 運動会や学習発表会などの学校行事では児童が中心に. は自分以外にやってくれる人がいないと知っているた. なって学習の目あてを決めるなど,児童が中心になって. め,仕事をサボっている児童はまずいない。. 決定したり,作業をするように指導していた。そして,. 午後の授業は1時20分から5時間目が始まり,6時間 目は3時に終わる。その後に帰りの会が始まり,3時30. 自分で受け持った役割を最後まで責任を持って実行する. 分には下校することになっている。. になってみんなで計画するなど子どもの手作りの行事が. ように働きかけていた。そのために留学生は児童が中心. 放課後は下校時間である3時30分まで,ほとんどの児. 多いので楽しい,自分で選んだ作業を最後まで責任を持. 童が友達と話をしたり,ボールや楽器などで進んで過ご. って果たすことができたなどと話していた。. している。. 4)人間関係. 2)教師の指導観. 留学生が以前通っていた学枚の多くは大規模校であ. 美利河小学校の教師は,児童が存在感・成就感・満足. る。そこでは一斉授業でつまずいたり,理解できなかっ. − 34 −.

(8) No.53. 山村留学の効果(第3報). 1999.3. た場合などでは教師に個別指導される機会に乏しかっ. (2)実行する意欲. た。また,一斉授業は1時間の授業で児童が学習内容を. 美利河に来てから自主性の発展は,図工の写生の時に. 理解していることを前提に行われることが多く,授業に. 自分から近くの牛舎に行って,本物の牛を見ながら牛の. ついていけない児童は学習内容がますます理解できず,. 絵を描くことができた。自然に興味・関心を持っていた. その結果,学校が楽しいと感じることができない。. ので,自分から小動物の世話をしたり,学校の帰りに道. しかし,実利河小学校に来た留学生の多くは初めて学. 端の花を観察したり,川で遊ぶなど積極的に自然に関わ. 校が楽しい場であると話してる。その理由として,先生. ることができたなどの変化が見られた。. は勉強がわかるまで教えてくれる,学校でいやなことが. また,自発性については,今まで通っていた学校は学. あっても先生が相談にのり,かばってくれるので安心で. 校行事では先生と一部の児童が中心になって決めていた. きるようになったなど,留学生は教師を信頼できる人間. など,学校生括での自己存在感や満足感を感じることが. 関係の中に組み入れることができたからであった。また,. できなかった。しかし,美利河では魚釣り,収穫祭での. 教師と児童の親密な人間関係にとどまらず,留学生は友. じゃがいもの皮むき,しいたけ狩りなど今までやったこ. 達が勉強でつまずいていたら敢えてあげる(この体験は. とのない行事がたくさんあるので楽しい。実利河では昼. 初めての場合が多い),友達が因っていたら助けてあげ. 休みに全校生で遊んだり,学校行事では児童が中心にな. る,下級生の遊び相手になるなど,児童どうしも親密な. って計画を立てるなど子どもの手作りの行事がたくさん. 人間関係を形成していた。. あるので楽しいなど,学校生括での自己存在感や満足感 を強く感じることができたという話であった。. 4.留学生の変化とその要因. (3)自己を律する力. 1)児童Aのケース(表5). 児童Aは教師の個別指導により跳び箱が跳べるように. (1)自分で判断する力. なったことが自信につながっている。自律性をみると,. 美利河に来た当初は他の留学生に誘われて行動するの. 今までみんなの前で発表することを避けていたが,人数. がほとんどであり,自分の意志で行動することはあまり. が少ないためにみんなの前で発表する機会が多くなり,. なかった。しかし,美利河では自分で判断する機会が多. 学校行事の司会などみんなの前で苦手意識を持たずに発. い。自己判断については,キャンプの計画で献立を決め. 表できるようになった。先生は勉強がわかるまで教えて. ている時にオムライスがいいという自分の意見を発表で. くれるので理解が進み,特に苦手な算数の勉強を努力す. きた。今までは友達に誘われて決めていたが,学習発表. るようになったなどの変化が見られた。. また,社会性をみると,授業で課題を与えられた時に. 会の楽器の演奏で自分から木琴を選んで練習することが. できた。友達が勉強でつまずいている時に勉強を数える. みんなで助け合って問題を解くことができた。今まで通. ことができた。. っていた学校では先生に注意されても聞き流していた. 児童Aは学力は高く,勉強はできる方であるが,体育. が,美利河では先生に言われたことに素直に従うように. が苦手であり,特に跳び箱が跳べないことに強いコンプ. なったなどの変化が見られた。. レックスを感じていた。跳び箱が原因で自信を持ってみ. (4)児童Aに変化を及ぼした要因. んなの前で行動することができず,授業中に自分から手. 児童Aに変化を及ぼした要因は次の通りである。①今. を挙げて発表することもできなかった。しかし,放課後. までやったことのない体験ができるので学校が楽しいと. に教師の個別指導を通して跳び箱が跳べるようになった. 感じることで自信を持てるようになった。(多数師の個別. ことが自信につながった。自己決定については,今まで. 指導を受ける機会が多くなり,苦手なことを克服できた。 ③児童が中心になって学校行事の計画を立てたり,自分. みんなの前で発表するのは苦痛であったが,人数が少な いので自分から意見を言わなければいけないという気持. の意見を発表するなど自己存在感や満足感を感じること. ちが強くなり,授業で自分から手を挙げて自分の意見を. ができた。④人数が少ないために自分で判断する機会が. 発表するなど自己主張ができるようになった。自分から. 多くなった。⑤先生や友達と接する機会が多くなり親密. 収穫祭のカボチャの発表の係になって,日曜日に学校に. な人間関係が形成できたなどである。. 行って発表の準備をすることができたなどの変化が見ら. れた。児童Aは跳び箱が跳べるようになったことが自信. 2)児童Bのケース(表6). となったが,みんなの前で跳び箱を跳ぶことは恥ずかし. (1)自分で判断するカ. くてできないと話しており,今後は周囲の目を気にする. 児童Bは実利河に来た当初はある留学生の行動を見な. ことなく苦手なことを蒐服できるように実行することが. がら自分で行動するというパターンがほとんどであり,自. 課題である。. 分から行動することはできず,自信が持てないためにそわ. − 35 −.

