被服の損傷に関する研究 : 平面摩擦強度について
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(2) . 昭和3 8年8月. 北海首学芸大学紀要 (第二部C). 第14巻 第1号. 被 服 の 損 傷 に 関 す る 研 究 平 面 摩 擦 強 度 に つ し・ て. . . . . . 北海道学芸大学函館分校被服研究室 A Study ol i jur ll ng es of C1othi l .. Yos i e IKBDA;. ーane fdcー iol - 01 l-- ) l sh ↑ ength ofl. [. 緒. 喜々の衣生活の中で経済的な面を 考えると少 しでも丈夫な物, 耐久性の大な繊維を求めたいと願 〒 うのは 万人共通の要求である. 優秀な生産技術 に依って良心的に生産されて大なる利用価値を有す. る繊維こそ; 喜々の要求にそうものであるが, 繊維が紡織される過程に於て, 或いは製品と して使用 機構があ らゆる場合にかかって来, 中に張力, 屈折, 板回, 掌圧, 摩擦等機械的作用に基づく損傷,. その結果形態性能を変化消耗させ, 被服本来の使命をそこなう事が著しく, これが家計1工勿論国家 経済に及ぼす影 響大なるを痛感 し, これら耐久性をはばむ損傷機構の過程を 明らかにして更に損傷 !卿)使用に耐えて被服の使 柔材料の性 質紡織等が有する性能を充分 発揮 し長j 防止対策を究明し, 徴用 命を遂行 したい,. 実. 江. 験. 法. 方. 1, 供 試 材 料 材料4 ・ょ天 然 繊維 よ り 代表 的 な 木 綿, 絹, 毛, 人 造 繊維 よ り レー ヨ ン, ア セ テー ト, ナイ ロ ン, ビ ニ ロ ン, カ ツ ミ p. ソの8種を選び平織組織で未染色の 物を用いた. なお厚さ密度の諸元は次表の通. りであ る, 試. 植 動. 織. 験. 試. 繊 繊. 物 物. 維 維. 綿. 木 絹. 毛. 羊. 7. 再 生 人 造 繊 維 半 合 成 繊 維 △ 成 繊 維. レ. ー. ヨ. 、 ソ. ア セ テ ー ト ナ. イ. ロ. ン. ビ. ニ. ロ. ン. カ ツ ミ ロ ソ. 強度測定, 機 厚さ測定器. の. 料. 平. 方 静 校. 厚. 諸. フG. さ. 糸 密. 1 1 mー ) ( 25 0 . 0 ,14. 度 本/C. 38. # き 24 ,5 30 ,5. 0 ,26 0 ,15. 26. 22. 0 ,24 0 ,22. 33 .5 26 22 26. 0 ,21 0 ,08. 経 51. 存 併. 19 縞 .5 セルロー ズ字 3 zルローズ 三 戸 40 2 5 ミ , ポリフ ミドラ 系 43 43 ミ 34. ポ リ ビニル 7ル コ ー ルデ 系 ミ Qリフ クリル三 ポ 条. 島津製作所) カストノ 、式ュニバーサル型織物摩耗試験機 ( , ITI i 1 ckne r rGauge(尾崎製作所) a スプリング式マイクロメータ Di.
