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JAIST Repository: 研究開発投資の複雑性(日本型技術経営システムのダイナミズムの解明(4))

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Academic year: 2021

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(1)

Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

研究開発投資の複雑性(<ホットイシュー>日本型技術経

営システムのダイナミズムの解明(4))

Author(s)

谷澤, 審哉; 渡辺, 千仭

Citation

年次学術大会講演要旨集, 19: 417-420

Issue Date

2004-10-15

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/7110

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2G09

研究開発投資の 複雑,

[ 生 0 谷津 審哉 ( 東工大経営システム 工学 ) , 渡辺千個 ( 東工大社会理工学 ) 1. 序論 研究開発を取り 巻く現状 は 、 問題点としては 次の ようなものが 考えられる。 (1 ) 成果が生まれないかもしれない. また、 成果 が 生まれて t, それが製品に 結びつくとは 限ら ない, ( 不確実,「 生 ) (2) 研究開発投資は 高水準を維持するも、 研究明 発効率は低下している。 りし 円 研究開発 甘 / 設僻投黄甜 の 比申

設傭投寅抽 (47 目性 @ r1.3 1 . 2

l .O O.9 0 ・ 托 O. 7 0 . 6 1980 81 t く 2 833 84 85 86 57 ヰ二 (3) 研究開発の成果‥は 陳腐化を免れない 図 ] 設備投資と研究開発投資 (4) 現在、 研究開発は白前だけではできない 出所 児玉 l99l 規模化、 細密化 ) 本稿では以上のような 問題点を ヂ 一夕と照らし 今わせながら 議論を行 う 研究開発投資 設備投資 2. 日本の成長過程のレビュー l 図。 ん 2.1 日本のキャッチアップモデル 戦後、 日本は欧米諸国に 追いつくと言 う 明確な目 図 2 に 兄 6 通り、 企裳 においては、 研究明光 を ㍉・ 標を持ち、 欧米からの技術導入による 後追いの、 効 い、 それを製, 化 するためには 設備投資を行 う 。 従 率 改良によるキャッチアップによる、 効率的な大匙 って、 研究開発 投臼ヒ 設備投資の比 ヰ を見れば、 成 生産で品質、 コスト、 納期等を改良し 発展を遂げて 艮の段階に対してなんらかの 解釈を行 う ことが, 11 きた。 これらば国民あ げての「キャッチアップモデ 能であ ろと考えられる - 図 l を 兄 ると、 研究開発投 ル 」の成果であ る 臼 額 は - 典して 比拝 している, また、 次第に投 備投 図 1 は 1980 年代の日本の 製造設備投資と 研究開発 資 に対する研究開発 投臼ぴ y 割合をみてみると、 これ 投資を載せたものであ る。 - 般に製造業の 発展過税 t, 徐々に止汗していろ・ このことは、 次に議論ずる をみると、 その発展の始めは 技術の キヤ ソチアップ よ う に、 次第に口木の 技術水準が欧米諸岡に 追いっ 段階にあ り、 従って、 後発国のメーカ - は、 何 射的 いてきていろ 二 とを ぽ映 していると考えられる。 に 産業が先行した 国や地域や企業から 先進しだ技 術を学習し、 それを活用することが 可能であ る, 従 2.2 キャッチアップ モヂル の終焉 ってそこから 得た学習効果をもとに、 相対的に少な し 。 しながら、 ㈹ り 0 年代を迎え、 日本 が キャッチ い 研究開発投資と 相対的に大きな 設備投資で利益 アップ段階を 経て技術フロンティアの 段階になる をあ げることができる。 レ

-

今までの後追い 型の研究開発ではなく、 あ る 意

(3)