(9) 大森 裕介・相原 正義・徳永 好治・中森千佳子. 表5 実利河に来てからの児童Aの変化 行 事. 月. 児 童 の 変 化. 教 師 の 指 導. 4. に分かれて1週間交替で花,綿 一生懸命するようになったり,花を観察したり,川で 羊,ウサギとチャボの世話をす 遊ぶようになった。. 5. ・学校生括にも慣れ,下級生の面倒をみたり,友達に. るように指導する。. 勉強を教えるなど友達を助ける行動が見られるように なった。. ・児童の話を真剣に開くように. ・教師との信頼関係が強くなり,学校が楽しいと感じ るようになった。. 接する。. ・今までやったことのない体験を通して学校が楽しい. 6. と感じるようになり,自信も持てるようになった。. 培 ・魚釣り. ・運動会. ・児童に役割を与えたり,児童 の持ち味を発揮する場を用意す 変化が見られるようになった。 るように揖導する。. ・授業などで発表する機会が多くなり,授業で自分の 意見が発表できるようになった。. ・苦手なことがあっても恥ずか. ・みんなの前で跳び箱が苦手であることを打ち明け、. しいことではない,美利河で今 放課後に教師の指導を通して跳べるようになったこと までできなかったことを努力す が自信となり,今までできなかったことについて努力 るように指導する。. するようになった。. ・勉強がわかるまで個別指導を ・教師は勉強がわかるまで教えてくれるので,勉強に 対して自信が持てるようになり,つまずいてもあきら. する。. めずに努力できるようになった。 ・みんなで計画して,協力して. 7. ・キャンプの計画で献立を決める時にみんなの前でオ. 準備するように括導する。. ムライスがいいという自分の意見を発表できた。 ・キャンプでは我がままを言わずにみんなで協力して 作業をすることができた。 ・児童が中心になって計画して,みんなで協力して準 偏するという学校行事を通して,自己存在感や満足感 を強く感じることができた。. 8. ・自分から収穫祭のカボチャの係になって、日曜日に. ・収穫祭. 学校に行って発表の準備をすることができた。. 9. ・自分の意志で近くの牧場に行って牛の絵を描くこと. ・写生会. ができた。. 10. ・演奏では自分の判断で木琴を運び,休み時間などに 練習をする場面が見られた。. 田. ・朗ではみんなの前で自信を持って役を演じることが できた。. そわとしたしぐさを見せたり,教師が発表する場を与えて も拒否していた。しかし,変化は4カ月ほどたって,学校. に質問することができた。美利河に来た当初は一人でバス ケットボールなどをして進んでいることが多かったが,下. 生括に慣れるとともに生じてきた。自己判断については,. 級生とサッカーやバスケットボールをして遊ぶようになる. 今までは勉強でつまずいたらそこであきらめていたが,算. などの変化が見られた。 また,自己決定については,魚釣り,小太鼓の演奏な. 数の授業で図形の表面積の問題がわからなかった時に先生. − 36 −.