(3) . 被 服 の 損 傷 に 関 す る 研 究 2.. 法. 方. 今回は平面摩擦をと りあげ各種織物にあたえる影響と更にこれによる損傷機構過程を, みる. 摩擦. による損耗に対する耐久性を摩撚強度と してし・るが, 試験方法, 試験機械 も数多く ,ある, 平面摩擦試験法 - 1) 試験オ テ取付 ー. 直 径 11 l締結より少くとも5mリスヒ 比場合原則と Lて織物の両r ,9cm の試験布を5枚採取する. 1 除いた部分で経緯糸の 異なる部分より取る.. 試験布は平面摩耗台の ゴム膜の上にのせ其の上にカラーをのせ, 試験才 行師付ネ ジで試験布が歪ま. i の空気圧で ふく らませて 押圧頭上部の 突起部に垂錐 な い よ う よく 締 付 け る. 次 に ゴ ム 膜 を 4p. s . 453,6g を の せ, ス タ ー トの ボ タ ンを 押 す と 試 料 台 の み力 前 後 2 lmm の 振 幅 で 1 分 間 に 125 回 の ‘ .5. 摩擦運動を起 し, その運動方向は経糸と平行になるよう に試料を置いた. 試料が摩擦によって穴の ・が電気接点となり前後運動は自動的に静止する 此の時5桁電磁計数器に出た数字を記 f 窮し・た個所 . 録して. おく. 同試験を5回繰り返しその平均値を求める. 2) エ メ リ ペ ー パ の 取 付. エ メ リ ペ ー パ (60 ( ) #) は 下 図 の 如く パ ンチ で 電 気 接点 用 金 属 棒 の 入 る 穴 を あ げ る,. エ メ リ ペ ← パ を 押 圧 板 の 前 後 の 両 ク ラ ン プ には さ み, 張 力 調 節 ネ ジ で よく 張 る. こ の 時 エ メ リ ペ ー パ の 穴 に 押. 228m n l. 〆 3.2≠ ノ0. 30mm. H{板の下面に出ている電気接点用金属棒がはまりこむよ うェメリ ペー パの位置を調節し, 又電気接点用金属棒の. 端面がエメリ ペー パの表面と同一面になるよう押圧頭の上客 ~より電気接点用金属棒の位置調節ネ ジ f をまわす. 次に損傷過程おもみる為に, 一定 (耐久回数の平均値の最低以内のもの) の回数毎に段階をもう. け摩擦損傷試料を作り, これ らの機構変化を比較Lなが ら過程を検討考察する。 弧. 実. 結. 験. 果. 各材料チ …に平面摩擦による耐久回教及び組織に与える変化は次のようになった. リ 表1 ゑ 長 瀞, ,. i l F. 木. 数 1. ,. 2. 綿. 122. 105. 27 53 、 ソ. 61. ト. 59. レ ア. ー セ. ヨ テ. ー. 1匡面 摩 擦 に よ る 耐 久 回 数 3. 4. 5. 畦 t 位 平均 値 」. 91. 101. 92. 102. 29. 34. 42. 47. 36. 53. 51. 53. 51. 52. 60. 51. 63. 78. 63. 59. 81. 63. 67. 66. ナ. イ. ロ. ン. 26. 24. 41. 31. 28. 30. ビ. ニ. ロ. ン. 82. 71. 78. 71. 67. 74. ン. 117. 135. 133. 116. 103. 121. ブ ノ. シ. ぐ. ロ. ( / ん 7 十 / b r フ 4 工 n X U つ 、 ノ 1 1. :さが 異る為このままの 以上の如く各織物に於ける摩擦回数の数値は出たが, 繊維の太さ, 布の厚 数字では比較する 事は出 -来ない, そこで単位断面積強度に換算してこれ らを比較した. 次 に 平 面 摩擦 に よ る 耐 久 回 数 を なる と, 表 1 の 如く ナイ p ソの30が 最 低 な の で 1 段 階 を瓢胆1毎 と. す る と 表 3 に な る..