味 、 真の研究開発に 従事しなければならなくなる。 それを支えるためには、 研究開発投資は 高水準を保 っか、 あ るいは増やす 必要があ る。 さらに、 得られ た、 研究開発成果を 設備に体化することも 容易では なくなる。 以前のようにあ る程度実証された、 研究開発の成 果をそのまま 持ってくるわけにはいかず、 試 7 「 i 箭 " していろいろな 研究開発を試みなければならない からであ る。 つまり、 日本の技術水準が 高くなりが 西欧に追いついてしまったことで、 皮肉にもキャッ チアップモデルは 限界をきたしてしまった。 3. 研究開発投資を 取り巻く現状 3,1 研究開発効率の 低下 表 1 は日本の主要な 製造業における 研究開発 投 俺の 効率を ボ したものであ る。 計算方法は次に 示 す通 /) であ る。 研究開発の効率 = (5 年間の累積営業利益 キ その 5 午前の累積研究開発費 ) 1988@ 1989@ 1990@ 1991@ 1992@ 1993@ 1994 企業名 ∼ 92 ∼ 93 ∼ 94 ∼ 95 ∼ 96 ∼ 97 ∼ 9 日 住友電工 173 158 138 116 110 108 112 NEC 44 34 25 21 21 26 33 東芝 71@ 58@ 38@ 35@ 39@ 37@ 39 ソ一 一 - 43 24 12 3 14 23 32 松下電産 51@ 42@ 32@ 24@ 21@ 22@ 26 トョタ 154 120 88 59 63 79 93 シャー プ 63@ 65@ 62@ 59@ 58@ 52@ 45 キヤノン 110@ 93@ 80@ 82@ 93@ 106@ 121 ブリヂストン 304 274 2 目 228 216 210 226 表 1 日本企業の研究開発の 効率 発の効率は低下していることを 目にとることがで きる。 にのような状態の 中で、 キャノンが研究開 発の効率を ヒ げていることは 注目に値する ) 次に図 3 を見てみる。 図 3 は日本の製造業全体に おける研究開発収益率を 示したものであ る。 変動こ そあ るが、 - 買 して現象のトレンドが 見られる。 特 に 1990 ギ - 代に入り、 また下落している。 45 40 @ ま︶ 舟穎邸 つ % ヱ

1960 1965 Ⅰ 970 1974 Ⅰ 979 1983 Ⅰ 987 1992 年代 図 3 日本の製造業における 研究開発収益率 出所 参考文献 1 これらを総合すると 一部の例外を 除いては日本の 研究開発の効率は 一貫して低下傾向にあ ることが わかる。 3.2 技術の寿命の 推移 図 4 、 蜂谷 2004 によれば、 研究開発の成果であ る技術の寿命は 徐々に減少している。 80 年代後半に 10 年を下回りその 後も短くなっている。 推定法の間 題 で、 9(@ 年 以降の分析は 発見できなかったが、 この トレンドは 1990 午に 入 りさらに進み、 2000 年以降 も、 とまらない流れであ ると考えられる。 これらを眺めると、 日本の製造業における 研究開 一 418 一

(4)

18 r 642086 ]111 娼蛛 G 鮭坦 % ㏄ 叫 ㏄ ㏄ 87 ㏄ 年次 図 4 技術の寿命 出所 参考文献 4 このことは企業にとって 技術の陳腐化が 早ま このことに対応するためのさらなる 技術開発の重 要性が一段と 高まっていることを 示唆している。 ま た、 さらに技術の 寿命が短くなったということは、 技術の投資に 対する回収期間が 短くなったことも 意味する。 3.3 対応策 上記のような 研究開発投資の 効率の低下、 及び技 術の短命化の 流れに対しては、 どのような手を 打 -C ばよいのだろうか。 企業はいかに 大きくても必要と するすべての 知識・情報を 自社内,更には 自国内の みでまかな う ことはできないという 限界があ る。 つ まりこの問題に 取り組むためには、 自前の技術開発 だけではなく、 スビルオーバー 技術の受容能力を 高 めることが必要となってくる。 以 」二のような 観点か ら以降、 研究開発に対する 企業の行動と 政府の役割 を議論する。 4. 研究開発における 企業の行動と 政府の役割 研究開発投資の 効率の低下、 及び技術の短命化の 流れに対しては 企業の研究開発行動はどのように なるであ ろうか。 また、 それに対して 政府はどのよ うな行動を取ればよいだろうか。 4.1 企業の行動 選択と集中の 罠 企業の研究開発投資においては、 過度な選択と 集 中は危険であ る。 企業における 研究開発投資はそこ からの実質的な 成果のみならず、 間接的なリターン をも含むからであ る。 実質的な成果とは 研究開発の 成果であ り、 間接的リターンとはスピルオーバー 技 術の受容能力であ る " もし同化能力が 低下した場合、 研究開発の停滞 停 滞 してしまう。 80 年代、 様々な企業が、 バイオ、 エレクトロニク スへと多角化した。 このときは、 技術多角化は 概し て売上高営業利益率を 阻害していた。 ( 選択と集中 を 奨励 ) 。 そして 1990 年代に入り次々に 本業に回帰 した。 しかし、 その後、 最近においては、 技術多角 化が売上高営業利益率に 貢献しているような 現象 が見られる。 つまり、 むやみな、 選択と集中ではな く スビルオーバー 技術を体化するための 能力を維 持すべく、 適度に技術多角化が 必要であ る。 4.2 研究開発における 政府の役割 企業が研究開発を 行 うに 当たって,政府が 中核的 役割を果たすことが 必要であ ることは言うまでも ない。 しかしその中でも、 特に基礎科学研究に 対す る 投資は重要であ ると考えられる。 基礎科学研究は , 新しいアイデア ,方法、 技術、 製品のシーズとして 不可欠なものであ る。 基礎科学研究の 発展は、 イン ターネットのような 情報技術や遺伝子工学などの バイオテクノロジ 一における多くの 成果などのよ うに昇華してきた。 しかしながら、 基礎科学の研究を 行 う 上でのリス クはあ まりにも大きい。 長い懐妊期間,高いコスト、