(10) No.53. 山村留学の効果(第3報). 1999.3. 表6実利河に果てからの児童Bの変化 月. 行 事. 教 師 の 指 導. 児 童 の 変 化. ・友達に気になることを指摘されるとはたき返す場面. 4. が見られた。. ・学校農園. ・授集中に疲れを訴える場面が見られた。. 5. ・児童の話を真剣に開いてあげ るように蒋導する。 ・児童に役割を与えたり,持ち. 6. 味を発揮する場を用意するよう に指導する。 ・修学旅行. ・楽しい思い出を作るように楷 ようになった。. 導する。. ・今までやったことのない体験を通して学校が楽しい. ・魚釣り. と感じるようになったり,自信を持っことができるよ うになった。 ・勉強がわかるまで個別指導す. ・教師は勉強がわかるまで教えてくれるので,勉強に. る。. 対して自信が持てるようになり,つまずいても努力で きるようになった。. ・児童の要望に応えるように児. ・教師は勉強がわかるまで教えてくれたり,日曜日に. 童と接する。. 魚釣りに連れて行ってくれるので,教師が信頼できる ようになった。. ・発表する機会を与えるように. ・授業などで発表する機会が多くなり,自分の意見が 言えるようになった。. 指導する。. ・みんなで計画して,協力して ・バスケットボールやサッカーなどの遊びを通して,. 7. 準備をするように指導する。. 下級生の遊び相手になっていた。 ・キャンプでは下級生に指示を出しながら食器を片付 ける場面が見られた。. 8. ・児童の話をよく聞くように按. ・以前通っていた学校での自分について先生に話をす ることが多くなった。. する。. 9. ・児童会役員選挙 ・みんなの意見で児童会長に任 ・みんなの意見で児童会長に任命されたが,最初ほ自. 10 ・ボーリング大会. ・学校行事の児童会長のあいさつを通して,児童会長 の役割に自信を持ち始める。. ・学習発表会. ・自信を持って児童会長のあい. ・児童会長として自信を持ってあいさつをすることが できた。. さつをするように指導する。. ・四つ葉学校の学習発表会では自分からあいさつをす. ・四つ兼学校の学習. ると言い出して練習するなど自分の責任が果たせるよ. 発表会. うになった。 ・独り言を言いながら作業をしたり,勉強に対して知 的好奇心を示すなど自信を持って行動する場面が多く なった。. ど今までやったことのない体験や学校行事の司会などの. に任命され,当初は責任が果たせないと拒んでいたが,. 役割を積み重ねることで,やればできるようになるとい. 学習発表会で児童会長としてあいさつをしたり,自分で. う自信が持てるようになった。みんなの推薦で児童会長. あいさつの原稿を書いたりするなど自分の役割に責任が. − 37 −.

(11) 大森 裕介・相原 正義・徳永 好治・中森千佳子. 持てるようになったなどの変化が見られた。しかし,児. (4)児童Bに変化を及ぼした要因. 童Bは勉強などでつまずいた時にすぐに教師を頼る傾向. 児童Bに変化を及ぼした要因は次の通りである。①前. できるか試そうとする力を身につけることが課題であ. 校に比べ教師と接する機会が多くなり,親密な人間関係 を形成できた。②教師を信頼できるようになったことで. る。. 学校が楽しいと感じることができた。(多人数が少ないた. があるため,今後は教師を頼る前に自分の力でどこまで. (2)実行する意欲. めに教師の個別指導を受ける機会が多くなり,勉強がわ. 児童Bは美利河に来た当初,表情が暗く,笑うことも. かるようになった。④役割を与えられる機会が多くなり, その役割を果たすことで存在を実感でき,自信が持てる. あまりなかった。また,自分から行動するなどの自主性. ようになった。⑤みんなと協力して作業をする機会が多. もあまり見られなかった。しかし,学校生暗に慣れるに したがい変化が見られるようになった。自主性について. くなったことなどである。. は,クラブ活動の百人一首や理科のリトマス紙の実験な 3)児童Cのケース(表7). ど,新しくやる活動を意欲的に取り組むようになった。 勉強でわからないことや自分が知らないことを先生に質. (1)自分で判断する力. 問するなど知的好奇心を示すようになったなどの変化が. 美利河に来た当初は学力が劣っていることをコンプレ ックスとして感じており,授業中は放心状態で先生の話. 見られた。. をほとんど聞くことができず,勉強に対する意欲や自分. 児童Bは以前通っていた学校の教師や校則の厳しさに 対する不信感が強く,学校を楽しい場であると感じるこ. から行動する場面などは見られなかった。しかし,今ま. とができなかった。しかし,美利河に来てから学校が楽. で通っていた学校ではなかったが美利河では教師や友達. しい場であると感じることができるようになり,変化が. が声をかけて励ましてくれるので安心して学校生括が送. 見られるようになった。自発性については,表情が明る. れるようになってから変化が見られるようになった。自. くなり,授業中に独り言を言ったり,みんなと仲良く話 をしたり,笑うことができるようになった。美利河の先. 己判断については,地域の人には誰にでもあいさつをし. 生は勉強がわかるまで教えてくれたり,優しさの中にも. 遊ぶ機会が多いので,誰とでも仲良くできるようになり,. 厳しさもあり,校則がないため自由を感じるなど学校生. 特に作業の手伝い,遊び相手など下級生の面倒をよくみ. 括での自己存在感や満足感を強く感じることができた。. るようになったなどの変化が見られた。. たり,ゴミを捨てないようになった。美利河では友達と. しかし,担任教師は児童Bが地元の学校に戻った時に大. また,自己決定については,仕事をサボるとすぐにば. 