(4) . 池. 表2 繊. 維. 名. 耐久回数/厚さ. 単 位断面 積強度 順. 位. 維. シ. エ. ア 羊 毛 レー ヨ、 ソ ト. 木 綿1 絹. セテ【. ナイロ ン ビ. ロン グ ミロ. 1632 一 1837. 769. 2800. 1497. 4688. 1285. 2500. 4. 8. 2. 6. I. 7. 3. 51. 損. 傷 過. 程 段 階. 名 1木 綿一 絹 E羊 モ ルーヨソ てセテ「ナイロン iビ ロンiウシミロ i 階 1. 段. 1) 木. ヨ. 平面摩擦に於ける単位断面積強度. 表3. 繊. 田. 5ー. ,1. 1 21. 31. 3「. ,1. 31. 6. 綿. 耐久値は表に示す通り2番目に大になっているが, 単位断面積強度は表2の通り5位である. 次に損傷の 組織変化を段階毎にみると, 第1段階 (1図の2) の如く撚は其のままで糸の組織の. 乱れは殆んどないが一部の経糸が一本おきに切れ欠除 して, あたかも糸と糸の間が開い たかの如く になり, 全体には若干の毛羽立ちがある. 第2段階 (1図の3) は経糸の撚が少し戻り糸 にみだれ が出延びも大きく又糸のやせがみえるが, まだ糸の丸みは失なわれない. 第3段階 (1図の4) は 全体的にみて布のゆがみが出来経緯糸共に摩耗されて細くなり, 切れる一歩手前のもある, 第4段. 階は緯糸も一本おきに組織点の近くでポッリと切れている個所 (1図の5) があ らわれている 経 , 糸の繊維が同一個所で 数本 づっ 切断されて段階状に摩耗されているものと, 筆の先の様になだ らか に摩耗されているものがあるが, 撚はそれなりにかかっている. 第5段階は残された経糸の摩耗が 激しく非常に細く (1図の6) なり, 中には2 .3本の繊維だけで連かつており, 撚も殆んど戻って. いる. 次に最終段階 (完 全に切れた状態) に於て経緯糸の切断面をみると 組織点でポッ ツリと切れ ている所と, 組織点より離れた所で自然になだ らかも二切れている所 (1図の7) がある. 切除され た部分は 6mm の正方形に近い穴があき, 廻りの組織の毛羽立ちが若干み られる. 2 ) 絹. 絹の損傷過程の第1段階 (2図の2) は経緯糸のやせ及び伸びが所々にみ られ, 特に緯糸の摩耗 が激しく 切れている部分もある. それにく らべ経糸の摩耗の切れはなく, 若干糸の丸み が 失 な わ. れ, 平たくおしならべた状態になっている. 経糸に緯糸のあった個所がはっきりとわかり経糸が波 状を呈している. 次に最終段階に於て経糸は殆んど切断されておらず, 摩耗 し細くなり繊維のみだ れかあるのみで, 緯糸は組織点より 離れた所で 完 全に摩耗され切断し, 其切断面はば らつきが 著 ;). しい (2 図の{ 3 .. 毛. 耐久値は表1の如く6番目であり, 単位断面積強度は表2の如く 一番弱い, 次に損傷過程の第1 段階(3図の2)は経糸の変化は殆んどなく, 緯糸の摩耗がめだち撚が戻りばらつき, 一本おきをニク 〕 断されている. 第2段階では, 経糸も若干摩耗されて おり糸の丸みもうすれてきた, 緯糸は完全に 切断されている個所が多く, 撚も戻り繊維のばらつきがめだっ (3図の3) . 次に最終段階 (3図. の4) に於て経糸は完全を二切断されず, 5 , 6本の繊維だけで 遮っている所もあり, 特に損傷部の 1切断には組織点の近くで自然 に切れている 中心点に近い所ははなはだしい, 緯糸は全部摩耗 さj 1 , 4). レ. ー. ヨ. ン. 耐久値は表1のように5番目であるが単位断面積強度は表 2の如く2位で高位である 損傷過程 . の第1段階 (4図の2) は経糸の変化はみ られないが, 緯糸の一部がす りきれて伸び及びみだれが みえる. 第2段階は全体的に糸の丸がうすれ (4図の3) つぶれて空間が狭くなっており, 緯糸の (ヱ9).
(5) . 被 服の. に 関 る 究. 第1図 { ー. 原 轟馨 . . . . 綿 5. 塾 硲 綴 蝋 き 翻 醇 灘 滋駿 轡. . 恭. 鞘 細 靴 、 馳 駆. . . . 滋 ( ′ ム. 凋. ミ ミ き 、. り ). A I. 鍔 ・. . 一 養 護 凄. 6.
