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循環と趨勢について

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Academic year: 2021

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(1)Title. 循環と趨勢について. Author(s). 亀畑, 義彦. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. B, 社会科学編, 30(2): 101-130. Issue Date. 1980-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4431. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 循環と趨勢について. 亀. 畑. 義. 彦. 序 第1章 カルドアの理論と趨勢の問題について 登1 カルドアの景気循環モデル 登2 カレツキーとカルドア理論との比較 登3 循環と成長 ( 1 ) カルドアにおける循環と成長 2 ( ) カルドア・モデルと成長要因の結合 第2章 カルドアの成長理論 SI 基礎概念 S2 人口の成長する場合 登3 資本主義の2つの段階 登4 カルドアの成長理論の検討 第3章 ソローの成長理論 讐1. ハ ロ ッ ドこー マー ・モ デ ルに つ いて. 暮2 長期成長モデル 登3 ソロー理論の検討 結びにかえて. 序 ケインズ体系の長期化 の過程は, すべて循環と成長 のかかわりあいという ことが中心問題となっ てきた, したがっ てそこでは, 循環は成長を, そして成長は循環を共に説明するものでなければな らなかっ た. しかしながら, 同じケインジアンにあっ て, 循環とは別個に, 成長の問題 のみを取扱 おうとする試みがある. ここ では- まず, 循環と成長 という問題を考えるためにも 成長というも , のの性格を明確に把握する ことは, 経済変動という総合理解のために必要なことであると考えるこ. とから第1章 では, カル ドアの成長理論について検討することにする ,. ) で用 い た WidoWS Cruse の 考 え 方 に 基 礎 を置 い て い る と い こ の モ デ ル は, ケイ ン ズ が『貨 幣 論』1. わ れ る. こ こ で WidoWS Cruse と いう こ とに つ い て ケイ ン ズ の文 章 を そ の ま ま 引用 す る と 次 のよ う. な意味になる.. 「利潤 (または損失) は, 次のような特性 を有している 企業者が彼等の利潤の一部を消費に費 . 101.

(3) . 亀 畑 義 彦. やそうと欲するなら ば, 貯蓄の減少となり, したがっ て投資の増大となる. このようにして利潤は, 企業者の資本増加の源泉として, それらの如何に多く力幼女窓な生産に供せられようと も, 減ずるこ dow’ e である. 他方において, 企業者 が損失を蒙り, その損失を彼等の sCrus となき無尽蔵の瓶 Wi 消費への正常的支出を節減することによ っ て, すなわち多く貯蓄することによっ て取戻そうとする idi 時 に は, そ の 瓶 は, Dana r(節で作っ た瓶) となり, それは決して充たされることをえ ない. こ a. の減少された支出の結果は, 消費財の生産者に等しき高の損失を課することになるからである. か く して一 団としての彼等の富の減少は, 彼等が貯蓄をなすにもかかわらず以前におけると同じ大き ) こ れ が ケイ ン ズ に よ っ て WidowsC r us e と呼ばれた意味であり,「投資が利潤を決定す さ であ る」1 . でもあり る」 という考え方 である. これは所得決定理論 , かつまた所得分配決定理論でもある. カ doWscruseeffect」 を 考 え る. ル ドアは特に, 所得分配理論として 「Wi ところが, 再びドーマー, ハロ ッ ドと同様, 貯蓄 が投資を決定する理論 が復活してきた. ソロー doWS Cruse およ びスワン等による新古典派経済成長理論といわれる ものがそれである. これは Wi に基礎をおく, いわゆる正当なケインジァンと自負する人達からすれば異議の あるところ である. ここ では, そのことにつ いての議論は別にして 第3章 では, ソローの論文に新古典派成長理論を代 表させることによっ て, この成長論の意味を論述することにする. i 2 e 8頭 部 の・ Mo y 1)J .139 ,ヱ93q p , 鬼 頭 訳, 第2 分 冊, 24一25 頁 ,A r〆 .M Keynes. 第1章. 登1. カルドアの理論と趨勢の問題について 力ル ドアの景気循環モデル. 本節の目的は, 投資需要関数と乗数との 結合作用 が, 循環を不可避的に することを示すための必 要にして十分な仮定をたてることにある. カル ドアの景気循環理論は, ポスト・ケインジアンの景気循 環理論を基礎にしている. ハロッ ド およ びヒッ クスの理論が, 投資需要関数として加 速度原理を採用 したのに対して, カル ドア の理論 では, 投資は活動水準 (国民所得) の関数 であると考える. カル ドアは, まず次の ごとき定式を前 ) 提 に お く1 .. S=S(Y). (1). . (2). . (3). 1 ) 3 )式は, 乗数の基礎的 ここ で, S=粗貯蓄, 1=粗投資, Y=粗国民所得をあらわす. ここで{ ,( 2 3 ) 式に代入すると ( 1 ) ( ) 式を ( 2 原理を示し, ( )式は投資需要関数を示している. , ,. (4) と な り, そ の 点を満足する所得水準 が均衡点である. ここでもしS(Y) , 工(Y)がリニア であると. 考えるなら, 次の2つの可能性が考えられる.. 1 ( ) まず第1図のごとき場合である, この時には 非 > 舟 および 発 く 誓 のいずれの場合. にお いても柔離現象が生じることから, Bは不安定的均衡状態 である. したがっ てこのような場合に 102.

(4) . 循環と趨勢について. は, 常に完全雇用を伴う超インフレーショ ンに進行するか またはゼロの雇用を伴う完全崩壊に向 , うか のいずれか である. しかしながら, このような可能性は現実の経済においては却下される, ( 2 ) 次に第2図の場合を考えるならば, ケインズの雇用理論 で意図さ れたものと同じものが得ら れる. したがっ て投資サイ ドまたは貯蓄サイ ドのいずれかから始まる燭乱は, 活動水準(国民所得) の安定水準を, 共に新しい均衡の再達成を導く であろうことから, 第1図よりも現実的 である し . かしここ で, 上記( 1 )および( 2 )のいずれの場合においても, もし加速度原理の作用を考慮するならば, まできたが 斧 は,dyの分数以上には決して大きくなりえない そ 弁 はdyよりも大きくな に と‘ ・ れ 故, 工, S の 関 係 は, そ の す べ て の 範 囲 に お い て リ ニ ア であ る こ と は でき な い し た が っ て こ , ,. } そこでカル ドアは 第3図のごとき非線型の投 の2つの仮定は, いずれも却下されることになる2 . , 資係数を想定する. すなわち, 活動水準ないしは国民所得のより低い水準とより高い水準にお いて,. 非 は少なくなる可能性を考える, それは次のような理由に基づく, まず活動水準 (国民所得) のよ り低い水準において余剰能力 が存在する時, 活動水準(国民所得)の上昇は, 付加建設を引受けず,. 単に余剰能力を稼動させるのみ であり, 投資を誘発しないか, あるいは誘発する程度が少ない し . たがっ てこの時には, 利潤の上昇は投資を誘発しな い. 次に活動水準(国民所得) の大きい時には, コスト上昇ぉよび借入困難のために, 企業がより早い拡大 聴 か と ぼ る でぁるうために, 発 は′ J ・ さくなる. カル ドアによれば, 貯蓄関数もまた非線型 であ. り, それは投資関数とは逆まゎりする. 弁 は, 活 動水準 (国民所得) のより低い水準およ び高い水 ) 活動水準(国民所得) が上 準で相対的に大きい3 . 昇すると, 物価が賃金に比して相対的に上昇し, 利潤が賃金に 比して大きくなる, このような所得. 分配の変化は, 資本家の貯蓄を労働者のそれより も大きくする, かく して総貯蓄は増加するであろ. うから,活動が特定水準を超えて低下するならば, 貯蓄 性 向 はマイ ナ ス に なる. こ の こ と は, こ の 領. 域においては, 国民所得の増大は貯蓄性向を急速. 第1図. に増大させることを意味する. それ故, 界 は, 第 4図に示したようになる. そしてこれらの関数を 第5図のごとく重ね合わせ るならば, これは乗数 } A点 およ びB点 の均衡化を示すものとなろう4 . に お い て は, そ れ を 境 に し て ヱ≧S の い ず れ を と. ろうとも, もとの点に収叙するから, この両点は 安 定 点 であ る. C 点 に つ い て は, そ れ が ヱ≧S を とる場合, 左右に対して不安定である. ここ で示. された1(Y) , S(Y)は現存固定設備の総量を前. 提としていたため, 短期の関数 である. しかし長 期をとるならば, 固定設備が時間で変化するであ. ろうから, 1とS曲線は, その状態に応じてシフ トする であろう. そのシフトの仕方はY のより高. 第2図. い水準とYのより低い水準とでは異なっ たシフト 103.