規模校での教師や友達との人間関係や学校の校則などに. れてしまうので,真面目に掃除をするようになった。先. 我慢して適応してほしいと話していた。. 生や友達が励ましてくれたので勉強ができるように頑張. (3)自己を律する力. り,特に算数と社会の勉強がわかるように努力するよう. 実利河に来てから自律性については,今までは勉強で. になった。学校に迷い込んできた野良犬を学校で面倒を. つまずいたらそこであきらめていたが,実利河では勉強. みてくれるように校長先生にお願いして,許可が下りた. でわからない問題があったら先生に質問するなどして勉. ので,自分の家からご飯の残りを持ってくるなど,自分. 強がわかるまで努力できるようになった。今までは発表. の責任を果たそうと努力できたなどの変化が見られた。. する機会を与えても拒否していたが,美利河では人数が. しかし,担任教師によると児童Cは友達に左右されやす. 少ないために発表する機会が多くなり,自分の意見が発. いので友達に依存することなく,自分で判断する力をさ. 表できるようになった。当初は授業で20分ほどで疲れを. らに身につけることが今後の課題であると話していた。. 訴えて休んでいることが多かったが,45分授業に参加で. (2)実行する意欲. きるようになったなどの変化が見られた。. 美利河に来た当初は,表情が暗く,友達と話をしたり,. また,社会性については,今まではある留学生だけと. 笑うことがほとんどなかった。しかし,友達や先生がい. しか話ができなかったが,みんなと仲良く話ができるよ. ろいろと声をかけてくれるので安心できるようになり,. うになった。下級生に慕われているという気持ちが強く. また,養護の先生と親しくなれたことで精神的な安定な. なり,サッカーやバスケットボールなどの遊びを通して. どの変化が見られるようになった。自主性については,. 下級生の遊び相手をするようになったなどの変化が見ら. 友達が勉強などを助けてくれたことがうれしかったの. れた。しかし,児童Bは自分が思い通りにならない場面. で,自分も友達を助けたいという気持ちが強くなり,下. に遭遇しても我慢して努力すること,友達や教師に依存 することなく,実行できるように自分を律することなど. 級生の遊び相手など面倒をみたり,友達の手伝いをする ようになった。やがて,児童Cは劣等感が少なくなり,. が今後の課題である。. 給食の時間に冗談を言ってみんなを笑わすことができ. ー 38 −.

(12) No.53. 山村留学の効果(第3報). 1999.3. 表7 美利河に果てからの児暮Cの変化 月. 行 事. 教 師 の 清 孝. 児 童 の 変 化. ・表情が暗く,友達とあまり話ができなかった。. 4. ・友達がいろいろと話しかけてくれるので,精神的に. ・学校農園. 安心できるようになった。. 5. ・運動会. ・児童に役割を与えたり,持ち 味を発揮する場を用意するよう. 6. に指導する。 ・楽しい思い出を作るように指. 7. 導する。. なった。. ・今までやったことのない体験ができるので学校が楽. ・魚釣り. しいと感じるようになった。 ・児童の話をよく開くように接. ・先生は勉強がわかるまで教えてくれるので先生に対. する。. する信頼感が強くなった。. ・苦手なことがあっても恥ずか ・発表する機会が多くなり,今までは苦手であったが しいことではないと指導する。 自分の意見が発表できるようになった。 ・キャンプ. ・みんなで計画して,協力して ・我がままを言わずにみんなと協力して作業ができる 作業をするように指導する。. ようになった。 ・今までほ勉強でつまずいたらそこであきらめていた. 8. が,友達や先生が勉強がわかるまで教えてくれるので 勉強に対して自信が持てるようになった。. 9. ・今までやったことのない体験を通してやればできる. ・収穫祭. 10. ようになるという自信が持てるようになった。 ・給食の時間にみんなを笑わせるなど明るく振る舞う ことができるようになった。 ・学校に迷い込んで釆た野良犬を学校で面倒をみてく れるように校長先生にお願いをする場面が見られた。 ・学校で野良犬を飼っていいという許可が下りたので 自分の家からえさを持って来るなど自分の行動に責任 が持てるようになった。. 皿. ・大きな声で発表するように括 では大きな声ではっきりとした発音で朗のセリフを言. 導する。. うことができた。. た,勉強がわかるようになったので学校へ行くのが楽し. 師によると児童Cは児童Cを支えてくれる友達に恵まれ. くなったなどの変化が見られた。しかし,児童Cは勉強. れば地元の学校に戻ってもうまく適応できるだろうと話. でつまずいた時に自分から先生や友達に質問できる実行. していた。. 力を身につけることが今後の課題である。. (3)自己を律する力. 自発性については,美利河では勉強がわかるまで教え. 美利河に来てから自律性がどの程度ついたか。今まで. てくれたり,因っている時に友達が助けてくれるので安. は勉強でつまずいたらそこであきらめていたが,美利河. 心できるようになり,授業中の表情も明るくなった。失. では休み時間などに先生が勉強を教えてあげると声をか. 敗しても先生や友達が助けてくれるので失敗を恐れずに. けてくれたり,友達が助けてくれるので,最後まであき. 行動できるようになった。担任の先生に「おしゃべり子. らめずに問題を解くようになった。今まではみんなの前. さん」とあだ名を付けられるなど,よく笑ったり,話を. で発表するのが苦手であったが,美利河では人数が少な. するようになったなどの変化が見られた。また,担任教. いために発表する機会が多くなり,発表することが苦手. ー 39 −.