(6) シ. ェ 絹. 泌 た . 離 さ ‐ キ ー ‐ う え 墓. 第 園. 羊.
(7) . 被 服 の 損 傷 に 関 す る 研 究. 一部は摩耗 し乱れて切断さ れている. 第3段階は緯糸の殆んどがすりきれ, 経糸も摩耗 し て 繊 維 つんと した状態にみえる (4図4) , 最終段階 (4 2 , 3本で連ってい る個所が多く 針金のように, 図5) に於ては経糸の繊維の数本が残されただけで殆んどが布の組織点でナイ フでスッツと切った よ う に 切 断 さ れ て い る. 欠除 さ れ た 部 分 は 8mm 位の穴があき,その廻りが若干の毛羽立ちがみえ, 光沢を失い 白くなっている 第4図 形. 原. 僻 ま 老 き 齢多 総 理 謬 奪 漉 ※. ^ 乙. 第. 1. 段. 階. レ. ヨ. ー 4. ン 第. 3. 段. 階. 最. 終. 段. 階. ・ 蓑. 5. 増 第 2 段-- !. ぎ て . 5). . . ア セ テ ー ト. アセテー トの損傷過程の第1段階 (5図の2) は、 経糸の 一部に一本おき に切断された同所がみ え, 他の経糸は殆ん ど変化はない が繊維が若干おしひろげ られた状態である. 緯糸は一本おきに摩 耗されて細くなり, 一部切れた切口の 繊維が上方につんとむいている, 第2段階は損傷部の中心点 (22. ).
(8) . 池. 田. ヨ. シ. エ. に近い所で経糸が殆んど摩耗され乱れて プツンと切れている, 緯糸は. 3, 4. 本の繊維 が残り細くな. り, いりみだれている(5図の3) . 第3段階 (5図の4) では経糸の殆んどが組織点で切断 し緯糸 は摩耗され細く ばらばらになり, 中には 2, 3 本の繊維だけを残し, まさに切断一歩手 前 の も の 切断口は経緯糸共に組織点で少しのみだれもなく ポッリと 1cm 強の正方形 もある, 最終段階では‐ に穴 が あ き, レー ヨ ンと 同様 そ の 廻 り は 光 沢 を 失 い 白く な っ て い る. 又 切断面 の 一部 に は (5 図 の. 5) の如く長短 がはっきり出ているのもある. 第5 図. ア. セ. テ. ー. ト. 形. 4. 第. 2. 第 1 段 階. 5. 最 終 段 階. 3. 第. 原. . 2. 段. 階. !も . (23). 3. 段. 階.
(9) . ・究 被 服 の 損 傷 に 関 す る 餅 6). ナ. イ. ロ. ン. 耐久値は表1の如く種のうちで最小であるが単位断面積強度では表2の如く 最高である. 次に損 傷過程の第1段階は非常にきたなくひきむしった状態を呈している. 緯糸の方が経糸より早く 切断. されているが 摩耗はみ られず. 経緯糸共伸びとゆがみ (6図の2) がめだち, 損傷部の中 央付近の 一カ所が切断されそれらの切れた長い繊維がばらばらになって乱れている. 最終段階(6図の3)に 於ては其の切断面はひきちぎった状態で穴はあかず, 鳥の巣のように雑然と して乱れ合っている. 第6図 1. 原. 2. 第. 7). ビ. ニ. ロ. 形. 1. 段. ナ. イ. 3. ロ. ソ. 最 終. 段 階. 階. ン. ビ ニ ロ ンの 損 傷 過 程 の 第 1 段 階 (7 図 の 2- ) は経緯糸共に伸 びがみ られ若干糸と糸とに空間が出. 来, 一部に撚りの戻りもみえる. 第2段階に於ては布のゆがみが 大きく, 更に撚 が戻って繊維がみ だれ糸のやせ (7図の3) もめだっ. 第3段階 (7図の4) では経緯糸共に摩耗し繊維がばらばら 切断され其の切断面 となり. 又緯糸のゆ がみが一層大きくなっている. 最終段階に於ては組織 点で‐ は 経 緯 共 に む しり と っ た よ う に ボ サ ボ サ と 乱 れ (7 図 の 5) 一 部 は か らみ 合 っ てい る. 欠 除 さ れ た. 部分は8mm位の正方 形の穴があいている.. (24).