(5) . 亀 畑 義 彦. の仕方をする であろう , . そしてそれらは 次のよう. /. に 示 す こ と が でき る.. ( 1 ) Y が大 き い 時 に は, 投 資 水 準 は 高 く な り,. ′. 投資水準はしだいに増大する, そしてその 結果と して, 資本蓄積の増大による利潤可能な投資機会. の制約 が1曲線を しだいに 低下させる傾 向 を持 つ, こ こ で 新発明があるとそれは投資機会を上昇 させる傾向を持つが, 活動水準 (国民所得) の上 昇につれて, 最終的には1 曲線の低下傾向が強力 となる. 他方, 活動水準 (国民所得) が増大し,. r. 0. 5図におけるB 点は, 通常, 左辺に移動 し, C点 は右方に移動する. かくてB点とC点は相互に接 } (第6図) この動向がなお続行するなら 近する5 .. 〉. 第3図. 利 潤 部 分 の 増 大 に よ る 貯 蓄 性 向 の 上 昇 の 結 果, 第. S S. ば, や が て 1 曲 線 と S 曲 線 と は 接 す る (B + C) . こ の B 十 C 点 の 近 傍 に お い て は, い ず れ も, Ex‐. ante工 < ExanteS であるから ,下方に対して 不安. 定 であり, 活動水準 (国民所得) はA点に到るま i) で低下し, A点 で安定するであろう(第6図i . 2 ( ) 次に経済が不況で活動 水準 が低下し, した. がっ てYが低水準にある場合 (例えば, 第5図A 点での均衡) を考える. この時もしA点に対応す. る投資水準が十分に置 換をまかなうことができな. γ. い な ら ば, 純 投 資 は 負 に な る. こ の よ う な 状 態 が. 継 続 す る な ら ば, や が て 投 資 機 会 が し だ いに 蓄 積. されてきて, 投資曲線は上方にシフトする. そし てこの傾向は, 新 しい発明によっ て強められる で あろう. また, 活動水準の低下は, 貯蓄曲線を下. 第4図. 去. s. β. 方 に シ フ ト さ せ る であ ろう. S 曲 線 がこ の よ う な. 傾向を持つ限りA点の右方シフトとC点の 左方シ フトが生じ, AとCが相互に接近し, ついに両者 は 接 し, そ の 点 で均 衡 す る. こ の 均 衡 点 の 左 右 い. c. ずれの局面においても1>S であるから, 均衡点 を超えたYの増大は, 上方への累積的動向がB点 i) に至るま で続けられる(第7図 i .i . そ れ 故, 曲線はしだいに第5図の状態に 復帰して, 循環運 ) 動 が 反 復 さ れ る6 ,. カ ル ドア は, 不 況 対 策 と して 特 に 公 共 政 策 に よ. ′. A. 0. ・. 第5図. γ. ) る私的投資の誘発を考えている7 . カル ドアは, これらの図式をもとにして第8図を考える. ここ でRR は完全補填投資線である, そ れ故, これは所与の現存資本を不変に維持する投資水準 であるから, 純投資がゼロの点である. し 104.

(6) . 循環と趨勢について. . 第6 図. i. 第6図 i i. . 第7園. i. i 第7図 i. (出発点) . . O. 第8図 105.

(7) . 亀 畑 義 彦. たがっ てC点は1=Sの点 であると同時に純 投資ゼロの 点でもある. RR がわずかに右上向き であ るのは, 資本存在高の増大によっ て, それだけ更新のために必要な投資量が増大するため である.. いまKを出発点とするならば, システムLに達するまで, 所得と投資は増大する. それ以後は, 設 備の引き続いた蓄積より, 投資曲線は下方にシフトし, それはA点に 至るま で続けられる. そして 下方への過程はA点まで続けられ, そこに落ち着く, ここ での投資は, 図から見られるように置換 水準よりも小さい. それ故不安定状態Cにシステム が達するま で活動は増大する. そして上方への } 累積運動はB点に落着くま で続けられる7 .. 登2. カ レツ キ ー と力 ル ドア 理 論 と の 比 較. ) と資本 両者の類似点については, ヵレッキーもヵルドァも共に, 投資による乗数効果(場 」o )と げ ことを考慮した投資関数を考え 蓄積効果による利潤率低下に基づく投資抑制効果( 発 くo ていること, および循環と成長について, カレツキーは 「景気循環の中から趨勢が発生するような 8 )と考えているのに対し その実際のモ デルは循環と趨勢とを別個に考慮 し 定式化が必要 である」 ,. て, それを重ね合わせる方法をとっ ており, カル ドアにおいては, 景気循環を純投資がゼロの定常 状態を中心とする一定範囲内に限定したことによっ て趨勢の問題を取扱うことができなかっ た, そ れ故, カレツキーもカル ドアも, 循環が趨勢を生み出すという, 趨勢の内在性を取り扱うことがで きなかっ た, ということができよう. すなわち, 循環と趨勢の分離という点においては, 両者は同 じ で あ る.. 次に相違点について述べると,カレッキー; こぉいては,投資と貯蓄の変化は 発 く 釜;なる傾向を 持っ ていた故に, 短期均衡はすべて安定的であっ た. それ故, タイム・ラグが存在しないならば,. 発』〈 第;なる関係から所得効果よりも圧倒的に資本蓄積効果が常に大きいため,資本蓄積効果を通 して純投資ゼロの定常状態に向っ て進み, そこで安定し, 循環運動は示されないことになる. した がっ て景気循環が発 生するのは, タイム・ラ グが存在するからであり, かつそれが反復行動をとる. のは, 不規則的衝撃があるからである. これに対してカル ドアの場合は, 投資関数が中心部を境と してs型 であること, すなゎち, 秀 > 奏 であるために, タイム・ラ グが存在しなくても景気循環 が発生し, かつ不規則的ショッ クが存在しなくても, 循環は反復する. これはカレツキーとカル ド ア理論との相違点になる. しかしこの故をもっ てカル ドア がタイム・ラ グを無視しているというこ. とにはならない であろう. なぜなら, カル ドアのモデルはS型の投資曲線をとることにより, 不安 定性というものに景気循環の不可避性を求めたけれども, その背景には, 投資による所得効果のほ うが投資による資本蓄積効果よりも大きいと仮定するからこそS型の投資曲線が描かれ, それ故均. 衡の不安定性に基礎を置いた解 が得られるの である, ところが, カレツキーの場合にははじめから 投資による所得効果よりも投資による資本蓄積効果のほうが大きいことを仮定しているがために,. なだらかな投資曲線を描くことができるの である, それ故, もしカル ドアのモ デルに, カレツキー のごとく, 所得の適応速度よりも資本設備の変化のほう が早いという仮定を持込むならば, 均衡化. の途中 で資本設備の変化が発生し, カレツキーの描いたモ デルと同じものになるであろう, すなわ ち, 不 安 定 性 の い か ん に か か わ ら ず, 前 提 条 件 の い か ん によ っ て, カ レ ツ キ ー あ る いは カ ル ドア 型. の変動を 生むことになるのであり, カル ドアの循環理論も, タイム・ラ グと無関係ではないのであ る. こ の こ と に つ い て は カ ル ドア の 理 論 を 拡 大 さ せ た 森 嶋, 安 井 モ デ ル に お い て 明 ら か であ る. そ. れらについては後述する.. 106.