(13) 大森 裕介・相原 正義・徳永 好治・中森千佳子. のような変化に影響を及ぼした要因は,調査項目の中で. でなくなったなどの変化が見られた。. また,社会性については,美利河では我がままを言っ. も,実利河ふるさと学習,少人数教育,異年齢集E乱 教. たら掃除や学校行事の準備など作業がはかどらないの. 師の指導方法,里親や地域住民を含めた人間関係が大き. で,我がままを言わないように我慢できるようになった。. いものとして挙げられる。. 第1に,「美利河ふるさと学習」を通して,留学生は. 学校行事などでみんなと協力して作業をする機会が多く. なり,みんなと協力して作業をするようになったなどの. 魚釣り,収穣祭,小動物の飼育,スキーなど今までやっ たことのない体験を通して学校が楽しいと感じたこと,. 変化が見られた。 (4)児童Cに変化を及ぼした要因. 学校行事の司会などの役割を与えられる機会が多くなっ. 児童Cに変化を及ぼした要因は次の通りである。①教. たこと,みんなで協力して作業をする機会が多くなった ことなど留学生の変化に影響を及ぼしていた。. 師や友達と親密な人間関係を形成できたことで安心して. 学校生括を送れるようになった。②教師の個別指導を通 して勉強がわかるようになり,努力できるようになった。. 第2に,少人数教育は,留学生は人数が少ないために 教師や友達と接する機会が多くなり,親密な人間関係を. た。④今までやったことのない体験を通して学校が楽し. 形成できたこと,教師の個別指導を受ける機会が多くな り,勉強がわかるようになったこと,役割を与えられる. いと感じたことなどである。. 機会が多くなり,その役割を遂行することで自信を持て. ③人数が少ないために授業で発表する機会が多くなっ. るようになったり,責任が果たせるようになったこと, 4)留学生の変化とその要因のまとめ(図2). 授業中に指名される機会が多くなったことで,自分の意. 美利河に来てから対象とした留学生の変化をまとめる. 見が発表できるようになったことなど留学生の変化に影. 響を与えていた。. と次の通りである。. ①教師は勉強がわかるまで教えてくれるので,勉強が わかるようになり,勉強でつまずいてもあきらめずに努. 第3に,異年齢集団は,留学生は下級生の面倒をみる など上級生としての責任が果たせたこと,下級生の遊び. 力できるようになった。. 相手になるなど相手を思いやる行動が取れるようになっ. たことなど留学生の変化に影響を与えていた。. ②人数が少ないためにお互いに助け合わなければ学校. が成り立たないと感じるようになり,初めて下級生の作 業を手伝ったり,勉強でつまずいている友達に勉強を教. 第4に,教師の指導方法は,特に小規模枚としての特 色を生かすことで,児童の学習状況に応じた個別指導が. えたり,因っている友達を助けるなど,相手を思いやる. 徹底できたこと,児童に役割を与えることで児童に自己. 行動がとれるようになった。. 存在感や満足感を与えることができたこと,学校行事で. ③教師や友達と親密な人間関係が形成できたことや全. は児童が中心になって計画を立てたり,準備をさせるこ. 校生が顔見知りであること,さらに,勉強においていか. とで,留学生は学校が楽しいと感じることができたこと,. れるなど学習によるストレスを感じることが少なくな. 教師は児童に苦手なことがあっても恥ずかしいことでは. り,精神的に安心して学校生活が送れるようになった。. ないと指導し,苦手なことを克服するように援助してい たことなど留学生の変化に影響を与えていた。. ④魚釣り,学校行事の司会など以前通っていた学校で はやったことのない体験や教師や友達を信頼できるよう. 第5に,人間関係は,人数が少ないために留学生は教. になったことで,学校が楽しいと感じるようになり,表. 情が明るくなったり,よく笑ったり,友達と仲良く話を. 1.教育制度. 4.留学生の変化. することができるようになった。 ⑤人数が少ないために授業で発表する機会が多くな. り,授業で自分の意見を発表したり,学校行事の司会と してみんなの前で自分の考えや意見を発表するなど,自 己表現ができるようになった。 ⑥人数が少ないために責任ある役割を与えられる機会. が多くなり,役割を果たすことで自信が持てるようにな った。 ⑦人数が少ないために自分の役割を果たさないと仕事. が進まないため,自分の役割や図分で判断した行動を最 後までやり遂げようと努力するようになった。 留学生に以上のような変化が見られたが,留学生のこ. 図2 留学生の変化に影響を及ぼした要因. − 40 −.

