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最終場面の「すれ違い」を的確に捉えるため,本文画面を使い
兵十の行動と会話文にマーカーを引いていった(●B)。会話文は
「ようし。」→「おや。」→「ごん,おまいだったのか。」と変化する。
何よりも注目すべきは,兵十が見たものの順序だ。そこで「ごん
を撃ったあと,兵十はごんにかけよったのですか?」と発問し,兵
十の視線を追っていく。まず見たのは「家の中」,そして「土間」に
くりが置かれているのを見て,最後に「ごん」に目を移す。この順
序の意味について話し合うことで,児童は,兵十がごんの思いを
知ることなく撃ってしまったと気づいていった。
ごんぎつね
読んで考えたことを話し合おう
視点の移動などの多様な読み方を知ろう
視点の入れ替わりを板書で表そうとすると骨が折れる。大判プリントに傍線を引くことが想定できるが,今回の「ごん
視点の挿入」は意図的に色の塗り直しをしたので,デジタル教科書の強みが発揮された。本文の記述に即して誠実に
読解をするためには,教科書画面や本文画面で言葉を共有することが欠かせないと再確認した。
国語デジタル教科書
を活用した感想
▶
国 語
4年下
●
学習のねらい
●
◎ 文章を読んで,考えたことを発表し合い,互いの考えの共通点と相違点を考えながら話し合うとともに, 一人一人の
感じ方の違いに気づくことができる。
○ 場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,情景などについて,叙述をもとに想像して読
むことができる。
○ 視点の移り変わりを的確に捉え,効果的な表現について読みを深めることができる。
●
学習の流れ
(全14時間)
第1次
(2時間)
全体の流れをつかみ,学習の見通しを立てる。
① 全文を通読し,初発の感想をもつ。
② 初発の感想を共有し,読み深めたいことを話し合う。
③ 全体の流れをおさえたうえで,全6場面からなることを確認する。●
A
作者の他作品に触れ,作品の読みを深める。
① 作者の他作品を通読し,感想を100字程度で書く。
② 作品を読み深める。
③ 「ごんぎつね」との共通点を読み取り,まとめる。
第3次
(3時間)
切ないなぁ……。
「これ,ごんにかけよったわけじゃないよ」「だって,まず家の中を
見回してるもん」「切ないなあ」など,児童は本文の記述をもとに,兵
十からごんへの思いやりの無さを明らかにしていった。本文を通し
て描かれているごんの思いとのギャップに打ちひしがれる児童。し
かし,この読み取りが,「おまいだったのか」にうなずくごんの健気さ
をより深く味わうことにつながった。
児童の反応
第2次
(9時間)
読み深めたいことにせまるため,詳しく読んで話し合い,感想をまとめる。
① 登場人物の行動や気持ちの変化を中心に詳しく読む。
② 第6場面を読む。兵十の見たものに着目し,兵十とごんのすれ違いと通い合う心を読み取る。●
B●
C
③ 第6場面の視点の移動を捉える。視点が動いたことでどのような効果があるのかを話し合う。●
D●
E
④ 最後の一文を味わう。煙が立ち上る様子をイメージし,この一文の効果を考える。
⑤ 物語冒頭の一文の意味について考える。また,第6場面のあとで,兵十がごんのことを加助に話すとしたら,どんな
会話になるかを考えて書く。
⑥ 詳しく読んだあとの感想をまとめ,共有する。
●
「国語デジタル教科書」活用の具体例
早い段階で物語の全体像を捉えようと,挿絵タブの「挿絵カー
ド」で並べ替えを行った(●
A)。言葉でストーリーをなぞると時間
を要するが,挿絵を並べ替えながら展開を追うと短時間かつ視
覚的にストーリーを把握できる上,動作を伴うので印象に残りや
すい。このときペアトークを活用すると活発な話し合いとなる。
また並べ替えと同時に場面分けの線を入れると,より明確に本
時の目的を達成できる。この場面分けした画面を印刷して児童
に配布し,ノートに貼り付けさせ,どのような場面だったかのメモ
を書かせた。
全体の流れをおさえたうえで,全6場面からなることを確認する。
第1次 ③
A
▼
▼
「ごんぎつね」の最終場面は話者の視点が移動することで名高
い。全編を通して,ほぼ「ごん」に同化していた話者が,第6場面
の途中から突然「兵十」に寄り添う。本時は,その劇的な変化を
色分けすること(●
D)で確かめていった。
ごんの視点を青,兵十の視点を赤で引いていったところ,ごん
が倒れたあとの「兵十はかけよってきました」という一文が問題
となった。授業の中では一旦赤で塗ったあと,この一文はごんの
視点であるということで青に塗り直した。視点が目まぐるしく変
わり,緊迫感が増すこのシーンを,視覚的に「見える化」すること
で議論は白熱した。
D
葬列を見て反省したんだね……。
「葬式の列を見たから反省したんだよね」「兵十と加助の話を盗
み聞きする場面は,最後の栗につながるはずだから……」など,児
童は相談をしつつ並べ替えを楽しんだ。まだ内容はあまり定着して
いないが,挿絵を見ながら考えを整理することができたようだ。
児童の反応
挿絵タブ:
挿絵並べ替え,書き込みツール(直線)
第6場面を読む。兵十の見たものに着目し,兵十とごんのすれ違いと通い合う心を読み取る。
第2次 ②
C
B
本文タブ :
書き込みツール(ペン・直線)
第6場面の視点の移動を捉える。視点が動いたことでどのような効果があるのかを話し合う。
第2次 ③
ごんが心配でどきどきする……。
「急に兵十に視点が移ったから,ごんが心配でどきどきする」「兵
十は分かってないなぁ,もう!」「兵十はかけよってきましたって,倒
れてるごんの視点だよね」……児童は視点の移動を意識することで
新たな読みを手に入れていた。また,わずかに挿入される「ごん視
点」について「自分にかけよってきてくれたと思ったのは,信頼関係
をつくりたかったごんの願いだ」「ごんがまだ生きていることの証明
だ」などと意味づけた児童もいた。緊張感が走る場面の仕組みが
視覚的に理解でき,納得が高まったようだ。
児童の反応
E
本文タブ :
書き込みツール(直線),スクロール
実践事例 ● 4 年下 「ごんぎつね」 実践事例 ● 4 年下 「ごんぎつね」