(8) . 循環と趨勢について. 登3. 循環と成長. ( 1 ) カル ドアにおける循環と成長 力ル ドアの純粋な景気循環モデルにおいては, 趨勢は導入されていない. しかしこれをもっ てカ ル ドアが趨勢が無視したと考えることはできない,むしろ彼の意図は循環的成長 にあっ た.例えば, ic Mode lにはt こ の こ と に つ いて 彼 は 次 の よう に 述 べ て いる,「St at r end はない. それは循環的存在. を考慮するための動的変化または経済成長を仮定する必要はないことを示している.各不況局面は, 資本ストックをして, 以前の ブー ムにおいて拡大せられたのとはまさに同じ大きさだけ低下するま で続けられる. 他方, ブームの期間における資本の創造は, 不況期間の純資本減価の何倍にもなる. それ故, 純粋な循環モデルは, ブームの繰返しが, 次第により高い生産水準を達成するという, 最 も特徴的性質を持つ実際の世界における循環運動とはほとんど似ていない. そして重要なことは,. 純粋な循環のメカニズムをそこなうことなしに, そのフレームワークの仮定の中に趨勢を導入する ) と しか し 登 1 と S2と で述 べたごとく カル ドアは循環が成 こ と が で きる と いう こ と であ る.」9 , .. 長を生み出すことについての厳密なモデルの構築を行なっ ておらず, 景気循環に趨勢を導入するた o } とすら述べてお めには, 単に人口の増加や技術進歩等の外生的要因を考慮すればよいの であるl ,. り, さらには 「景気循環と経済成長とは, 両方とも企業者の特殊な態度, さらにいうならば, 企業 1 ) とま で述 べ て い る こ れ ら の 考 えは こ れま で述 べ て き た l i i ty) に よ る」1 者 期 待 の 浮薄 性 (vo at c , .. 彼の循環モデルとは関係してこない. では彼の循環モデルに, この成長要因を導入するならば, ど のよ う に なる であろう か. こ の こ と に つ い て は 次 節 で示 す こ と に す る.. ( 2 ) カル ドア・モデルと成長要因の結合 長期的な要因を一定とした場合, ブームにおける資本蓄積は, 投資機会を低下させ, 投資関数の 下方シフトが発生し, 逆に, スラン プにおける資本の食いつぶしは, 投資機会を増大させて投資関. 数を上方にシフトさせる. これをいま, 森嶋氏にならっ て, 資本の第 1効果と名 付けることにす 2 ) また資本蓄積が増大した場合 国民経済の生産能力は増大し したがっ て生産事情は良く な る1 , , . る. それ故, 一定の国民所得を生産するのは, より少ない労働量で十分であり, 雇用量は減少する. かくして一定の国民所得の中に占める賃金部分は減少して, 利潤部分は増大するであろう. ところ で一般に賃金取得者の 貯蓄性向は, 利潤取得者の貯蓄性向よりも小さいであろうから, 賃金が減少. して利潤が増大するような所得の再分配は, 社会全体の貯蓄を増大せしめる であろう. したがっ て, 国民所得を一定として資本が増加 した場合, 貯蓄曲線は上方に移動するであろう. これを森嶋氏に 3 ) カル ドア・モデルでは第1の効果のみを考慮 ならっ て, 資本の第2効果と名付けることにする1 . 1 4 ) して, 第2の効果を考慮しなかっ た , ところで, これまではスムー ズなS型 の投資曲線で想定し. てきたが, ここでは簡単化のために, 以下のような折線のS型を想定する, しかしその意味は, ス ムー ズなS型曲線と同じである. すなわち, いま, 所与の資本蓄積に対して国民所得がきわめて低 い場合, 企業は, 固定資本に対する投資を行なわずに流動資本のみに対する投資を行なうから, 国. 民所得に比して投資の増大はわずか である(第9図a-b) . それ故, 限界消費性向は低い, しかし Y 生産するため 国民所得が .になると, それ以上の国民所得を には固定資本の不足が生じ, 限界投資 性向(流動資本十固定資本の) は急激に増大する. そして Y2に至ると, 国民所得は現存資本量に対 1 5 ) して過剰になる(過剰生産) . それ故, 企業は投資を差しひかえるから, 限界投資性向は低下する . 0図) 以上のことに資本の第1効果を考慮するならば, 投資の折線は右下方に移動する (第1 , この. 場合, 第11図のような場合も存在する. このことについては, 安井モデルのところで説明すること 107.

(9) . 亀 畑 義 彦. . 第9図. 第10図. 第11図. 第12図. に す る.. よ びYを まず最初に, 森嶋モ デルを例にとり, 投資曲線が第12図 である場合を考える. So oお● ,l それぞれ出発点における貯蓄曲線, 投資曲線および国民所得とすれば, この時の経済状況はA点で l ) に至るま で国民所得は増大 示される. この点 では, ・投資は貯蓄を上回っ ているから, B点( o=So ) し(Yo , そこ で経済は均衡する. この状態においては, 投資は減価償却費の水準(副R) を上まわっ 工 ● ) ているから, 資本蓄積の結果により, 投資曲線は右下方に移動する ( . , 他方, 基礎的消費の増大 の結果, 貯蓄曲線もまた下方に移動する (S ) . . いま, 貯蓄曲線の移動は, 投資曲線の移動よりも小. さいものとするならば, 国民所得は1 ,=S , なる点ま で低下する. 以下同様にして, 投資曲線と貯蓄 曲線との下方移動により, 国民所得はそれに見合っ た均衡点を追っ て低下し続ける. C点は均衡点 であるが, この近傍 においては,.低下する投資曲線と貯蓄曲線とのうち, 投資曲線のずれの方が貯. 蓄曲線のずれよりも大 であるから,時間の経過は, 投資曲線と貯蓄 曲線とを交わらせない. したがっ て国民所得はD点に至るまで低下し続ける(Y, ) ,均衡Dにおける投資 Y,D は,減価償却費水準(RR). 生質 よりも低 いため, 投資機会が増大し, 投資曲線は左方に移動する. しかしながら, 消費関数 の1 から, 貯蓄曲線は相変らず下方に移動する. それ故, 国民所得が YI に と どま る 限 り● , 1 > S と なり, 国民所得は新しい均衡点に至るま で上昇する. 以下同じ過程を繰返すことになる. すなわち, 経済 の変動は, 単純な変動 ではなく, 好景気ごとに国民所得が増大すると共に, ,スラン プごとに, スラ プ ン の底 での国民所得水準もまた高まっ ていく. このような循環の右方移動をもたらすものが投資 108.

(10) . 循環と趨勢について. 曲線の右方移動と貯蓄曲線の下方移動 であり, 後者の移動は, 人口増大と生活水準の上昇によるも 6 ) しかしながらこの森嶋モデ のであり, カル ドアの立場からすれば, 成長 (趨勢) の要因である1 . ルにおいては, 成長要因が増大したとしても, 投資曲線は循環ごとに右下方へ移動するから, 経済 の循環的成長は示されない. 循環的成長が示されるためには, 投資曲線の右上方移動がなければな. らない, これを実現させるものがイノ ベー ショ ン である. 先に論じた, 加速度原理を採用 したグッ トウィ ンのモ デルの中 では, それが示されている, 森嶋モデルの立場に立ちながら, その構想を異 にした安井モ デルのねらいもそこにあっ た. すなわち, 投資関数は, グッ トウィ ンのそれを若干変 更 して,. とおく, ここ でY=産出高 (所得) , k=資本集約度, 多=現実の産出高に依存せず, イ ノベーショ ンに基づく資本額, K=現実の資本量, ん;純投資, とおく. そして貯蓄関数 (S。 ) は, Yのいかん. にかかわらず一定であるが, 短期をとれば, Yの変動のいかんによっ て変動するものと考える (S , , S2 3図) そして次の2つの点が 循環的成長の前提条件となる ,S3 ,…)(第1 . , . ( 1 ) . 必の変動は循環内において発生し, 投資関数を変化させる. ( 2 ) , 所得 (Y) が, これま でに到達した最高水準を越える時は, 長期貯蓄関数が, 越えない時は 短期貯蓄関数が問題となる. 以上の仮定から描き出さ れたろ安井モデルによる循環的成長径路は, 投資曲線が右上方に移動す 7 ) ることにより, 循環ごとに右上方に移動する1 . こ の よ う に し て, カ ル ドア お よ び森 嶋 モ デ ル に. s. お い て は, 人 口増 大 お よ び基 礎 的 消 費 の 増 大 が 成. 長 の要 因 であ っ た の に 対 し て, グッ ト ウ ィ ン お よ. び安 井 モ デル では, イ ノ ベ ー シ ョ ン に 成 長 の要 因. 、. r. を 求 め て お り, そ れに よ る 純 投 資 に 対 す る プ ラ ス. L. 効 果 を相 殺 して な お 上 ま わる 場 合 に, 経 済 の 成 長. が可能となる. したがっ て, 先にみたグッ トウィ. を 現実 の 資 本 量 と必 要 資 本 量 と の 差 の 関 数 であ る. c. . β. A S o. ″. ・. の効果が, 資本蓄積による純投資へのマイナスの. ン の モ デ ル が, 加 速 度 原 理 を 中 心 と して, 純 投 資. S o. ・. . G. D. E 4. ′. F /-. . ・. γ. 第13図. と考えたこと, 換言すれば, 過剰能力な いしは過 少能力の存在が純投資におよぼす影響というもの を考慮して理論を構成したと いうこと, それに対 して, カル ドア型の安井モデルが, 利潤原理の立. 場をとっ たという相違はあっ たにしても, これら のモデルの内容においては, 本質的には変りはな い であ ろう.. 109.