(5)

要求される規模、 および不確実性が 存在する,この リスクを企業だけに 背負わせるのは 得策ではない。 企業は短期的な 利益も追求しなければならない - か らであ る。 従って政府は、 このように不可欠であ る が 、 不確実性の高い、 長期的研究に 対する支援を 続 け、 安定的にイノベーションの 核となる基礎科,研 究の成果を供給することが 必要であ る。 5. 結論

(1)

日本の研究開発効率は 低下し、 さらに技術の 寿命も短くなっている。 (2) 従って、 外部のスピルオーバー 技術をいかに 体化するかが 鍵 となる。

(3)

研究開発においては、 いたずらな選択 ヒ 集中 は避け、 他 企業、 他国からの ス ヒルオーバー 技 術 をするためのアンテナとすべく 適度に技術 多角化することも 重要。

(4)

技術のシーズを 確保するために、 長期的な視 野に立った基礎科学研究にたいする、 投資を

+-

分 に確保する 必 、 要があ る。 (5) そのためには、 長期的な視野に 立っことがで きる政府の十分な 支援が必、 要であ る「 6. 今後の展望 今回議論では 既存の ヂ一タと 分析を用いた 議 論が多かった。 従って、 以降次のような 発展的研 究を進める予定であ る。 第一はグローバルなスピ ルオーバ一同化能力の 検証 ( モデルの構築と 分 析 ) であ る。 研究開発が深化、 精敏化し、 さらに グローバル化の 時代のなか、 いかに自前の 技術と 外部の技術を 融合させるかが 重要であ る。 従って グローバルなスビルオーバ 一同化能力が 今後の 日本の発展の 鍵を握っていると 考えられる,第二 は日本の学習能力の 検証であ る。 日本の発展 期と 停滞 期 とされる

T990

年代、 そして

2000

年以降の 学習能力の分析を 行い、 どのような違いが 存在す るかを明らかにしたい。 参考文献 1 . 渡辺 千仮 「技術革新の 計量分析」 日 科技

2. 渡辺千帆・宮崎久美子・ 勝木雅称「技術経済論」 日 科技連 1 卵 8 3. 渡辺 千何 技術メタボリズムの 視点に立った 技 術 経営戦略の構築 FRI R ㎝ iew l999.7 4. 蜂谷義昭 「技術の寿命は 縮まっていろか , 日本政策投資銀行 経済・産業メモ 2004 5. 榊原清刷・辻本将晴「日本企業の 研究開発の 効率はなぜ 低 ドしだか」 ESRlDiscussionPaper 田 nie.S ¥0. 仰 2003 6@ , JEAN@GL@INF/T@AND@DIRK@PILAT@ FOECD@Observe] 口木語版 イノベーション 推進の重要, 性 」 2003 7 . 1,surd 口木酪農乳業協会 2003 8. 出川 通 「技術経営の 考え方」 光 文社 2004 9. 後藤 兄 「イノベーションと 円本経済」岩波新 苦 2000 一 420 一

参照

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