(10) . 池 第7図. 2. q ノ. 田 ビ. ヨ ・ ン 二. エ 口. 、 ソ. 原. 形. 4. 第. 第 1 段. 階. 5. 最 終 段 階. 第 2 段. 階. 3. 段. 階. 8) カ シ ミ ロ ン 耐久値は表1の如く最高であるが, 単位断面積強度は表2の如く3位である, 次に損傷過程の第 1段階は緯糸の 一部にその 糸のやせ及びばらつきがみえるが, 大部分は変 化がない(8図の2) .第 切れそうになっているが, 経糸は原形 (8図の1) 2段階では緯糸が摩耗さ れ (8図の3) 一部で‐. と同じで撚も戻 らず丸みもある. 第3段階 (8図の4) は緯糸が摩耗し切れているが, 経糸は一本. おきにすりへり, 繊維 5, 6 本で連がっているが撚は戻っていない. 第4段階 (8図の5) は緯糸 は大体切断されて経糸のみ が 摩耗され繊維がみだれやせている. 第5段階は経糸が更に細く 摩耗さ. れて い る(8 図 の 6), 第 6 段 階 は 経 糸 が 増 々 細く(8 図 の7)繊 維 2 , 3 本 で か ろ う じて も っ て い る,. 最終段階に於ては緯糸はあとかたもなく組織点でポッリと切れている. 経糸は一部極細で残ってい (25).
(11) 被 の 損 傷. 図. . ▲. 原 灘 耀 ‘ 灘. 、 品 ま. 灘 . . こ. 力 シ. 関 . る 研 ロ. . っ ム. に. ” ). ,. 4 i. 26 . . ソ. 4 ▲ く ( .
(12) . .. 田. 池. ヨ. シ. エ. る所もあるが完全欠除された部分は 8mm 位の穴があき, 経糸の切断面の 一部には毛羽立ち (8図 の8) が みえる. なお損傷部の廻りの組織にも毛羽立ち がある, W. 察. 考. 木綿・耐久値が第2位にあることは, 吾々の通念を一応裏付ける所であるが単位断面積強度 が下位に近いと云う事は, 同一厚さの他の布に比 べて、 一概に強いと云い得ない. この 点で羊毛, 1. ビ ニ p ソ等同一傾向と して云える事は摩擦が短繊維をひっかき. , 毛羽立たせ糸の繊維の撚を乱 して 強度を低1 させるものと考える, しか しカシミロ ソのみが短繊維であ りなが ら上位に近い強度を示 している事は, 繊維の質的な強度と更に弾フナ性が大きい為摩擦の損傷がやわ らかくあたるので上 位 の数値が 出たと考え られる, 長繊維の中でアセテートが最も弱いのは, 繊維の質的なもろさと全然 撚がかけ られてない為におこる繊維の脱落が早く起き, 非常に弱くなっていると考えた. 2 各試料についてそれぞれの厚さと耐久値をみると9図の如く殆んどが相関関係にあることば 当 然の 事 の よ う で あ る が, 只 羊 毛 と カ シ ミ ロ ソは そ の 関 係 が 破 れ て い る こと に 注 目 す べ き で, 先 ず 毛の場合はスケ. ルの為に糸の密度が疎になり即ち厚さの割に繊維の数が少いので遂に耐久値も低. 下するものと 考え られる, カシミロ ソの場合は羊毛と逆に厚さの割に耐久値が高いのは前述の如く 弾性 に富 んでい ること に よ っ て損 傷が. 第9図 厚 さ 対 耐 久 値 比 較. 臨写2罰 き コ厚 ー ‐. ーーー「 ー耐久値 ー. 少い為と考え られる 3. 各試料とも殆んど緯糸が 始めに. 