(11) . 亀 畑 義 彦. 第2章. 登1. カル ドアの成長理論. 基礎概念. 成長する経済におけるある時期の産出量の一般水準は, 有効需要によっ てではなく, 利用可能な 資源によっ て制約される ものとする. このようにカル ドアが考えるのは, 現実の経済では, 有効需 IPo 互cy が完全に作用 しているとみなすことによる. 故に, 不完全雇用は, 資 要 創 出 の た め の Fi sca. 源の不足しかない. 次に, 労働に対する資本の供給の変化によっ て 誘発された技術進歩 (生産性上昇) と, 革新また. l do 0 ‘ぬ. は技術的発明によっ て誘発された 技術進歩との差 を 考 え な い.こ の こ と は,知 識 の 状 態 の 変 化 に よ っ. て起きた生産関数のシフ トと技術の状態の変化に よっ て起きた 生産関数の シフ トとの差異を 立ち 切 っ てしまうことを目的にしている. そして成長 と生産性の増大との間の単一の関数を想定し, そ. れを技術進歩関数と呼 び,第14図のようにあらわ 誓は き 扉 は労働者 1人当りの年資本成長 す. に で いき警 o d l 1人当 り産出物 の年 成 長率 で は であり 率. T. / 〆 ′ ; ′′ - - o 4 5. 声帯は. 1. 1 i. - ′′. I I I . . … - ! I. 1 : 1 P. l dc . 第14図. 曲線の升 ある. この曲線の形状は , 1人当りの資本の大き 一 一 の場合においても さが同 , 新機軸 等による曲線のシフ トによる生産性の上昇があっ ても, 同 の 曲線のみを考えるならば, 資本蓄積 が急速に進行した場合には, 生産性を示す曲線は, その成長率 8 ) が低 下 す る1 .. い ま 影 =Z 期の所得, Kz=Z期の資本, P t=Z 期 の 利 潤, Sと=Z期 の 貯 蓄, ヱと=『期 の 投 資 と お い 1 9 ) 示 す 次 よ う て, の に . . 貯蓄関数は, sと=αA 十β( “ - A). .. (5). 1 >α>β》 O. 投資関数は,. ′ ′Y” +β ( 箭 )Y” Kにα. ′ ′YH-+β (暴言昔)ル ー ルー-α ′ (会)Y &--〆”+β ム ニ にと十.- Kz 110. (6).

(12) . 循環と趨勢について. }. ′ -′ -{α ル ー′YM ( 缶 )L}-{ (勘 γ α ′ -′ ′ ル ーα ( 諸 )“- ーβ (会)Y ,. }. ′ -α (ル ー … 〆{ (諸)g- ,‐(号)γ. ′ 密 )+β ′ 優 - 諸 )% -αご- ル セ 十β. (7). 技術進歩関数 Yr十.- Yf ″ 一 ール は ↓が TP . ム. 冨. (8). 1 >β″> O. ″ α >0. 2 0 ) Y, 前期の資本と所得を Ko Yo と おく と, さらに今期の資本と 所得を K, , , ,. 券-〆+β会 ヱ 1- ヱ 』 ′ - (会-妻) - γ。 ・鼻十β Y‐ ,. ←こで 馳 & Yo. yo ー. 馳 .誉とする) , o. (6, 5) 式はさらに次のように書ける.. 丑-. ・氏Y o参 ′発・令 デーβ 釜}+β. ( 1 0 ). 再び方程式(6, 1) にもどっ て, 次のように書く ・ 芹 『 十(α-β)争 令 - げ 斗β Y ,. ′) (5. この (5′ ) の2つの方程式は, t=1期 における所得の分配 (利潤十賃金) およ び所得か ) と (1 0. らの投資と貯蓄の割合との両方を決定する. このメカニズムは第15図によっ て示される, この図 で. の均衡点は 参-参 である,. いま, 資本の成長を横軸に, 所得の成長を縦軸にとり, 第15図をかく.(5′ ) , (9) 式によっ て A 決定される投資の最初の率がt=1期 に 装 で与えられるならば, 長じ こ向ぅ.これは次期における産 , 出量の成長率 G, が資本の成長率 舎 よりも大きく, 方程式(9) によっ て, 投資率は次期には妻 に なり, G2と等しくなる.そしてこのことがさらに次期の所得の 成長率 G3を高める. 同様の理由によ り, 第3期の産出量の成長率は G に到るまで続けられる. そしてそこで所得と資本の成長率は等し くなる. 第1 6図 で示したように, 資本利潤率の上昇は投資を上昇させる. このようにカルドアにあっ ては, 所得と資本との長期均衡成長率は, 方程式 (5) および (7). 111.

(13) . 亀 畑 義 彦. P ア. A. K-. A. K2. 第1 6図. 第1 5図. 第17図. 直からは独立しており, もっ ぱら (8) の技術進歩関数の係数のみに依存している. い , それらの両方を等し , 資本と所得の成長率を等しくし, さらに (人口一定の仮定の下で) 2 1 ) (第1 ) 次のようになる 産物の均衡成長率すなわち生産物の特殊な成長率は 7図 , ,. + 〆 # {= より . ′ )〃= α′ (1- β′ 〆′. ヱ. . ′とおくと で ど 才 『′ 。.

(14) . 循環と趨勢について. 1 ) (1 さらに (6, 1) 式より. )参 寺 α参十βγ 〆 -β十(α-β )参 事-β (α-β 一 Y. α-β. ) (12. 均衡点 であるから1=Sより,. ″キ β P γ . . . さらに P- P Y .. K一 Y K より P. ″- 暖 ′ ’. . (1 3 ). 以上が所徹こ対する投資の均衡比率 ◎ , 所得に対する貯蓄の均衡比率 ◎ , 所得 附 する利. 潤の均衡シェア @), 均衡資本利潤率(鼻), とい た とになる, 暮2. 人ロの成長する場合. 次に, 人口が成長している場合の経済成長モデルを考察する. マルサスの理論によるならば, 人 口の増加率は生存手段の増加関数 である(総生産物の増加に等しいと考えることができる) . しかし 生産物が急速に増大して、 も, 人口の成長率は, 一定の極大率を超えることはできないという制 約 が. ある, これを図示すると第1 ) が低い時には, 傾斜は, ほとん 8図のようになる. 所得の成長率 (g f ど1に等しい, 所得の成長率が或る大きさを超えると水平になる. この関係を代数的に求めると次 のよ う に なる, い ま, Lfを人口の成長率, g tを所得の成長率, Aを人口成長 の極大率とすると, . L FA (&>八). 113.