(14) No.53. 山村留学の効果(第3報). 師や友達と親密な人間関係を形成することができ,教師. の小規模性が有効に作用していたからではないかと考え. や友達が助けてくれるので安心できるようになった,教. られる。また,現代の教育問題に対して,小規模校によ. 師は勉強がわかるまで敢えてくれるので教師を信頼でき. る少人数教育は有効であると考え,その理由は次の通り. るようになった,友達に勉強を教えるようになった,友. である。. 達が助けてくれるので自分も友達を助けたいという気持. 第1に,現代の学校教育では1時間の授業で児童全員 が学習内容を理解することを前提に行われている。しか. ちが強くなったなど留学生の変化に影響を与えていた。. しかし,一方で担任教師の話から児童Bと児童Cは地. 1999、3. し,実際は1時間の授業だけでは理解できない児童も存. 元の学校に戻った時にうまく学校に適応できるかという. 在し,教師に丁寧な個別指導をするゆとりさえあればそ の児童は救われたかもしれないが,そのようなチャンス. 不安要素が存在するため,今後の実利河の学校生括で教. 師や友達に依存することなく,自分の意志で実行する,. すら与えらず,その結果,勉強についていけず,学校が 楽しくない,学校に行きたくないと感じている児童が少. 自分の思い通りにならない場面に遭遇しても我慢するな. ど,さらに克服すべき課題が残されている。また,全貞. なくない。まさに,大規模枚の弊害である。一方,美利. に効果があるわけではないが,環境が変わることで内面. 河小学校の留学生は勉強でつまずいてもあきらめずに努. が変化する児童が少なからずいること,その潜在的な能. 力できるようになり,その要因は教師が児童の学習状況. 力が引き出されない児童もいることなど,山村留学の効. に対応するゆとりがあるためであり,僻地小規模校の利. 果にも個人差があると考えられる。. 点が生かせたからにほかならない。. 第2に,現代の教育問題の1つは,児童を取り巻く人 間関係の希薄化であり,その要因として,兄弟数の減少,. Ⅱ 考 察. 子どもの地域社会での自主的組織の喪失,異年齢集団で. 本調査の結果から,山村留学の効果は留学生の情意的. 遊ぶ機会の減少,テレビゲームなどの普及による家庭へ. 側面の形成に効果があると言える。また,美利河小学校. の閉じこもりなどが挙げられている。しかし,美利河小. の教師や里親も個人差はあるものの過去の留学生も本稿. 学校では留学生は教師や友達と関わる機会が多くなり,. の対象とした留学生に共通する変化が見られたと話して. 親密な人間関係を形成していた。また,留学生は人間関. いた。. 係を通じて,みんなで協力して作業をすること,責任を. これらの影響要因は,地域の自然や人材,酪農などの. 持って自分の役割を遂行すること,友達どうしで助け合. 産業を活用した「実利河ふるさと学習」,教師の丁寧な. うこと,他人を思いやることなどを学習していた。これ. 個別指導,児童が教師や友達を信頼できるようになった. らは人間関係を形成するうえでの基礎・基本であると言. 人間関係などが挙げられる。また,留学生の話からも美. っても過言ではない。実利河小学校では小規模校という. 利河小学校は以前通っていた学校よりも楽しい学校であ. 条件により,教師に指導される前に自分からそのような. り,その理由は,勉強でつまずいた時に勉強がわかるま. 人間関係の基礎を身につけなければ教育が成り立たな. で敢えてくれる先生や困っている時に助けてくれる友達. い,そうせざる得ない環境にあると考えられる。しかし,. がいる学校,みんなで計画して,みんなで力を合わせて. 現代の学校教育では児童全員が機能していなくても学校. 準備したり,みんなで楽しく参加できる活動が経験でき る学校,今まで味わったことのない楽しい行事がたくさ. 数育が成立してしまう環境のもとにあり,そのような人 間関係の基礎・基本を学び,活用する機会に乏しいのだ. んある学校であるなどの回答がみられた。さらに,留学. と考えられる。. 生は精神的な安定や学校での自己存在感や充実感を感じ. 算数の計算など今まで苦手であったことを我慢して努力. 第3に,現代の教育問題として,直接体験の欠如が挙 げられている。しかし,実利河小学校の留学生は,魚釣 り,カニカン岳(980m)登山,しいたけ,カボチャの. する苦しさや挫折することなく蒐服した時の充実感,自. 収穫祭など都会の大規模校では味わうことのできない. 分で判断した行動に責任を持たないと他人に迷惑をかけ てしまうことや他人に迷惑をかけていると誰からも相手. 様々な体験を通して,学校生活での充実感や満足感を味 わっていた。また,人数が少ないために留学生は様々な. にされないこと,お互いに助けたり,助け合ったりする. 直接体験を通して,みんなで力を合わせて協力すること,. 中で人間は生きていることなど生きるために必要とされ. 我慢して1つの作業をやり通すこと,試行錯誤を繰り返. ながら,楽しさだけでなく,跳び箱,学校行事での司会,. る力を自分で試行錯誤して身につけることで自分に対す. して今までできなかったことをできるようにすること,. る自信を深め,その結果,さらに,自分の力で学校生活. 自分に与えられた役割を遂行することなどを学習せざる. を楽しくすることができた。. 得ない環境で生活していると言える。これらの体験学習. このような留学生への効果は教育環境の中でも,学校. は有意義なものであり,特に,自分の地域社会の探索学 − 41−.