多く損傷している 事は摩擦抵抗が大な る 為 と 考え られ る が, 尚 こ の 損 傷 は エ. メ リ ペー パの 微粒 子に よっ て釣 の 如く. 個々の繊維が張力及び屈曲によるもの ー し- -コ ン ノ ーフ ート. と 思わ れ る, ア セ テ ー トの 場合 は 繊維. ロン. ロン が質的にもろい為に微粒子がやすり即 が始めに摩耗 次に張力がかかって損傷 し (切断) すると 考え られる故に 接摩擦で個々の繊維 ち直 ,. これは個々の繊維のうち, 同一部分が摩擦面に接する機会の多いものか ら損傷されることになるの. で, 経糸 が始めに損傷する所以も考え られる. 4 糸の切断に当って各繊維殆ん どが同一部分で, ポッリ と切断されたタイ プと, 各繊維が不捗 に切断され, なだらかな切れ方を したタイ プがあったが, 前者は緯糸に多くみ られた事によっても. 前述の如く緯糸の 繊維が摩耗と云うよりは張力及び屈曲により損傷された事が考え られ, 又後者は 経糸にみ られた如く繊維 が直接摩擦により摩耗された事と考えた, 5 損傷の過程に於 て経糸或は緯糸 が先に欠除 して, 残った緯糸或は経糸に組織点の根跡が絹, ト, し ヨ ソに 認 め られ, 即 う波状がみ られたが これら試料の波山の一方側は摩擦抵抗 アセテ ,. が 大 で あ る に も か か つらず, レーヨン等の単位断面積強度が上位 (表2) なることは繊維の摩擦強 度 が 犬 な る 事 が 考え られ る. 尚 レー ヨ ンと ア セ テ ー トの 波 状 を 比 較 す る と, ア セ テ ー トの 方 が 角 ぼ. り従って摩擦抵抗も更に大きい筈である.. 木綿, 毛, アセテー トの損傷過程に於て, 概 して前二者は緯糸が後者は経糸が夫々一本おき に損傷され切れている事が顕著に認め られたが, これは摩擦面が 全く 平面でなく曲面となっている 6. ので中央の高い 部分にあたる組織点が強く摩耗 し切断されたと考えられる. なお前二者は短繊維で しかも繊維形態が 摩擦抵抗を 受けやすいし, 後者は前述の如く 質的にもろい事が 原因と 考え られ る. (27).
(13) . 被服の損傷に関する研究 V. 1 2 3. 要. 摘. 木綿, 毛, ビニロン等短 繊維の布にあっては, 同一厚さの場合摩擦に よる損傷は大きい. 毛, カシミロ ソ等を除いては殆ん ど厚さと耐久値は相関関係を 有する. 摩擦により組織が損傷する時経緯糸 が同時に損傷されず, い づ れか 一方が先に, 多くの場合. 摩擦方向に直角の糸か ら損傷を 受ける. 4 摩擦方向に直角の繊維は張力及び屈曲により, 平行の繊維は摩耗により損 傷される. 5 経緯糸に組織点の根跡を残すような繊維は摩擦抵抗 が大きい, 6 短繊維織物の損 傷過程で, 先に欠除 していく 糸は先ず一本おきに 損傷欠除されていく. なお, この実験 に使用 した人造繊維の 試料4ま日本化学 繊維協会の御好意により試験布として御寄 付いただいたもので厚く感謝す る.. 献. 文 新井幸長; 紡織試験法の理論と実際. 宮坂和雄:繊維工業試験法 松川哲哉, 真島正市共編:被服材料, 機構学 55 池田ヨシエ:北海道学芸大学紀要第6巻第2号, 19. (28).
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