(15) . 亀 畑 義 彦. 一一一一一一--・入. . 第1 8図. 第 19図. 入口の成長率がえ(すなわち& >パ) ではじまることを仮定するなら, g>Aなるためにgはぇに制限さ. 当 選 州 -Y L Aとなる それ故 資本と労働の )の 貴 は 貴 -A 遇 些 るから, 技術進歩関数(9 , . 長期均衡率はG=γ″+掃こなる. 2 ) 2 したがっ て他の長期均衡値 (11 )(1 )(13 ) もγ″ と γ″+Aと しなければならな い2 . も し gt< A(それ故 Lt< A ) なら, すなわち産出量の成長率が極大人口の成長率より小さい場合. には, 所得と人口の成長率は平行して増大するが, LはAを超えることは できないから 掃こ達する と人口の長期均衡は, その極大率 で成長する. すなわち第1 8図の水平区域によっ て示される,. 人口が土地に対して相対的に過剰な場合には, 土地の稀少性により, 収穫逓減を引起こすことに なろう. それ故一定の技術と1人当りの資本が与件の時, 人口増加は生産力の低下を引起こすこと になる. すなわち技術進歩関数の TT 曲線は下方に移動することになる (第19図) . いま TaT窪ま. で低下したとすると, これは, 一定の水準 での1人当りの産出量 (0≠ ) を維持するのに, 1人当り ) の一定の成長率が必要 であることを意味している. また2つの交点を持つがPは安定 の資本 (C≠ P - ′は不安定である. もし経済が P′の左側にあるなら, 所得と資本の成長は, 完全に静止 的であり, す るま で低 下する であろう. また, T 曲 線 が, 対角 線以上に なる であろう 場合も可能 である. (TbT )(ソローも同じよう な分析を行なっ ている) . 人口の増大と均衡成長との両立は, 人口の極大成長率入と, 技術進歩関数における生産性上昇を 3 ) もたらす係数 α″とに由来している. 故にもし α″> A な ら, こ の 両 立 は 達 成 さ れる2 , S3. 資本主義の2つの段階. このことを考えるにあたっ て, カル ドアは, まず次のように述 べて いる.「資本主義企業の歴史的 現象は, 経済体系の技術的ダイナミ ズムの巨大な増大である. すなわち生産方法の絶え ざる変化と 進歩にある. 経済における資本セクターの成長は, この技術進歩の ドラマティ ッ クな上昇 (故に生 産力の均衡成長率 γ″の上昇)によるものであっ て, 貯蓄の増大と人口成長率の急激な増大は, あく ま でそれらの結果 であっ て最初の原因 ではない. しかし初期の資本主義の発達においては, 生産力 の増大は労働者階級の生存水準の上昇にまでには至るものではなかっ た,1 9世紀の前半を通じて, 1人当 りの生産力の十分な改良にもかかわらず, イ ギリスにおける実質賃金の静止的傾向は,『資本. 114.

(16) . 循環と趨勢について. 論』 の第1巻の主要テーマの一つ であり, マルクスが強調した資本主義発展の特徴でもあっ た, 同 じことは, 他の資本主義国においても真 であっ た, 例えば日本の場合には, この期間に所得が1人. 9 17年との間にほとんど増大しな 87 8年と1 当り1 .5倍に増大したのにもかかわらず, 実質賃金は1 2 4 } かっ た」 . このことは, 資本主義発展の最初の段階においては, たとえ生産力 が増大しても, 方程 式 (6・3) で示されたレベ ルに達するための投資を許容するだけの生存賃金を超える賃金の余剰 6 ) したがっ てこの場合には 次のようにな を十分にゆるすものではなかっ たことを意味している2 , . る.. . この式と (6. 1) 式とから & =αA 十β(yご- Pご) =(α-β)A 十β Yご い ま S;1より と おく. こ の 式 の Ptに先 の Pf=Yt- Wmm を代入すると. (藍 十Wm。)+β“ (α-β) ′ .& ニム ;α ” -(α-β)w“ ”“. (14). 4式) が適用される限り労働生産性の上昇により Ytが上昇したにもかかわらず, W 励 に 一 この (1. 定でぁるから, 受÷が上昇する, この状態が第1 6図のGの左方にぁるなら, 差÷が増大するから,. へ接近するこ は よっ て停止しない・.その理由 は, 実際の資本と望ましい資本との間の成長の差による前期からの投資の補償が存在することによ. 景 もまた増大するであろぅ. しかしこの動きは. る(し- 』 -&)一文に資本蓄積率( 貴 ) の増大は, G点を超えるであろう, そしてその時点に おいてはじめて, 経済は 妻 の確実な低下を導く, それ故この段階で , 資本・産出比率 ( 誉 ) は 6 ) 上昇 す る2 .. しかし方程 式 (6) によっ て示された資本ストッ ク が望ましい資本の水準に達. した時, 資本主. 義の最初の段階は遅かれ早かれ終局に向う. この点に達すると投資率は (1 4) 式によっ て支 配さ れるのではなく (7) 式によっ て支配されるようになる. 利潤はもはや生存賃金を超 えた 生産物. の余剰と して決定されるのではなく, ケイ ン ズの方法によっ て, すなわち所得に:占める利潤の分 7 } け前は, 資本家と労働者の貯蓄性向(α,β ) および投資性向(し/Yr ) によっ て決定される. つまり2 これをYごで割ると. )令十β 寺( α-β. 令 てと声・令 すぎ 言. となる, それ故賃金シェアは利潤から差引かれた残りとなる, 方程式 (5)(6)(7) の式のパラ メーター が一定のままにと どまると仮定するなら, 実質賃金は労働の生産性と同じ率 で自動的に上. 昇するであろう. それ故, 分配シェ アは, 時間の経過にかかわらず一定である. そして体系は, 資 115.

(17) . 亀 畑 義 彦. 脳. -一一----一 T ime. 第2 0図. 本の成長率が所得の成長率に等しいところで均衡に落ち着く傾向にあるため,資本の利潤率もまた, 時間の経過にかかわらず一 定にと どまる. この第1段階から第2段階 への変換の過程は 第20図に. よっ て説明される. ここでの境界線Mが変換点 である. S4. カル ドア成長理論の検討. 完全雇用の状態においては, 資源の稀少性および技術を一定とすれば国民所得の大きさも一定 で ある. この時には, 完全雇用 という重要な問題は解決せられているから, 残る重要な問題は, 所得. 分配の問題 である. しかし不完全雇用の状態においては, 短期的には, 分配関係はさておいて, ま ず完全雇用 に必要な所得の増大を目ろむことになろう. この場合, 資源は遊休しているからこれを. 利用することにより国民所得を増大させることが重要課題となる. そのためには, ケインズは, フィ. ス カ ル ・ ポリ シー を中 心 と し た 乗 数 理 論 を 導 入 した だけ であ る. と こ ろ がカ ル ドア に あ っ て は, こ. れまで述べてきたように, 乗数理論は所得の分配関係にも利用されている. これらの分配過程をカ ル ドアは,「利潤はもはや生 存賃金を越えた生産者の余剰というマルクスの方法において決定される. の ではなく, 賃金シェアは, 投資性向と貯蓄性向によるケイジアンの方法によっ て決定されるよう 2 8 )というようにまとめている このことは カ な利潤シェ アと生産との間の差に等しい剰余となる」 , .. る濯ぎ 1 ,6 Sかぎ ル ドア の f亘”〃〆〃の物e Z乃の か げ DZ o〃“ 沢e諺ew げ Eの〃omz 〆〆 c Sz z ‘ s e .83一100) ,pp , 955. との関連 で思い起こせ ば, さらに÷層理解が容易になる. そこ ではカル ドアは次のように示してい } る29 .. こ こ でSwこsの W pP と おく と , Sp=s ′=spp十sww =sop十s〃(Y-P)=(sp-sの )P 十sのγ. これをYで割ると. 116.