(15) 大森 裕介・相原 正義・徳永 好治・中森千佳子. 習を通して,学校と地域社会の連携を強めたり,児童が 自分の地域社会に誇りを持つなど,様々な効果が期待で. 師の姿勢があったからにほかならない。実利河地区にと. きる。今度改訂される学習指導要領では「総合的な学習. た。そのために留学生の歓迎会やお別れ会,運動会,学. の時間」が設けられるが,その中で地域探索学習などで. 習発表会などの学校行事には地域住民が必ず参加するな. 児童に直接体験を経験させること,試行錯誤を体験させ. ど学枚への協力を惜しまない。また,地域住民は実利河. って学校がなくなることは地域が滅ぶことを意味してい. ること,さらに自然や社会を洞察する力を育てることな. ダム建設に伴う周辺開発によって将来美利河地区が栄え. どは重要な視点である。 第4に,現代の児童は自主性,自発性,自律性が欠如. る日が必ず来ると考えており,そのためにも学校存続を 強く期待しているのである。一方,実利河小学校の教師. していると言われている。いわゆる,指示待ち人間,無気 力,授業中に出歩く,感情を抑えることができずにキレる. は学校を存続させるためには留学生の確保が絶対条件で. などと言われる問題である。しかし,実利河小学校の留. ある。しかし,近年山村留学制度を実施する学校が増加 しており,留学生の確保のための競争が激しくなってい. 学生は自主性,自発性,自律性などの育成が見られ,そ の要因として,人数が少ないために教師や友達と信頼関. 課題である. 係が形成できたことで精神的に安心できるようになった. を感じる山村留学制度を行う必要があり,実利河小学校. る。実利河小学校も例外でなく,留学生の確保が大きな 。留学生を確保するには留学生にとって魅力. こと,学校行事の司会など責任ある役割を与えられるこ. では留学生が楽しいと感じる学校づくりをすることで山. とで学校を構成する一員であるという存在感を感じるこ. 村留学制度をより良いものにしていこうとする教師たち. とができたこと,自分の行動を自分で選択する機会が多. の熱意,1年間の留学を通して留学生をたくましく成長. くなったこと,自分で判断した行動に対して最後まで責. させることで実績を残そうとする教師たちの使命など,. 任を持って実行するという訓練ができたことなどが挙げ. 熱意を持った教師たちの存在によって美利河小学校の山. られる。このような児童の精神的安定や自己存在感を与. 村留学制度は支えられてきたのである。また,いじめや. えることはもちろん,児童に自己決定の場を設けること,. 不登校などの教育問題があるかぎり,美利河小学校のよ. 苦手なことを我慢して努力する苦しみと克服した時の充. うな学校が必要であるという校長先生の話であった。 以上のように,これらの留学生の変化は小規模校とい. 実感を体験すること,自分で決定した行動を最後まで粘. う条件だけではなく,学校と地域の強い連携や熱意のあ. り強く,責任を持って実行するように教師が援助するこ となどは教師のきめ細かな指導が必要であり,教師に時. る教師たちの存在などの条件に支えられて,初めて機能. 間的,精神的なゆとりを与えることが重要な課題である。. すると考えられる。したがって,現代の教育環境を考え. 以上のように現代の教育問題に対して,僻地小規模校. る時,少なくともまず,教師と児童,及び児童どうしの. の少人数教育は有効であることが本研究を通して実証す. 親密な人間関係を形成できる適正な規模,教師が児童に. ることができた。しかし,一方で,僻地小規模校の欠点. きめ細かな指導ができる時間的,精神的なゆとりの確保. として,人間関係が単調になる,健全な社会性が培われ. などを考慮する必要がある。また,算数の計算や文章の. ない,集団思考に欠ける,学習で多様な意見に触れると. 読み書きなどの基礎・基本を児童に理解させる時間,学. いう学習の広がりに欠けるなどが指摘されている。また,. 習した内容を徹底して訓練させる時間,児童の多様な意. 児童Bや児童Cに見られた勉強などでつまずいた時にす. 見に触れることで健全な社会性を育成するなど,その時. ぐに友達や教師を頼ってしまうという課題もある。