(18) . 循環と趨勢について. さらに ( s 一物 )参. ÷s. 1 ヱ ,P = γ- sp-sの γ. sw sp-sの. P=α ‘qf と な る. こ こ でY, P, 目こ添 字 を つ け, S , sw; β と おく と, そ れ は そ のま ま, A 鰯ode Ecの20粥た Gメα煽れ の p.620 の 説明 に つ な が る す な わ ち . Pご ー ム β ニ , ー . となる. よっ て利潤のシェアは, 投資率と貯蓄性向(α ) とにかかわっ てくる, したがっ てカル ド ,β アにおいては, 乗数理論を所得と分配の決定に用 い, ケイン ズの所得決定理論 (乗数と所得を結び ついた) は短期理論 であり, 乗数と分配との結びつきは長期動態分析 であると考える. また投資乗 数とは, 本来独立投資を意味しているから, その値は独立的に決定され, 一定 ではない. しかるに カル ドアの場合には 寺 を一定と考えて議論が進められている. 再び上の式に戻ると, この式から, 利潤シェ アは投資率と貯蓄性向 (α,β ) により決定された. ここで は乗数である. 一定の投資. 率 寺 に 三 戸が乗ぜられて利潤のシェアが決定されたから,乗数となる消費支出が利潤を決定する ことになる. 故に分配関係が貯蓄率を変化させ, それが再び再分配に影響を与えることになる. こ の式 が 成 立 す る た め に は, α > βでなければならない いま, 古典派やマルクスのように賃金=消 .. 費と考えるなら sw=0となり, 利潤の大きさは, 投資と資本家の消費を加えたものに等しいから. I. Y. α -O. P. I Z. . . ′ ,P=. L Y. O. α -O. ↓′. となり, 利潤は投資と乗数のみについて決定され, 賃金が生存賃金に近いほどαは大となり, 投資 効果は大きくなる, 次に賃金が上昇し, そこからの貯蓄性向 βが αに等しくなると. o ‐キーo=o となり, 利潤はゼロとなる. このモデルは利潤は投資性向と資本家の消費性向に支配されており, 賃金 (y-P) は残余 であ る か ら, リ カ ー ドま た はマ ル ク ス と は, こ の 意 味 に お い て 反 対 である.. 資本主義の初期において, 賃金が生存賃金の近傍にある時には, 利潤はリカー ドのごとく, 賃金 を差し引いた余剰となる, しかし資本主義の発展につれ賃金は上昇し,sww の発生(賃金からの貯 117.

(19) . 亀 畑 義 彦. 蓄) とその増大は, 投資を抑制するから, 利潤が低下する. このような状態において, 投資の増大 は, フィ スカル・ポリシーによる独占度の増大または技術進歩によるしかない. もしそれが不可能 ならば利潤率の低下を阻止することは できない. そして資本主義の成熟が進むにつれ, 利潤と投資 との相互依存関係は投資が主導権をもつようになり, それが分配率を決定するようになる. 以上の. ようにカル ドアは, 支出が分配を決定することを主張する, ここ でもし, 長期にわたっ て利潤の分 配率と投資が一定に保たれるためには,独占度ないしは, ¥ および壬 が平行に上昇することが考え. られる. しかし現実の寡占経済における経済の変動の問題を考えるときに, これらのものが統計的 に 一定 であるという結果が出ていることを前提にして, 単純に理論を組立てることは できないので はなかろうか. 例えば, 生産性と賃金に関する統計は, 個別的な資料をすべて平均化したものであ るから, そこでは, 個別企業の資本設備の構成の質的変化ならびに資本蓄積の問題は考慮されてい. ない. 例えば, 新古典派成長理論を是認するためにサミュ エルソンが選 び出した統計 (第2 6図) も 0 } これらの問題を再考察するためには 再考察するため には 再びクライン またしかり であろう3 . , , と ドーマーの問題に戻らなけれ ばならない.. ” l 1) Ni lofthe Trade Cycぞ,βの加川化 力” cho asK副dor ′ ’ ラ ヱ ロ‘ 1970 , A Mode .79 . ,p 2) N,Ka l dor ! ‘ 8 0 物 c , , , , ,p l dor 3) N,Ka ,81 . , ゆ.びん p. 仏 p,82. l dor 5) N.Ka .83 . , の.びん P l do 6) N,Ka r . 可, p .85 ,op , l dor 4) N.Ka p ,q. 7) N.K副do r .88一9 , , 物,びん pp. t e endand Bus l i i l 8) M.Ka i eck de nes sCyc esRecons r eず,Ecの勧 化 庵”〆 ““,1968 , Tr . ”TheRe K l d l i fE i t G h 9)N t d a o r ‘ a o no c o n o m r ioが,Ec c o w a n h dC l i IF 1 G t ? ” ommため 瀦’ row an yc ca uct uat . , ,. N1 l ar ch ,1954 . LX1 , Vo .61 . ,p l dor 10) N,Ka .62 . , の.cれ P l do 11) N.Ka r ,70 . , の.αL P. 12 ) 森嶋通夫 『資本主義の経済変動理論』 昭和30年, 83頁 , 1 ) 森嶋通夫 「前掲書」84頁, 3 1 4 ) 森嶋通夫 「前掲書」86頁. ) 森嶋通夫 「前掲書」1 1 5 03-4頁.. 第3章. SI. ソローの成長理論. ハ ロ ッ ド= ドー マ ー, モ デ ル に つ い て. 電麗誉 た る臓も 雲騨挙驚 鱗 畠謙譲霧. き星は 量激闘i海溝を ≦. 。とお 。. いま, 資本投入量と労働投入量との 技術的組合せによる 生産物の大きさは, 」 に,乙) γ=F(. 118.

(20) . 循環と趨勢について. ハ て. み て o. 第2 1図 とおけるが, ハロ ッ ドは, KとLとの代替性は認めないから,・この関係は第21図のごとく になる . いま. (14 ) 4に. (15 ) (15 ) を (14 ) に代入して. 4y y ー参またはG一喜 この りまたはCは, 資本ストッ クの増分を有効 需要の増分で割っ ただけのも のである 次に △Y*の . 増加に必要 な資本ストッ クを 〆 とおくと , * 4K = y‐ s . (14). * 7丁才 =〃 4 K = り*4 Y*. (15). (15) を (16) に代入すると. 4影 ‐ またはG 苛 -を もしKとLと が代替可能であるならば, 労働のbo l t t eneck が発生した時, Lの代りにKを増大させ ることにより,Gwを成 長させることができる しかしハロ ッ ドは KとLとの代替性を認めないか , . ら, Gwの成長は人口の成長すなわち G〃 に よ っ て 阻 害 さ れる, よ っ て 119.

(21) . 亀 畑 義 彦 Gの= G”. となる. 企業家は, △Y*のために △K の資本ストックを生産し, 利用 してきたの であるから, GWの 大きさ が G の大きさに ならさ れるこ は より,資本ストックを完全利用 して いた産出 量水準 堺 Uとなり, 体系は不安定となる. また逆 が低下すれば, 資本の過剰 が発生することにより, G < GZ に,不完全雇用状態における低い水準 での △Y*に見合っ た △K の適応がある時, ブームは,G > Gw 2 > GW となることにより 発生する.この関係は C < Cγをもたらし, 不安定を発生させる. また G7 ‐Wの時には慢性 的失業が発生する,よっ て, キイ・ 2<G の 時 に は 持 続 的 にイ ン フ レ ー シ ョ ン が, G7 パラメーターの大きさ -- 貯蓄率, 資本産出比率, 労働の成長率 -- が中心からわずかにずれる ならば, 失業が増大するか, イ ンフレーショ ンが進行するかの二者択一 しかない. それ故, ハロ ッ eedge の 上 ド= ドーマーの考え方の持っ ている特徴は, 経済システムは長期 的には均衡成長のk雨f で最:も良く バランスをもっ ているということ であり, わずかでもその上をずれることは できない. 以上のように, Gwと Gγとの垂離 現象は, 生産が固定化率の下 で行なわれる結果 である. そこ で もしこの仮定がすてられるならば, 不安定な均衡 である knifeedgeの概念は, 調和をもたらすであ } ろうi .. ここ で取上げようとする長期成長分析は, 固定比率 のみを代替 可能と考える以外はハロ ッ ド= ドーマーの仮定はすべて許容される. S2. 長期成長モデル. ) であらわす. すな ここ ではまず, 商品がただ一つと仮定し, 全体としての生産物の大きさ をY(云. わち ソ ロ ー は こ こ では 1 部 門 モ デ ル を 想 定 す る.. 次に, 各期の産出量の一部は消費され, 残りは貯蓄されそれが投資される. 貯蓄にむけられる産 出量の一部はコンスタントでありsで示す. 故に貯蓄の大きさは sY であ る. また純投資は資本ストッ クK の の増加率は 箸 またはぇ であるとすると,. ) という2つの生産要素の助けをもっ て生み出されるから, 生産の 産出量は, 資本KO) と労働L(f 技術的可能性は, 次の生産関数をもっ て示される.. } そして生産については 規模につい 産出量は, 資本の減価をお ぎなっ たあと での純産出量である2 , , l tantreturn tos て の 収 穫 不 変 (cons c a e) を仮定する. 故に生産関数は 1次同次 である. これは, 土 地のように資源が増加不可能 であるというこ とはまずないという仮定からくる (稀少な土地の場合 l ingreturn to sca e が導 か れモ デ ルは リ ガー ト的 な に は, 労 働 と 資 本 に つ い て は, 収 穫 逓 減 decreas. と である. 労働の 一 ものとなる) . この体系を完成させる つの方法は, 労働の需要方程式を加えるこ 限界物理生産力 が実質賃金率に等しいなら, それは同時に, 労働の供給方程式 でもある (完全競争 ) と結びつくから, よ ( の仮定をとる) . またこのことは, 実質賃金の低下と労働の需要 または供給 りリカー ド的 (または古典的) にいう ならば, 生存水準に等しい実質賃金をもたらすことになる. ここ で, ハロ ッ ドと同様, 人口の外生的増大の 結果として, 労働 が一定の相対率 “ で増大するもの とする. 技術変化がないものとすれば, れはハロ ッ ドの自然成長率 である. 故に 120.

(22) . 循環と趨勢について. (17 ) となる. (1 ) ではしが総雇用 (需要) を意味し, (17 6 ) でのLは, 利用可能な労働 の供給を意味し ている. 両者の一致により, 完全雇用は永久に維持されるものと仮定する. ここで (1 ) を (1 6 7 ) に代入するならば, . を得る. もしすべての利用可能な労働が雇用される場合には, 資本蓄積の時間径路 ( imepa h) を t t 決定する基礎方程式を得ることができる. この場合には,(17 ) 式は労働の供給曲線とみなすことが } 労働の供給曲線は 労働力 が(17 出来る3 ) 式に依存して成長するにつれ, 時間に正確に比例して . ,. 移動する直線である, その時には, 実質賃金率は, 利用可能な労働 が雇用されるように決定される . それ故, ある時間に利用可能な労働供給が (1 7 ) 式によっ て与えられ, 利用可能な資本も与件とし て存在するならば, 賃金率も資本利潤率の変動が(限界生産力の数えるところにより) , 完全雇用を 保証し, この資本と労働により, 生産物 (Y) が決定される. したがっ てそこからの貯蓄 が決定さ れ, 投資が決定される. そしてこれが, 蓄積された資本ストッ クとなり, 次期においてはこの資本 ‐ 4 } ) が利用可能となる(sy=s=Z;R .そして以上の全体の プロセスが反復されることになる . ここ で, 資本蓄積径路が, 労働の成長率と一致していることを見るためには, 方程式 (1 8 ) を検討しな ければならない. まず, に 辛 (資本・労働比率) を導入し, これをほどくと . これを時間 で微分する と dk. . . f ′ i ′ ・K = G′+”γ)Log. これを第 (1 8 ) 式に代入すると ハ ” 6 十7 2γ)LO〆 =s′(K,Log リ. “ しかし規模に関して収穫不変(1次同次)なる古 文 , し = Lo〆 でFの両方の変数を割ることが出来. る,. 故に. 肝 粥うム. 叱 ムメサ(士を〆). こ こ で K = γL = γLog鳩 な る 故, 上 の式 の K に こ れ を 代 入 す る と. 121.

(23) . 亀 畑 義 彦. (. -- ムメゲ(畜 鐸, ・ ) 悩 )ム〆. ”′(γ 1) (夕十7 2γ)Log“t=SLOB′ ,. ‘ ) で割ると 両辺を共通の要素 (しog″ ;s′(γ 2γ ,1)-7. (1 9 ). この関数f ぼ り は労働1単位について使用される に(め の変 僚 しての総生産物曲線であ り, 労働者1人当りの資本の関数としての労働者1人当りの生産物を与える. =0の 時 0;s′(γ 2γ ,1)-7 2γ s′(γ ,1)=7. となり, 資本労働比率はコンスタントであり, 資本ストッ クは, 労働力すなわち 〃と同じ割 合で拡 大しなければならない (資本に対する収益の近似的実質比率によっ て保証された保証成長率は自然 }・第22図において 傾き ”を持つ原点を通る直線は 関数7 成長率に等しい. 2γを表わす. 曲線は )5 , , . 1 ダ )なる交点 では 原点を通 2 γ γ= ( 関数 0, )を表わす. ここ では, っ て上方に凸形 で示される.7 ,1 * r=0 である. もし資本・労働比率r が常に確立されるならば,〃γ= ず(K,L)は維持せられる であ ろう. そして資本と労働は, その割合で成長するだろう. 規模に関しての収穫不変によっ て, 実質. 生産高もまた同じ相対率 ”で成長するであろう. そして労働者1人当りの産出高は, コンスタント となる であろう, しかしメキ メ ならば, 資本労働比率は, どのようになるであろうか. いまγ > 〆. (K, 2γ > ザ ( )となり,γは 〆 の方に減少するであろう,逆に γ < 〆 すなわち ”γ < sf なる時,7 γ ,1 * し) でか つ γ > 0 な ら, γは 〆 の方に増大するであろう かく して均衡値 γ は安定 である. 資本労 . 働比率の値がどのようなもの であろうとも, このシステムは自然率 での均衡成長の状態に進むであ } また 生産関数が第23図のごとき場合が存在する時には 3つの交点をもつγ ろう6 , ,れ は安定 , , . 7 ) 4図のような可能性を示すこともできる ” 均 衡, 〆 は不安定均衡点 である さらに第2 2 . γをはさん . だ両方の曲線とも, 限界生産力逓減を有しており, 一方は 7 2γの上方, 他方は’〃の下方にある場合 l 1 f 方にあり がある. まず, s (γ , )については, 7″の上 , かつ逓増的増加 ではなく逓減的増加 である から, これを例えば ノア で示すと, 1 2γ十ノダ s ,′ 6,1)=7. )については,〃γより 下方にあり, かつ逓減的増 というような形 で示すことができる. また 物戸( γ ,1. 加 をしているから, 例えば. ); ≠ 行 ( ? sゾ2 11 というような形 で示される. 10 1 ′ s , , )の方は非常に生産的であり, 永久的な完全雇用 が実現され, 1人当り資本に1人当り産. 出量の急速な増大は, 一層大きな1人当り資本の増大となっ てもどっ てくるであろう. )のシステム は, 非生産的 であるため, 完全雇用径路は, 資本単位当り所得の永久の またs 2戸(γ ,1 122.

(24) . 循環と趨勢について. ;. 1 . .. に¥. ;. - . - ;. i -. . 第 22 図. 第 23 図. ) s ,FIGII . ) s 2F26,1. 第2 4図 低下のみを導く. 故に純投資は常に正であり(ゼロにならない程度) 労働の供給もわずかに増加 し , , 総所得もわずかに増加するといえる程度 である . この分析の帰結は次のようなものである. 生産が規模に関して収穫不変と 可変的生産係数とい , う経常的な新古典派の状態の下においた時, 自然成長率 G”と保証された成長率 Gwの間の単純な 背反は存在しないということ である -- 実 際にソローが考えているコブ・ ダグラス型 生産関数の i f 場合には決していかなるkn eedg eも存在しない. この体系は, 労働力の一定の成長率に調整され ) 一 る. そして結局, 様な比例的拡大の状態にア プローチするのである8 , 〔コ ブ・ ダグラス型 生産関数 の場合〕. Kの指数 とLの指数を加えれば1に等しく, したがっ て αは1より小さい正の常数 である αは 国 , .. 民所得に対する利潤の大きさ(号)をあらゎし , 1- 峨, 国民所得に対する賃金の大きさ(影)を あらわすものとする. このように考える前提には, 国民所得が 各々の限界生産力 にしたがっ て各 , 生産要素の間に支払われて, 過不足がなく分配されるということが基礎になっ ているからである9 ) . それ故, 次のように書ける.. 123.