した. の学習の目的に応じた学級規模の編成や時間割の編成,. がって,そのような課題を克服するために近隣の学校ど. 教師の力量に応じて学級規模を編成するという柔軟性も. うしで合同授業を行うという集合指導,初めは教師はつ. 必要である。あるいは,そのような教育環境のもとで,. まずいている児童を援助するが,徐々に児童が自分の力. 自分の課題を克服するために我慢して苦しむ中で達成し. で課題を克服できるように援助したり,我慢して努力す. た時の充実感を体験すること,自分の行動に責任を持つ. る苦しみや自分の力で達成する充実感を体験させること. こと,相手の気持ちを思いやることなど教育活動全体を. などは有効な手段であると言える。. 通して人間らしい人間を造る教育を行うという視点も必. 美利河小学校では小規模校としての特色を生かし,子 どもの学習状況に応じることのできる教師の指導,みん なの手作りの行事がたくさんある教育活動など子どもが. 要である。さらに,自然体験学習の有効性,教師の資質 などの条件があるが,それぞれの地域での地域環境を生 かした学校と地域社会が一体となった教育活動,子ども. 楽しいと感じる学校づくりをしていた。しかし,一方で. に楽しい学校生活を体験させたいという教師の熱意やた. そのような学校づくりが可能になった要因は,美利河小. くましく生きる子どもを育成しようとする教師の使命を. 学校が山村留学制度を導入できた前提である地域住民の. 強く生かせる学校づくりなどの教育環境の整備が今後の. 学枚に対する熱意と地域住民の期待に応えようとする教. 課題であると考える。. − 42 −.

(16) No.53. 山村留学の効果(第3報). 14)10)に同じ,集合指導1頁から集合指導20頁. おわりに 本研究を通して山村留学の教育環境による効果と現代 の教育問題に対する改善点などを提示することができ. た。しかし,美利河小学校以外の山村留学実施校や山村 留学に限らず他の僻地小規模校でも本稿で対象とした留. 学生と同じような変化が見られるのかさらに詳しく調査. する必要がある。また,対象とした留学生は留学後も実 利河での変化が継続しているか調査する必要があり,今. 後追跡調査を実施する予定である。 最後に,御多忙の中,快く調査に応じてくださった北 海道瀬棚郡今金町立美利河小学校の大口薫校長先生,西 正志教頭先生,森昇先生,簾田明美先生,佐々木祐美先 生,西村利夫様,及び平成9年度在籍児童のみなさんに お礼を申し上げます。. 引用・参考文献. 1)中森千佳子・和田乃理子・徳永好治「山村留学の効. 果(第1報)一美利河小学校山村留学生の変化を中心 に−」北海道教育大学僻地教育研究施設『僻地教育研. 究』第52号,pp.1∼12,1998 2)和田乃理子・中森千佳子・徳永好治「山村留学の効 果(第2報)−親子関係の変化−」北海道教育大学僻. 地教育研究施設『僻地教育研究』第52号,pp.13−22, 1998. 3)川前あゆみ・玉井康之「子どもから見た山村留学の 評価と体験学習が果たす役割一北海道S町を事例とし. て−」北海道教育大学釧路校『釧路論集』第29号, pp.271−285,1997 4)神田嘉延「山村留学制度一鹿児島県霧島町永水小学 校校区の事例を中心として−」『鹿児島大学教育学部. 教育実践研究紀要』第5巻,pp.1∼17,1995 5)1)に同じ,pp.1∼12 6)坂本昇一「生徒指導の機能と方法」文教書院,pp. 9∼20,1990 7)坂本昇一「生徒指導と学級活動・体験学習」文教書 院,pp.9∼53,1990. 8)木原孝博「生徒指導の理論」第一法規,pp.55∼60, 1982. 9)8)に同じ,p.59 10)今金町美利河小学校「平成9年度清流一美利河の教. 育−」P.8,1997 11)10)に同じ,p.6 12)美利河小学校「平成9年度今金町教育研究集会 校. 内研究 学習指導案」PP.1∼12,1997 13)12)に同じ,p.7∼8. − 43 −. 1999.3.

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参照

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