(25) . 亀 畑 義 彦. y=P+W. この中 参 αとおいたから. 苓 ・. いまαよりは じめると. ここで, 限界生産力説にしたがい, 利潤率は資本の限界生産力に等しいから ゑ て. βを. によって. このようなことから, αは資本に関する所得の弾力性係数 ともいわれる. 次に,. 同様に, 賃金は労働の限界生産力に等しいから. よっ て. 学も 琴 -α 茎 キー こ の こ と か ら, 1 -α を労 働 に 関 す る 所 得 の 弾 力 性 係 数 と も い わ れ る, した が っ て, い か に Y, K,. およ びLが変化しようとも, 利潤と賃金 への相対的分け前は, 限界生産力の教えの通りに分配され るから, αと1 『 とは, y,”およびLか らは独立しており, 参のいっさいの変 動こ対して不変で ・ ′. ある ,. 再びもとの式にもどって . 両辺に1/Lをかけると 124.

(26) . 循環と趨勢に ついて. こ置きかえる(〃-¥, F ¥とおく) これを次の お も. これを2 度微分する。 まず1度目の微分は. 2 度目の微分は. 炉¥. 第2 5図. 5% 4% 3%. 発 >o. 瀞. o. ^ ′\ . ア 4 . 1 90010 20 30 40 5060 70. 第2 6図. さ らに, す べ て の 々 に 対 し て 々 > 0 〃 に 対 し て 〃 > 0 であるとすると これは 連続的 で微分可 , , ,. 能な生産 関数 であり, 第25図 で示すことができる これは 第2 2図と同じもの である,それ故 関 , . , 数sF(γ 1 )の曲線は 直線 の上方で上昇し 7 2γ , , ,やがて上から直線を横切り, ついには直線の下にな る. 先の方程式 ダ ニsF(れ1)- ”γ. はこの 場合には. となる故,(げ を 性 おくと. 125.

(27) . 亀 畑 義 彦. となる. これを友=SF(K,乙。メリにもどす ことは容易 である. つまり, . ^^乙 V n1 ソt”上. . nっ ア UQムU. . n ア レ. . ハ4/ T”. Y = KαL1‐α. nr ソoム っハムh V. とおくと(2 2) )式から ,(26 k =sにαムー. (27). さらに(25)式とから “) K =sKα (LO〆“)rα=sぞ(K,L。e’. ここ で(28)式を積分 する. まず . . とおくと, (26)式は ≠)わ z ” ;sにlmも(Log′ o = L 〆“) 習 す 才 s( o 1‐b ( } K而 .文 =s(Lo〆“)b. に で た 誓 と考えると次の積分の 鵡 得る・ まず左辺 から. 公式/# * -評÷十cより. ¥者十cに 午十c /K”〆” 標i , 右辺は. 公式/ 〆メヱー. 126. 叫 cより. (28).

(28) . 循環と趨勢について. よって. D ご十c(c± c i 部 b-s聡 奇 e′ 2」C ,). (29). 云=0と お く と. まKb-sL吉海 十c. 29)式に代入すると こ の c を(. b 一 K -sL ぼ ’ z 古” にsL 涜 8 ろ. 両辺にろをかける と. 両 撚 る士を乗ずると. 」 ここ で 比ザ- ★ 銘 はきわめてノ ・さい数のため, これを無視するものとすると, 肴L8e蹴 のみが残 る, ょっ て が 大きくなるにっれて, K の は本質的には, ( 計 L 〆ごとぃぅ大きさ, すなゎち労 古 である この値は (1 働力の成長率と同じ率 で成長する. 資本・労働比率の値は’ 〆-( ) )式 ’ 9 . 身 o ) を グ=0 と お い て 求 め る こ と が でき た 値 と 同 じも の であ るl . ま た, も と に も どっ て, コ ブ ・ ダ グラ ス 型 生 産 関 数 か ら Y = F (K, し) は,. であっ たから に こで 参 はパロ ドの概念での資本係数であり, C で示されている. 長期均衡成長 は C=★ または 俗 号 をとるであろぅ. このことから, ノ・ロ ッ ド; ドーマー型とコ ブ・ ダグラス 型生産関数とは, 長期均衡成長に関しては同じ帰結を示している.. 127.

(29) . 亀 畑 義 彦. 登3. ソローの理論の検討. 「 ノ・ロッ ドも ドーマーも乗数・加速度係数という 短期的な用具 でもっ て長期的な問題を考えよう としている. しかも加速度係数が不変 であると仮定していることから, 資本と労働の代替関係とい 1 1 }という批判を出発点として ソローの成長理論は展開されて うものを考慮 できなくなっ ている」 , いる. そこ での, ハロ ッ ド・ ドーマーの不安定性の問題についての批判は, ソローにより 生産要素 の代替, 収穫不変および限界生産力逓減の作用を持つコ ブ・ ダグラス型生産関数を利用することに より, そこ での均衡を求めるという型をとっ て修正されている. ソローによるこの解決は, 現実の. 経済現象を十分説明しているであろうか. それが経済理論 である限り, ある一定期間, しかもかな り長期にわたる過去の現実を証明していなければならない. 成長理論についてそのことがあてはま る であろうか.. ここ で取り扱っ たソローによる新古典派成長モデルでは, 労働の完全雇用と資本の完全なる利用 のための需要は常に保証されていると仮定し, その上 で, どのように供給を増大させうるかという 新古典派の世界に立っ て成長理論が展開せられている. すなわち, ケイン ズが批判した新古典派の 世界が適切 な金融および財政政策によっ て再 びよみがえっ ているということを前提にしている. こ の こ と に つ い て ソ ロ ー は, ア メ リ カ に お け る 1909年 か ら 1949 年 ま での デー タ ー を 調 べ た 結 果, コ. 2 } またサミュ エ ルソン ブ・ ダグラス型生産関数 がきわめて有効的 であるという 結果を得ている1 . は, 経済の成長の現実が最近の成長理論ときわめてよく適合しているという 次のような帰結を示し 3 } まず 第26図を見てみよう このようなデーターの整理の結果 これを次のような 「経 ている1 , , . . 済発展の6つの 基礎的趨勢」 として要約している. ( 1 ) 人口は成長を示した. しかしその速さは,「資本の深化」 を反映した資本ストックの成長より. は, は る か に ゆる や か な も の であ っ た.. 2 ( ) 実質賃 金率には, はっ きりとした上昇傾向がみられた. ) 財産収益の合計に対する賃金俸給の相対的分け前は, 長期においては, かなりの程度不変性 ( 3. を保っ た (ただどちらかといえば, 労働の分け前はわずかながら上昇傾向を示したようだ) . ( 4 ) 利子率または利潤率にかんしては, それが下がっ たという事実はなく, むしろ現実には, 景 気循環過程 での振動は, 観測されるが, 今世紀においては, 着実な上昇傾向もなければ下降傾向も. 見られない. ( 5 ) 資本の深化が収穫逓減の法則の作用 を呼 び, 資本産出高比率を着実に上げるということが考. えられそうだが, そのようなことは観測されず, 今世紀においては, 資本産出高比率はほぼ不変 で あ っ た こ と を知 る.. ( 6 ) 産出高に対する貯蓄の比率は, 景気循環の過程 で上下し, 循環の高雇用のいくつかにおいて は, ほぼ同じ水準に達 した.. あるいは, 資本産出高比率がほぼ不変 であるという点を考慮に 入れると, 我々 はこの投資が所得 に対してほぼ不変の比率を保 つという 事実を言い換えて, 国民生産物は, 一般的に いっ て, 年々ほ. 1 2 )と( )すなわち資本が深化して賃金が ぼ同じ百分比率 で成長してきたということができる, ここで( )の賃金 3 高く なるということは, 生産と分配についての古典派および新古典派の理論と適合する.( 4 ) 5 )は がほ ぼ一定であるという ことについては, コ ブ・ ダグラス型生産関数と適合する. しかし( ,(. 適合しない. すなわち利潤 が変わらず, 資本産出比率が変わらぬということは, 資本深化のもとで. 成法則比 両立しない, すなわち1人当りの資本集約 ョ ¥) が上昇するにつれて資本の限 の収穫逓; 128.

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